JPH0432438Y2

JPH0432438Y2 -

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Publication number: JPH0432438Y2
Application number: JP1985087944U
Authority: JP
Priority date: 1985-06-10
Filing date: 1985-06-10
Publication date: 1992-08-04
Also published as: JPS61203937U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は建築、構築物の内、外装の壁体を形成
するのに有用なサイデイングボード（以下、単に
ボードという）に関するものである。〔従来の技術〕従来から使用されているこの種ボードとしては
特公昭51−29339号、実公昭51−11882号、
実公昭54−26649号などがある。しかしながら、
上記ボードにおいては種々の問題があつた。すな
わち、のボード（下見板）では雨水が風で吹き
つけられたりすると単なる平板同士の連結構造の
ため、雨水が裏面に漏洩し、胴縁、柱を腐食させ
たり、室内や押入れに湿気を与えたりする欠点が
あつた。またのボードでは下縁の傾斜部の立ち
上がり部までの長さが長いため引張り力が弱く、
目地なしの外装しか形成できない不利があつた。
しかも、本来は目地なしの外装なのに施工者が技
術によつて目地なし、目地ありのバラバラな幅の
目地からなる外装となると共に、施工の際に立ち
上がり部で負傷する危険があつた。さらに、の
ボードは側面の形状が複雑で成形が難しく、か
つ、高価となる欠点があつた。〔考案の目的〕本考案は、上述した欠点を除去するため、化粧
面の一端縁に雄型連結部、他端縁に雌型連結部を
形成すると共に、雄型連結部の差込縁の上側面に
段差を設けて目地下地と傾斜面と突出片とを形成
し、かつ、雌型連結部に設けたほぼコ字状、また
はＵ字状の嵌合溝の上縁と側壁との中間に下方に
突設した突起を形成し、ボードの連結時において
差込縁を嵌合溝に嵌合すると共に、嵌合溝の下縁
を雄型連結部の係合溝に係合して、ボードの連結
構造を２重構造にすると共に、嵌合溝の突起によ
つて、嵌合溝の上縁と差込縁との中間に空隙を形
成して毛細管現象を防止して、連結部の防水性、
係合力を強化し、しかも、本ボードを横張りとし
て使用した際は、施工が容易に１人の作業員で、
しかも熟練を要さずに行なうことができ、その
上、縦張り用としても使用可能であるボードを提
案するものである。〔本案の構成〕以下に図面を用いて本考案に係るボードの代表
的な実施例を詳細に説明する。すなわち、第１図
は上記ボードＡを示す斜視図であり、例えば表面
処理鋼板、亜鉛・ニツケル合金をメツキした鋼
板、アルミ・亜鉛合金メツキ鋼板（商品名ガルフ
アン、ガルバリウム鋼板、スーパージング）、ア
ルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板等の１
種からなる金属板（平板、エンボス加工板も含
む）、または合成樹脂板をロール、プレスで成形
したり、あるいは押出し成形などの１種により成
形した表面材１と表面材１の裏面に充填した芯材
２０と、芯材２０の裏面を被覆した裏面材２１と
からなるサンドイツチ構造に形成したものであ
る。さらに説明すると、表面材１は第２図に示す
ように、化粧面２と雄型連結部３と雌型連結部１
３とから形成したものである。なお、図示しない
が化粧面２には１本、または複数本の凹状、凸状
の化粧リブを設けてもよい。また雄型連結部３は
化粧面２の一端縁を角度θ₁（θ₁≧90°）で屈曲した
傾斜片４と、その端縁を角度θ₂（θ₂≒θ₁）で屈曲
した差込縁５と、差込縁５を上縁とする係合溝９
と係合溝９の下縁１０を外方に延長した延長部１
１と延長部１１の先端をはぜ状に形成した舌片１
２とから構成したものである。さらに説明する
と、差込縁５は上側面に段差を設けて目地下地６
と傾斜面７と突出片８とから形成したものであ
る。この差込縁５はボードＡの連結において後述
する嵌合溝１５に挿入され、目地下地６は防水地
下として機能すると共に、後述する突起１８と接
触することにより雨水の侵入を阻止し、また傾斜
面７は空隙内に侵入してきた雨水を貯留すること
なく下方に流出させるため、ボードＡの連結部の
防水性が向上する。また、差込縁５は目地下地６
と係合溝９の屈曲上縁９ａとの中間に後述する芯
材２０が介在するため、目地部の断熱性が向上す
る。さらに、傾斜片４はボードＡを横張りとして
使用した場合、θ₁≧90°であるため、雨水の流れ
をよくし、目地部に雨水が貯留するのを防止する
と共に、目地部の立体感を助長し、かつ、働き幅
を増大するのに役立つものである。また延長部１
１は直接雨水の侵入しない位置で釘等の固定具Ｂ
によりボードＡを固定する部分でなる。さらに舌
片１２は延長部１１の先端をはぜ状に屈曲したも
のであり、延長部１１の端部の波打ちを防止する
と共に、作業を行う際、延長部１１の端部による
負傷を防止するためのものである。また、雌型連
結部１３は化粧面２の他端縁を下方に屈曲した側
壁１４と、側壁１４の下端に内方に断面をコ字
状、または図示しないがＵ字状に屈曲した嵌合溝
１５と嵌合溝１５の上縁１６と側壁１４との中間
に設けた下方に突設した突起１８と、嵌合溝１５
の下縁１７の先端をはぜ状に屈曲した舌片１９と
から構成したものである。さらに説明すると、嵌
合溝１５は差込縁５を嵌合し、また下縁１７は係
合溝１９に係合してボードＡの連結構造を２重と
するものである。また突起１８は目地下地６に接
触し、雨水の侵入を防止するものであると共に、
第３図に示すように上縁１６と差込縁５との中間
に空隙を形成し、連結部の毛細管現象を防止する
ものである。また、下縁１７は図示するように側
壁１４より外方に突出している場合は、ボードＡ
の連結の際のガイドとなり、施工を容易にするの
に役立つものである。また、舌片１９は下縁１７
の先端の波打ちを防止し、下縁１７の係合溝９へ
の係合をスムーズに行うのに役立つと共に、舌片
１２と同時に作業の安全性を向上するものであ
る。なお、舌片１９は第１図に示すように、裏面
材２１の一端を挟持したり、また下はぜ状に形成
して裏面材２１を挟持しなくともよい。芯材２０
は少なくとも化粧面２の裏面、雄型連結部３、雌
型連結部１３によつて囲まれた樋状の部分に充填
し、ボードＡに断熱性を付与するものであり、副
次的に接着性、不燃性、クツシヨン性、防音性な
どの機能を有する素材の１種以上からなるもので
ある。具体的には合成樹脂発泡体、ロツクウー
ル、グラスウール、シージングボード、石膏ボー
ド、木毛セメント板等の１種からなり、原料で吐
出し、成形、硬化、自己接着させるもの、あるい
は成形体などからなるものである。なお、成形体
を用いる場合には芯材２０と表面材１、裏面材２
１間に接着剤（図示せず）が必要である。さらに
説明すると、芯材２０としては主に合成樹脂発泡
体を用い、例えばポリウレタンフオーム用樹脂、
ポリイソシアヌレートフオーム用樹脂、フエノー
ルフオーム用樹脂、およびこれらに難燃剤、難燃
助剤（硼砂、メタ硼酸ソーダ、三酸化アンチモ
ン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム）、ベ
ントナイト、パーライト粒、シラスバルーンの１
種以上を添加したものなどからなるものである。
さらに芯材２０の雌型連結部１３近傍には、必要
に応じて表面材１の板厚程度の凹部２０ａを設け
る。この凹部２０ａはボードＡを施工した際に化
粧面２を目地部を除き、平坦とするためのもので
ある。なお、芯材としてフエノールフオームのよ
うに酸性の素材を使用した場合は、表面材１の裏
面に発錆現象を阻止するために、防錆塗料を塗布
することも可能である。さらに、芯材２０は表面
材１の裏面の化粧面２、雄型連結部３、雌型連結
部１３で囲まれた樋状部分に一帯に充填するた
め、下段、または隣接するボードＡの舌片１２が
食い込み、壁体の密封性が向上し、防水性が向上
すると共に、ボードＡの持つ断熱性、防音性等の
特性を充分に発揮することができる。さらに、裏
面材２１は少なくとも芯材２０の裏面を覆つてボ
ードＡをサンドイツチ構造体とし、ボードＡ自体
の機械強度を向上すると共に、不燃シート、防水
膜、遮熱シート、吸水シート、防音シート、パツ
キング材などの機能として役立つものであり、例
えばアスベスト紙、クラフト紙、アスフアルトフ
エルト、金属箔（Ａ，Fe，Pb，Cu）、合成樹
脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸
化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の１種、または
２種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処
理、難燃処理されたシートなどからなるものであ
る。ここで本考案に係るボードＡの寸法関係につい
て説明する。第１図および第２図に示すように、
雄型連結部３において傾斜片４の高さをh₁、係合
溝９の最奥から差込縁５の先端までの距離を₁、
係合溝９の最奥から延長部材１１の端縁までの距
離を₂、傾斜片４の下端から差込縁５の先端ま
でを₃、または雌型連結部１３において、側壁
１４の頂点１４ａから突起１８の先端までの高さ
をh₂、嵌合溝１５の最奥から側壁１４までの距離
を₄、嵌合溝１５の最奥から下縁１７の先端ま
での距離を₅、芯材２０において凹部２０ａの
範囲を₆とすると、h₁≒h₂，₁≧₅，₂≦
_６，₃≧₄の関係にある。この関係は、ボード
Ａによつて形成された壁体において化粧面２が平
坦となるためのものであり、コーナー部、ボード
Ａ同士の長手方向の突き合わせ部等において付属
品として使用する役物の形状を長尺状の簡単な形
状とすることができ、施工が容易となる。〔施工例〕いま、第１図に示すように形成したボードA₁，
A₂を第３図に示すように横張り用として使用し、
壁体を形成すると仮定する。なおボードA₁，A₂
は表面材１として0.27mm厚のカラー鋼板を用い、
芯材２０としてポリイソシアヌレートフオームを
使用し、また裏面材２１として、アルミクラフト
紙を用いて形成したものである。そこで、支柱、
間柱、防水シート等からなる壁下地αに第ｎ段目
のボードA₁の延長部１１を釘βを介して固定す
る。次に第ｎ＋１段目のボードA₂の雌型連結部
１３の下縁１７をボードA₁の雄型連結部３の係
合溝９に嵌挿しながら、嵌合溝１５に差込縁５を
挿入する。また、壁体全体を形成するには、上記
したような工程を土台から桁に向かつて行なえば
よいものである。このようにして形成した壁体は
目地部における防水性、係合力に富むものとな
る。なお、土台部分にはスタータ（図示せず）、
出、入隅等の部分（図示せず）にはコーキング
材、役物を用いる必要がある。また本ボードＡは
縦張りとしても使用することができる。〔その他の実施例〕以上説明したのは本考案に係るボードＡの一実
施例にすぎず、第４図ａ〜ｏ、第５図ａ〜ｋ、第
６図ａ〜に示すように形成することもできる。
すなわち、第４図ａ〜ｏは雄型連結部３の変形例
であり、ａ図は係合溝９の上縁９ａを下縁１０に
対しθ₃で傾斜した雄型連結部３，ｂ図は差込縁５
全体を上方に傾斜した（θ₂＜θ₁）雄型連結部３，
ｃ図はｂ図とは逆にθ₂＞θ₁に形成した雄型連結部
３，ｄ図は延長部１１の途中、または下縁１０に
突条１１ａを形成した雄型連結部３，ｅ図は延長
部１１の途中、または下縁１０に溝条１１ｂを形
成した雄型連結部３，ｆ図は突条１１ａと溝条１
１ｂを形成した雄型連結部３，ｇ，ｈ図は延長部
１１に段差を設けた雄型連結部３，ｉ図は係合溝
９の上縁９ａに突条９ｂを形成した雄型連結部
３，ｊ図は目地下地６に突条６ａを設けた雄型連
結部３，ｋ図は目地下地６に溝条６ｂを設けた雄
型連結部３，図は傾斜片４と目地下地６との中
間に窪部４ａを設けた雄型連結部３，ｍ図は舌片
１２を上はぜ状に形成した雄型連結部３，ｎ図は
舌片１２を上方に傾斜した雄型連結部３，ｏ図は
θ₁を90°とした雄型連結部３である。また第５図
ａ〜ｋは雌型連結部１３の実施例であり、ａ図は
下縁１７に突条１７ａを設けた雌型連結部１３，
ｂ図は下縁１７に溝条１７ｂを形成した雌型連結
部１３，ｃ図は舌片１９を下はぜ状に形成した雌
型連結部１３，ｄ図は嵌合溝１５をＵ字状に形成
した雌型連結部１３，ｅ，ｆ図は側壁１４を傾斜
した雌型連結部１３，ｇ図は下縁１７の先端を内
方に折り返し、嵌合溝１５より内方に突出した芯
材挟持片１９ａを形成した雌型連結部１３，ｈ図
は上縁１６の途中に突条１６ａを設けた雌型連結
部１３，ｉ図は嵌合溝１５をつぼ状に形成した雌
型連結部１３，ｊ図は₄≒₆に形成した雌型連
結部１３，ｋ図は₄＞₆に形成した雌型連結部
１３である。なお、第４図ａ〜ｏ、第５図ａ〜ｋ
において表面材１のみを示し、板厚を省略してい
る。また、第６図ａ〜はボードＡの変形例であ
り、ａ図は裏面材２１の一端を雄型連結部の端縁
よりΔだけ突出したボードＡ，ｂ図は裏面材２
１の両端を舌片１２，１９で挟持しないボード
Ａ，ｃ図は裏面材２１の両端を舌片１２，１９で
挟持したボードＡ，ｄ図は裏面材２１の両端、ま
たは図示しないがどちらか一端を表面材１と芯材
２０との中間に配設したボードＡ，ｅ図は芯材２
０を複数層（同質、異質）に形成したボードＡ，
ｆ，ｇ図は裏面に流通溝２２を１本以上形成した
ボードＡ，ｈ，ｉ図は芯材２０を表面材１の下方
に膨出したボードＡ，ｊ図は化粧面２に凹状、ま
たは図示しないが凸状の化粧リブ２ａを１本以上
形成したボードＡ，ｋ図はハツチングで示す位置
の少なくとも１ケ所にコーキング材２３を植設し
たボードＡ，図は化粧面２の長尺方向の両端
縁、またはどちらか一端縁に端面壁２４を形成し
たボードＡである。勿論、第４図ａ〜ｏ、第５図
ａ〜ｋ、第６図ａ〜を各々組み合わせたボード
Ａとすることもできる。〔考案の効果〕上述したように本考案に係るボードによれば、
横張りとして使用した場合、雄、雌型連結部を
前記した落とし込み構造にしたため、１人でも十
分に施工でき、かつ、目地幅を一定にすること
ができ、施工性が向上する。また、ボードの連
結構造が２重構造となり、かつ、連結構造内に空
隙が形成されるため、毛細管現象が阻止され、係
合力、防水性、密封性が向上する。その上、雨
水が連結構造の空隙内に侵入しても、差込縁の上
側面に段差があり、かつ、段差部分が傾斜してい
るため、雨水の貯留がなく壁体内への雨水の侵入
がない。さらに、芯材が差込縁の上側面と係合
溝の上縁との中間に充填されているため、目地部
にも断熱性が生まれる。その上、雌型連結部近
傍に凹部を形成し、目地部以外は平坦である壁体
を形成するため、付属品として用いられる役物を
単純な形状で、長尺状のものを使用することがで
きる。また、ボードは縦張り、横張りの両方に
使用できる。等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るサイデイングボードの一
実施例を示す斜視図、第２図は表面材を説明する
説明図、第３図は上記ボードを横張りとして形成
した壁体の縦断面の一部を示す説明図、第４図ａ
〜ｏ、第５図ａ〜ｋ、および第６図ａ〜はその
他の実施例を示す説明図である。Ａ……サイデイングボード、１……表面材、３
……雄型連結部、５……差込縁、６……目地下
地、７……傾斜面、８……突出片、９……係合
溝、１３……雌型連結部、１５……嵌合溝、１８
……突起、２０……芯材、２１……裏面材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

横長の金属板、または合成樹脂板を表面材と
し、該表面材の化粧面の一端には、化粧面の端縁
を傾斜して屈曲した傾斜片と、該傾斜片の端縁を
化粧面とほぼ平行に外方に屈曲して目地下地と
し、該目地下地の先端を傾斜して屈曲した傾斜面
と該傾斜面の下端を外方に屈曲した突出片と、該
突出片先端を内方に屈曲して延長した屈曲上縁と
からなる差込縁と、該屈曲上縁最奥を外方にＵ字
状に屈曲した係合溝と、該係合溝の下縁を外方に
延長した延長部とからなる雄型連結部を設け、ま
た前記化粧面の他端縁には、内方へ屈曲した側壁
と、該側壁の下端に内方に断面コ字状、またはＵ
字状に屈曲した嵌合溝と、該嵌合溝の上縁と前記
側壁との中間に設けた下方に突出した突起とから
なる雌型連結部を設け、また前記表面材の裏面に
芯材を充填するとともに、雌型連結部近傍の芯材
を一部窪ませて凹部を形成し、該凹部を含む芯材
の裏面を裏面材で被覆したことを特徴とするサイ
デイングボード。