JPH0348971Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、鉄骨鉄筋コンクリート造における梁
主筋受けに関する。

〔従来の技術〕

第３図は、従来の鉄骨鉄筋コンクリート造での
梁主筋受けを示す縦断正面図で、内部大梁の場合
である。鉄骨梁１０を造成するのに、図中７は梁
鉄骨、５は該梁鉄骨７の周囲にこれと平行に配さ
れる梁主筋、６は該梁主筋５に巻回されるスター
ラツプ筋で、従来梁主筋５の上部のものの位置を
保持するには、カンザシ鉄筋９と称せられる横鉄
骨などを掛け渡して支承していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

かかるカンザシ鉄筋を用いる従来の梁主筋受け
では、天井裏において壁又は梁に換気用のスリー
ブ、電気配線用のスリーブ等を梁の中央にこれを
横方向に貫通するように設けるため、このスリー
ブ周辺よりのクラツクの発生を余儀なくされる。

また、壁や床版等の型枠はその都度鉄骨梁１０
から基準をとつて支持する方法が採られるが、こ
のような基準がなかなか定めにくく、型枠の精度
確保には不充分であつた。

本考案の目的はかかる従来例の不都合を解消
し、クラツク発生を防止し、また型枠精度の向上
を図かることができる鉄骨鉄筋コンクリート造に
おける梁主筋受けを提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は前記目的を達成するため、ガス管又は
単管等の管体を使用し、その開口端をコンクリー
ト躯体面に顕出させたことを要旨とするものであ
る。

〔作用〕

本考案によれば、梁主筋受けを換気孔や電気配
管用の孔として利用でき、そのためのスリーブを
特別に形成する必要がないのでクラツクの発生を
防止できる。また、壁、床版型枠を組立てる際の
基準にできるので、型枠の精度向上が図れる。

〔実施例〕

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説
明する。

第１図は本考案の梁主筋受けの第１実施例を示
す縦断正面図で、外部大梁の場合であり、前記従
来例を示す第３図と同一構成要素には同一参照番
号を付したものである。

すなわち、鉄骨鉄筋コンクリート梁１０は梁鉄
骨７や梁主筋５、スターラツプ筋６とコンクリー
トで形成されるが、本考案はカンザシ筋の代り
に、ガス管や仮設用のパイプ部材である単管など
の管体１を用いてこれで上部の梁主筋５を受ける
ようにした。

該管体１は、工場又は現場でその途中を梁鉄骨
７の上端に溶接され、その際、壁、床版型枠の基
準となるように配慮される。また、該管体１はそ
の一端が下方に折れ曲がり、両開口端がコンクリ
ート躯体面に顕出するもので、特に他端の開口端
近傍は内側にネジ切り８を施した。

このようにして、型枠内にコンクリートを打設
し、脱型後管体１を電気配管用の孔や換気孔とし
て利用することができる。特に、換気孔として利
用する場合は、前記ネジ切り８を介して防虫金網
３を施したエルボ２を取付けるようにすることが
できる。

そして、管体１は壁や梁よりも厚みのある床版
１１の貫通位置であるので、クラツクの発生はほ
とんどなくなる。

第２図は本考案の第２実施例を示す縦断正面図
で、内部大梁の場合である。本実施例は第１実施
例とほとんど同一なので詳細説明は省略するが、
管体１は両端とも下方に折り曲げてコの字形とし
た。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案の鉄骨鉄筋コンクリー
ト造における梁主筋受けは、天井裏換気孔や電気
配線用スリーブなどとして利用することができ、
クラツクの発生を防止することができる。また、
壁床版等の型枠の基準として型枠精度の向上も図
かれるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ本考案の梁主筋受け
の第１、第２実施例を示す縦断正面図、第３図は
従来例を示す縦断正面図である。 １……管体、２……エルボ、３……防虫金網、
５……梁主筋、６……スターラツプ筋、７……梁
鉄骨、８……ネジ切り、９……カンザシ鉄筋、１
０……鉄骨鉄筋コンクリート梁、１１……床版。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガス管又は単管等の管体を使用し、その開口端
   をコンクリート躯体面に顕出させたことを特徴と
   する鉄骨鉄筋コンクリート造における梁主筋受
   け。