JPH0343166Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は弾性反転する蓋板付きのキヤツプに係
る。

「従来の技術」 例えば実開昭53−154152号公報にも示されてい
るように、いわゆる三点ヒンジ付きの弾性反転す
る蓋板付きキヤツプが普及している。該キヤツプ
は、通常、口部付き頂板の外周から容器体口頚部
嵌合用周壁を垂下するキヤツプ本体の後部上端
に、左右二箇の第１肉薄ヒンジを介してキヤツプ
本体上面を開閉する蓋板を付設し、かつ上記第１
ヒンジ間下方の周壁部分から第２ヒンジを介して
Ｌ字状弾性板を起立し、該弾性板他端を上記第１
ヒンジ間前方の蓋板中間部上面へ第３ヒンジを介
して付設した形状をなす。

「考案が解決しようとする課題」 上記従来の三点ヒンジ付きキヤツプは、キヤツ
プ本体と蓋体とを直接第１ヒンジを介して連結す
るから、その蓋体を弾性反転させるＬ字状弾性板
を狭少なキヤツプ本体と蓋体との間に設けなけれ
ばならないこととなり、よつてその形成が面倒と
なり、構造が複雑化してコスト高を招くものであ
つた。

本案は上記のようにキヤツプ本体と蓋体とを直
接連結するのではなく、弾性反転機構を介し連結
させることで、構造が簡易で成形容易な蓋板付き
キヤツプを提案するものである。

「課題を解決するための手段」 容器体口部に着脱自在に嵌合させたキヤツプ本
体１の後方に、上面および後面開放の凹部２を形
成させ、該凹部の前壁部３から半円状の第１円弧
片４を形成させて上下両方向に弾性アームを、そ
の下方アームと凹部底壁５との間に間隙をおいて
突出させると共に、これ等両アーム先端から第
１、第２屈折部６，７を介して第２、第３円弧片
８，９を突出させ、これ等第２，第３円弧片先端
を第３屈折部１０を介して連結させることで、そ
れ等第１、第２、第３円弧片により円形リングを
形成させ、上記第２円弧片外面から、上記キヤツ
プ本体頂壁１１の上面に開孔された収納物注出孔
１２を閉塞する蓋板１３を突出させた。

「作用」 第１図の状態から、蓋板１３前端を上後方へ押
上げると、その蓋板１３は、第１屈折部６を支点
として回動し、該蓋板と連結する第２円弧片８後
端の第３屈折部１０を前方へ押込む。

第１、第２屈折部６，７間の距離は、第１屈折
部６と第３屈折部１０との間の距離と、第３屈折
部１０と第２屈折部７との間の距離とを加えた距
離よりも小であるから、第２、第３円弧片８，９
を連結する第３屈折部１０が前進するに従い、第
１円弧片４が弾性変形して第１、第２屈折部６，
７間の距離が拡げられることとなり、第１，第２
屈折部６，７を結ぶ直線上に第３屈折部１０が位
置したときを死点として、その直線前方へ第３屈
折部１０が移動すると、第１円弧片４が弾性変形
して、第２図のように蓋板１３が弾性反転により
起立する。蓋板閉塞の際も、第３屈折部１０が上
記直線後方へ移動したとき弾性反転する。

「実施例」 １は、容器本体１５上端に嵌合させたキヤツプ
本体であり、その頂壁１１前部には、容器本体１
５内と連通する収納物注出孔１２が穿設してい
る。キヤツプ本体１の後部には、上面および後面
開放の凹部２を形成する。

その凹部２の前壁部３からは支持板を後方へ突
出し、該支持板の後端から上後部外方と下後部外
方とに弾性アームを、その下方の弾性アームと上
記凹部底壁５上面との間に間隙をおいて突出し、
それ等上下両弾性アームで第１円弧片４を形成し
ている。

上記第１円弧片４の上下両端からは、第１、第
２屈折部６，７を介して第２、第３円弧片８，９
を突出し、それ等両円弧片の後端を第３屈折部１
０で連結し、第１、第２、第３円弧片４，８，９
により円形リングを形成する。また、第２円弧片
８の前端からは、既述収納物注出孔１２を閉塞す
る栓１４付きの蓋板１２を前方へ突出させてい
る。

上記第１、第２、第３円弧片４，８，９および
第１、第２、第３屈折部６，７，１０は、弾性反
転機構を形成するもので、キヤツプ本体１と共に
合成樹脂材で一体成形すればよい。

「考案の効果」 本案は、上記構成とするものであり、既述従来
例のように、キヤツプ本体と蓋体とを直接連結す
るものでなく、第１、第２、第３円弧片４，８，
９および第１、第２、第３屈折部６，７，１０が
形成する弾性反転機構を介してキヤツプ本体１と
蓋体１３とを連結したから、その弾性反転機構設
置空間が狭小化して、そのため構造が複雑化して
コスト高となるようなことがなく、また、第１円
弧片４の下方弾性アームと凹部２の底壁５上面と
の間に間隙を設けたから、その弾性アームの弾性
変形が邪魔されることもない。更に、弾性反転機
構を介してキヤツプ本体と蓋板とを連結させたか
ら、開蓋時に蓋体がクラつくこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案容器の一部を切欠いた側面図、
第２図は、その容器の開蓋状態を示す側面図であ
る。 ４……第１円弧片、６……第１屈折部、７……
第２屈折部、８……第２円弧片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器体口部に着脱自在に嵌合させたキヤツプ本
   体１の後方に、上面および後面開放の凹部２を形
   成させ、該凹部の前壁部３から半円状の第１円弧
   片４を形成させて上下両方向に弾性アームを、そ
   の下方アームと凹部底壁５との間に間隙をおいて
   突出させると共に、これ等両アーム先端から第
   １、第２屈折部６，７を介して第２、第３円弧片
   ８，９を突出させ、これ等第２、第３円弧片先端
   を第３屈折部１０を介して連結させることで、そ
   れ等第１、第２、第３円弧片により円形リングを
   形成させ、上記第２円弧片外面から、上記キヤツ
   プ本体頂壁１１の上面に開孔された収納物注出孔
   １２を閉塞する蓋板１３を突出させたことを特徴
   とする蓋板付きキヤツプ。