JPH0425873Y2

JPH0425873Y2 -

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Publication number: JPH0425873Y2
Application number: JP1985086784U
Authority: JP
Priority date: 1985-06-07
Filing date: 1985-06-07
Publication date: 1992-06-22
Also published as: JPS61201431U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は建築、構築物の内、外装の壁体を形成
するのに有用なサイデイングボード（以下、単に
ボードという）に関する。〔従来の技術〕従来から使用されているこの種ボードとしては
Ａ○特公昭51−29339号、Ｂ○実公昭51−11882号、Ｃ○
実公昭54−26649号などがある。しかしながら、
上記ボードにおいては種々の問題があつた。すな
わち、Ａ○のボード（下見板）では雨水が風で吹き
つけられたりすると単なる平板同士の連結構造の
ため、雨水が裏面に漏洩し、胴縁、柱を腐食させ
たり、室内や押入れに湿気を与えたりする欠点が
あつた。またＢ○のボードでは下縁の傾斜部の立上
がり部までの長さが長いため引張り力に弱く、目
地なしの外装しか形成できない不利があつた。し
かも、本来は目地なしの外装なのに施工者の技術
によつて目地なし、目地ありのバラバラな幅の目
地からなる外装となると共に、施工の際に立ち上
がり部で負傷する危険があつた。さらに、Ｃ○のボ
ードは側面の形状が複雑で成形が難しく、かつ、
高価となる欠点があつた。〔考案の目的〕本考案は、上述した欠点を除去するため、化粧
面の一側縁に雄型連結部、他側縁に雌型連結部を
形成すると共に、雌型連結部の嵌合溝の上縁と側
壁との中間に突起を設け、かつ、雄型連結部の傾
斜片と雌型連結部の側壁の頂点から突起の先端ま
での高さをほぼ同一とし、壁体を形成した際、ボ
ードの化粧面が平坦となると共に、雌型連結部の
嵌合溝と雄型連結部の突出片、係合溝と嵌合溝の
下縁による２重の係合構造の目地部とした壁体を
形成でき、その上、ボードの連結部において嵌合
溝の上縁と突出片との間に空間を形成して毛細管
現象を阻止して目地部の係合力、防水性を向上
し、かつ、横張りとしてボードを施工した場合、
容易に一人の作業員で、しかも熟練を要さずに行
なうことができる落し込みタイプとし、縦張り用
としても使用可能であるボードを提案するもので
ある。〔考案の構成〕以下に、図面を用いて本考案に係るボードの代
表的な実施例を詳細に説明する。すなわち、ボー
ドＡは第１図に示すように、例えば表面処理鋼
板、亜鉛・ニツケル合金をメツキした鋼板、アル
ミ・亜鉛合金メツキ鋼板（商品名ガルフアン、ガ
ルバリウム鋼板、スーパージンク）、アルミニウ
ム板、アルミニウム合金板、銅板、クラツド鋼
板、制振鋼板等の１種からなる金属板（平板、エ
ンボス加工板も含む）、または合成樹脂板をロー
ル、プレス、あるいは押出成形などの１種により
成形した表面材１と、芯材１７と裏面材１８とか
らサンドイツチ状に形成したものである。さらに
説明すると表面材１は第２図に示すように長尺状
の化粧面２と、化粧面２の一端に雄型連結部３
を、他端には雌型連結部１０を形成したものであ
る。なお、図示しないがボードＡを広幅に形成す
るために化粧面２には１本、または複数本の凹
状、凸状の化粧リブを設けてもよい。雄型連結部
３は、化粧面２の一端縁を角度θ₁（θ₁≧90°）で屈
曲した傾斜片４と、その端縁を角度θ₂（θ₂≒θ₁）
で屈曲し、化粧面２とほぼ平行に外側方に延長し
た突出片５と、その先端を内側方に折り返し、次
に外側方に屈曲して、断面をほぼＵ字状に形成し
た係合溝６と、係合溝６の下縁７を外側方に延長
した延長部８と、延長部８の先端に設けたはぜ状
の舌片９とから形成したものである。さらに説明
すると、傾斜片４はボードＡを横張りした際に、
θ₁≧90°であるため、雨水の流れをよくし、目地
部に雨水が貯留するのを防止すると共に、目地部
の立体感を助長し、かつ、働き幅を増大するのに
役立つものである。また、突出片５は傾斜片４の
下端をθ₂（θ₂≒θ₁）で屈曲した、所謂化粧面２と
平行、あるいは幾分傾斜したものであり、第３図
に示すように壁体の目地部の防水下地として役立
つものである。さらに、突出片５は後述する嵌合
溝１２と嵌合するものでもあり、係合溝６と後述
する下縁１４の係合と共に、ボードＡの連結構造
を２重にすることによりボードＡの係合力を強化
し、かつ、連結部の防水性に役立つものである。
また延長部８は直接雨水の接触しない位置で釘等
の固定具でボードＡを固定する部分である。さら
に、舌片９は延長部８の先端をはぜ状に屈曲した
ものであり、延長部８の端部の波打ちを防止する
と共に、施工の際、延長部８の端部による負傷を
防止するのに役立つものである。また、舌片９は
図示するように下はぜ状に形成したり、図示しな
いが上はぜ状に屈曲して裏面材１８の端部を挟持
することも可能である。雌型連結部１０は化粧面
２の他側縁を内方へ屈曲した側壁１１と、側壁１
１の下端を内方に断面をＵ字状に形成した嵌合溝
１２とから構成したものである。さらに説明する
と側壁１１と嵌合溝１２の上縁１３との中間の境
界には嵌合溝１２の内部に突出した突起１５を形
成し、また嵌合溝１２の下縁１４の先端にははぜ
状に屈曲した舌片１６を設ける。この下縁１４
は、第３図に示すように、突出片５を嵌合溝１２
に嵌合する際に係合溝６に挿入し、ボードの連結
構造を２重としてより係合力、防水性を強化する
のに役立つものである。さらに下縁１４は図示す
るように、側壁１１より外方に突出した際は、ボ
ードＡの連結の際のガイドとなり、施工を容易に
するのに役立つものである。また、突起１５はボ
ードＡの連結部において下段のボードＡ、または
隣接ボードＡの突出片５の上側面５ａと接触し、
上縁１３と突出片５の上側面５ａとの中間に空間
を設けて連結部の毛細管現象を阻止すると共に、
連結部内部への雨水の侵入を防止するのに役立つ
ものである。さらに、突起１５によつて形成され
る空間は、ボードＡを縦張りとして使用した場合
は、雨水の流出経路として機能し、速やかに雨水
をボードＡの下方に排出する。舌片１６は下縁１
４の先端の波打ちを防止し、ボードＡの連結をス
ムーズに行うのに役立つと共に、舌片９と同様に
作業の安全性を向上するものである。芯材１７は
少なくとも表面材１の裏面の化粧面２、雄型連結
部３、雌型連結部１０によつて囲まれた樋状の部
分に充填し、ボードＡに断熱性を付与するもので
あり、副次的に接着性、不燃性、クツシヨン性、
防音性などの機能を有する素材の１種以上からな
るものである。具体的には合成樹脂発泡体、ロツ
クウール、グラスウール、シージングボード、石
膏ボード、木毛セメント板等の１種以上からな
り、原料で吐出し、成形、硬化、自己接着させる
もの、あるいは成形体などの１種からなるもので
ある。なお、成形体を用いる場合には芯材１７と
表面材１、裏面材１８間に接着剤（図示せず）が
必要である。さらに説明すると、芯材１７として
は主に合成樹脂発泡体を用い、例えばポリウレタ
ンフオーム用樹脂、フエノールフオーム用樹脂、
ポリイソシアヌレートフオーム用樹脂、およびこ
れらに難燃剤、難燃助剤、（硼砂、メタ硼酸ソー
ダ、三酸化アンチモン、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム）、ベントナイト、パーライト粒、
シラスバルーンの１種以上を添加したものなどか
らなるものである。さらに、芯剤１７の雌型連結
部１０近傍には必要に応じて表面材１の板厚程度
の凹部１７ａを設ける。この凹部１７ａはボード
Ａを施工した際に化粧面２が目地部を除き、平坦
となるためのものである。なお、芯材としてフエ
ノールフオームのように酸性の素材を使用した際
は、表面材１の裏面に発錆現象を阻止するため
に、防錆塗料を塗布することも可能である。さら
に、芯材１７は表面材１の裏面の化粧面２、雄型
連結部３、雌型連結部１０で囲まれた樋状部分に
一帯に充填するため、下段、または隣接するボー
ドＡの舌片９が食い込み、壁体の密封性が向上す
るため、防水性が向上すると共に、ボードＡの持
つ断熱性、防音性等の特性を充分に発揮すること
ができる。裏面材１８は少なくとも芯材１７の裏
面を覆つてボードＡをサンドイツチ構造体とし、
ボードＡ自体の機械強度を向上すると共に、不燃
シート、防水膜、遮熱シート、吸水シート、防音
シート、パツキング材などの機能として役立つも
のであり、例えばアスベスト紙、クラフト紙、ア
スフアルトフエルト、金属箔（Al，Fe，Pb，
Cu）、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、
石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の
１種、または２種以上をラミネートしたもの、あ
るいは防水処理、難燃処理されたシートなどから
なるものである。ここで、寸法関係について説明すると、雄型連
結部３において傾斜片４の高さをh₁、係合溝６の
最奥から突出片５の先端までの距離をl₁、雌型連
結部１０において側壁１１の頂点１１ａから突起
１５の先端までの高さをh₂、嵌合溝１６の最奥か
ら下縁１４の先端までの距離をl₂、係合溝６の最
奥から延長部８の端縁までをl₃、凹部１７ａの範
囲をl₄とすると、h₁≒h₂，l₁≧l₂，l₃≒l₄の関係に
ある。この関係は、ボードＡによつて形成された
壁体において化粧面２が平坦となるためのもので
あり、付属品として用いられる役物を単純な形状
で、長尺状のものを使用するためのものである。〔施工例〕いま、第１図に示すようなボードＡを横張りし
て第３図に示すような壁体を形成すると仮定す
る。なお、ボードA₁，A₂は表面材１として0.27
mm厚のカラー鋼板を用い、芯材１７にはポリイソ
シアヌレートフオーム用樹脂、裏面材１８にはア
ルミクラフト紙を用いて形成したものである。そ
こで、主柱、間柱、防水シート等からなる壁下地
（図では防水シートを使用しない場合の壁下地を
示す）αに第ｎ段目のボードA₁の延長部８を釘
βを介して固定する。次に第ｎ＋１段目のボード
A₂の雌型連結部１０の下縁１４をボードA₁の係
合溝６に係合すると共に、突出片５を嵌合溝１２
に嵌合し、第３図に示すような横目地を形成する
ものである。また、壁体全体を形成するには、上
記したような工程を土台から桁に向かつて行なえ
ばよいものである。このようにして形成した壁体
は連結部において毛細管現象もなく、防水性、係
合力に富むものとなる。なお、土台部分にはスタ
ータ（図示せず）、出、入隅等の部分（図示せず）
にはコーキング材、役物を用いる必要がある。ま
た縦張りとして使用する際は、従来の施工法と同
様に行う。〔その他の実施例〕以上説明したのは本考案に係るボードＡの一実
施例にすぎず、第４図ａ〜ｏ，第５図ａ〜ｊ，第
６図ａ〜ｊに示すように形成することもできる。
すなわち、第４図ａ〜ｏは雄型連結部３の変形例
であり、ａ図は下縁７に対し係合溝６の上縁６ａ
を角度θ₃となるように形成した雄型連結部１、ｂ
図は突出片５をθ₂＜θ₁となるように形成した雄型
連結部３、ｃ図はθ₂＞θ₁となるように突出片５の
上側面５ａを傾斜した雄型連結部３、ｄ図は延長
部８の途中、または下縁７に突条８ａを設けた雄
型連結部３、ｅ図は延長部８の途中、または下縁
７に溝条８ｂを形成した雄型連結部３、ｆ図は突
条８ａと溝条８ｂを両方設けた雄型連結部３、
ｇ，ｈ図は延長部８に段差を設けた雄型連結部
３、ｉ図は係合溝６の上縁６ａに突条６ｂを設け
た雄型連結部３、ｊ図は突出片５の上側面５ａに
突条５ｂを設けた雄型連結部３、ｋ図は突出片５
の上側面５ａに溝部５ｃを設けた雄型連結部３、
ｌ図は舌片９を上はぜ状に形成した雄型連結部
３、ｍ図は舌片９の部分を上に傾斜した雄型連結
部３、ｎ図は突出片５を途中から上方に屈曲した
雄型連結部３、ｏ図はθ₁を90°に形成した雄型連
結部３である。さらに、第５図ａ〜ｊは雌型連結
部１０の実施例であり、ａ図は上縁１３の途中に
長手方向と平行に形成した溝１３ａあるいは図示
しないがリブを形成し、防水、係合力の強化を図
つた雌型連結部１０、ｂ図は下縁１４にａ図と同
じような溝１４ａを形成した雌型連結部１０、ｃ
〜ｆ図は嵌合溝１２の断面形状を図示するように
形成した雌型連結部１０、ｇ図は舌片１６を下は
ぜ状に形成した雌型連結部１０、ｈ，ｉ図は側壁
１１を傾斜した雌型連結部１０、ｊ図は下縁１４
の先端を内方に屈曲し、嵌合溝１２の最奥より内
方に突出した芯材挟持片１６ａを設け、芯材１７
と表面材１の一体化を強化した雌型連結部１０で
ある。なお、第４図ａ〜ｏ、第５図ａ〜ｊにおい
ては表面材１のみを示し、板厚を省略している。
また、ボードＡは第６図ａ〜ｊに示すように形成
することもできる。すなわち、ａ図は裏面材１８
の一端を雄型連結部３の端縁よりΔlだけ突出し
たボードＡ、ｂ図は裏面材１８の両端を舌片９，
１６で挟持したボードＡ、ｃ図は裏面材１８の両
端、または図示しないが一端を芯材１７と表面材
１の中間に配設したボードＡ、ｄ図はハツチング
で示す位置の少なくとも１ケ所にコーキング材１
９を植設し、連結部の防水性をより向上したボー
ドＡ、ｅ図は芯材１７を複数層（同質、異質）に
形成したボードＡ，ｆ，ｇ図は裏面に流通溝２０
を１本以上形成したボードＡ、ｈ図は芯材１７を
表面材１の下方に膨出して配設したボードＡ、ｉ
図は化粧面２に１本以上の凹状、または図示しな
いが凸状の化粧リブ２ａを形成したボードＡ、ｊ
図は化粧面２の短尺方向の少なくとも一側端に端
面壁２１を設けたボードＡである。もちろん第４
図ａ〜ｏ〜第６図ａ〜ｊを各々組み合わせたボー
ドＡとすることもできる。〔考案の効果〕上述したように本考案に係るボードによれば、
横張りとして使用した場合、雄、雌型連結部を
前記した落し込み構造にしたため、一人でも十分
に施工でき、かつ、目地幅を一定にすることがで
き、しかも防水性にすぐれる。ボードをサンド
イツチ構造としたため、強度が向上する。素材
幅を有効に利用できるので経済性にすぐれる。
嵌合溝の上縁と側壁の中間の境界に突起を設けた
ため、嵌合溝の上縁と突出片との間に空間が形成
され、目地部の毛細管現象を阻止し、目地部の防
水性が大幅に向上する。縦張りとして使用した
場合、嵌合溝の上縁と突出片との間の空間が雨水
の流出経路となるため、速やかにボードの下方へ
排出する。ボードの連結が２重構造となるた
め、係合力が大幅に向上する。目地以外は平坦
な壁体を形成するため、付属品として用いられる
役物を単純な形状で、長尺状のものを使用するこ
とができる。芯材を表面材の裏面の樋状部分に
一体に充填したため、ボードを連結すると下段、
または隣接するボードの雄型連結部の舌片が食い
込み壁体の密封性が向上し、断熱性、防水性が大
幅に向上する。等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るサイデイングボードの一
実施例を示す斜視図、第２図は表面材を説明する
説明図、第３図は上記ボードを用いて形成した壁
体の縦断面の一部を示す説明図、第４図ａ〜ｏ、
第５図ａ〜ｊ、および第６図ａ〜ｊはその他の実
施例を示す説明図である。Ａ……サイデイングボード、１……表面材、２
……化粧面、３……雄型連結部、５……突出片、
６……係合溝、１０……雌型連結部、１５……突
起、１７……芯材、１８……裏面材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

化粧面が横長で、断面凹状の表面材とシート状
の裏面材間に芯材を一体に充填してなり、上記表
面材の化粧面の一側縁には傾斜して屈曲した傾斜
片と、該傾斜片の端縁を化粧面と平行に外方に延
長した突出片と、該突出片を上縁とし、断面Ｕ字
状に形成した係合溝と該係合溝の下縁を外方へ突
出した延長部とから形成した雄型連結部と、該化
粧面の他側端には内方へ屈曲した側壁と、内方に
向かつて断面をほぼＵ字状に形成した前記突出片
と嵌合する嵌合溝を設けた雌型連結部とからなる
サイデイングボードにおいて、前記雌型連結部の
側壁と嵌合溝の上縁との中間の境界に嵌合溝の内
方に突出した突起を設け、かつ、該側壁の頂点か
ら突起の先端までの高さと雄型連結部の傾斜片の
高さをほぼ等しくし、ボードを施工して形成され
る壁体において化粧面が平坦となると共に、前記
芯材を少なくとも雄型連結部、雌型連結部、化粧
面とで形成された表面材の凹状部分に充填したこ
とを特徴とするサイデイングボード。