JPH035090Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車における燃料点火装置の配索用
等に供される細径高圧抵抗電線の端末組付構造に
関する。

（従来の技術） 従来、この種の用に供される高圧抵抗電線とし
ては通常外径７mmのものが使用されているが、最
近配索性を向上させるために外径を５mmとしたよ
り細径の高圧抵抗電線も使用されるに至つてい
る。

ところで、高圧抵抗電線の端末部における端子
及びプラグキヤツプの組付構造は通常第４図に示
される如くである。

すなわち、図において１は高圧抵抗電線（以下
単に電線ともいう）、２は端子、３はゴム製のプ
ラグキヤツプを示し、これらの組付け構造は、先
ず電線１の端末部における絶縁被覆１ｂを所定の
長さに皮剥きしたのち、芯線導体１ａを絶縁被覆
１ｂの外面に折り曲げ、折り曲げられた芯線導体
１ａを絶縁被覆１ｂと共に端子２の加締足部２ａ
において直接加締め圧着することにより電線１を
端子２に接続し、次いで、電線１を接続した端子
２をプラグキヤツプ３の中空部４に挿着した構成
となつている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、かかる構成からなる電線の端末組付構
造において、電線１の外径が７mm程度の太さであ
る場合には特に問題点は無いが、５mmφ程度のよ
り細径の電線を使用した場合には種々の問題があ
る。すなわち、細径（５mmφ）の電線１に端子２
を加締め圧着した場合の固着力が弱く、接続の信
頼性が低下するほか、電線を接続した端子２をプ
ラグキヤツプ３の中空部４に挿着する場合の作業
性も、中空部４の内径が極めて小さくなるため極
端に悪化するという問題がある。又は、細径の電
線を使用する場合には、これに適する加締足を有
する専用の端子を別個に製作する必要があると共
に、プラグキヤツプについても中空部４の内径が
小さい専用のものを用意する必要があり、部品管
理上も繁雑となる。

本考案は、電線１として細径（５mmφ）のもの
を使用した場合の端末組付構造における上記の問
題点に着目してなされたもので、細径の電線を使
用した場合でも電線と端子間の固着力が強く、
又、プラグキヤツプに対する挿着の作業性も低下
させることなく、かつ好ましくは通常の７mmφ電
線用の端子及びプラグキヤツプをそのまま流用し
て使用できる細径高圧抵抗電線の端末組付構造を
提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 以下に本考案を、実施例を示す添付の図面に基
づいて詳細に説明する。

第１図にプラグキヤツプ部分を断面とした本考
案の端末組付構造の正面図を示した。

図において本考案の端末組付構造は、細径高圧
抵抗電線１の端末部における絶縁被覆の周面に増
径用絶縁被覆層５を所要の厚さに形成し、この絶
縁被覆層５に端子２を該電線１の芯線導体１ａと
共に加締め圧着し、該加締め圧着した端子２をプ
ラグキヤツプ３に挿着して構成される。

以上の構成において、細径電線１の端末部にお
ける絶縁被覆１ｂの周面への他の絶縁被覆層５の
形成は第２図に示した如くに行なわれる。

すなわち、電線１の端末部に芯線導体１ａが所
要の長さに露出される先端皮剥ぎ部を除き、電線
１の絶縁被覆１ｂの外周面に、エチレン−プロピ
レン共重合部（EPDM）等の耐熱性ゴム状絶縁
体を公知の方法により所要の厚さにモールド成型
する等の手段で行なわれる。この場合、モールド
成型後の電線外径は、好ましくは通常の７mmφの
高圧抵抗電線と同径に形成される。

このようにして電線１の端末部に他の絶縁被覆
層５が形成されたのちは、先端部を皮剥ぎして芯
線導体１ａを露出させる。次いで芯線導体１ａを
その基端部において絶縁被覆層５の外面に折り曲
げ、折り曲げられた芯線導体１ａを第１図に示す
ように絶縁被覆層５と共に端子２の加締足２ａに
おいて加締め圧着することにより電線１を端子２
に接続する。次いで電線１を接続した端子２をプ
ラグキヤツプ３の中空部４に挿着することにより
本考案の端末組付構造が形成される。この場合、
モールド成型による絶縁被覆層５の後端部５ａ
は、プラグキヤツプ３の後端部から僅かに外方に
突出するように形成されることが望ましい。

（作用） 本考案の電線の端末組付構造によれば、細径
（５mmφ）の電線１の端末絶縁被覆１ｂ上に他の
絶縁被覆層５が形成されたことにより、電線１の
端末部における強度が増加し、端子を加締め圧着
した場合の固着力を強化させると共に、プラグキ
ヤツプへの挿着を容易にする作用がある。

（他の実施例） 第３図に本考案の端末組付構造の他の実施例を
プラグキヤツプ部分を断面とした正面図で示し
た。

この実施例においては、プラグキヤツプ６の胴
部６ａが長く形成されている場合で、細径電線１
の端末部に形成される他の絶縁被覆層５は熱収縮
チユーブにより形成されている。この熱収縮チユ
ーブは耐熱性及び絶縁性の良好なシリコン樹脂等
により形成され、形成後の外径は好ましくは７mm
φに設定される。このように絶縁被覆層５を形成
するときは、通常の７mmφ電線用の端子２及びプ
ラグキヤツプ６をそのまま適用できるので便利で
ある。

なお、熱収縮チユーブによる絶縁被覆層５への
端子２の加締め圧着、プラグキヤツプ６への挿着
等の組付けについては前記実施例の場合と同様で
ある。

（考案の効果） 本考案の細径高圧抵抗電線の端末組付構造は以
上詳細に説明した構成及び作用よりなるから、細
径（５mmφ）の電線端末部の強度が増加すること
により、電線と端子間の固着力が強化され、電気
接続の信頼性が向上する。又、電線を接続した端
子のプラグキヤツプに対する挿着の作業性も改善
される。さらに電線端末部の外径を他の絶縁被覆
層により通常の７mmφの電線外径に揃えることに
より、細径の電線において必要とされる専用の端
子及びプラグキヤツプを廃止することが可能とな
り、部品管理の合理化及びコスト低減をはかるこ
とができる。又、形成される他の絶縁被覆層の後
端部をプラグキヤツプの後端部から外方に突出し
て形成させた場合には、細径電線のプラグキヤツ
プ後端部付近における過度の屈曲を防止して電線
を保護することができる等の利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一部断面を含む正面図、第２
図は本考案の組付過程の説明図、第３図は本考案
の他の実施例を示す一部断面を含む正面図、第４
図は従来構造を一部断面を含む正面図を示す。 １……高圧抵抗電線、２……端子、３，６……
プラグキヤツプ、４……絶縁被覆層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 細径高圧抵抗電線の端末部における絶縁被覆の
   周面に増径用絶縁被覆層を形成し、該増径用絶縁
   被覆層に端子を該高圧抵抗電線の芯線導体と共に
   加締め圧着し、該加締め圧着端子をプラグキヤツ
   プに挿着して成ることを特徴とする細径高圧抵抗
   電線の端末組付構造。