JPH0347261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ハウジング内部に電線等に接合され
たプラグコンタクトを有し、相手コネクタと嵌合
してこのプラグコンタクトを相手コネクタに保持
されたレセプタクルコンタクトと嵌合接続させ、
両コンタクト間の電気接続を行なわせるコネクタ
に関するものである。

（従来技術） 従来から電線等の接続を行なわせるためのコネ
クタは種々提案されており、一例を挙げれば、実
公昭61−1666号に開示されているコネクタがあ
る。このコネクタは、第４図に示したように、プ
ラグハウジング２内に電線９の端部が接合された
複数のレセプタクルコンタクト３を収納保持した
プラグコネクタ１と、キヤツプハウジング６内に
電線９の端部が接合された複数のプラグコンタク
ト７を収納保持したキヤツプコネクタ５とからな
るものである。これら両コネクタ１，５を接続さ
せるには、プラグハウジング２の先端部２ａをキ
ヤツプハウジング６の嵌合穴６ａ内に挿入させ
て、嵌合穴６ａ内に突出するプラグコンタクト７
の先端部７ａをレセプタクルコンタクト３内に嵌
入させ、両コンタクト３，７間の電気接続を行な
わせる。

（考案が解決しようとする課題） この場合、キヤツプハウジング６に保持され嵌
合穴６６ａ内に突出したプラグコンタクト７の先
端が、上下もしくは左右に曲がつたり位置ずれし
たりしてキヤツプハウジング６に保持されている
と、嵌合穴６ａ内にプラグハウジング２の先端部
２ａを挿入させてもプラグコンタクト７ａの先端
はレセプタクルコンタクト３内にうまく嵌入され
ず、両コンタクト３，７間の電気接続の不良を生
ぜしめるおそれがあるという問題がある。

このため、従来では、キヤツプハウジング内に
プラグコンタクトを装着した後、嵌合穴内へ突出
するプラグコンタクトの先端部の位置をチエツク
ゲージでチエツクして、上記のような接続不良の
発生を防止している。しかしながら、全キヤツプ
コネクタについてチエツクゲージによるチエツク
を行なう必要があり、チエツクに要する工数が多
くなるという問題がある。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記問題に鑑み、キヤツプハウジング
に保持されたプラグコンタクト先端の位置ずれ曲
がりを小さ押えると共にプラグコンタクト自体の
位置規制も行い、上記のような接続不良のないコ
ネクタを提供しようとするものである。

本考案のコネクタは、相手コネクタを挿入する
嵌合凹部、および該嵌合凹部内に突出する少なく
とも１個のプラグコンタクトを有するキヤツプハ
ウジングを具えるコネクタにおいて、前記キヤツ
プハウジングは、前記プラグコンタクトの位置を
規制する片持梁状の弾性係止片と該弾性係止片の
背面に前記嵌合凹部に向けて開口する空間とを有
し、前記嵌合凹部の内壁に当接する側壁と底部を
備えた位置決め部材が設けられ、前記底部は前記
プラグコンタクトの先端部を案内するための面取
りを設けた位置決め孔を有し、かつ前記底部は前
記空間に挿入される保持突起を有し、前記位置決
め部材の前記位置決め孔および前記保持突起によ
り前記プラグコンタクトの位置決めおよび保持を
行うことを特徴とするものである。

（作用） 以上のように構成すると、位置決め手段によつ
てプラグコンタクトの先端部が所定位置に保持さ
れるので、該先端部の位置ずれや曲がりを矯正す
ることができる。さらに位置決め部材を嵌合穴内
に挿入するときに、先端部の位置ずれや曲がりが
許容限度以上であり位置決め孔の面取りによつて
も上記先端部を位置決め孔内に案内できないとき
には、位置決め部材を挿入することができないの
で、これをチエツクゲージを用いることなく検知
できる。

（実施例） 以下、本考案の好ましい実施例について図面に
基づいて説明する。

第１図は本考案に係るキヤツプコネクタ１０を
相手プラグコンタクト３０と嵌合接続させた状態
を示す断面図、第２図および第３図は上記キヤツ
プコネクタ１０およびプラグコンタクト３０をそ
れぞれ示す断面図であり、以下、これらの図を併
用して説明する。

キヤツプコネクタ１０はキヤツプハウジング１
１、位置決め部材２０および複数のプラグコンタ
クト２５から構成される。キヤツプハウジング１
１はプラスチツク等の絶縁材料から作られ、図中
右側部１２には右方に開口した嵌合凹部を構成す
る嵌合穴１２ａが形成され、左側部にはプラグコ
ンタクト２５を挿入保持するための複数の挿入孔
１３が左側端から嵌合穴１２ａ内へ貫通して形成
されている。このため、後端部（左端部）２６に
おいて電線９の端部が接続されたプラグコンタク
ト２５は、上記挿入孔１３へ左端から挿入され、
図示の如く先端部２７が挿入孔１３を貫通して嵌
合穴１２ａ内へ突出した状態で挿入孔１３内に保
持される。この挿入孔１３内には弾性変形可能な
片持梁状の弾性係止片１４が設けられており、挿
入孔１３内にプラグコンタクト２５が挿入される
と、弾性係止片１４の弾性変形によつて弾性係止
片１４の下部に形成された係止突起１４ａがプラ
グコンタクト２５の係止板２８を乗り越えて係止
板２８と当接してプラグコンタクト２５の位置を
規制する。このため、一旦プラグコンタクト２５
が挿入されると係止突起１４ａと係止板２８とが
当接係止するため、プラグコンタクト２５を外方
へ引張つても抜けることがない。なお、本コネク
タ１０は防水コネクタとして用いられるものであ
り、電線９の先端部にはラバープラグ２９が取り
付けられ、このラバープラグ２９もプラグコンタ
クト２５とともに挿入孔内に挿入され、コネクタ
１０の内部への水の侵入を防止する。

このようにして、キヤツプハウジング１１に複
数のプラグコンタクト２５が装着されると、次い
で嵌合穴１２ａ内に位置決め部材２０が挿入され
る。この位置決め部材２０は図中右方に開口した
箱状の部材で、底部となる左側端には、嵌合穴１
２ａ内に突出したプラグコンタクト２５の先端部
２７に対応した位置に位置決め孔２２が貫通形成
されている。この位置決め孔２２の左側部（入口
部）には面取り２２ａが施されており、位置決め
部材２０が嵌合穴１２ａ内に挿入されると、プラ
グコンタクト２５の先端部２７は面取り２２ａに
案内されて位置決め孔２２内に入り込み、この位
置決め孔２２を貫通して嵌合穴１２ａ内へ突出す
る。また、この際位置決め部材２０は、その側壁
が嵌合穴１２ａの内壁に当接することにより、傾
斜したりせずに円滑に嵌合穴１２ａ内に挿入され
る。このため、先端部２７が多少位置ずれした
り、曲がつたりして嵌合穴１２ａ内に突出してい
る場合でも、面取り２２ａの案内によつて先端部
２７を位置決め孔２２内へ入り込ませることがで
き、この位置決め孔２２によつて先端部２７の位
置ずれ、曲がりを矯正することができる。なお、
先端部２７の位置ずれ、曲がりが許容限度を越え
ており、上記面取り２２ａによつても先端部２７
を位置決め孔２２内へ案内することができないと
きは位置決め部材２０を嵌合穴１２ａ内へ挿入で
きないので、これを検知することができる。すな
わち、位置ずれ、曲がりが小さいときは、位置決
め部材２０でこれを矯正することができ、位置ず
れ、曲がりが大きいときは、位置決め部材２０で
これを検知でき、従来のようにチエツクゲージに
よる検査は不要である。

この位置決め部材２０には図中左方に突出する
保持突起２１が設けられている。この保持突起２
１はキヤツプハウジング１１の弾性係止片１４の
背面側に形成された空間１５に対向して設けられ
ており、位置決め部材２０が嵌合穴１２ａ内に侵
入されると保持突起２１は空間１５内に挿入され
るようになつている。保持突起２１が空間１５内
に挿入されると、弾性係止片１４の変形が保持突
起２１によつて抑えられ、係止突起１４ａと係止
板２８との当接係止が外れないように保持され
る。また、プラグコンタクト２５の挿入孔１３内
への挿入が不完全で係止突起１４ａが係止板２８
上に乗り上げた状態にあるときには、弾性係止片
１４の弾性変形によつて上記空間１５が狭められ
るので、保持突起２１を空間１５内へ挿入させる
ことができない。このため、位置決め部材２０を
嵌合穴１２ａ内へ挿入させることができなくな
り、プラグコンタクト２５の不完全挿入を検知す
ることもできる。

なお、キヤツプハウジング１１の上面にはプラ
グコンタクト３１と嵌合したときにこの嵌合状態
を保持するための係合突起１６が形成されてい
る。

一方、上記キヤツプコネクタ１０と嵌合接続さ
れるプラグコネクタ３０は、プラグハウジング３
１、保持部材４０および複数のレセプタクルコン
タクト４５から構成される。プラグハウジング３
１は左右に貫通して延びた複数の挿入孔３２を有
し、この挿入孔３２内に図中右端からレセプタク
ルコンタクト４５が挿入保持される。レセプタク
ルコンタクト４５は前端にプラグコンタクト２５
の先端部２７が挿入されるレセプタクル部４７を
有するとともに後端部４６には電線９の端部が接
続され、さらに電線９の端部上にラバープラグ４
９が取付けられている。上記挿入孔３２内には、
キヤツプコネクタ１０の場合と同様に弾性係止片
３３が設けられ、弾性係止片３３上に形成された
係止突起３３ａがレセプタクル部４７の端部に当
接係止され、レセプタクルコンタクト４５の抜け
止めがなされている。

このようにしてレセプタクルコンタクト４５が
挿入保持されたプラグハウジング３１に左端側か
ら保持部材４０が挿入されて装着される。保持部
材４０はその左端部にレセプタクル部４７に対向
した挿入開口４１を有し、右端部に右方へ突出し
た保持突起４２を有する。挿入開口４１は、プラ
グコネクタ３０がキヤツプコネクタ１０と嵌合し
たときに、プラグコンタクト２５の先端部２７を
貫通させ、これをレセプタクルコンタクト４５の
レセプタクル部４８と係合接続させるための開口
である。保持突起４２は、キヤツプコネクタ１４
の場合と同様に弾性係止片３８の変形を抑えるも
ので、これにより係止突起３３ａとレセプタクル
部４７の端部との当接係止を外れないように保持
する。

また、プラグハウジング３１の図中上部には、
キヤツプハウジング１１と嵌合したとき、キヤツ
プハウジング１１の係合突起１６と係合しこの嵌
合状態を維持する係合部３５、および係合部３５
と係合突起１６との係合を解く解除アーム３６が
ある。

以上のように構成されたキヤツプコネクタ１０
の嵌合穴１２ａ内へプラグコンタクト３０を挿入
させて両コネクタ１０，３０を嵌合接続させる
と、第１図に示すようにプラグコンタクト２５の
先端部２７は保持部材４０の挿入開口４１を通つ
てレセプタクルコンタクト４５のレセプタクル部
４７内へ嵌入され、両コンタクト２５，４５の電
気接続がなされる。このように両コネクタ１０，
３０が嵌合接続したときには、プラグハウジング
３１の係合部３５がキヤツプハウジング１１の係
合突起１６と係合し、この嵌合が外れないように
保持される。また、嵌合穴１２ａの入口部内にお
けるプラグハウジング３１との間に生じる間隔内
には防水用ラバープラグ５０が圧入され、両コネ
クタ１０，３０の内部への水の侵入を防止するよ
うになつてる。

（考案の効果） 以上説明した如く、本考案によれば、位置決め
部材は底部および側壁を有し、底部にはプラグコ
ンタクト保持用の保持突起およびプラグコンタク
ト先端部を案内する面取り位置決め孔を有してい
るため、以下の効果を奏する。

即ち、側壁が嵌合穴の内壁に当接することによ
り、位置決め部材が傾斜したりせずに円滑に嵌合
穴内に挿入される。また位置決め孔でプラグコン
タクトの先端部の位置ずれ、曲がりを矯正する際
横方向の力を受けて支えとなると共に基準面とな
つて先端部の正しい位置出しを可能とする。

また保持突起により弾性係止片が押圧されてプ
ラグコンタクトと係合され、プラグコンタクトが
移動しないようになり、先端部の位置決めを一層
確実なものとする。さらににプラグコンタクトが
挿入孔内へ完全に挿入されていない場合には、弾
性係止片がプラグコンタクトに乗り上げた状態と
なつて弾性係止片の背面側の空間が狭められるの
で保持突起を空間へ挿入することが不可能とな
る。この結果位置決め部材は嵌合穴内に挿入する
ことができなくなりプラグコンタクトの不完全挿
入を検知することができる。

以上の如く本考案によるコネクタは、位置決め
部材を嵌合穴に円滑に挿入してプラグコンタクト
の不完全挿入の検知と、プラグコンタクトの先端
部の位置ずれ、曲がりの矯正あるいは、先端部が
許容限度以上に変形している場合の不良の検知と
の両機能を合わせ持ち、信頼性の高い電気的接続
を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るキヤツプコネクタを相手
プラグコンタクトと嵌合接続させた状態を示す断
面図、第２図および第３図は上記キヤツプコネク
タおよびプラグコンタクトをそれぞれす断面図、
第４図は従来のキヤツプコネクタおよびプラグコ
ネクタを示す断面図である。 １０……キヤツプコネクタ、１１……キヤツプ
ハウジング、１２ａ……嵌合穴、１４，３３……
弾性係止片、１５……空間、２０……位置決め部
材、２１，４２……保持突起、２２………位置決
め孔、２２ａ……面取り、２５……プラグコンタ
クト、２７……先端部、３０……プラグコネク
タ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 相手コネクタを挿入する嵌合凹部、および該嵌
   合凹部内に突出する少なくとも１個のプラグコン
   タクトを有するキヤツプハウジングを具えるコネ
   クタにおいて、 前記キヤツプハウジングは、前記プラグコンタ
   クトの位置を規制する片持梁状の弾性係止片と該
   弾性係止片の背面に前記嵌合凹部に向けて開口す
   る空間とを有し、 前記嵌合凹部の内壁に当接する側壁と底部を備
   えた位置決め部材が設けられ、前記底部は前記プ
   ラグコンタクトの先端部を案内するための面取り
   を設けた位置決め孔を有し、かつ前記底部は前記
   空間に挿入される保持突起を有し、 前記位置決め部材の前記位置決め孔および前記
   保持突起により前記プラグコンタクトの位置決め
   および保持を行うことを特徴とするコネクタ。