JP5128999B2 - 削孔方法、削孔装置及び回転式削孔機 - Google Patents
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Description
前記課題は、本願出願人が提案した特許文献1記載の削孔装置で一応解決できる。
ところが、削孔作業中の振動を測定装置で測定したところ、振動の大きさにバラツキがあることががわかった(図8(b)参照)。その原因ははっきりしないが、例えばエアコンプレッサーから送られる空気圧力や空気量の変動など、何らかの要因で複数のビットのうちのいくつかが、同時に地盤を打撃したものと考えられる。
そこで本発明の目的は、削孔装置の複数のビットが同時に地中または岩石を打撃するのを効果的に防止して、低振動、低騒音での削孔作業を、より効果的に可能にすることにある。
ケーシング内に複数の削孔ユニットを有する削孔装置本体と、前記複数の削孔ユニットに圧縮性作動流体を送る流体タンクを有する削孔装置を使用し、当該削孔装置の複数のビットが地中または岩石を同時に打撃しないようにする削孔方法であって、
各削孔ユニットは内部に往復運動する同じ長さのピストンを有し、ピストンは各削孔ユニットごとに上行程端の位置を異にして各削孔ユニットごとに行程が異なっており、これによって一定時間または単位時間あたりにおけるピストンの往復回数を異にして複数のビットが地中または岩石を打撃するタイミングを変えている、
削孔方法である。
ケーシング内に、往復運動するピストンを有する複数の削孔ユニットを配置している削孔装置を使用して地中または岩石を削孔する方法であって、
ピストンの上昇に伴って圧縮される圧縮性作動流体が所定の圧力に到るときのピストンの上行程端の位置を各削孔ユニットごとに異ならせて各削孔ユニットのピストンは行程を異にし、
各削孔ユニットのピストンの行程が異なることにより一定時間または単位時間あたりにおける各削孔ユニットのピストンの往復回数を異にし、
これによって複数のビットが地中または岩石を同時に打撃しないようにする、
削孔方法である。
ケーシング内に、往復運動をするピストンを有する複数の削孔ユニットを配置している削孔装置であって、
複数の削孔ユニットのピストンは同じ長さに形成され、各削孔ユニットごとに上行程端の位置を異にして各ピストンの行程が異なっており、
ピストンの行程が異なることによって一定時間または単位時間あたりのビットを打撃するピストンの往復回数が各削孔ユニットごとに異なっている、
削孔装置である。
ケーシング内に、往復運動をするピストンを有する複数の削孔ユニットを配置している削孔装置であって、
ピストンの上昇によって圧縮性作動流体が所定の圧力に到るときのピストンの上行程端の位置が各削孔ユニットごとに異なっており、
ピストンの上行程端の位置が各削孔ユニットごとに異なることにより各削孔ユニットのピストンの行程が異なっており、
各削孔ユニットのピストンの行程が異なることより一定時間または単位時間あたりにおける各削孔ユニットのピストンの往復回数を異にして各削孔ユニットのビットの打撃数を異にしている、
削孔装置である。
ケーシング内に、往復運動をするピストンを有する削孔ユニットを配置しているダウンホール式駆動装置を有する削孔装置であって、
前記削孔ユニットは、
ピストンケース内のピストンの上行程端側に設けられているエアディストリビュータと、
ピストンケース内のピストンの下行程端側に設けられている先端側バルブと、
前記エアディストリビュータと先端側バルブの間を往復運動するピストンと、
を備え、
前記エアディストリビュータは、ピストン側に向けて筒形の弁部材を有し、該弁部材は中に流体通路を有しており、
前記先端側バルブは、ピストン側に向けて筒形の弁部材を有し、該弁部材は中に流体通路を有しており、
前記ピストンは、両端面を貫通している流体通路を内部に有し、
前記ピストンが移動してエアディストリビュータの弁部材がピストンの流体通路内面と摺動状態に接してシール状態になるときに、シリンダー内面側、ピストン頂面側、及び前記弁部材を含むエアディストリビュータの内面側とで囲まれたドライブチャンバーが形成され、
各削孔ユニットは、エアディストリビュータの前記弁部材の長さがそれぞれ異なっている、
削孔装置である。
前記いずれかに記載の削孔装置と、該削孔装置に回転運動を与えることができる回転駆動装置とを備えている、
回転式削孔機である。
前記のいずれかに記載の削孔装置を使用した地中または岩石の削孔方法であって、削孔装置に回転運動を与えながら地中または岩石の削孔を行う、
地中または岩石の削孔方法である。
本発明の作動原理は必ずしも明らかではないが一応次のように説明できる。
削孔装置の各削孔ユニットは、公知のダウンホール式駆動装置を有しているが、各削孔ユニットはピストンの行程がそれぞれ異なり、それに伴って一定時間または単位時間におけるピストンの往復回数が異なり、ひいては複数の削孔ユニットのビットの打撃数が全て異なる。
そしてドライブチャンバーに圧縮性作動流体が流入するとピストンは反対方向に急速に移動し、ビットに衝撃を与える。この動きが繰り返して行われるものと考えられる。
(a)圧縮性作動流体が各削孔ユニット内に送られ、各削孔ユニットに内蔵されたピストンが往復運動して削孔のための打撃力を各ビットに与える。
(1)削孔装置の複数のビットが同時に地中または岩石を打撃するのを効果的に防止して、低振動、低騒音での削孔作業を、より効果的に可能にする。
図2は、図1に示す削孔装置の縦断面説明図、
図3は、図1に示す削孔装置の分解斜視説明図であり、エアタンクと、エアタンクから取り外した削孔装置本体を分解した状態で示している。なお、図3においてはエアタンクの基部側(上方側)は図示を省略している。
図4は、削孔ユニットの一つを縦断面して内部構造を表した側面視説明図であり、内蔵されたピストンが上下の往復運動(進退動)している状態を(a)〜(d)で経時的に示している。
図5は、削孔装置本体に収容されている六基の削孔ユニットのうちから選んだ三基の削孔ユニットのリジッドバルブ近傍を拡大した要部縦断面説明図で、リジッドバルブの長さが異なることによってピストンの上行程端の位置が異なることを示している。
図面を参照して実施例の削孔装置について説明する。
図1及び図2に示すように、削孔装置1は全体が略円柱状に形成されている。削孔装置1は、先部側に位置する削孔装置本体2と、基部側に位置する、流体タンクであるエアタンク3を備えている。エアタンク3は圧縮性作動流体であるエアを各削孔ユニットに分配する。
削孔ユニット22の先端側には、各削孔ユニットに対応してそれぞれビット41,42a,42b,42c,42d,42e(以下、全てのビットを指すときは「ビット41等」表記する。)を備えている。
なお、以下、説明の便宜上、中央のビット41に対応する削孔ユニット22aを「中央削孔ユニット22a」といい、周辺のビット42に対応する削孔ユニット22bを「周辺削孔ユニット22b」という場合がある。
(削孔装置本体2)
図3に示すように、削孔装置本体2は、上から順に、接続体21を備えると共にピストンを含む駆動手段等を収容した削孔ユニット22の他、各削孔ユニットを収容する円筒形のケーシング23、各削孔ユニットに対応するドライブチャック24、チャックガイド25、およびビット41等ほかを備えている。
まず、図7に示す削孔作業前の削孔装置1を吊り下げた状態では、図4(a)に示すように、先端のビット41はその自重により削孔ユニット22aの先端へ突出した状態となっている。この状態では、ピストン61の先部側周面部がピストンケース220の内周面に接しており、エアホース351から導入されるエアがピストン61の先部側にまわらない。つまりエアが送られない。これにより、ピストン61が上昇することはなく、言い換えればピストンケース220の基部側へ移動することはなく、ビット41は作動停止状態となっている。
この繰り返されるピストン61の往復運動に伴う衝撃力によって、ビット41が(他の削孔ユニット22bのビット42aも同様に)地盤を打撃し削孔する。
その原理は必ずしも明らかではないが一応次のように考えられ、図4および図5を参照してその動きを説明する。
即ち、図5(a−1)に示す長さが長い(下方への突出長が長い)リジッドバルブ67aの場合は、ピストン61はリジッドバルブ67aと上昇行程の低い位置で接し、更にピストン61が上昇してドライブチャンバー68内のエアを圧縮し、圧縮されたエアの反力とピストン61の上昇力が均衡状態または略均衡状態に到ったときのドライブチャンバー68内の容積(圧縮エアの体積)は、図5(a−2)に示すように大きい。つまり、ピストン61は低い位置で反対方向に向かおうとする。この方向転換の位置、つまりピストン61が下行程端から上行程端に到るまでの行程は短い。
なお、リジッドバルブ67の長さに対応してドライブチャンバー68にエアを送り込むエアー供給口の位置も適宜変更される。
リジッドバルブの長さ92mm、ピストンの行程 85mm
リジッドバルブの長さ90mm、ピストンの行程 90mm
リジッドバルブの長さ88mm、ピストンの行程 95mm
リジッドバルブの長さ86mm、ピストンの行程100mm
リジッドバルブの長さ84mm、ピストンの行程105mm
リジッドバルブの長さ82mm、ピストンの行程110mm
なお、ピストンケース内を上下するピストンの行程は外部からは測定できず、ピストンの行程は設計値である。
その凸状部分が差込部222を構成し、差込部222がエアタンク3の連結体33へ差し入れられて装着される。そうして、エアタンク3から接続体21の差込部222を介して送られるエアによって、削孔ユニット22内の駆動手段が駆動する。
エアタンク3の基端部(図2で上端部)には、エアを導入するための連結ジョイント34が設けてある。連結ジョイント34から導入されたエアは、エアタンク3内のエア貯留部30内に貯留される。符号340は、連結ジョイント34の吹き出し孔を示している。
また、各区画孔3a,・・・は、各削孔ユニット22a,22bの数に対応して設けてある。即ち、区画体300の中心部に区画孔3f(以下、「中央区画孔3f」という場合がある。)が一箇所設けてあり、この中央区画孔3fを中心とする円周上に区画孔3a,3d,・・・(以下、「各周辺区画孔3a等」という場合がある。)が等間隔で5箇所設けてある。
図6は、図2に示す削孔装置のエアタンク内に配置されるエア分配器を示す斜視説明図である。
エア貯留部30内には、連結ジョイント34から供給されるエアを区画体300の区画孔3fに本質的に均等に分配するエア分配器8が設けてある。エア分配器8は、図6に示すように、盃(さかずき)のような形をしている。
なお、本実施例では、支持体82の基端部823(図2で下端部)は区画体300に固定されており、該支持体82内には区画孔3fのみが配置され、その他の各区画孔(例えば図2に示す区画孔3a、3dの各周辺区画孔)は支持体82外に配置されている。
一方、各周辺区画孔3a等については支持体82外に配置されているので、吹き出し孔340から供給されたエアのうちエア分配器8の受部81に当たらなかったエアが直接或いはエア貯留部30の内壁に当たった後、各周辺区画孔3a等へ流入する。
以上のような構成によって、連結ジョイント34から供給されるエアを各削孔ユニットにできるだけ均等に分配するようにしている。このように、エア分配器8は各削孔ユニットにできるだけ均等にエアを分配する観点からは有れば好ましいものである。
図2に示すように、エアタンク3の連結体33よりも基部側(図2で上部側)は、連結体33をほぼ境にして基部側にむかってややすぼまって形成されている。この連結体33よりもやや径小に形成された径小部分36の外径は、後述する回転駆動装置5(図7参照)に設けてある筒状のドライブブッシュ51の内径と合うように作られている。
図7は、削孔装置と回転駆動装置で主に構成される回転式削孔機を示す側面視説明図である。
図7に示す回転駆動装置5は、上記したように削孔装置1に回転運動を与えるものである。回転駆動装置5は、回転駆動装置本体50と、回転駆動装置本体50を支えるアウトリガ52を備えている。上記したように、回転駆動装置本体50は、ドライブブッシュ51を介して削孔装置1を装着でき、削孔装置1に回転運動を与える回転テーブル(図7では隠れて表れない)を備えている。
地盤に杭用の孔を削孔する場合を例に挙げて削孔装置1を備えた回転式削孔機6の作用について説明する。
一方、各周辺区画孔3a等については支持体82外に配置されているので、吹き出し孔340から供給されたエアのうちエア分配器8の受部81に当たらなかったエアが直接各周辺区画孔3a等へ流入する。
従来の削孔装置では振動の大きさが40dbから60dbの間であり、その上振動のバラツキも大きいのに対して、本発明に係る削孔装置1は、20dbから40dbの間であり、振動のバラツキも小さい。
これに対し、本実施例では、削孔する孔に対して径小のビット41等を駆動させれば良いので、一つのビットを上下動させるためのエアの消費量が小さく、その結果、使用するエアコンプレッサーを小型化できる。
2 削孔装置本体
3 エアタンク
3a,3d,3f 区画孔
5 回転駆動装置
6 回転式削孔機
7 ケリーロッド
8 エア分配器
21 接続体
22,22a,22b 削孔ユニット
23 ケーシング
24 ドライブチャック
25 チャックガイド
26 フラットバー
30 エア貯留部
31 ボルト
32 ナット
33 連結体
34 連結ジョイント
36 径小部分
41〜42e,47 ビット
50 回転駆動装置本体
51 ドライブブッシュ
52 アウトリガ
61 ピストン
62 シリンダー
63 チェックバルブ
64 エアディストリビュータ
65 バルブスプリング
66 フートバルブ
67,67a,67b,67c リジッドバルブ
71 支持軸
72 供給管
73 ワイヤ
81 受部
82 支持体
211 孔
220 ピストンケース
222 差込部
224 エア流通路
230 砂
231 筒状本体
232 ピストンケースケーシング
233 先部カバー体
234 基部カバー体
235,236 挿通孔
241 孔
242 回り止め部
251 ボルト
252 ナット
253 凹部
254 凹部
255 取付孔
256 凹部
300 区画体
304 内壁面
331 連結孔
340 吹き出し孔
351,352a,352b,352c エアホース
361 フラットバー
411,421 ヘッド部
412 ボタンチップ
421 ヘッド部
600 仮設足場
821 取入孔
823 基端部
Claims (8)
- ケーシング内に複数の削孔ユニットを有する削孔装置本体と、前記複数の削孔ユニットに圧縮性作動流体を送る流体タンクを有する削孔装置を使用し、当該削孔装置の複数のビットが地中または岩石を同時に打撃しないようにする削孔方法であって、
各削孔ユニットは内部に往復運動する同じ長さのピストンを有し、ピストンは各削孔ユニットごとに上行程端の位置を異にして各削孔ユニットごとに行程が異なっており、これによって一定時間または単位時間あたりにおけるピストンの往復回数を異にして複数のビットが地中または岩石を打撃するタイミングを変えている、
削孔方法。 - ケーシング内に、往復運動するピストンを有する複数の削孔ユニットを配置している削孔装置を使用して地中または岩石を削孔する方法であって、
ピストンの上昇に伴って圧縮される圧縮性作動流体が所定の圧力に到るときのピストンの上行程端の位置を各削孔ユニットごとに異ならせて各削孔ユニットのピストンは行程を異にし、
各削孔ユニットのピストンの行程が異なることにより一定時間または単位時間あたりにおける各削孔ユニットのピストンの往復回数を異にし、
これによって複数のビットが地中または岩石を同時に打撃しないようにする、
削孔方法。 - ケーシング内に、往復運動をするピストンを有する複数の削孔ユニットを配置している削孔装置であって、
複数の削孔ユニットのピストンは同じ長さに形成され、各削孔ユニットごとに上行程端の位置を異にして各ピストンの行程が異なっており、
ピストンの行程が異なることによって一定時間または単位時間あたりのビットを打撃するピストンの往復回数が各削孔ユニットごとに異なっている、
削孔装置。 - ケーシング内に、往復運動をするピストンを有する複数の削孔ユニットを配置している削孔装置であって、
ピストンの上昇によって圧縮性作動流体が所定の圧力に到るときのピストンの上行程端の位置が各削孔ユニットごとに異なっており、
ピストンの上行程端の位置が各削孔ユニットごとに異なることにより各削孔ユニットのピストンの行程が異なっており、
各削孔ユニットのピストンの行程が異なることより一定時間または単位時間あたりにおける各削孔ユニットのピストンの往復回数を異にして各削孔ユニットのビットの打撃数を異にしている、
削孔装置。 - ケーシング内に、往復運動をするピストンを有する削孔ユニットを配置しているダウンホール式駆動装置を有する削孔装置であって、
前記削孔ユニットは、
ピストンケース内のピストンの上行程端側に設けられているエアディストリビュータと、
ピストンケース内のピストンの下行程端側に設けられている先端側バルブと、
前記エアディストリビュータと先端側バルブの間を往復運動するピストンと、
を備え、
前記エアディストリビュータは、ピストン側に向けて筒形の弁部材を有し、該弁部材は中に流体通路を有しており、
前記先端側バルブは、ピストン側に向けて筒形の弁部材を有し、該弁部材は中に流体通路を有しており、
前記ピストンは、両端面を貫通している流体通路を内部に有し、
前記ピストンが移動してエアディストリビュータの弁部材がピストンの流体通路内面と摺動状態に接してシール状態になるときに、シリンダー内面側、ピストン頂面側、及び前記弁部材を含むエアディストリビュータの内面側とで囲まれたドライブチャンバーが形成され、
各削孔ユニットは、エアディストリビュータの前記弁部材の長さがそれぞれ異なっている、
削孔装置。 - 各削孔ユニットの周りを囲むようにして防振材または/及び防音材が設けてある、
請求項3から5のいずれかに記載の削孔装置。 - 請求項3から6のいずれかに記載の削孔装置と、該削孔装置に回転運動を与える回転駆動装置とを備えている、
回転式削孔機。 - 請求項3から6のいずれかに記載の削孔装置を使用した地中または岩石の削孔方法であって、
削孔装置に回転運動を与えながら地中または岩石の削孔を行う、
削孔方法。
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