JPH0349055Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は搬送台車のストレージ機構、詳しくは
給電線から給電され電動にて走行する搬送台車を
用いた搬送システムのストレージ機構に関する。

（従来の技術および問題点） 従来リニヤインダクシヨンモータ（以下LIM
と称する）を使用した台車搬送システムにおいて
は、LIMにて走行する搬送台車を用いて荷物の
搬送が行なわれるが、その搬送台車にはストレー
ジ機構が付属されていない。

また回転型モータを使用した台車搬送システム
においては、その搬送台車にはストレージ機構が
付属されているが、そのストレージ機構をLIM
を使用した台車搬送システムにおけるストレージ
機構として採用しようとしても、その台車構造が
複雑となるため採用できない。

その例として回転型モータを使用した搬送台車
が第２図に示されており、その搬送台車１１は直
流モータ１２によりウオーム減速機１３を介して
駆動されレール１４上を走行するようになつてお
り、台車前部にはバンパー１５が設けられてお
り、そのバンパーはスイツチを内蔵しスイツチの
役目もするようになつている。その台車１１がレ
ール１４上を前進して第３図に示されているよう
に先行台車１６に突き当たると、バンパー１５が
押されて内蔵されているスイツチにより給電
OFFとなり、直流モータ１２の回転が停止して
台車１１は先行台車１６に当接した状態で停車す
る。従つて台車１１と同一構造の多数の後行台車
が次々に前進して先行台車に突き当たるとそれぞ
れの先行台車に当接した状態で停車するため、そ
れらの一連の台車がストレージされるのである。
次に先行台車が発進したとすれば、バンパー１５
に内蔵されたスイツチが給電ONとなるため後行
台車も発進する。

しかしながら上述のようなスイツチ内蔵バンパ
ー１５を用いる構造の搬送台車の場合には、バン
パーに内蔵されたスイツチの接点が給電OFFの
ときアークが発生してその接点が焼損するので大
電流を流すことができないため、そのようなスイ
ツチ内蔵バンパーは大電流を流すLIMを使用す
る搬送台車には不適であるという問題があり、ま
た仮りにスイツチ内蔵バンパーを設けるとした場
合全ての搬送台車に取付けることが必要である等
信頼性の点でも問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案の目的は、給電線から給電され電動にて
走行する搬送台車を用いた搬送システムのストレ
ージ機構における前述の問題点を解消し、LIM
を使用した台車搬送システムにも適用可能なスト
レージ機構を提供しようとするものである。

その目的を達成するために、本考案による搬送
台車ストレージ機構は、ストレージ機構が設けら
れるストレージ部における給電線を任意の数に分
割し、各分割給電線を各々独立に給電ON／OFF
ができるようにするとともに分割給電線に対応す
る位置にそれぞれ台車検知センサーを設けてお
き、分割給電線のうちの先頭の分割給電線は制御
装置の指令により給電ON／OFFされ、それ以後
の分割給電線はそれに対応する位置に設けられた
台車検知センサーおよびそれよりも一つ先の分割
給電線に対応する位置に設けられた台車検知セン
サーの両方が台車有りと検知したとき給電OFF
し且つそれ以外は給電ONとするシーケンスによ
り搬送台車をストレージするようになつているも
のである。

（実施例） 以下本考案による搬送台車ストレージ機構の実
施例について第１図を参照して説明する。

１ａ，１ｂは搬送台車、２は搬送台車に給電す
るためのトロリー線であつて、搬送台車１ａ，１
ｂは給電線２から給電され電動にてレール３上を
走行する。給電線２はストレージ機構が設けられ
るストレージ部において任意の数の給電線に分割
されており（本例においては５本）、各分割給電
線２ａ〜２ｅは各々独立に給電ON／OFFができ
るようにされている。４ａ〜４ｅは複数の台車検
知センサーであつて、分割給電線２ａ〜２ｅのそ
れぞれに対応する位置に配設されている。

そして分割給電線のうちの先頭の分割給電線２
ａは制御装置（図示せず）の指令により給電
ON／OFFされ、次の分割給電線２ｂは台車検知
センサー４ａおよび４ｂが台車有りと検知したと
き給電OFFされ且つそれ以外は給電ONされ、そ
の次の分割給電線２ｃは台車検知センサー４ｂお
よび４ｃが台車有りと検知したとき給電OFFさ
れ且つそれ以外は給電ONされ、同様にそれ以降
の分割給電線もそれに対応する位置に設けられた
台車検知センサーおよびそれよりも一つ先の分割
給電線に対応する位置に設けられた台車検知セン
サーの両方が台車有りと検知したとき給電OFF
され且つそれ以外は給電ONされるシーケンスに
より作動する。

搬送台車は前述のシーケンスによつて次のよう
にストレージされるようになつている。即ちまず
搬送台車１ａが台車検知センサー４ａの位置にあ
る場合、次の搬送台車１ｂはその台車が台車検知
センサー４ｂ上に到達するまでは分割給電線２ｂ
〜２ｅが給電ONとなつているから台車検知セン
サー４ｂに対応する位置まで走行し、センサー４
ｂが台車有りとなつてその位置に停止する。つい
で搬送台車１ａおよび１ｂが台車検知センサー４
ａおよび４ｂ上にある場合、次の搬送台車（図示
せず）はその台車が台車検知センサー４ｃ上に到
達するまでは給電線２ｃ〜２ｅが給電ONとなつ
ているから台車検知センサー４ｃに対応する位置
まで走行し、センサー４ｃが台車有りとなつてそ
の位置に停車する。このようにして搬送台車が
次々に台車検知センサー４ａ〜４ｅまで前詰めに
ストレージされる。

次に反対に最初の搬送台車１ａが制御装置から
の指令によつて発進すれば、台車検知センサー４
ａ上が空になるので分割給電線２ｂが給電ONさ
れ、台車検知センサー４ａに対応する位置まで走
行する。また同様に後続の台車も次々に前詰めに
走行する。なお台車はストレージ動作に支障を来
たさぬ程度に低速走行させるようになつている。

（考案の効果） 本考案による搬送台車ストレージ機構は、上述
のように構成されているので、搬送台車にスイツ
チ内蔵バンパーを設ける必要がなくなるため
LIMを用いる搬送システムの搬送台車に適用す
ることが可能になるとともに、搬送台車の信頼性
を高くすることができ、またストレージのための
特別な機構は不要となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による搬送台車ストレージ機構
の線図的説明図、第２図は従来の搬送台車の線図
的側面図、第３図は第２図の搬送台車のストレー
ジの状態を示す線図的側面図である。 １ａ，１ｂ……搬送台車、２……給電線、２ａ
〜２ｅ……分割給電線、３……レール、４ａ〜４
ｅ……台車検知センサー、１１……搬送台車、１
２……直流モータ、１３……ウオーム減速機、１
４……レール、１５……バンパー、１６……搬送
台車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給電線から給電され電動にて走行する搬送台車
   を用いた搬送システムのストレージ機構におい
   て、前記ストレージ機構が設けられるストレージ
   部における前記給電線を任意の数に分割し、各前
   記分割給電線を各々独立に給電ON／OFFができ
   るようにするとともに各前記分割給電線に対応す
   る位置にそれぞれ台車検知センサーを設けてお
   き、前記分割給電線のうちの先頭の分割給電線は
   制御装置の指令により給電ON／OFFされ、それ
   以後の前記分割給電線はそれに対応する位置に設
   けられた前記台車検知センサーおよびそれよりも
   一つ先の前記分割給電線に対応する位置に設けら
   れた前記台車検知センサーの両方が台車有りと検
   知したとき給電OFFし且つそれ以外は給電ONと
   するシーケンスにより搬送台車をストレージする
   ようになつていることを特徴とする搬送台車スト
   レージ機構。