JPH0547817Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はボーリング用ドリルロツドの先端に装
着し、圧気で駆動して給進する偏心形ダウンザホ
ールドリルに関するものである。

［従来の技術］ 従来のダウンザホールドリルは、ドリルロツド
の先端に連結されたケーシング内に圧気によりバ
ルブ機構を介して軸方向に往復駆動されるハンマ
ーを備え、かつケーシングの先端に該ケーシング
と略同径に形成されたビツトを装着し、上記ハン
マーによりビツトを打撃しつつ、地上の掘削機に
よつてドリルロツドを回転・給進させて掘削を進
めるように構成されている。

［考案が解決しようとする課題］ 従つて、上記ダウンザホールドリルにおいては
ビツトの外径と掘削径（掘削孔の内径）とが略同
形になるため先端面が掘削孔底の全面に当るビツ
トを使用する必要がある。そのためハンマー及び
バルブ機構等の打撃装置も大形で重量が重く、取
扱いが面倒であつた。また、ビツトの周縁部に設
けたチツプ（以下、ゲージチツプという）全部に
常に負荷がかかるため、このゲージチツプの寿命
が短いという問題もあつた。

本考案は上記実情に鑑みてなされたもので、ビ
ツト等の打撃装置を小形化することができると共
に、ゲージチツプの寿命が長くなるようにした偏
心形ダウンザホールドリルを提供することを目的
とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本考案は、ドリルロ
ツド先端に連結されたケーシングと、 該ケーシングの軸心に対し偏心して配設され、
回転自在で、かつ外径が掘削孔に内装すると共に
該偏心掘削半径より大なる外径を有するビツト
と、該ビツトを打撃するハンマーと、該ハンマー
を圧気により往復動させるバルブ機構とを具備し
た１本の打撃装置と、 該打撃装置と前記ケーシングの軸心をへだてて
相対した位置に配設されたダミービツトより成る
ことを特徴とする第(1)の請求項と、 ドリルロツド先端に連結されたケーシングと、 該ケーシングの軸心に対し偏心した位置に配設
され、回転自在で、かつ外径が掘削孔に内接する
と共に該掘削孔半径より大なる外径を有するビツ
トと、該ビツトを打撃するハンマーと、該ハンマ
ーを圧気により往復動させるバルブ機構とを具備
した１本の打撃装置と、 該打撃装置と前記ケーシングの軸心をへだてて
相対した位置に配設された回転自在なローラービ
ツトより成ることを特徴とする第(2)の請求項とよ
り構成される。

［作用］ ハンマーによるビツトの打撃及びケーシング全
体の回転・給進により掘削が進められるが、その
場合において、上記ビツトはケーシングに対して
回転自在であるから、ケーシングと共に回転（公
転）しながらビツト自体も回転（自転）して掘進
する。従つて、小径のビツトを使用しても大径の
掘削孔を得ることができる。

［実施例］ 第１図及び第２図は本考案の第(1)の請求項の一
実施例を示したものである。

図中、１はトツプサブ４を介してドリルロツド
（図示せず）に連結されるケーシングで、その先
端面の外周寄りの一部にはチツプ３を備えたダミ
ービツト２が一体に突設されている。該ケーシン
グ１先端面の上記ダミービツト２と反対側の偏心
部には円孔５が穿設されており、打撃装置１０が
ドライブシユー１１を介して嵌合している。該打
撃装置１０は従来公知のダウンザホールドリルの
ものと同様の構造で、外管１２の内部には図示し
ないバルブ機構、ハンマー等が備えてあり、また
先端にはチツプ１４を設けたビツト１３が回転自
在に取り付けられている。このビツト１３の先端
の掘削部１３ａは、その直径がこの装置による掘
削孔半径である掘削半径Ｒよりもやや大となる大
きさに形成されている。１４ａはビツト１３前面
の周縁に形成された傾斜面に設けたゲージビツト
であり、１５はケーシング１の外周面に軸方向に
突設されたスタビライザーである。なお、圧気は
図示しないドリルロツドの入気孔に連通するトツ
プサブ４の入気孔４ａから打撃装置１０に入り、
バルブ機構を経てハンマーを軸方向前後に駆動
し、前記ビツト１３の軸心を通る図示しない通気
孔を経て前部の吐出項１６を通り前方に吐出され
る。

次に、上記ダウンザホールドリルの作動を説明
する。地上から供給された圧気は上記の如くハン
マーを往復動させてビツト１３の基端を打撃す
る。一方、地表の掘削機のドリルヘツドによりケ
ーシング１全体に回転と給進が与えられ、上記ビ
ツト１３とダミービツト２とにより掘削が進めら
れる。その場合において、上記ビツト１３はケー
シング１に対して回転自在であるから、ケーシン
グ１と共に回転（公転）しながらビツト１３自体
も回転（自転）して掘進する。従つて、第２図に
示したように小径のビツト１３を使用しても大径
の掘削径Ｄを得ることができる。なお、ハンマー
を前後に駆動してビツト１３を打撃した圧気は、
前記ビツト１３に設けた吐出孔１６を経てビツト
１３の先端に出て、掘削したスライム（土砂や岩
盤の粉）をケーシング１外側と掘削孔３０内壁及
びこれに接続して地上まで延設したドリルロツド
外側と掘削孔３０内壁との隙間を通り地上へ排出
する。

第３図及び第４図は本考案の第(2)の請求項の一
実施例を示したもので、ケーシング１の先端面に
前記ダミービツト２の代りに、ローラービツト２
ａを支持アーム３１に回転自在に取り付けたもの
である。該ローラービツト２ａは円錐状の表面に
多数のチツプ３ａを設けたもので、掘削時に自在
に回転するため掘削されたスライムが圧気と共に
地上へ排出され易くなる効果がある。その地の構
成及び作用は第１図、第２図のものと同様である
ため説明を省略する。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によれば、ビツト等
の打撃装置を小形化できるため、重量が軽減され
取扱いが容易になると共に、空気消費量も少なく
て済む。また、小径のビツトで大口径の掘削が可
能となる。さらにまた、ビツトは公転しながら自
転するため、ゲージチツプにかかる負荷が軽減さ
れその寿命を伸ばすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第(1)の請求項の一実施例を示
す断面図、第２図はその正面図、第３図は本考案
の第(2)の請求項の一実施例を示す断面図、第４図
はその正面図である。 １……ケーシング、２……ダミービツト、２ａ
……ローラービツト、１０……打撃装置、１３…
…ビツト、１３ａ……掘削部、１４ａ……ゲージ
チツプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ドリルロツド先端に連結されたケーシング
   と、 該ケーシングの軸心に対し偏心して配設さ
   れ、回転自在で、かつ外径が掘削孔に内接する
   と共に該偏心掘削半径より大なる外径を有する
   ビツトと、該ビツトを打撃するハンマーと、該
   ハンマーを圧気により往復動させるバルブ機構
   とを具備した１本の打撃装置と、 該打撃装置と前記ケーシングの軸心をへだて
   て相対した位置に配設されたダミービツトより
   成ることを特徴とする偏心形ダウンザホールド
   リル。 (2) ドリルロツド先端に連結されたケーシング
   と、 該ケーシングの軸心に対し偏心した位置に配
   設され、回転自在で、かつ外径が掘削孔に内接
   すると共に該掘削孔半径より大なる外径を有す
   るビツトと、該ビツトを打撃するハンマーと、
   該ハンマーを圧気により往復動させるバルブ機
   構とを具備した１本の打撃装置と、 該打撃装置と前記ケーシングの軸心をへだて
   て相対した位置に配設された回転自在なローラ
   ービツトより成ることを特徴とする偏心形ダウ
   ンザホールドリル。