JPH041231Y2

JPH041231Y2 -

Info

Publication number: JPH041231Y2
Application number: JP1985175937U
Authority: JP
Priority date: 1985-11-14
Filing date: 1985-11-14
Publication date: 1992-01-16
Also published as: JPS6282634U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は建築、構築物の内、外装の横張り壁
体、および縦張り壁体を形成するのに有用なサイ
デイングボード（以下、単にボードという）に関
する。〔従来の技術〕従来から使用されているこの種ボードとしては
特公昭51−29339号、実公昭51−11882号、
実公昭54−26649号などがある。しかしながら、
上記ボードにおいては種々の問題があつた。すな
わち、Ａ○のボード（下見板）では雨水が風で吹き
つけられたりすると単なる平板同士の連結構造の
ため雨水が裏面に漏洩し、胴縁、柱を腐食させた
り、室内や押入れに湿気を与えたりする欠点があ
つた。またのボードでは下縁の傾斜部の立上が
り部までの長さが長いため引張り力に弱く、目地
なしの外装しか形成できない不利があった。しか
も、本来は目地なしの外装なのに施工者の技術に
よつて目地なし、目地ありのバラバラな幅の目地
からなる外装となると共に、施工の際に立上がり
部で負傷する危険があつた。また、のボードは
側面の形状が複雑で成形が難しく、かつ、高価と
なり、その上、平坦部に補強用のリブもなく、反
り、捩じれなどが大幅に化粧面に現れて美観を損
なう欠点があつた。また、ボードはいずれも裏面
材がなく、かつ、壁下地と表面材が直接接触する
ため、化粧面の裏面に結露が生じ、錆びたり、壁
下地の腐食をまねき、壁体自体の断熱性、防火
性、防音性に欠けると共に、化粧面の変形を阻止
できず、しかもボード自体が変形しやすく、か
つ、連結力に欠ける欠点があつた。さらにこれら
ボードは立体感に欠ける欠点があつた。〔考案の目的〕本考案は上述したような欠点を除去するため、
側壁と傾斜側壁を両端に形成した化粧面部に側面
と傾斜面とから断面を三角形状に形成した化粧溝
を少なくとも１本設けてボードの捩じれ、ペコツ
キ、反りを防止し、ボードを広幅に形成して経済
性、施工性を改善すると共に、化粧面部に水平な
化粧片を複数形成し、かつ、化粧溝の傾斜面と傾
斜側壁の範囲を化粧片の幅に対して大きくするこ
とにより、鏡面反射と乱反射によつて化粧片が浮
き出して見えるようにして立体感を強化し、ま
た、傾斜側壁の端縁には差込縁、係合溝からなる
雄型連結部を形成し、側壁の端縁には嵌合溝から
なる雌型連結部を形成し、ボードの連結構造を差
込縁と嵌合溝、係合溝と嵌合溝の下縁の２重にす
ると共に、差込縁と嵌合溝の断面形状をほぼコ字
状に形成し、かつ、上方に傾斜して形成したた
め、差込縁が補強され、また、連結部において雨
水が浸入しにくく、防水性、係合力、パツキング
性を大幅に向上し、かつ、ボードを横張りとして
使用する際は施工が容易で、１人で行うことので
きる落とし込みタイプとし、その上、縦張りとし
ても使用可能なボードを提案するものである。〔考案の構成〕以下に図面を用いて本考案に係るボードの代表
的な実施例について詳細に説明する。すなわち、
第１図は上記ボードＡを示す傾斜図であり、例え
ば表面処理鋼板、亜鉛・ニツケル合金メツキ鋼
板、アルミ・亜鉛合金メツキ鋼板（商品名ガルフ
アン、ガルバリウム鋼板、スーパージンク）、ア
ルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板、ステ
ンレス板、クラツド鋼板、制振鋼板等の１種から
なる金属板（平板、エンボス加工板を含む）、ま
たは合成樹脂板をロール、プレス、あるいは押出
成形などの１種により形成した表面材１と、表面
材１の裏面に充填した芯材１８と、芯材１８の裏
面を被覆したシート状の裏面材１９とから形成し
たものである。さらに説明すると、表面材１は第
２図に示すように化粧面部２、雄型連結部９、雌
型連結部１５とから構成したものである。さらに
化粧面部２は一端にθ₁（θ₁≦90°）で屈曲した傾斜
側壁３と、他端にθ₂で屈曲した側壁４とから断面
をほぼ樋状に形成したものである。この傾斜側壁
３はθ₁≦90°であるため、雨水の流れをよくし、
目地部に雨水が貯留するのを防止すると共に、後
述する化粧溝５によつて分割された化粧片２ａ
と、１：５〜0.2の割合になるように形成し、鏡
面反射と乱反射によつて目地部の立体感を強化
し、かつ、働き幅を増大するのに役立つものであ
る。側壁４は目地部に陰影を落とし、壁体の立体
感を助長するものである。なお、θ₂は鋭角、直
角、鈍角（図では直角）のいずれでもよいが鋭角
のほうが目地部に落とす陰影が明確となり、か
つ、化粧片２ｂの表面を流下する雨水の水切り効
果がよいため好ましい。また化粧面部２には長手
方向に沿つて少なくとも１本以上の化粧溝５を形
成し、化粧溝５によつて複数の水平な化粧片２
ａ，２ｂを形成する。この化粧溝５は、少なくと
も前記した角度θ₂に相応した角度θ₃で化粧片２ａ
と交わる側面６と、角度θ₁に相応した角度θ₄で化
粧片２ｂと交わる傾斜面７と、側面６と傾斜面７
との中間に形成した窪部８とからなる。さらに、
化粧溝５は化粧面部２の中央に１本、あるいは化
粧面部２を３〜５分割するように複数本（同形、
異形）設けたものであり、主に化粧面部２の反
り、捩じれ、ペコツキを防止すると共に、傾斜面
７、及び化粧片２ｂを傾斜側壁３：化粧面２ｂ及
び２ａとを１：５〜0.2位の割合とし、従前の化
粧溝と異なる大きな陰影を醸し出して化粧面部２
の立体感を強化する、所謂化粧片２ａ，２ｂと傾
斜側壁３及び化粧溝５間の鏡面反射、乱反射のコ
ントラストによつて凹凸感を醸し出すと共に、第
３図に示す目地部の断面と化粧溝５の断面をほぼ
同じか、それに近い断面としてボードＡ間の目地
部を化粧溝化して壁体の意匠性を向上するもので
ある。なお、θ₃の大きさはθ₂と同様、鋭角、直
角、鈍角のいずれでもよいが、鋭角の場合により
段差がより明確になり、かつ、傾斜面７をより強
調するのに有効である。また、窪部８は側壁６と
傾斜面７との区分を明確にすると共に、第３図に
示す目地部において、側壁４と傾斜側壁３との接
触した部分と外観を酷似させ、壁体に化粧溝５の
繰り返しからなる横のラインを生み出し、意匠性
を向上させるものである。雄型連結部９は、傾斜
側壁３の先端を後上がりに傾斜して屈曲した上側
面１０ａと、上側面１０ａの先端を下方に屈曲し
た端面１０ｂと、端面１０ｂの先端を内方に屈曲
した下側面１０ｃとから断面をほぼコ字状に形成
した差込縁１０と、差込縁１０の下側面１０ｃを
上縁とし、下側面１０ｃの先端を外方に屈曲して
下縁１２として断面をほぼ三角形状に形成した係
合溝１１と、係合溝１１の下縁１２を外方に延長
した延長部１３と、延長部１３の先端を必要に応
じてはぜ状に屈曲した舌片１４とから形成したも
のである。さらに説明すると、差込縁１０は後述
する雌型連結部１５の嵌合溝１６に挿入し、また
係合溝１１は嵌合溝１６の下縁１６ｃを係合し、
ボードＡの連結構造を２重にして、防水性、係合
力、パツキング性を強化し、ボードＡを横張り用
にも、縦張り用にも使用することができるように
するためのものである。さらに差込縁１０の上側
面１０ａは後上がりに形成しているため、第３図
に示すようにボードＡの連結構造内において、雨
返しの機能を果たすと共に、後述する雌型連結部
１５の嵌合溝１６の上縁１６ａとの間に空隙を形
成して毛細管現象の阻止に役立つものである。さ
らに、差込縁１０は上側面１０ａと下側面１０ｃ
との中間に芯材１８が介在しているため、強度が
強化され、また芯材１８のもつ断熱性等の機能を
付加することができる。また、下側面１０ｃは傾
斜しているため、係合溝１１が断面三角形状にな
り、嵌合溝１６の下縁１６ｃの挿入が容易にな
り、施工性が向上する。また、延長部１３はボー
ドＡを直接雨水の侵入しない位置で釘等の固定具
により壁下地に固定する部分である。さらに、舌
片１４は延長部１３の先端の波打ちを防止すると
共に、作業の際、延長部１４の端縁によつて負傷
するのを防止するものである。なお、図示しない
が、舌片１４は上はぜ状に形成し、裏面材１９の
端縁を挟持することも可能である。雌型連結部１
５は、側壁４の端縁を内方に後上がりに傾斜して
屈曲して形成した上縁１６ａと、上縁１６ａの先
端を下方に屈曲して形成した最奥面１６ｂと、最
奥面１６ｂの下端を外方に、後下がりに傾斜して
屈曲して形成した下縁１６ｃとから断面をほぼコ
字状に形成した嵌合溝１６と、嵌合溝１６の下縁
１６ｃの先端をはぜ状に屈曲した舌片１７とから
構成したものである。この嵌合溝１６は差込縁１
０を嵌合し、また下縁１６ｃは係合溝１１に係合
するものである。また上縁１６ａは、第３図に示
すように差込縁１０の上側面１０ａの傾斜と異な
る傾斜で形成した場合は上縁１６ａと上側面１０
ａとの中間に空隙を形成し、毛細管現象を阻止す
るのに役立つものである。また舌片１７下縁１６
ｃの端縁の波打ちを防止し、下縁１６ｃを係合溝
１１に挿入しやすくなるようにすると共に、下縁
１６ｃの端縁による負傷を防止するものである。
なお、舌片１７は図示するように上はぜ状に形成
して裏面材１９の端縁を挟持し、表面材１、芯材
１８、裏面材１９の一体化を強化すると共に、芯
材１８の雌型連結部１５周辺からの漏洩を防止し
たり、または、図示しないが下はぜ状に形成する
ことも可能である。芯材１８は表面材１の裏面の
化粧面部２、雄型連結部９、雌型連結部１５によ
つて囲まれた樋状の部分に少なくとも充填し、主
にボードＡに断熱性を付与するものであり、副次
的に接着剤、不燃材、クツシヨン材、防音材など
の機能を有する素材の１種以上からなるものであ
る。具体的には合成樹脂発泡体、ロツクウール、
グラスウール、シージングボード、石膏ボード、
木毛セメント板等からなり、原料で吐出し、成
形、硬化、自己接着させるもの、あるいは成形体
からなるものである。なお、芯材１８として成形
体を用いる場合には芯材１８と表面材１、裏面材
１９間に接着剤（図示せず）が必要である。さら
に説明すると、芯材１８としては主に合成樹脂発
泡体を用い、例えばポリウレタンフオーム用樹
脂、フエノールフオーム用樹脂、ポリイソシアヌ
レートフオーム用樹脂、ポリスチレンフオーム、
パーライトの周囲にフエノールフオーム樹脂をコ
ーテングし、これを加温、加圧して発泡させるフ
オーム、およびこれらに難燃剤、難燃助剤（硼
砂、メタ硼酸ソーダ、三酸化アンチモン、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、ベントナイト、
パーライト粒、シラスバルーン、アスベスト、各
種繊維）の１種以上を添加したものなどからな
る。なお、芯材１８の雌型連結部１５近傍にはへ
こみ部１８ａを形成し、ボードＡの連結部におい
て延長部１３との組み合わせによるガタを除去
し、ボードＡのフイツト性をよりよくする。さら
に、図示しないが芯材１８は延長部１３の裏面よ
り下方に膨出して設け、より断熱性、防火性を向
上することも可能である。なお、芯材１８にフエ
ノールフオーム系の合成樹脂を用いる場合には、
芯材１８の酸性成分が直接表面材１に接触しない
ように防錆塗料を表面材１の裏面に塗布したり、
防錆紙を表面材１の裏面に貼着させておくことも
可能である。裏面材１９は少なくとも芯材１８の
裏面を覆つてボードＡをサンドイツチ構造とし、
ボードＡ自体の機械強度を向上すると共に、不燃
シート、防水膜、遮熱シート、吸水シート、防音
シート、パツキング材などの機能として役立つも
のであり、例えばアスベスト紙、クラフト紙、ア
スフアルトフエルト、金属箔（Al，Fe，Pb，
Cu）、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、
石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不繊布等の
１種、または２種以上をラミネートしたもの、あ
るいは防水処理、難燃処理されたシートなどから
なるものである。なお、裏面材１９の両端は舌片
１４，１７によつて挟持されたり、また表面材１
と芯材１８との中間に配設したり、または雄型連
結部９の端縁より外方に突出することも可能であ
る。ここで上記各部の大きさについて説明する。第
１図、および第２図に示すように化粧片２ａ，２
ｂの長さをそれぞれL₁，L₂、傾斜側壁３の範囲
をW₁、傾斜面７の範囲をW₂、化粧溝５の側面６
の高さをh₁、側壁４の高さをh₂、差込縁１０の上
側面１０ａの上端から延長部１３までの高さを
h₃、差込縁１０の下側面１０ｃの上端から延長部
１３までの高さをh₄、嵌合溝１６の上縁１６ａの
上端から舌片１７までの高さをh₅、嵌合溝１６の
下縁１６ｃの上端から舌片１７までの高さをh₆、
化粧片２ａ，２ｂから芯材１８の裏面までの高さ
をh₇、h₈、差込縁１０の上側面１０ａの長さを
l₁、差込縁１０の下側面１０ｃの長さをl₂、係合
溝１１の最奥から延長部１３の端縁までの距離を
l₃、嵌合溝１６の上縁１６ａの長さをl₄、嵌合溝
１６の下縁１６ｃの長さをl₅、へこみ部２０ａの
範囲l₆とすると、h₁≒h₂、h₃≒h₅、またはh₃がh₅
より少し大きい程度、h₄≒h₆、h₇≒h₈、l₁≒l₄、
あるいはl₄がl₁より少し大きい程度、l₂≒l₅、l₃≦
l₆であり、またW₁：L₁＝１：５〜0.2、W₂：L₂＝
１：５〜0.2の関係にある。すなわち、上記関係
は、ボードＡを連結した際、化粧溝５と目地部が
酷似した外観となり、壁体に統一したラインを生
み、意匠性に富む壁体を形成すると共に、上側面
１０ａと上縁１６ａが接触して、前述したように
連結部の防水性、係合力等を強化し、また傾斜面
７、傾斜側壁３と化粧片２ａ，２ｂの間における
鏡面反射、乱反射により壁体の立体感が向上する
ためのものであり、また差込縁１０が嵌合溝１６
に、係合溝１１が嵌合溝１６の下縁１６ｃを係合
し合うための関係である。なお、L₁とl₂、および
W₁とW₂は図示するようにL₁≒L₂、W₁≒W₂であ
り、L₁：W₁≒L₂：W₂であることが好ましいが、
必要に応じてL₁＜L₂、またはL₁＞L₂、W₁＜W₂、
またはW₁＞W₂、すなわちL₁：W₁≠L₂：W₂のよ
うな関係とすることも可能である。〔施工例〕いま、第１図に示すようなボードＡを第３図に
示すように横張りして壁体を形成すると仮定す
る。なお、ボードA₁，A₂は表面材１に0.27mm厚
のカラー鋼板を用い、裏面材１９にはアルミ・ク
ラフト紙を用い、芯材１８は表面材１と裏面材１
９の間にポリイソシアヌレートフオーム用原料を
吐出し、反応、発泡させ、次にキユアして一体化
したものである。そこで、主柱、間柱、防水シー
ト等からなる壁下地（図では防水シートを使用し
ない場合の壁下地を示す）αに第ｎ段目のボード
A₁の延長部１３を釘βを介して固定する。次に
第ｎ＋１段目のボードA₂の雌型連結部１５の嵌
合溝１６をボードA₁の差込縁１０に組み合わせ
るようにして第３図に示すような、防水性、係合
力、パツキング性に富んだ目地部を形成するもの
である。また、壁体全体を形成するには、上記し
たような工程を土台から桁に向かって行えばよい
ものである。なお、図示しないが、土台部分には
スタータ、縦目地部分にはジヨイナ、コーキング
材、出、入隅等の部分にはコーキング材、役物を
用いる必要がある。なお、前述したように本ボー
ドＡは縦張りとして使用することも可能である。〔その他の実施例〕以上説明したのは本考案に係るボードＡの一実
施例にすぎず、第４図ａ〜ｍ〜第９図ａ〜ｊに示
すように形成することもできる。すなわち、第４
図ａ〜ｍは化粧溝５の変形例であり、ａ図はθ₃を
鋭角に形成した化粧溝５、ｂ図はθ₃を鈍角に形成
した化粧溝５、ｃ，ｄ図は化粧片２ａと側面６、
あるいは側面６と窪部８との中間に面取り面５ａ
を形成した化粧溝５、ｅ〜ｉ図は窪部８の形状を
変形し、段差機能の強化を図った化粧溝５、ｊ図
は化粧片２ａと側面６との中間に化粧突起５ｂを
設けた化粧溝５、ｋ図は窪部８を除去した化粧溝
５、ｌ，ｍ図は傾斜面７を曲面とした化粧溝５で
ある。第５図ａ〜ｕは雄型連結部９の変形例であ
り、ａ図は舌片１４を上はぜ状に形成した雄型連
結部９、ｂ〜ｄ図は延長部１３の途中、あるいは
下縁１２に突条１３ａ、溝条１３ｂを１本、また
は複数本設けた雄型連結部９、ｅ，ｆ図は差込縁
１０の下側面１０ｃに突条１０ｄ、あるいは溝条
１０ｅを形成し、係合力、防水性を強化した雄型
連結部９、ｇ，ｈ図は差込縁１０の上側面１０ａ
に突起１０ｆ、あるいは溝条１０ｇを形成した雄
型連結部９、ｉ図は係合溝１１を差込縁１０の上
側面１０ａより内方に突出した雄型連結部９、
ｊ，ｋ図は端面１０ｂを除去し、上側面１０ａと
下側面１０ｃとの中間に芯材１８を介在しない差
込縁１０であり、特にｋ図は差込縁１０の先端を
屈曲した雄型連結部９、ｌ〜ｏ図は差込縁１０の
形状を変形したものであり、ｌ〜ｎ図は水平部分
１０ｈを形成した雄型連結部９、ｏ図はｎ図の水
平部分１０ｈを三角形状に形成した雄型連結部
９、ｐ，ｑ図は延長部１３に段差を設けた雄型連
結部９、ｒ図は下縁１２を傾斜して形成した雄型
連結部９、ｓ，ｔ図は傾斜側壁３を湾曲して形成
した雄型連結部９、ｕ図は上側面１０ａを水平に
形成した雄型連結部９である。また第６図ａ〜ｌ
は雌型連結部１５の例であり、ａ図はθ₂を鋭角に
形成した雌型連結部１５、ｂ図はθ₂を鈍角に形成
した雌型連結部１５、ｃ，ｄ図は側壁４と化粧片
２ｂとの中間、あるいは側壁４と嵌合溝１６の上
縁１６ａとの中間に面取り面１５ａを設け、より
立体感を向上した雌型連結部１５、ｅ図は側壁４
と化粧片２ｂとの中間に化粧突起１５ｂを設け、
意匠性、防水性をより強化した雌型連結部１５、
ｆ図は嵌合溝１６の上縁１６ａの先端、あるいは
途中に突起１６ｄ、または図示しないが溝条を形
成し、係合力、防水性を強化した雌型連結部１
５、ｇ図は下縁１６ｃに突起１６ｅ、あるいは図
示しないが溝条を形成した雌型連結部１５、ｈ図
は下縁１６ｃを側壁４より外方に突出し、ボード
Ａの連結の際のガイドとし、係合を容易にした雌
型連結部１５、ｉ図は最奥面１６ｂを曲面に形成
した雌型連結部１５、ｉ図は最奥面１６ｂを水平
に形成した雌型連結部１５、ｋ図は下縁１６ｃの
先端を内方に屈曲し、そのまま延長して芯材挟持
片１７ａを形成し、表面材１と芯材１８の一体化
を強化すると共に、芯材１８の雌型連結部１５周
辺からの漏洩防止を図つた雌型連結部１５、ｌ図
は上縁１６ａを水平に形成した雌型連結部１５で
ある。なお第４図〜第６図においては表面材１の
みを示し、板厚を省略してある。さらに第７図ａ
〜ｋは裏面材１９の雄型連結部９における装着状
態を示す説明図であり、ａ図は裏面材１９を延長
部１３の裏面に積層するか、装着した状態、ｂ図
は舌片１４で裏面材１９の端部を挟持した状態、
ｃ図は裏面材１９を延長部１３より外側方に突出
した状態、ｄ〜ｊ図は芯材１８を延長部１３より
下方に膨出した際の裏面材１９の装着状態であ
り、特にｄ〜ｉ図は延長部１３の端縁に補強を加
えた状態、ｋ図は裏面材１９の端部を差込縁１０
の下側面１０ｃと芯材１８の中間に配設した状態
であり、ｂ，ｄ，ｆ，ｈ，ｊ，ｋは芯材１８を原
料で吐出した際の液漏れ防止、あるいは離型材と
して役立たせた場合、ｂ図は裏面材１９を挟持す
ることにより、ボードＡの機械強度の向上、変形
防止を図る装着状態、ｃ図は防水性の向上を図る
場合である。また、第８図ａ〜ｂは雌型連結部１
５側での裏面材１９の装着状態であり、目的、作
用効果は第７図と同様である。なお、第７図、第
８図では、表面材１を２点鎖線、裏面材１９を実
線で示してある。さらに、第９図ａ〜ｊは芯材１
８、および化粧面部２の変形を示す説明図であ
り、ａ，ｂ図は芯材１８を延長部１３より下方に
膨出し、断熱性、防火性の向上を図ったボード
Ａ、ｃ図は芯材１８を複数の素材（同質、異質）
により形成し、各素材の機能を複合化したボード
Ａ、ｄ〜ｆ図は裏面に流通溝２０を形成し、壁体
にエアサイクル効果を付加したボードＡ、ｇ図は
雄型連結部９、雌型連結部１５のハツチングで示
す位置の少なくとも１ケ所にコーキング材２１と
してはホツトメルト系接着剤、あるいは成形され
たパツキング材、接着剤を塗布後にホツトメルト
系接着剤で接着力のないパツキング材を植設した
ようなものからなるものであり、防水性の向上を
図ったボードＡ、ｈ図は化粧面部２の短尺方向の
両端縁、あるいは一端縁に端面壁２２を形成し、
ボードＡを長手方向に付き合わせた場合の縦目地
の防水処理を容易にしたボードＡ、ｉ図は化粧片
２ａ，２ｂに中間化粧溝２ｃ，２ｄを形成したボ
ードＡ、ｊ図はボードＡのほぼ中央（図では化粧
溝５の部分）でボードＡをθ₅で屈曲し、ゆるやか
なＶ字状に形成したボードＡである。勿論、第４
図ａ〜ｌ〜第９図ａ〜ｊを各々任意に組み合わせ
たボードＡとすることも可能である。〔考案の効果〕上述したように本考案に係るボードによれば、雄、雌型連結部を前記した落とし込み構造に
したため、１人でも十分に施工でき、かつ、目地
幅を一定にすることができる。化粧面部に少な
くとも１本以上の化粧溝を形成したため、強度が
十分に補強されて、化粧面部の反り、捩じれ、ペ
コツキが防止でき、また化粧面部が山状になつた
りすることがない。化粧溝と目地部とをほぼ同
じ断面形状となるようにしたため、壁全体に目地
がない、所謂、化粧溝だけの模様からなり、美し
く、かつ、意匠性に富む壁体を形成できる。化
粧面部を傾斜側壁−化粧片−化粧溝の側面−化粧
溝の傾斜面−化粧片−側壁のように形成し、か
つ、傾斜側壁：化粧片、傾斜面：化粧片を１：５
〜0.2のように傾斜側壁、傾斜面の幅を大きくし
たため、乱反射と鏡面反射を有効に活用して化粧
片の顕著化を図り、その上に目地部に酷似した化
粧溝によつて段差を明確にし、立体感のある壁体
を形成できる。ボードの連結構造が２重となる
ため、係合力、パツキング性が向上する。差込
縁の形状を断面コ字状に形成したため、強度が補
強される。差込縁全体を単に上方に傾斜して形
成しただけの単純な形態で、差込縁が雨返しの機
能を果たし、防水性が向上する。差込縁の上側
面の傾斜と、嵌合溝の上縁の傾斜により連結部に
空隙を形成し、毛細管現象を防止することができ
る。差込縁の上側面と下側面との中間に芯材が
介在するため、連結部の断熱性が向上する。ボ
ードをサンドイツチ構造としたため、機械強度が
大幅に向上する。ボードを広幅にできるため、
施工性に富み、しかも素材幅を有効に利用できる
ので経済性にすぐれる。ボードは縦、横張りが
できる。壁全体のフラツト性が容易に得られ
る。等の特徴、効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサイデイングボードの一
実施例を示す斜視図、第２図は表面材を説明する
説明図、第３図は上記ボードを用いて形成した壁
体の目地部の一例を示す説明図、第４図ａ〜ｍ、
第５図ａ〜ｕ、第６図ａ〜ｌ、第７図ａ〜ｋ、第
８図ａ，ｂ、および第９図ａ〜ｊはその他の実施
例を示す説明図である。Ａ……サイデイングボード、１……表面材、２
……化粧面部、２ａ，２ｂ……化粧片、３……傾
斜側壁、５……化粧溝、７……傾斜面、９……雄
型連結部、１０……差込縁、１１……係合溝、１
５……雌型連結部、１６……嵌合溝、１８……芯
材、１９……裏面材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

横長の金属板、または合成樹脂板を表面材と
し、該表面材の長手方向の端縁に傾斜側壁と側壁
とを設けて断面をほぼ樋状に形成して化粧面部と
し、また、該化粧面部には少なくとも側面、傾斜
面とから断面をほぼ三角形状に形成した化粧溝を
１本以上設けて化粧面部に複数の水平な化粧片を
形成し、また、該化粧面部の傾斜側壁の端縁には
雄型連結部、側壁の端縁には雌型連結部を形成
し、かつ、前記表面材の裏面には芯材を一体に充
填し、該芯材の裏面をシート状の裏面材で被覆し
たサイデイングボードにおいて、前記雄型連結部
の形状を傾斜側壁の端縁を後上がりに傾斜して屈
曲した上側面とし、次に該上側面の先端を下方に
屈曲して端面とし、次に内方に屈曲して下側面と
し、該上側面と端面と下側面とからほぼコ字状断
面に形成した差込縁と、該差込縁の下側面の先端
を外側方に屈曲して形成した係合溝と、該係合溝
の下縁を外側方に延長した延長部とから構成し、
また雌型連結部は前記側壁の下端を後上がりに傾
斜して屈曲した上縁とし、該上縁の先端を下方に
屈曲して最奥面とし、該最奥面の先端を外側方に
後下がりに屈曲して下縁とし、該上縁、最奥面、
下縁とから断面をほぼコ字状に形成した嵌合溝か
ら構成し、また、前記傾斜側壁と化粧片、および
化粧溝の傾斜面と化粧片との割合を１：５〜0.2
位に形成したことを特徴とするサイデイングボー
ド。