JPH0349386Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、巻線用テープワインデイング機構に
関し、さらに詳しく言えば、巻線済みのコイルな
どに、外装あるいは内挿用テープを自動的に巻く
ためのワインデイング機構に関する。

（従来の技術） コイル巻線は、巻線機により自動的に行われ、
巻線済みのコイルに外装テープを巻く作業も自動
化されている。一方巻線を必要とするコイルの種
類は多岐にわたり、ますます多品種少量生産の方
向に向いつつある。

（考案が解決しようとする問題点） 上述のようにコイル巻線と、テープ巻き作業の
効率は自動化により、それぞれ著しく向上し省力
化されているが、多品種少量生産に対する対応策
は充分ではない。たとえばコイルの種類が変われ
ばテープの幅も異なつてくると巻方向も異なつて
くる。ところが従来のテープワインダではテーピ
ングヘツドが固定あるいは半固定のため、段取の
変更に多大の手間と時間がかかるという問題点が
ある。

本考案の目的は、このような問題点を解決し、
多品種のコイルに対応してヘツドを極めて容易に
交換、あるいは向きを変えて装着できるような巻
線用テープワインデイング機構を提供することに
ある。

（問題点を解決するための手段） 前記の目的を達成するため、本考案による巻線
用テープワインデイング機構は、コイルボビン１
を保持して回転するスピンドルに対し、少なくと
も前記スピンドルに直交する平面内の任意の位置
に移動することができる基板１０に、テープ支持
部１１と、テーピングヘツド支持部１２を備え、
テーピングヘツド支持部１２に設けられた穴に嵌
合しパツド２３の表面に通じる空気吸引孔２１ａ
を有する棒状の突出部２１と、複数個のローラ２
２ａ，２２ｂ，２２ｃからなるテープガイド部２
２と、テープ３をコイル巻線２ｂに押しつけるパ
ツド２３と、パツド２３に隣接したパツドに対し
前進後退自在のカツタ２４を組み込んだテーピン
グヘツド２０を有し、テーピングヘツド支持部１
２とテーピングヘツド２０を着脱可能に係合させ
る手段を有している。

（実施例） 以下、図面等を参照して、巻線用テープワイン
デイング機構の実施例について本考案を詳細に説
明する。

第１図は、本考案による一実施例の要部を示す
平面図である。

第２図は、第１図の実施例を斜め下から見上げ
た状況を示す斜視図で、テーピングヘツド２０を
装着する前の状態を示している。

第１図および第２図において、テープ支持部１
１とテーピングヘツド支持部を取り付けた基板１
０は、例えば第４図に示すように巻線機のノズル
ホルダ４を支持するアーム５，５の上に取りつけ
られ、コイルボビン１を保持する図示しないスピ
ンドルに対し、アーム５，５と一体となつて上
下、左右、前後に移動することができる。また、
巻線中にテープワインデイング機構が邪魔になら
ないよう、基板１０が単独に上下に移動できるよ
う、図示しないスライダを介してアーム５，５に
取り付けられている。

テーピングヘツド支持部１２には、第１図およ
び第２図に示すようにテーピングヘツドの棒状突
出部２１に嵌合する孔１２ａが開けられている。
また、テーピングヘツド支持部１２には、シリン
ダ１５と、前進、後退するコの字形のカツタ駆動
板１６が取り付けられており、カツタ駆動板の両
先端１６ａ，１６ａには、カツタの孔２４ｂに係
合する爪を有する係合部１６ｂ，１６ｂが取り付
けられている。このカツタ駆動板１６と係合部１
６ｂはシリンダ１５によつて駆動され、前進、後
退の動作を行う。なお、１２ｂは孔１２ａに挿入
されたテーピングヘツド２０の棒状突出部２１が
抜け落ちないよう棒状突出部２１の溝２１ａに嵌
合する図示しないボールとそのボールを棒状突出
部２１に対し押しつける図示しないスプリングを
収納する部分である。

テーピングヘツド２０は、第１図および第２図
に示すように、ガイドローラ２２ａ，２２ｃおよ
びテンシヨンローラ２２ｂからなるテープガイド
部２２と、テープガイド部２２の一部に固定され
ているパツド２３と、パツド２３の側面に沿つて
進退可能に取り付けられたカツタ２４と、テーピ
ングヘツド支持部１２の孔１２ａに嵌合し、その
内部に貫通する孔２１ａを有する棒状突出部２１
とからなつている。

テープガイド部２２の先端に取り付けられたガ
イドローラ２２ａは支軸２２ｄを中心として自由
に動くことができ、スプリング２２ｅの張力によ
り常にテープ支持部１１に支持されたテープ３の
外周面に押しつけられて、常にテープが正しい位
置にあるように保持している。ガイドローラ２２
ａと２２ｃは滑らかに自由に回転できるが、テン
シヨンローラ２２ｂは回転するときの摩擦が加減
できるようになつており、ここを通過するテープ
の走行にブレーキをかけてコイルの表面に貼付す
るテープに適度の張力を与える。

パツド１３は、テープ３に接する面から裏側に
向けて多数の細い孔２３ａが開けられており、こ
の細い孔２３ａと棒状突出部２１の内部を貫通す
る孔２１ａを介して図示しない真空ポンプにより
パツド２３の表面付近の空気を吸引し、負圧を発
生する。したがつて、パツド２３により随時テー
プ３を吸引して保持することができる。

カツタ２４は、パツド２３の側面に沿つてカツ
タガイド部２５の内部をスライドするように取り
つけられている。カツタ２４の上部近くに孔２４
ｂがあつて、シリンダ１５によつて駆動されるコ
の字形のカツタ駆動板１６の係合部１６ｂ，１６
ｂのうちの左右どちらか一方に嵌合し係合され
る。テープ３を切断するときは、カツタ駆動板１
６の先端部１６ａがカツタ２４の最上部２４ａを
押すことによりカツタ２４の刃先２４ｃが前進し
テープ３を切断する。

棒状突出部２１には、前記の貫通孔２１ａがあ
る他、テーピングヘツド支持部１２の孔１２ａの
内部へ向けて突出した図示しないボールによつて
ロツクされるための溝２１ｂと、吸引空気の気密
性を保つための弾性Ｏリング２１ｃを嵌める溝を
設けている。

なお、第１図中の矢印の方向にコイルボビン１
を回転させてテープを巻くときとは逆向きにテー
プを巻く必要がある場合は、テーピングヘツドが
着脱自在であるので、棒状突出部２１の中心を軸
として180度回して逆向きにセツトすれば逆方向
のテーピングが可能となる。また基板１０に取り
付けるテープ支持部１１およびテーピングヘツド
の数は任意の数でよく、第４図ａにはテープ支持
部１１の右下にテーピングヘツド支持部１２を配
置した例を、同図ｂにはテープ支持部１１の左下
にテーピングヘツド支持部１２を配置した例を示
す。ここで同図ａとｂではコイルボビン１に巻く
テープの巻方向は互いに逆となる。

次に本実施例のテープワインデイング機構の動
作について説明する。

第３図は、本実施例のテープ巻回動作を説明す
るための図である。

第３図ａにおいてコイルボビン１は図示しない
スピンドルに装着されており、既に巻線７が巻回
されて、その端末のからげ処理も終わつている。
パツド２３はスピンドルの中心軸と直交する線上
に配置されており、テープ３の端３ａは、パツド
２３の位置まで引き出されている。

まず、テープワインダ用基板１０が下方に移動
して、パツド２３がテープ３の端３ａをコイルボ
ビン１に巻かれた巻線上に付着させる（第３図ａ
の状態）。

次に、パツド２３が退避するとともに、スピン
ドルが第３図の時計方向に回転し、テープ３をコ
イルボビン１に巻かれたコイル巻線２の外周に巻
きつける（第３図ｂの状態）。

所定の回数だけスピンドルが回転すると、スピ
ンドルの回転は停止する。そののち、テープワイ
ンダ用基板１０が水平方向（図中左方）に移動す
るとともに、下方向にも移動して、第３図ｃの状
態になる。この状態で、エアシリンダ１５が駆動
され、第１図に示すカツタ駆動板１６を介してカ
ツタ２４が第３図ｃの２点鎖線で示す位置まで突
出し、テープ６を切断する。

テープ６が切断された後、テープワインダ用基
板１０は下方向に移動し、ゴムパツド２４ｄを巻
線２上に外装巻されたテープ６ｂ上に押し当てる
（第３図ｄの状態）。この状態で、スピンドルを数
回回転させると、テープ６ｂは、コイル巻線２上
に定着する。

テープ巻きが終了すると、テープワインダ用基
板は初期位置に戻り、コイルボビン１は自動的に
排出される。もし、このテーピングがコイル巻回
途中でテープ内挿のため行われたものであれば、
引き続いて巻線作業が行なわれる。そして次のテ
ーピングが行なわれるまでテープ３の先端３ａは
パツド２３の吸引により保持される。したがつ
て、テープ３の先端３ａのパツド位置までの引き
出しは、最初にテープ３をテープ支持部１１に装
着するとき、およびテープ３が無くなつたため交
換するときのみでよい。

（考案の効果） 以上詳しく説明したように、本考案によれば、
テープガイド部とパツドとカツタを一括してテー
ピングヘツドとし、本体から分離して着脱自在と
したので、種類の異なる、例えばテープの幅が大
小異なつていたり、テープの巻方向が異なる場合
にも、テーピングヘツドの交換、あるいは表裏を
変えて装着するだけの簡単な操作で対応できると
いう効果がある。したがつて、本実施例を使用す
ることによつて、特に多品種少量生産の作業効率
を高めることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による一実施例の要部を示す
平面図である。第２図は、第１図の実施例のテー
ピングヘツド装着前の状態を示す斜視図である。
第３図は、第１図の実施例の動作を示す説明図で
ある。第４図は、本考案による一実施例の全体を
示す正面図（略図）である。 １……コイルボビン、２……コイル巻線、３…
…テープ、４……ノズルホルダ、５……ノズルホ
ルダ支持アーム、１０……テープワインダ用の基
板、１１……テープ支持部、１２……テーピング
ヘツド支持部、１５……シリンダ、１６……カツ
タ駆動板、２０……テーピングヘツド、２１……
棒状突出部、２２……テープガイド部、２３……
パツド、２４……カツタ、２５……カツタガイド
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コイルボビンを保持して回転するスピンドルに
   対し、少なくとも前記スピンドルに直交する平面
   内の任意の位置に移動することができる基板に、
   テープ支持部と、テーピングヘツド支持部を備
   え、前記テーピングヘツド支持部に設けられた孔
   に嵌合しパツドの表面に通じる空気吸引孔を有す
   る棒状の突出部と、複数個のローラからなるテー
   プガイド部と、テープをコイル巻線に押しつける
   パツドと、前記パツドに隣接してパツドに対し前
   進後退自在のカツタを組み込んだテーピングヘツ
   ドを有し、前記テーピングヘツド支持部と前記テ
   ーピングヘツドを着脱可能に係合させる手段を備
   えたことを特徴とする巻線用テープワインデイン
   グ機構。