JPH0350183Y2

JPH0350183Y2 -

Info

Publication number: JPH0350183Y2
Application number: JP7783985U
Authority: JP
Priority date: 1985-05-25
Filing date: 1985-05-25
Publication date: 1991-10-25
Also published as: JPS61194044U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は建築、構築物の内、外装の例えば横、
縦張り壁体を形成するのに有用なサイデイングボ
ード（以下、単にボードという）に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来から使用されているこの種ボードとしては
実公昭51−29339号、実公昭51−11882号、
特公昭54−26649号などがある。しかしながら、
上記ボードにおいては種々の問題があつた。すな
わち、のボード（下見坂）では雨水が風で吹き
つけられたりすると単なる平板同士の連結構造の
ため、雨水が裏面に漏洩し、胴縁、柱を腐食させ
たり、室内や押入れに湿気を与えたりする欠点が
あつた。また、のボードでは下縁の傾斜部の立
ち上がり部までの長さが長いため引張り力に弱
く、目地なしの外装しか形成できない不利があつ
た。しかも、本来は目地なしの外装なのに施工者
の技術によつて目地なし、目地ありのバラバラな
幅の目地からなる外装となると共に、施工の際に
立ち上がり部で負傷する危険があつた。また、こ
の種ボードは側面の形状が複雑で成形が難しい欠
点があつた。さらに、この種ボードはいずれも裏
打材がないため化粧面の裏面に結露が生じ、錆た
り、壁体自体の断熱性、防音性に欠けると共に、
化粧面の変形を阻止できず、しかもボード自体が
変形しやすく、かつ、連結力に欠ける欠点があつ
た。

〔考案の目的〕

本考案はこのような欠点を除去するため、雄、
雌型連結構造を落し込みとして一人で施工できる
ようにし、かつ、連結部の係合力、防水性、断熱
性、ボード内面間でのエアサイクル、耐食性、耐
結露性を大幅に強化し、その上に安価なものとし
たボードを提案するものである。

〔実施例〕

以下に、図面を用いて本考案に係るボードの代
表的な一実施例を詳細に説明する。すなわち、第
１図は上記ボードＡを示す斜視図であり、１は表
面材、２１は芯材、２３は裏面材で表、裏面材
１，２３間に芯材２１をサンドイツチすると共
に、芯材２１形成時の自己接着性、または必要に
より接着剤を介して一体に構成したものである。
さらに説明すると、表面材１は金属板、例えば表
面処理鋼板、鋼板に亜鉛・ニツケル合金をメツキ
した鋼板、アルミ・亜鉛合金メツキ鋼板（商品名
ガルフアン、ガルバリウム鋼板、スーパージン
ク）、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅
板等、または合成樹脂板の１種からなり、この板
材を成形ロール、プレス、押し出し、引き抜き、
射出成形等のいずれかの方法によつて第２図ａに
示す形状に形成するものである。なお、表面材１
の素材としては平板、エンボス加工されたものの
いずれでもよいものである。その具体的形状につ
いて説明すると、表面材１は断面凹状の主体２と
雄型連結部７と雌型連結部１２とから形成したも
のであり、主体２は横長の化粧面３とその長手方
向の両側縁を内方に任意角度、例えばθ₁を10〜
160°（図ではθ₁＝90°）、θ₂を60〜160°位（図では
θ₂
＝120°）に屈曲して側壁４，５を形成し、その凹
部６に芯材２１を充填するためのものである。ま
た、雄型連結部７は側壁４の下端を内方に屈曲
し、次に外方へ屈曲してコ字状断面に形成した係
合溝８とその下縁９を外側方へ突出すると共に、
その先端を内方へ折り返し、そのまま内方へ延長
した補強片１０とから形成した差込縁１１から形
成したものである。なお、差込縁１１は係合力の
強化とボードＡを連結した際に第３図に示すよう
に壁下地αへ釘βを介してボードを固定した部分
に確実に空〓γが形成される構造とし、ボードＡ
の内壁間でエアサイクルを可能にし、壁全体の断
熱性を向上するように、かつ、芯材の製造を容易
にしたものである。さらに、雌型連結部１２は側
壁５の下端を外側方へ水平に、あるいは幾分傾斜
等して突出し、その先端を内方へ折り返した係合
縁１３とその下面１４を上面とすると共に、その
末端を外方へ屈曲して下縁１５を形成した嵌合溝
１６と下縁１５を外側方へ突出し、その先端を内
方へ屈曲した段差舌片１８を有する受け片１７と
その下端を外側方へ延長し、その先端を外方へ屈
曲し、舌片１９を形成した固定部２０とから構成
したものである。なお、図では係合縁１３には防
水溝１３ａを形成し、毛細管現象を阻止するよう
に形成した形状を示すものである。また、前記芯
材２１は表面材１の補強片１０の先端と固定部２
０間の開口を閉塞することにより形成される空間
に充填すると共に、補強片１０の末端部近傍に窪
部２２を形成し、ボードＡの施工性と第３図に示
すように目地部２４においてボードＡの内壁間に
おけるエアサイクルを行なうように形成したもの
である。勿論、芯材２１は断熱材と接着剤、およ
び防火断熱剤として機能するものである。その素
材としてはポリウレタンフオーム用樹脂、ポリイ
ソシアヌレートフオーム用樹脂、フエノール樹
脂、もしくはこれらフオームに難燃剤、難燃助剤
（硼砂、メタ硼酸ソーダ、三酸化アンチモン、炭
酸カルシウム、水酸化アルミニウム）、ベントナ
イト、パーライト粒、シラスバルーンの１種以上
を添加したものなどからなるものである。特に防
火性を必要とする場合にはフエノールフオーム
か、難燃剤入りフオームが好ましい。さらに、裏
面材２３は補強片１０と固定部２０間の開口を閉
塞するように配設したものであり、芯材２１の裏
面を覆ってボードＡをサンドイツチ構造体とする
と共に、ボード自体の機械強度を向上させ、か
つ、芯材２１形成時の離型材として機能するもの
である。その素材としては例えば、アスベスト
紙、クラフト紙、アスフアルトフエルト、金属箔
（Al，Fe，Pb，Cu）、合成樹脂シート、ゴムシー
ト、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス
繊維不織布等の１種、または２種以上をラミネー
トしたもの、あるいは防水処理、難燃処理された
シートなどからなるものである。ここで、ボード
Ａの寸法関係について説明すると、側壁４から係
合溝８の最奥までの深さをd₁、係合縁１３の先端
から嵌合溝１６の最奥までの深さをd₂、窪部２２
の深さをd₃、係合溝８の最奥から差込縁１１の先
端までの長さをl₁、補強片１０の長さをl₂、側壁
４から補強片１０の末端までの長さをl₃、係合溝
８の最奥から補強片１０の末端までの長さをl₄、
係合縁１３の長さをl₅、係合縁１３の先端から防
水溝１３ａの側壁５に近い端縁までの長さをl₆、
嵌合溝１６の最奥から段差舌片１８端までの長さ
をl₇、段差舌片１８から舌片１９までの長さをl₈、
化粧面３から補強片１０の表面までの高さをh₁、
側壁４，５の高さをh₂，h₃、係合溝８の開口高さ
をh₄、差込縁１１の厚さをh₅、係合縁１３の厚さ
をh₆、嵌合溝１６の開口高さをh₇、受け片１７の
表面から固定部２０の裏面までの高さをh₈、舌片
１９の高さをh₉、芯材２１の全厚さをT₁、ボー
ドＡの全厚さをT₂、表面材１の板厚をｔ、目地
部２４の底面幅をw₁、受け片１７と段差舌片１
８の角度をθ₃とすると、 l₁＜＝＞d₁，l₂＜＝＞d₂，l₃＜＝＞d₁，好ましくは、l₃＞d₁，l₄は３〜20mm必要に応じて
零、あるいは係合溝８より外側方へ末端が存在す
るように形成することもできる。

l₅＜＝＞d₂，l₅＞d₁，l₆＜l₅で、かつ、l₆＜d₁， l₇≒10〜50mm，l₈≒10〜50mm，h₁＜T₂，T₂≒T₁＋
ｔ，h₂＝h₃，h₄≧h₆，h₅≦h₇，T₂≒h₈＋h₁，h₈≒
d₃，h₉≒２〜５mm，W₁≒l₅−d₁，θ₃＝鈍角、90°、
鋭角のいずれでもよい。

〔施工例〕

いま、第１図に示すようなボードＡを第３図に
示すように横張りして壁体を形成すると仮定す
る。なお、ボードA₁，A₂は表面材１に0.27mm厚
のカラー鋼板を用い、裏面材２３としてはアル
ミ・クラフト紙を用い、芯材２１は表面材と裏面
材２３の間にポリイソシアヌレートフオーム用原
料を吐出し、反応、発泡させ、次にキユアして一
体化したものである。そこで、主柱、間柱、防水
シート等からなる壁下地（図では防水シートを使
用しない場合の壁下地を示す）αに第ｎ段目のボ
ードA₁の固定部２０を釘βを介して固定する。
次に第ｎ＋１段目のボードA₂の雄型連結部７の
係合溝８をボードA₁の雌型連結部１２の係合縁
１３に嵌挿し、第３図に示すような横目地部を形
成するものである。また、壁体全体を形成するに
は、上記したような工程を土台から桁に向かつて
順次、行なえばよいものである。この際、目地部
２４には３つの空〓イ、ロ、γが形成され毛細管
現象を阻止するものである。このようにして形成
した壁体は横目地部における防水性にも富むもの
となる。なお、土台部分にはスタータ（図示せ
ず）、出、入隅等の部分（図示せず）にはコーキ
ング材、役物を用いる必要がある。

〔その他の実施例〕

以上説明したのは本考案に係るボードＡの一実
施例にすぎず、第４図ａ〜ｑ、第５図ａ〜ｉ、第
６図ａ〜ｅ、第７図ａ〜ｎに示すように形成する
こともできる。すなわち、第４図ａ〜ｑ、第５図
ａ〜ｉ、および第６図ａ〜ｅは雄型連結部７、雌
型連結部１２、化粧面３のその他の実施例を示す
ものであり、第４図ａは補強片１０の先端を内方
に屈曲し、舌片１０ａを形成した雄型連結部、ｂ
図は補強片１０の途中に突リブ１０ｂを形成した
雄型連結部、ｃ図は係合溝８をつぼ状に形成した
雄型連結部、ｄ図は差込縁１１の先端を外方へ屈
曲した雄型連結部、ｅ図は補強片１０を係合溝８
の途中に位置する長さに形成した雄型連結部、ｆ
図は係合溝８の上縁に突リブ８ａを形成した雄型
連結部、ｇ，ｈ図は差込縁１１に防水補助リブ１
０ｃを形成した雄型連結部、ｉ図は舌片１０ａを
直角にした雄型連結部、ｊ図は側壁４の下端に突
リブ４ａを形成した雄型連結部、ｋ図は差込縁１
１の先端に突リブ１１を形成した雄型連結部、ｌ
〜ｏ図は差込縁１１を側壁４の内側に形成した雄
型連結部、ｐ図は側壁４を鋭角にし、水切れをよ
くした雄型連結部、ｑ図は差込縁１１に芯材２１
を充填した雄型連結部である。また、第５図ａ〜
ｉは係合縁１３を直線状に形成した雌型連結部で
あり、特にｅ図は係合縁１３の先端を上方に屈曲
した雌型連結部、ｆ図は固定部に突リブ２０ａを
形成した雌型連結部、ｇ図は係合縁１３の下縁に
突リブ１３ｂを形成した雌型連結部、ｈ，ｉ図は
下縁１５の途中に凹状１５ａ、突リブ１５ｂを形
成し、係合力、防水性の強化を図つた雌型連結部
である。第６図ａ〜ｅは化粧面３の途中に少なく
とも１本の化粧リブ３ａを形成した表面材であ
る。なお、その断面は目地部２４と同じ形状に形
成することもできる。特に、ｃ図は窪部３ｂを形
成し、より立体感をかもし出すようにすることも
できる。また、第７図ａ〜ｎはボードＡのその他
の実施例であり、ａ図は裏面材２３の両端を補強
片１０、段差舌片１８の内側に挿入したボード、
ｂ図は裏面材２３を補強片１０、固定部２０に張
り渡してなるボード、ｃ図は芯材２１の雄型連結
部７近傍を長方形断面に窪ませたボード、ｄ図は
補強片１０を内方へそのまま突出したボード、ｅ
図は裏面材２３の一端を舌片１９より突出させた
ボード、ｆ，ｇ図は化粧リブ３ａを形成したボー
ド、なお、ｇ図は受け片１７の裏面に不燃材２５
を介在したボード、ｈ図は芯材２１を〓状に形成
し、エアサイクルを図つたボード、ｉ図はコーキ
ング材２６を少なくともいずれか１ケ所に植設し
たボード、ｉ図は芯材２１に膨出部２１ａを形成
し、防火、断熱性を改善したボード、ｋ図は裏面
材２３の一端を差込縁１１で挟持したボード、ｌ
〜ｎ図は化粧面３に段差を形成したボードであ
る。なお、第４図〜第７図は目的に応じて任意に
組み合わせて形成することができるものである。

〔考案の効果〕

上述したように本考案に係わるボードによれ
ば、雄、雌型連結部を前記した落し込み構造に
したため、一人で十分に、同一地幅で容易に施工
できる。目地部においては少なくとも３つの空
〓が生じ、毛細管現象もなく、防水性にすぐれ
る。差込縁、係合縁が２重構造で、かつ、補強
形状のため施工時に押圧しても変形せず、しかも
ばね効果が連結部片間に有効に作用するためボー
ドが離脱することがない。雌型連結部の側壁を
傾斜したため立体感が倍加される。表面材と裏
面材間に芯材が一体に充填されるため機械強度が
大で、かつ、芯材の成形も容易である。目地部
に芯材が多く存在するため熱橋が少なくなつた。
目地部裏面の釘打設部に空〓を形成したためボ
ードにより形成された壁内側でのエアサイクルが
行なわれ、耐食性、耐結露性にすぐれる。等の特
徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサイデイングボードの一
実施例を示す斜視図、第２図ａ，ｂは上記ボード
に使用する表面材を示す斜視図と説明図、第３図
は上記ボードを用いて形成した壁体の目地部にお
ける縦断面の一部を示す説明図、第４図ａ〜ｑ、
第５図ａ〜ｉ、第６図ａ〜ｅ、第７図ａ〜ｎはそ
の他の実施例を示す説明図である。Ａ，A₁，A₂……サイデイングボード、７……
雄型連結部、１１……差込縁、１２……雌型連結
部、１３……係合縁、２１……芯材、２２……窪
部、２３……裏面材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

横長の金属板の両側縁に雄、雌型連結部を形成
した断面凹状の表面材と、該表面材の凹部に充填
した断熱材からなる芯材と、該芯材の少なくとも
裏面を被覆する裏面材とを一体に形成してなり、
また、前記表面材は横長の化粧面と該化粧面の長
手方向の２側縁を内方へ屈曲した側壁とから形成
した断面凹状の主体と該側壁の一下端を内方へ屈
曲し、次に外方へ屈曲して形成した係合溝と該係
合溝の下縁を外側方へ突出すると共に、その先端
を折り返しそのまま内側方へ延長して上記係合溝
より突出させた補強片とで形成した差込縁とから
形成した雄型連結部と、他側壁の下端を外側方へ
突出し、次に内方へ折り返した係合縁と該係合縁
の下面を上面とし、その末端を外方へ屈曲した嵌
合溝と該嵌合溝の下縁を外側方へ突出し、その先
端を内方へ屈曲した段差舌片を有する受け片と該
段差舌片の下端を外側方へ延長し、その先端を外
方へ屈曲し、舌片を形成してなる固定部を設けた
雌型連結部とから形成すると共に、化粧面から受
け片表面までの高さを化粧面から差込縁の補強片
表面までの高さと同等にし、前記ボードを連結し
た際に連結部に段差舌片の高さに対応した空隙を
形成するように構成したことを特徴とするサイデ
イングボード。