JPH0350158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はフオークリフトのアタツチメントの
１つであるマニユアルフオークシフタに関し、特
に、マニユアルフオークシフタにおけるアジヤス
タスクリユーを支持するためのアジヤスタスクリ
ユー支持ブラケツト（以下、「支持ブラケツト」
と略称する。）に関するものである。

マニユアルフオークシフタとは、左右一対のフ
オークを手動で水平方向に移動させ、フオーク間
の間隔を調節するための装置であり、種々の寸法
の荷物の荷役を可能にする。

［従来の技術］ 一般のフオークリフトは、マストに沿つて上下
動するリフトブラケツトに固定された左右水平方
向に延びるフインガバーを有しており、このフイ
ンガバーの上端縁に形成されている段にフオーク
上端部のフツクを引つ掛けるようになつている。
また、フオークの下部背面を支えるために、フイ
ンガバーの下側にフオークバーが設けられてい
る。更に、フオーク上の荷物が背後に落ちないよ
うに、バツクレストがフインガバーおよびフオー
クバーの両端にボルトにより固定されている。

このようなフオークリフトに適用されるマニユ
アルフオークシフタとしては従来から種々の型式
があるが、その代表的な構成は第５図に示される
通りである。

第５図において、フインガバー１とフオークバ
ー２との間には、これらと平行にアジヤスタスク
リユー３が配置され、バツクレスト４の左右の垂
直部に設けられた貫通孔を通つて、該垂直部に取
り付けられた支持ブラケツト５により回転可能に
支持されている。このアジヤスタスクリユー３
は、中央を境にして右螺旋部および左螺旋部が形
成されており、右螺旋部と左螺旋部には、それぞ
れ、めねじ部材６が螺合されている。また、各め
ねじ部材６はフオーク７の背面に固定されてい
る。

上記の支持ブラケツト５は、バツクレスト４の
垂直部に溶着されたベースプレート８と、このベ
ースプレート８上に取り付けられると共に、バツ
クレスト４およびベースプレート８の貫通孔から
突出するアジヤスタスクリユー３の端部のジヤー
ナル部を支持するラジアル軸受９が設けられた軸
受プレート１０とから構成されている。

このような構成において、アジヤスタスクリユ
ー３の一端にハンドル１１を嵌め込み、これを手
動により回転させると、各めねじ部材６がアジヤ
スタスクリユー３に沿つて相反する方向に移動す
る。この結果、めねじ部材６が固定されているフ
オーク７は、めねじ部材６と一体に移動し、フオ
ーク７間の間隔が調節される。

［考案が解決しようとする問題点］ 上述した従来のマニユアルフオークシフタにお
いて、支持ブラケツト５のベースプレート８は、
その形状が平板であるために強度が低く、アジヤ
スタスクリユー３の支持強度を高めるために、溶
接によりバツクレスト４と一体化する必要があつ
た。また、ベースプレート８上への軸受プレート
１０の取付けも、ベースプレート８が比較的薄い
ので、止ねじ１２で位置決めした後に溶接を行わ
なければならなかつた。従つて、従来構成では、
支持ブラケツト５のベースプレート８が溶着され
たマニユアルフオークシフタ専用のバツクレスト
４を用意しなければならず、また、一旦この支持
ブラケツト５にアジヤスタスクリユー３が支持さ
れた後は容易に分解することができず、他のアタ
ツチメントへの交換が困難となる、という問題点
があつた。

この考案の目的はかかる問題点を解決すること
にある。

［問題点を解決するための手段］ この考案によるマニユアルフオークシフタにお
ける支持ブラケツトは、フインガバーおよびその
下側のフオークバーの各側の端部間に取り付けら
れるベースプレートと、このベースプレートの中
央部に設けられた貫通孔を通つて突出するアジヤ
スタスクリユーの端部のジヤーナル部を支持する
ラジアル軸受が設けられると共に該ベースプレー
トの中央部の表面に取り付けられる軸受プレート
とを具備し、軸受プレートをベースプレート上に
ボルトにより取り付けるためにねじ穴付きのボル
ト止め用鋼板をベースプレートの中央部の裏面に
固着し、ベースプレートの両端を折り曲げて前記
フインガバーおよびフオークバーの端部にボルト
止めするための脚部を形成し、且つ、ベースプレ
ートの両縁部を表面側に直角に折り曲げたことを
特徴としている。

［作用］ 上述したこの考案のマニユアルフオークシフタ
における支持ブラケツトにおいては、ベースプレ
ートおよび軸受プレートの着脱をボルトのみによ
つて行うことができるようになつている。

［実施例］ 以下、図面と共にこの考案によるマニユアルフ
オークシフタにおける支持ブラケツトの好適な実
施例について詳細に説明する。

尚、従来構成と同一または相当部分には同一符
号を用いて説明する。

第１図および第２図に示されるこの実施例にお
けるマニユアルフオークシフタは、上記従来構成
と同様に、フインガバー１とフオークバー２との
間で、これらと平行に且つ回転可能にアジヤスタ
スクリユー３が支持され、このアジヤスタスクリ
ユー３における左螺旋部と右螺旋部のそれぞれに
めねじ部材６が螺合され、各めねじ部材６が、フ
インガバー１に滑動可能に支持されたフオーク７
の背面に固定されており、アジヤスタスクリユー
３をハンドル１１で回転させることによつてフオ
ーク７を左右に移動させることができるようにな
つている。アジヤスタスクリユー３の各端部は、
バツクレスト４の左右各垂直部における貫通孔１
５を通つて、支持ブラケツト２０により支持され
る。

この考案による支持ブラケツト２０は、フイン
ガバー１とフオークバー２の各側の端部に、バツ
クレスト４を介して取り付けられるベースプレー
ト２１と、このベースプレート２１の中央部の表
面に取り付けられる軸受プレート２２とを備えて
いる。ベースプレート２１は縦長の鋼板から作ら
れており、その長手方向の両縁部が表面側に直角
に折り曲げられている。また、ベースプレート２
１の中央部の裏面には、ベースプレート２１上に
軸受プレート２２をボルト２３により固定するた
めのボルト止め用鋼板２４が溶着されている。こ
のボルト止め用鋼板２４は比較的厚く、その四隅
にはねじ穴２５が穿設されており、これらねじ穴
２５と同軸に設けられたベースプレート２１上の
穴２６に軸受プレート２２の四隅の穴２７を合わ
せ、ボルト２３を通してねじ穴２５にねじ込むこ
とによつて軸受プレート２２を強固に固定するこ
とができる。ベースプレート２１の上下両端部
は、その裏面がボルト止め用鋼板２４の底面と同
一平面となるように折り曲げられ、且つ、それぞ
れにフインガバー１とフオークバー２のバツクレ
スト取付用ねじ穴１６と一致する穴２８が設けら
れて、ベースプレート取付用の脚部２９を形成し
ている。ボルト止め用鋼板２４およびベースプレ
ート２１の中央には、ベースプレート２１をフイ
ンガバー１とフオークバー２に取り付けた際に、
バツクレスト４の垂直部の貫通孔１５と同軸とな
るような貫通孔３０，３１が形成されている。ま
た、軸受プレート２２の中央には、貫通孔１５，
３０，３１に通されてベースプレート２１から突
出したアジヤスタスクリユー３のジヤーナル部
３′を回転可能に支持するために、ラジアル軸受
３２が設けられている。

このような構成の支持ブラケツト２０を用いて
マニユアルフオークシフタを組み立てる場合、ま
ず、バツクレスト４を介して、ベースプレート２
１をボルト３３によつてフインガバー１とフオー
クバー２の各側の端部に取り付ける。次いで、左
右の螺旋部にめねじ部材６を螺合したアジヤスタ
スクリユー３を、バツクレスト４、ボルト止め用
鋼板２４およびベースプレート２１の貫通孔１
５，３０，３１に通し、この後に、軸受プレート
２２のラジアル軸受３２にアジヤスタスクリユー
３のジヤーナル部３′を嵌め込む。同時に、上述
したように軸受プレート２２をベースプレート２
１上にボルト２３によつて固定する。最後に、各
めねじ部材６を左右のフオーク７の背面にそれぞ
れ固定する。

上述した実施例におけるフオークリフトはバツ
クレスト４が取り付けられているが、この考案に
よる支持ブラケツト２０は、ベースブラケツト２
１の縁部が折り曲げられ支持強度が十分高められ
ているので、第３図に示されるように、フインガ
バー１およびフオークバー２に直接この考案によ
る支持ブラケツト２０を取り付けることも可能で
ある。尚、従来においては、バツクレストが取り
付けられない場合には、第４図の如く、支持ブラ
ケツト５′における平板状のベースプレート８′を
山形鋼１７に溶着し、これをフインガバー１およ
びフオークバー２にボルト止めしていたが、第３
図の２点鎖線から理解されるように、山形鋼１７
の外方突出部分のために本考案に比して視野が狭
められている、という欠点を有していた。

また、ベースプレート２１の両縁部の折曲げ高
さを、ボルト頭やアジヤスタスクリユー３の端部
の突出し高さよりも大きくするならば、アジヤス
タスクリユー３等に障害物が接触するのを防止す
ることができるので、マニユアルフオークシフタ
の耐久性が向上し好適である。

［考案の効果］ 以上のように、この考案によれば、支持ブラケ
ツトにおけるベースプレートと軸受プレートの取
付けをボルト締めだけで行うことができるので、
マニユアルフオークシフタの組立ておよび分解が
非常に容易となり、従つて、他のアタツチメント
への交換も容易で、フオークリフトの適用範囲を
広げることができる。また、従来では支持ブラケ
ツトを溶着したマニユアルフオークシフタ専用の
バツクレストを必要としたが、この考案の支持ブ
ラケツトは、標準車用のバツクレストであつて
も、アジヤスタスクリユーを通す貫通孔をあける
程度の簡単な加工だけで利用可能となり、改造の
手間や費用がかからない、等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に従つた（アジヤスタスクリ
ユー）支持ブラケツトが適用されたマニユアルフ
オークシフタの一部を示す分解図、第２図は第１
図のマニユアルフオークシフタの全体を示す正面
図、第３図はバツクレストが設けられていない場
合のこの考案の適用例を示す部分正面図、第４図
はバツクレストが設けられていない場合の従来の
支持ブラケツトを示す斜視図、第５図は従来一般
のマニユアルフオークシフタを示す正面図であ
る。図中、 １：フインガバー、２：フオークバー、３：ア
ジヤスタスクリユー、４：バツクレスト、６：め
ねじ部材、７：フオーク、２０：支持ブラケツ
ト、２１：ベースプレート、２２：軸受プレー
ト、２３，３３：ボルト、２４：ボルト止め用鋼
板、２５：ねじ穴、２９：脚部、３２：ラジアル
軸受。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央を境として左螺旋部および右螺旋部を形成
   しているアジヤスタスクリユーを、左右一対のフ
   オークを支持するフインガバーおよびその下側の
   フオークバーの間に回転可能に支持し、前記左螺
   旋部と前記右螺旋部の各々にめねじ部材を螺合す
   ると共に該めねじ部材をそれぞれ前記フオークの
   背面に固定して成るマニユアルフオークシフタに
   おいて、前記フインガバーおよび前記フオークバ
   ーの各側の端部間に取り付けられるベースプレー
   トと、該ベースプレートの中央部に設けられた貫
   通孔を通つて突出するアジヤスタスクリユーの端
   部のジヤーナル部を支持するラジアル軸受が設け
   られると共に該ベースプレートの中央部の表面に
   取り付けられる軸受プレートとを具備し、前記軸
   受プレートを前記ベースプレート上にボルトによ
   り取り付けるためにねじ穴付きのボルト止め用鋼
   板を該ベースプレートの中央部の裏面に固着し、
   前記ベースプレートの両端を折り曲げて前記フイ
   ンガバーおよび前記フオークバーの端部にボルト
   止めするための脚部を形成し、前記ベースプレー
   トの両縁部を表面側に直角に折り曲げたことを特
   徴とするマニユアルフオークシフタにおけるアジ
   ヤスタスクリユー支持ブラケツト。