JPH0346160Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は結露防止ドアに関する。

一般に寒冷地に於て木製ドアは反り、木割れ、
塗装のはげが発生し易く、耐久性に優れた金属製
ドアにしだいに変わりつつある。しかし、従来か
らの金属製のドアのままでは、ドアの裏面（室内
側面）に結露水が付着し、その結露水が下枠に落
ちて凍結するため、ドアの開閉に支障をきたすと
いう問題があつた。

本考案はこのような従来の金属製ドアの問題を
解決した結露防止ドアの提供を目的とし、そこで
本考案の特徴とする処は、ドア本体の内面に直接
的に当接する断熱性化粧パネルを備えた結露防止
ドアであつて、上記ドア本体の金属製周囲框の外
端縁部に、断熱材を介して該周囲框に直接金属接
触することなく、Ｌ字状部を有する保持片を着脱
自在に取付けて、該周囲框の外端縁部に沿つて、
上記パネルの周囲縁部が嵌着される保持凹溝を形
成し、該パネルを、上記周囲框を含むドア本体の
内面全体を被覆するように該ドア本体に取付けた
点にある。

以下、図示の実施例に基づき本考案を詳説す
る。

第１図と第２図に於て、結露防止ドア１は上下
框２，３と左右竪框４，５を周囲に有し、また所
望によりその内部に中棧を格子状に付設し、かつ
飾り額縁６……を嵌込状に取付けて、該飾り額縁
６を介して、コミ板・パネル板・ガラス板等の板
部材７を取付けてなる。このようにして金属を主
体としてドア本体８が構成されるが、上下框２，
３と左右竪框４，５からなる周囲框Ａの内面側
（室内側）の外端縁部９に沿つて保持凹溝１０が
形成されている。即ち、Ｌ字状部３１を有する保
持片１１が、横断面が略Ｌ字状の断熱材１４を介
してビス１５で各框２，３，４，５に固着され、
この保持片１１のＬ字状部３１と周囲框Ａの内面
とで保持凹溝１０が形成される。具体的には、各
框２，３，４，５から外側に屋外側突条１６のみ
を突設して、屋内側を省略し、保持片１１が直接
に各框２，３，４，５に金属接触しないように断
熱材１４をビス１５にて挟着状に固定してなる。

１２は断熱性を有する化粧パネルであり、周囲
縁部３０が中央部よりも肉薄に形成され、この肉
薄の周囲縁部３０を上記保持凹溝１０に嵌着し
て、化粧パネル１２をドア本体８内面に当接重合
させてドア本体８と化粧パネル１２の二重構造に
形成してなる。なお、具体的には上下框２，３の
保持凹溝１０，１０に化粧パネル１２の上下端縁
を嵌込んで後に、上下框２，３のタツピングホー
ル部１３……に螺着するビスにて、左右竪框４，
５の上下端を上下框２，３端面に連結して、該左
右竪框４，５の保持凹溝１０，１０に化粧パネル
１２の左右端縁を嵌着するか、又は、周囲框Ａを
組立てた後、化粧パネル１２を内面側に重合当接
し、断熱材１４を介して四周に保持片１１……を
ビス１５にて固着するようにするもよい。

また、この場合は、断熱性を有する化粧パネル
１２が、意匠を重視した本体部１２ａと、ドア本
体８に直接に当接する断熱性に優れた断熱板部１
２ｂとを一体板状に形成したものである。なお断
熱板部１２ｂに代えて防音特性に優れた材質から
なる防音板部を用いるも好ましい。

次に、第３図に示す他の実施例に於て、周囲框
Ａの内周側に当接する内壁部１７と、該内周側の
溝部に嵌込まれる一対の嵌込突条片１８，１８
と、屋外側にのみ設けられた飾り額縁片６ａと、
周囲框Ａの屋内側面のほぼ全幅に当接する当接片
部１９と、該当接片部１９の外端に突設される相
互に平行なＬ字状突条２０・Ｔ字状突条２１と
を、一体型材にて形成した補助型材２２を、図の
如く当接して、ビス２３にて周囲框Ａに固着す
る。このビス２３の頭を隠す被覆帯板２４を上記
突条２０，２１にて形成された凹溝部に嵌着す
る。

しかして、保持凹溝１０は、上記補助型材２２
としての保持片１１のＴ字状突条２１のＬ字状部
３１にて形成され、この保持凹溝１０に、断熱性
を有する化粧パネル１２が嵌着され、保持され
る。なお、この化粧パネル１２の取付前に、予め
表て面側パネル板２５を、裏面側から嵌着して飾
り額縁片６ａに当接させ、かつ弾性を有すると共
に、好ましくは断熱材からなる挟着部材２６を該
表て面側パネル板２５の裏面に当接しておき、そ
の次に、化粧パネル１２を取付けて、同時に該表
て面側パネル板２５をも保持するように構成され
る。なお、この場合のパネル１２は、本体部１２
ａと断熱材部１２ｂから形成されていない。

また、第４図に示す実施例では、第２図と比較
すれば明らかなように、周囲框Ａの各框２，３，
４，５が従来から一般に用いられている標準型材
が使用可能であつて、屋外側突条１６と対向して
室内側突条２７が突設されている。両突条１６，
２７にて形成された凹溝の奥のウエブ２８に保持
片１１をビス２３にて固着して、保持凹溝１０を
形成してなる。従つて化粧パネル１２は、既設ド
アに後付けで容易に取付得る利点がある。なお、
飾り額縁６は表て面側を複雑な意匠を施こし、裏
面側を単純な製作容易な形状としている。けだし
化粧パネル１２を取付ける裏面側は見えなくなる
からである。

また、第５図に示すさらに別の実施例のよう
に、二本の突条１６，２７を有する標準的型材の
框２，３，４，５に断熱材１４を介して、横断面
皿型の保持片１１をビス１５にてウエブ２８に固
着し、化粧パネル１２の端縁を嵌着する保持凹溝
１０を裏面側に形成するも望ましい。この場合も
既設ドアに後付けにて化粧パネル１２を取付ける
ことが容易である。

なお、金属を主体としたドア本体８の表て面側
に保持凹溝１０を形成し、化粧パネル１２を表て
面側に重合状に取付けるも自由である（図示省
略）。また、化粧パネル１２には質感を高める凹
凸模様を形成したり、表面あらさを変化させた
り、各種複合材等を使用することも好ましい。

〔考案の効果〕

本考案は上述の如く構成されているので、次に
記載する効果を奏する。

周囲框の内面（屋内側面）をも断熱性化粧パ
ネルにて被覆しているので、該内面についても
防露効果を有し、しかも、保持片は周囲框に直
接金属接触せず、全体として極めて優れた防
露・断熱効果を奏するものとなる。

保持片を取外せば、パネルを取外すことがで
きるので、該パネル１２の取替え作業が極めて
容易となり、簡単に異なつた感じのドアに変更
することができる。

室外側からの観察では金属製建具となり、室
内側からの観察では木製建具となり、価値のあ
るものとなる。

化粧パネルは、周囲縁部以外を肉厚部とする
ことができ、ドア全体の質感を高めると共に、
優れた防音効果を有するものとすることができ
る。

寒冷地に本考案に係るドアを使用した場合に
おいても、結露を有効に防止でき、その落下水
が下枠に溜つて凍結してドアの開閉が困難とな
ることがない。

室内と室外との温度差によるドア本体の反
り、変形がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面側面図、
第２図は断面平面図、第３図は他の実施例を示す
断面側面図、第４図と第５図は夫々別の実施例を
示す要部断面図である。 ８……ドア本体、９……外端縁部、１０……保
持凹溝、１１……保持片、１２……化粧パネル、
３０……周囲縁部、３１……Ｌ字状部、Ａ……周
囲框。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドア本体８の内面に直接的に当接する断熱性化
   粧パネル１２を備えた結露防止ドアであつて、 上記ドア本体８の金属製周囲框Ａの外端縁部９
   に、断熱材１４を介して該周囲框Ａに直接金属接
   触することなく、Ｌ字状部３１を有する保持片１
   １を着脱自在に取付けて、該周囲框Ａの外端縁部
   ９に沿つて、上記パネル１２の周囲縁部３０が嵌
   着される保持凹溝１０を形成し、該パネル１２
   を、上記周囲框Ａを含むドア本体８の内面全体を
   被覆するように該ドア本体８に取付けたことを特
   徴とする結露防止ドア。