JPH0350864B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、工場で成形した複数のコンクリート
製のブロツクを現場に搬入して設置し、各ブロツ
クを連結一体化して成るプレキヤスト式箱形車庫
に関し、さらに詳しくは該箱形車庫を構成するコ
ンクリート製のブロツクの接合部分の止水溝造に
関する。

（従来の技術） プレキヤスト式箱形車庫（以下、単に車庫とい
う）は、工場で成型したブロツクを現場に設置
し、連結一体化して成り、道路と宅地地盤とに高
低差のある箇所において宅地の地下に埋設されて
使用されている。

ブロツクの接合部分の〓間から車庫内に水が漏
洩することを防ぐための止水溝造として、従来は
ブロツクの接合部分にゴムパツキングを挾み、さ
らに防水モルタルでゴムパツキング下方の衝き合
わせ面の〓間を塞いでいた。（実公昭54−13793号
公報参照） （発明が解決しようとする課題） しかし、従来装置では、ゴムパツキングが高価
であり、またブロツクの接合部分にゴムパツキン
グを挾んでブロツクを連結する作業が大変である
ため、高コストとなつていた。

又、防水モルタルの注入作業が困難であり、こ
の面でも作業性が悪くかつ作業コストが高コスト
となつていた。

本発明の目的は、ブロツクの接合部分の止水溝
造を低コストのものにし、また作業性良好なもの
にしたプレキヤスト式箱形車庫を提供することに
ある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本発明では、ブロ
ツクの頂板どうし及び底板どうしの接合部分に上
方に開放する開口を有すると共に幅方向に延びる
止水溝を形成し、側板どうしの接合部分に上方に
開放する開口を有し、下方に伸びる止水溝を形成
し、前記各止水溝に防水モルタルまたは防水コン
クリートを注入したことを特徴とするものであ
る。

（実施例） 次に、本発明の一実施例を第１図〜第６図に基
づいて説明する。

第２図に示すように車庫１は、最前部のブロツ
ク２、中間部のブロツク３および最後部のブロツ
ク４の鉄筋コンクリート製の各ブロツクから構成
される。そのうち中間部のブロツク３の正面を第
１図に示す。

第１図を参照して、ブロツク３は底板５、左側
板６、右側板７および頂板８を有する。ここで頂
板８は、車庫１の幅方向にほぼアーチ状に形成し
てあり、車庫１の上の排水性を良好としている。
頂板８の左、右端には水平面９，１０が形成され
ているが、これは水平面９，１０上に別体の土留
めのための擁壁１１を必要に応じて載せることが
あるためである。

頂板８をアーチ状に形成したため天井８Ａも上
方に弓なりに形成され、車庫１内で人が感じる圧
迫感を和らげることができる上、頂板８の上に土
盛りした場合の強度も向上するものとなつてい
る。また、左・右側板６，７と頂板８との間の上
部ハンチ１２では、頂板８から左・右側板６，７
にかけて緩やかな丸みＲとなつているので、この
部分に応力集中を生じない。

頂板８をアーチ状に形成することは各ブロツク
２，３，４共通であるが、最前部のブロツク２に
おける上部２Ａのように土地から露出している部
分は、水はけ等を考慮する必要がないのでその部
分の頂板は必ずしもアーチ状にしなくても良い。

左、右側板６，７と底板５との間の下部ハンチ
１３は、断面四角で上面１４がほぼ水平に形成さ
れているので、該下部ハンチ１３の上面１４に自
動車の備品等種々の物を置くことができる。な
お、下部ハンチ１３に設けてある鋼棒溝１５は、
後述のように施工後に防水モルタル等で塞がれて
いる。

頂板８の左・右端の水平面９，１０および下部
ハンチ１３の上面１４には、上面が開放された断
面Ｕ字状の鋼棒溝１５が計４本設けられている。
前記ブロツク２，３，４を現場に設置してから、
車庫１内に鋼棒１６を入れ、前記各鋼棒溝１５の
開放上面から鋼棒１６を落し入れる。尚、鋼棒１
６の代わりに鋼より線を用いても良い。

そして、第３図に示すように鋼棒１６の後端１
７に当て板１８を嵌合しナツト１９で締めてか
ら、鋼棒１６の前端２０に当て板１８を嵌合し、
鋼棒１６を油圧ジヤツキ等で引つ張り緊張させ、
ナツト１９を締めてブロツク２，３，４に定着さ
せる。こうしてブロツク２，３，４が連結一体化
され、車庫１の長さ方向にプレストレスがかけら
れる。

車庫１の前の道路の幅が狭く、且つ道路の対抗
側に塀等があつても、鋼棒１６を斜めにすれば車
庫１内に鋼棒１６を入れることができる。また、
鋼棒１６を車庫内において上面が長く開放された
鋼棒１５から入れるので、ブロツク２，３，４に
埋設したシースに鋼棒を通す方法に比べて作業性
が良い。

第３図では下部ハンチ１３の箇所だけ示した
が、頂板８の箇所も同様である。

こうしてブロツク２，３，４を連結一体化した
後、鋼棒溝１５をモルタル等で塞ぐ。

また、ブロツク２，３，４を連結一体化した
後、次のように各ブロツク２，３，４の接合部分
Ｊを防水モルタル又は防水コンクリートによつて
止水処理を施す。防水モルタル等によつて止水処
理することは、ゴムパツキング等で止水処理する
ことに比べ低コストである利点がある。

頂板８の接合面に沿つて上部が開放した溝２１
が形成されており、ブロツク２，３，４を接合さ
せると第４図に示すように接合部分Ｊに上方に開
放し、下方部が断面円状に膨らみ、且つ幅方向に
伸びる止水溝２２ができる。この止水溝２２のス
リツト状の開口２３から（図示しない）防水モル
タルまたは防水コンクリート等を注入する。

また、左・右側板６，７の接合面に沿つて断面
半円状の溝２４が形成され、ブロツク２，３，４
が接合されると第５図に示すように接合部分Ｊに
断面円状の上方に開放し、下方に伸びる止水溝２
５ができ、頂板８の左、右水平面９，１０の開口
２６から防水モルタル等を注入する。

底板５の場合も頂板８と同様であり、接合面に
沿つて上部が開放した溝２７が形成されており、
ブロツク２，３，４を接合させると第６図に示す
ように接合部分Ｊに上方に開放し、下方部が断面
円状に膨らみ、且つ幅方向に伸びる止水溝２８が
できるので、この止水溝２８のスリツト状の開口
２９から防水モルタル等を注入する。

（発明の効果） 本発明によれば、止水材として防水モルタルや
防水コンクリートのような低廉な材料を使用し、
従来のようなゴムパツキングとシリコン材のよう
な高価な材料を使わないので、ブロツクどうしの
接合部分の止水溝造が低コストになる上、上方に
開放する止水溝から直接防水モルタルや防水コン
クリートを注入できるので、作業性も向上すると
同時に作業コストも低いものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、車庫の中間部のブロツクの正面図、
第２図は、車庫の側面図、第３図は、ブロツクに
定着した鋼棒を示す部分図、第４図は、ブロツク
の頂板の接合部分における止水溝の部分斜視図、
第５図は、ブロツクの側板の接合部分における止
水溝の部分斜視図、第６図は、ブロツクの底板の
接合部分における止水溝の部分斜視図である。 １：プレキヤスト式箱形車庫、２：最前部のブ
ロツク、３：中間部のブロツク、４：最後部のブ
ロツク、５：底板、６，７：側板、８：頂板、２
２，２５，２８：止水溝、２３，２６，２９：開
口、Ｊ：接合部分。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数のコンクリート製のブロツク２，３，４
   を連結一体化して成るプレキヤスト式箱形車庫１
   において、 ブロツク２，３，４の頂板８どうし及び底板５
   どうしの接合部分Ｊに上方に開放する開口２３，
   ２９を有すると共に幅方向に延びる止水溝２２，
   ２８を形成し、側板６，７どうしの接合部分Ｊに
   上方に開放する開口２６を有すると共に下方に伸
   びる止水溝２５を形成し、前記各止水溝２２，２
   ５，２８に防水モルタルまたは防水コンクリート
   を注入したことを特徴とするプレキヤスト式箱形
   車庫。