JPH0428957Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、空圧打撃式掘削装置のユニツト掘管
に係り、特に水中で掘削を行なう掘削機の空圧打
撃式掘削装置の上部に連結されて、地上の駆動装
置により回転と昇降が与えられて同装置に圧力エ
アを供給すると共に供給されたエアを水面上の地
上に排出し、且つ同装置の掘削作業により生じた
泥水等を排出するための空圧打撃式掘削装置のユ
ニツト掘管に関する。

〔考案の背景〕

空圧打撃式掘削装置には１本又は複数本のエア
ハンマドリルが設けられ、このエアハンマドリル
にはビツトを先端部で軸方向に摺動自在に支持す
る円筒場ケーシングと、ケーシング内で軸方向に
摺動自在に支持する円筒状ケーシングと、ケーシ
ング内で軸方向に摺動自在に支持されその下端部
でビツトを打撃するピストンとから構成されてい
る。ピストンの上下には圧力室が形成され、上下
の圧力室は交互に外部からの圧力エアによつて加
圧されピストンを連続的に上下動させている。

従来ピストンの作動に利用した圧力エアは、ビ
ツトの先端から噴出され、この噴出エアはビツト
の歯先を洗浄すると共に掘削したスライム等を地
上に吹き上げ除去しながら掘進する。エアハンマ
ドリルは、圧縮エアを利用するため高い衝撃力が
得られるので岩盤の掘削に通常用いられる。

しかしながら、水中で使用する場合このような
従来のエアハンマドリルでは種々の不具合を生じ
る。例えば海中や川やダム等の水中で掘削する場
合水頭圧がビツトの先端にかかり泥水等がエア圧
力室に逆流して浸入するため打撃ドリルが作動不
能になつてしまう。また水頭圧が噴出エア圧に達
しなくても、作動エア圧力はこの水頭圧に左右さ
れるのでピストンの打撃エネルギーが低下しビツ
トを充分に打撃することができなくなり掘削効率
が悪くなる不具合がある。而して、エアハンマド
リルの打撃エネルギーを損なうことなく水中で使
用するためには、排気エアを孔内水中に放出しな
いで地上に還元することによつてエアハンマドリ
ルの使用が可能となる。そこで、このような水中
で使用される空圧打撃式掘削装置には、前記圧力
室に圧力エアを供給する給気管の他の供給された
エアを排出する排気管及び掘削により生じた掘削
屑を水と共に排出する排出管とから成る掘管が必
要となる。

〔考案の目的〕

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、簡単な構造で多目的通路を備えた掘削効率の
良いユニツト掘管を提供することを目的とする。

〔考案の概要〕

本考案は前記目的を達成する為に、先端部にビ
ツトを軸方向摺動自在に備えると共に地上からの
圧力エアの供給により往復移動してビツトを打撃
するピストンを収納して成るエアハンマドリルを
１本又は複数本備えると共に、前記圧力エアを供
給する給気通路及び前記ピストンの上下動に供し
た圧力エアを地上に排出する排気通路とを具備
し、更に前記ビツト近傍に開口し掘削により生じ
た土砂を排出する排出通路を備えた空圧打撃式掘
削装置の上部に連結されて空圧打撃式掘削装置を
回転及び昇降させる掘管に於いて、前記掘管は、
前記空圧打撃式掘削装置の給気通路、排気通路、
及び排水通路と連通される給気管、排気、管及び
排水管が並設されてユニツトとして構成されると
共に、該掘管の上下端にはフランジが形成されて
該一方のフランジ面にはシール部材が設けられ、
前記給気管と排気管はその上端部が排水管の上端
部より突出されて形成されたことを特徴とする。

〔実施例〕

以下、添付図面に従つて本考案に係る空圧打撃
式掘削装置のユニツト掘管の好ましい実施例を詳
説する。

第１図では本考案に係る空圧打撃式掘削装置の
ユニツト掘管が取付けられた掘削機の施工図が示
されており、海底の表土層１０上には支持杭１２
が建込まれ、ステージ１４が構築されている。ま
た表土層１０の崩壊を防ぐためケーシグパイプ６
２が岩盤上まで建込まれている。このステージ１
４上にはベースマシーン１６に備えられたリーダ
１８が立設され、このリーダ１８にはロープ２０
を介してパワースイベル２２が上下方向摺動自在
に設けられている。パワースイベル２２の下部に
は吸気、排気及び排水通路を備えたスイベル装置
２３が設けられ、このスイベル装置２３の下部に
は給気管２４、排気管２６並びに排水管２８から
成る掘管８０が掘削長に合わせて接続されて一体
的に回動可能に支持されている。この掘管８０の
下端にはシール部材を介してボルト止め等により
次に述べる空圧打撃式掘削装置３０が設けられて
いる。

空圧打撃式掘削装置３０の構造は第２図に於い
て詳細に示されている。空圧打撃式掘削装置３０
はエアハンマドリル３２，３４を有し、これらエ
アハンマドリル３２，３４はケーシング３６，３
６によつて並列的に結束されている。エアハンマ
ドリル３２の下端部はケーシング３６の下部にシ
ール部材４９を設けて固定されると共にビツト４
０がスプライン結合等により軸方向に所定量摺動
自在に支持され、このビツト４０の上方には圧力
エアにより上下動するピストン４２が配置されて
いる。このピストン４２は掘管８０に設けた給気
管２４からケーシング３６に設けた給気通路２５
に送られる圧力エアにより上下動し、ビツト４０
を打撃する。一方のエアハンマドリル３４に於い
てもその下端部にはビツト４４を有し、このビツ
ト４４も図示しないピストンにより打撃されるよ
うになつている。ビツト４０の本体には軸方向の
排気通路４６並びに半径方向の排気通路４８が形
成され、この排気通路４８が空圧打撃式掘削装置
３０の中央部に配置された排気通路５０と連通さ
せている。この排気通路５０は図示しないが他方
のドリルビツト４４に形成された排気通路とも連
通されている。排気通路５０は第２図に示すよう
に掘管８０に設けられた排気管２６に連通され、
地上側にエアを排出するようになつている。

一方、排水管２８はケーシング３６に設けた排
水通路５１に接続されて途中から分岐して排水通
路５２，５２を形成し、この２本の排水通路５
２，５２の開口部５２Ａ，５２Ａは図に示すよう
にビツト４０，４４の近傍に位置している。これ
によりビツト４０，４４により掘削された土砂や
地上に設けたサクシヨンポンプ６６により排水通
路５２，５２を通じて排水管２８に送られ、地上
側に回収されるようになつている。

ビツト４０，４４は相互干渉された状態で降下
され、この為破砕滞や不均一層の掘削に於いても
いづれかのビツトのみが下降して掘削不能に陥る
ようなことはない。

前記の如く構成された空圧打撃式掘削装置３０
は第１図において、ケーシングパイプ６２内に於
いて配置されて掘削する。また排水管２８はリバ
ースライン６４を介してサクシヨンポンプ６６と
連結され、吸引された土砂は分離されて循環水は
再び送水パイプ６８によりケーシングパイプ６２
内に供給するようになつている。また給気管２４
はエア供給ライン７０を介してエアコンプレツサ
ー７２と連結され、圧力エアが供給されるように
なつており、また排気管２６はエア排出ライン７
４と連結され、ピストンの作動に供したエアはエ
ア排出ライン７４から排出されるようになつてい
る。

第３図は本実施例に係る空圧打撃式掘削装置の
ユニツト掘管８０の縦断面図、第４図は同ユニツ
ト掘管８０の平面図である。この空圧打撃式掘削
装置のユニツト掘管８０は、図に示すように所定
の長さの排水管２８と、排水管２８より小径で、
排水管２８と等しい長さで形成された給気管２４
と、給気管２４より大径に形成され、排水管２８
と等しい長さで形成された排気管２６とから構成
され、その上端部及び下端でフランジ８２Ａ，８
２Ｂにより連結されている。更に、空圧打撃式掘
削装置のユニツト掘管８０には、上部フランジ８
２Ａにシール部材８４……がそれぞれ設けられて
いる。空圧打撃式掘削装置のユニツト掘管８０の
排水管２８は空圧打撃式掘削装置３０の排水通路
５１と、給気管２４は給気通路２５と、排気管２
６は排気通路５０とにそれぞれ連通される。従つ
て、空圧打撃式掘削装置３０の排水通路５１は排
水管２８を介してリバースライン６４に、給気通
路２５は給気管２４を介してエア供給ライン７０
に、排気通路５０は排気管２６を介して排出ライ
ン７４にそれぞれ連通される。

また、ユニツト掘管８０は給気管２４及び排気
管２６の上端部２４Ａ，２６Ａが排水管２８の上
端部２８Ａより上方に突出形成されて、フランジ
８２Ａ，８２Ｂにより連結されている。一方、給
気管２４及び排気管２６の下端部に対応する下部
フランジ８２Ｂには、下方に連結される空圧打撃
式掘削装置のユニツト掘管８０の給気管２４及び
排気管２６の前記突出された上端部２４Ａ，２６
Ａを嵌合部２４Ｂ，２６Ｂがそれぞれ形成されて
いる。

前記の如く構成された本実施例に係る空圧打撃
式掘削装置のユニツト掘管の作用は次の通りであ
る。

先ずスイベル装置２３のエア供給ライン７０か
ら供給された圧力エアは給気管２４から給気通路
２５に送られピストン４２を上下動させ、ビツト
４０，４４を打撃して掘削する。ピストン４２を
作動させた圧力エアは排気通路４６，４８を通つ
て排気通路５０に送られ、この排気エアは排気管
２６を通つてスイベル装置２３のエア排出ライン
７４から地上側に排気される。また掘削した土砂
を含む泥水は排水通路５２，５２の開口部５２
Ａ，５２Ａから吸い込まれ、排水管２８及びスイ
ベル装置２３を通つてパワースイベル２２のリバ
ースライン６４から地上側に回収される。

また、本実施例に係る空圧打撃式掘削装置のユ
ニツト掘管は、排気管２６が給気管２４よりも大
径に形成されているので、圧力エアの排出が容易
になされ、空圧打撃式掘削装置３０の掘削効率が
良い。

更に、ユニツト掘管８０は、給気管２４、排気
管２６の上端部２４Ａ，２６Ａが排水管２８の上
端部２８Ａより上方に突出されているので、ユニ
ツト掘管８０を切り離す際に、排水管２８より溢
れる泥水が給気管２４、排気管２６に流入するこ
とがない。また、ユニツト掘管８０は、下部フラ
ンジ８２Ｂに嵌合部２４Ｂ，２６Ｂが形成されて
いるので容易に連結することが出来る。

第５図は本考案の他の実施例に係る空圧打撃式
掘削装置のユニツト掘管９０の構造を示す平面図
である。第５図において、前記第３，４図に示し
た実施例と同一の各部材若しくは類似の部材には
同一の符号を付し、同一の説明は省略する。

第３図に示したユニツト掘管８０において排気
管２６を１本としたが、本実施例における空圧打
撃式掘削装置のユニツト掘管９０は排気管２６を
２本設けてある。本実施例に係る空圧打撃式掘削
装置のユニツト掘管９０は、排気管２６が２本設
けられているので圧力エアの排出が容易になさ
れ、空圧打撃式掘削装置３０の掘削効率が良い。

また、このユニツト掘管９０に排気管２６を２
本設けたが、２本の排気管２６，２６の内１本を
エアリフト用給気管としても良い。この場合、前
記ユニツト掘管９０は、エアリフト用給気管を空
圧打撃式掘削装置３０の排水管２８に連通し、別
のコンプレツサーで排水管２８内に圧力エアを供
給する。

〔考案の効果〕

以上に説明したように本考案に係る空圧打撃式
掘削装置のユニツト掘管によれば、排水管、給気
管、排気管が並列に設けられているのでエアハン
マドリルの作動に供したエアを地上に還元出来る
と共にリバース循環工法により掘削屑を泥水と共
に排出できるので海水等の水中においても大孔径
のエアハンマドリルによる効率のよい掘削が可能
となる。

また、本考案に係る空圧打撃式掘削装置のユニ
ツト掘管は、給気管、排気管の上端部が排水管の
上端部より上方に突出されているので、ユニツト
掘管を切り離す際に、排水管より溢れる泥水が給
気管、排気管に流入するのを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の施工図、第２図は本
考案に係る空圧打撃式掘削装置のユニツト掘管が
取付けられた空圧打撃式掘削装置の断面図、第３
図は本考案に係る空圧打撃式掘削装置のユニツト
掘管の断面図、第４図は同空圧打撃式掘削装置の
ユニツト掘管の平面図、第５図は他の実施例に係
る空圧打撃式掘削装置のユニツト掘管の平面図で
ある。 ２４……給気管、２４Ａ……給気管上端部、２
４Ｂ，２６Ｂ……嵌合部、２６……排気管、２６
Ａ……排気管上端部、２８……排水管、２８Ａ…
…排水管の上端部、８０，９０……空圧打撃式掘
削装置のユニツト掘管、８２……フランジ、８４
……シール部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 先端部にビツトを軸方向摺動自在に備えると共
   に地上からの圧力エアの供給により往復移動して
   ビツトを打撃するピストンを収納して成るエアハ
   ンマドリルを１本又は複数本備えると共に、前記
   圧力エアを供給する給気通路及び前記ピストンの
   上下動に供した圧力エアを地上に排出する排気通
   路とを具備し、更に前記ビツト近傍に開口し掘削
   により生じた土砂を排出する排水通路を備えた空
   圧打撃式掘削装置の上部に連結されて空圧打撃式
   掘削装置を回転及び昇降させる掘管に於いて、 前記掘管は、前記空圧打撃式掘削装置の給気通
   路、排気通路、及び排水通路と連通される給気
   管、排気管、及び排水管が並設されてユニツトと
   して構成されると共に、該掘管の上下端にはフラ
   ンジが形成されて該一方のフランジ面にはシール
   部材が設けられ、前記給気管と排気管はその上端
   部が排水管の上端部より突出されて形成されたこ
   とを特徴とする空圧打撃式掘削装置のユニツト掘
   管。