JPH0342669B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、静電複写装置、更に詳しくは、複写
すべき原稿を保持するための原稿載置機構と原稿
の像を投射するための光学系との相対的移動によ
つて遂行される原稿の像の走査に同期して複写紙
が搬送される型の静電複写装置に関する。

従来、静電複写装置としては、光導電層を有す
る感光部材上に原稿の像に対応する静電潜像を形
成し、次いでこの静電潜像にトナーを施してトナ
ー像を形成し、しかる後にこのトナー像を複写紙
に転写し、かくして原稿の像に対応する複写画像
を有する複写を生成する所謂トナー像転写式装
置、光導電層を有する感光部材上に原稿の像に対
応する静電潜像を形成し、次いでこの静電潜像を
複写紙に転写し、しかる後に複写紙上の静電潜像
にトナーを施してトナー像にせしめ、かくして原
稿の像に対応する複写画像を有する複写を生成す
る所謂静電像転写式装置、或いは光導電層を有す
る複写紙を用いてこの複写紙上に直接的に原稿の
像に対応する静電潜像を形成し、しかる後にこの
静電潜像にトナーを施してトナー像にせしめ、か
くして原稿の像に対応する複写画像を有する複写
を生成する所謂直接式装置が存在する。

かような形式の静電複写装置においては、複写
すべき原稿を保持するための原稿載置機構を光学
系に対して移動せしめる（原稿移動方式）か、或
いは光学系を上記原稿載置機構に対して移動せし
める（光学系移動方式；光学系の構成要素の全て
を移動せしめる場合と光学系の構成要素の一部の
みを移動せしめる場合を含む）ことによつて原稿
の像が走査され、光導電層を有する感光部材又は
光導電層を有する複写紙上に投射される。そし
て、かような原稿の像の走査に同期して、複写画
像を形成すべき複写紙が搬送される。複写紙を搬
送するための複写紙搬送系は、連続したロール状
複写紙を巻出すロール状複写紙供給機構又は予め
所定の長さに切断されたシート状複写紙を供給す
るシート状複写紙供給機構或いはその両者を含ん
でいる。

上述したとおりの形式の静電複写装置において
は、これまでに種々の点から研究開発がなされ
種々の改良が提案されているが、未だ充分に満足
し得るものではなく、次の通りの解決すべき問題
が存在する。即ち、複写紙搬送系がロール状複写
紙供給機構を含んでいる場合、ロール状複写紙の
装填時においては、複写紙の先端が原稿の先端の
走査に対応して移動するようになす（即ち原稿の
像の先端が複写紙の先端に実質上合致した状態で
トナー像が複写紙に形成されるようになす）ため
に、一般に、ロール状複写紙を巻出してその先端
を複写紙切断機構の切断位置に位置付ける必要が
あるが、従来の静電複写装置では、かかる複写紙
先端位置付け操作が煩雑であると共に複写紙を幾
分無駄に浪費しなければならなかつた。詳述する
と、複写紙切断機構の上流側にはロール状複写紙
供給ローラ対がある等によつて複写紙切断機構の
切断位置の視界が妨げられるので巻出した複写紙
の先端を手動によつて複写紙切断機構の切断位置
に正確に位置付けることは実際上不可能乃至著し
く困難である。そこで、従来の静電複写装置にお
いては、先ず最初に、巻出した複写紙をロール状
複写紙供給ローラ対のニツプ位置に位置付け、次
にロール状複写紙供給ローラ対を手動で回転せし
めて複写紙の先端が複写紙切台機構の切断位置を
越えるまで複写紙を巻出し、しかる後に、手動に
て複写紙切断機構を作動せしめて複写紙の先端を
若干切断し、切断された部分を手で除去してい
た。かかる操作は著しく煩雑であり、そしてまた
複写紙が若干無駄に浪費される。或いは、上記の
とおりの操作に代えて、先ず最初に、巻出した複
写紙をロール状複写紙供給ローラ対のニツプ位置
に位置付け、しかる後に、装置を１回だけ空転
し、略一枚分の複写紙を無駄に消費していた。か
かる操作は幾分煩雑であり、そしてまた複写紙が
略一枚分無駄に浪費される。

本発明は上記事実に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、新たなロール状複写紙を装填す
る際に複写紙を無駄に消費することなく且つ極め
て簡単な操作によつて複写紙の先端を複写紙切断
機構の切断位置に位置付けることができる静電複
写装置を提供することである。

本発明によれば、ハウジングと；複写すべき原
稿を載置するための透明板及び該透明板上に載置
された原稿を覆うための原稿押え部材を有し且つ
該ハウジング上に装着された原稿載置機構と；該
透明板上に載置された原稿の像を投射するための
光学系を含む、該ハウジング内に載置された複写
画像形成手段と；該原稿載置機構と該光学系との
相対的移動によつて遂行される該原稿の像の走査
に同期して複写紙を搬送するための、ロール状複
写紙を巻出すロール状複写紙供給機構及びロール
状複写紙切断機構を含む複写紙搬送系とを備えた
静電複写装置において； 該ロール状複写紙供給機構は、ロール状複写紙
装填位置とロール状複写紙巻出し位置との間を旋
回可能に装着され且つロール状複写紙のコアを回
転自在に支持するロール状複写紙支持枠と、巻出
された複写紙を供給するための回転駆動される複
写供給ローラ対と、ロール状複写紙装填時に該複
写紙供給ローラ対を複写紙供給方向に所定量だけ
回転せしめるための複写紙初期送り機構とを具備
し、該支持枠にロール状複写紙を回転自在に装填
し且つその先端を巻出して該複写紙供給ローラ対
のニツプ位置に位置付けた後に、該初期送り機構
によつて該複写紙供給ローラ対を複写紙供給方向
に所定量だけ回転せしめると巻出された複写紙の
先端が該複写紙切断機構の切断位置まで送り出さ
れるように構成されていることを特徴とする静電
複写装置が提供される。

次に、本発明に従う静電複写装置の好適な具体
例を図示している添付図面を参照して詳細に説明
する。尚、以下の説明においては、トナー像転写
式の静電複写装置に関連して本発明を説明する
が、本発明は、トナー像転写式の静電複写装置に
限定されるものではなく、静電潜像転写式又は直
接式の静電複写装置にも同様に適用し得るもので
ある。

先ず最初に、主として第１図及び第２図を参照
して、図示のトナー像転写式静電複写装置の全体
の構成を概説する。

図示の静電複写装置は、全体を番号２で示す略
直方体形状のハウジングを有する。このハウジン
グ２の上面部には、複写すべき原稿を保持するた
めの原稿載置機構４が、それ自体は周知の適宜の
方式によつて原稿走査方向（即ち第１図及び第２
図において左右方向）に滑動自在に装着されてい
る。この原稿載置機構４は、静電複写装置が非作
動状態の場合には第１図に実線で第２図に２点鎖
線４Ａで示す停止位置に位置しているが、静電複
写装置が作動し複写工程を遂行する際には停止位
置から先ず第２図において右方へ第２図に実線で
示す走査移動開始位置まで準備移動し、次いでこ
の走査移動開始位置から第２図において左方へ第
２図に２点鎖線４Ｂで示す走査移動終了位置まで
走査移動し、しかる後に第２図において右方へ上
記停止位置まで戻り移動する形態のものであるの
が好ましい。ハウジング２の前面部には、制御ス
イツチ等が設けられている制御パネル６が配置さ
れている。

第２図に簡略に図示するとおり、ハウジング２
内の略中央部には、外周表面の少なくとも一部に
感光部材を有する円筒状の回転ドラム８が回転自
在に装着されている。尚、円筒状の回転ドラム８
に代えて、外側表面の少なくとも一部に感光部材
を有する当業者には周知の無端ベルト状要素を用
いることもでき、本明細書においてはかような無
端ベルト状要素をも含む概念として語句「回転ド
ラム」を使用する。矢印１０の方向に回転駆動さ
れる回転ドラム８の周囲には、その回転方向に沿
つて順次に、感光部材を充電するための充電手段
を構成する充電用コロナ放電器１２、感光部材上
に形成された静電潜像にトナーを施してトナー像
にせしめる現像手段を構成すると共に図示の具体
例においては転写工程の後に感光部材上に残留す
る残留トナーを除去するためのクリーニング手段
にも構成する現像及びクリーニング装置１４、感
光部材上に形成されたトナー像を転写紙に転写す
るための転写手段を構成する転写用コロナ放電器
１６が配置されている。現像及びクリーニング装
置１４は、内部に磁石を有するそれ自体は周知の
円筒状スリーブ１８、この円筒状スリーブ１８に
トナーを供給するトナー供給器２０、及びスリー
ブ１８の表面から落下するトナーを受取る受皿２
１を有するのが好ましい。回転ドラム８の回転方
向に見て転写用コロナ放電器１６の下流側には、
更に、転写工程の後に感光部材に残留する残留電
荷を除去するための除電用コロナ放電器２２及び
除電用ランプ２４が配置されているのが好まし
い。

回転ドラム８の上方には、原稿載置機構４に保
持された原稿の像を感光部材に投射するための光
学系２６が配置されている。この光学系２６は、
ハウジング２の上面に形成された露光開口２８を
通して原稿を照射する原稿照射ランプ３０、原稿
からの反射光を感光部材に投射するための第１の
反射鏡３２、インミラーレンズ３４、第２の反射
鏡３６及び第３の反射鏡３８を有する。かかる光
学系２６は、第２図に破線矢印で示すように、原
稿載置機構４に保持された原稿の像を、回転ドラ
ム８の回転方向に見て上記充電用コロナ放電器１
２の直ぐ下流の位置で感光部材に投射する。光学
系２６の左方、従つてハウジング２内の上方部左
端近傍には、冷却用送風器４０が設けられてい
る。この送風器４０は、ハウジング２の左端壁上
部に形成された吸引開口４２から空気を吸引し、
これを案内板４４に沿つて送り、ハウジング２の
上面の露光開口２８に隣接して形成された送風開
口４６から送り出し、かくすることによつて原稿
載置機構４が走査移動する際にその透明板を冷却
する。また、送風器４０の側部後方（第２図にお
いては紙面に直角な方向において送風器４０の後
方）には、送風器４０の駆動源を構成すると共に
静電複写装置の種々の構成要素の駆動源を構成す
る電動モータ４８が配置されている。

図示の静電複写装置には、更に、全体の番号５
０で示す複写紙搬送系が設けられている。複写紙
搬送系５０は、ロール状複写紙を巻出すためのロ
ール状複写紙供給機構５２と、シート状複写紙を
供給するためのシート状複写紙供給機構５４とを
有する。ロール状複写紙供給機構５２は、巻出さ
れるロール状複写紙を案内すると共にそのカール
を矯正するカール取りローラ５６と、ロール状複
写紙を巻出して送り出すためのロール状複写紙供
給ローラ対５８とを有し、そして供給ローラ対５
８の下流側には巻出されたロール状複写紙を切断
するためのロール状複写紙切断機構６０が設けら
れている。シート状複写紙供給機構５４は、ハウ
ジング２の右端壁に形成されたシート状複写紙挿
入開口６２と、この挿入開口６２を通して挿入さ
れるシート状複写紙を受入れるシート状複写紙受
け板６４と、受け板６４上に挿入されたシート状
複写紙を送り出すためのシート状複写紙供給ロー
ラ６６と、受け板６４上に挿入されたシート状複
写紙をシート状複写紙供給ローラ６６に押付ける
ためのシート状複写紙供給補助部材６８とを有す
る。尚、ロール状複写紙供給機構５２の構成の詳
細については後に説明する。複写紙搬送系５０
は、更に、ロール状複写紙供給機構５２から案内
板７０上を通して送り出される複写紙、或いはシ
ート状複写紙供給機構５４から案内板７２上を通
して送り出される複写紙を案内板対７４間を通し
て転写用コロナ放電器１６が配置されている転写
域に搬入するための搬送ローラ対７６、転写域に
て回転ドラム８の表面に密接された複写紙を回転
ドラム８から分離して転写域から搬出するための
分離ローラ対７８、分離ローラ７８から案内板８
０，８２上を通して送られる複写紙を加圧して複
写紙上に転写されたトナー像を圧力定着するため
の加圧ローラ対８４、加圧ローラ対８４から案内
板対８８を通して、送り出される複写紙をハウジ
ング２の左端壁に形成された搬出開口９０を通し
て受け皿９２に送り出す搬送ローラ対９３を有す
る。案内板対８８の上流端８６は、加圧ローラ対
８４に密着された複写紙を加圧ローラ対８４から
分離する機能を有する。

次に、第１図と共に第３図を参照して図示の原
稿載置機構４について説明すると、原稿載置機構
４は、ハウジング２の上面部にそれ自体は周知の
適宜の方式によつて原稿走査方向（即ち第１図に
おいて左右方向）に滑動自在に装着されている支
持枠９４を有する。そしてこの支持枠９４に、複
写すべき原稿を載置するための透明板９６が固着
されている。また、支持枠９４の上面には、可撓
性材料から形成されているのが好ましい原稿押え
部材９８と、この原稿押え部材９８のための支持
スタンド１００が装着されている。原稿押え部材
９８は、透明板９６の片縁に隣接する位置にてそ
の片縁部が支持枠９４に旋回自在に装着されてい
て、第１図に図示するとおりの透明板９６を覆う
位置と第３図に図示する持上げ位置とにせしめら
れ得るようになつている。また、支持スタンド１
００もその片縁部が支持枠９４に旋回自在に装着
されていて、第１図に図示するとおりの傾倒位置
と第３図に図示するとおりの直立位置とにせしめ
られ得るようになつている。原稿押え部材９８の
外側面（即ち第１図に図示する状態における上
面）の自由縁近傍には、把持片１０２が設けられ
ている。

次に、第１図及び第２図と共に第４図乃至第７
図を参照して、複写紙搬送系５０のロール状複写
紙供給機構５２について詳細に説明する。

図示の静電複写装置においては、第１図におい
て右側に位置する、ハウジング２の右端壁の（両
側縁部を除く）主部１３８は、その下端部が旋回
自在に装着されていて、第４図に実線で示す閉位
置と第４図に２点鎖線で示す開位置との間を旋回
せしめられ得るように、即ち開閉自在に装着され
ている。そして、右端壁の主部１３８の直ぐ内側
の位置（従つて右端壁の主部１３８を開放すると
容易にアクセスすることができる位置）に、複写
紙搬送系５０のロール状複写紙供給機構５２が装
備されている。

主として第４図乃至第６図を参照して説明する
と、ロール状複写紙供給機構５２は、前後方向
（即ち第２図において紙面に垂直な方向）に所定
の間隔を置いて配置された一対の支持板１４２及
び１４４から構成されたロール状複写紙支持枠１
４０を具備している。一対の支持板１４２及び１
４４の一端部（第４図に実線で示す位置における
下端部）は、ハウジング２内に回転自在に軸支さ
れ実質的に水平に延びる支持軸１４６に固定さ
れ、従つて一対の支持板１４２及び１４４から構
成された支持枠１４０は支持軸１４６と共に支持
軸１４６の長手方向軸線を中心として旋回自在に
装着されている。一対の支持板１４２及び１４４
の各々には適宜の形状の切欠き部１５０が設けら
れていて、かかる切欠き部１５０にロール状複写
紙１５２のコア１５４を係合することによつて支
持枠１４０にロール状複写紙１５２を回転自在に
装着することができるようになつている。一対の
支持板１４２及び１４４の自由端片縁部間には補
強用ステー１５６が固定されている。また、一対
の支持板１４２及び１４４の各々には停止板１５
８が固定されている（第４図には支持板１４２に
固定された停止板１５８のみを図示する）。一対
の停止板１５８は、支持枠１４０が第４図に実線
で示すとおりの作用位置即ちロール状複写紙巻出
し位置にせしめられると、ハウジング２に取付け
られた一対の支持ブラケツト１６０に固着された
一対の永久磁石片１６２（第４図においては支持
ブラケツト１６０の一方と永久磁石片１６２の一
方のみを図示する）に当接してこれに吸着され、
これによつて支持枠１４０がロール状複写紙巻出
し位置に正確に位置付けられると共に永久磁石片
１６２の作用によつてこのロール状複写紙巻出し
位置に保持される。更に、図示の具体例において
は、一対の支持板１４２及び１４４に係合ピン１
６４が装着され、この係合ピン１６４はハウジン
グ２の右端壁主部１３８の両側縁部に設けられた
細長いスロツト１６６内に係合せしめられている
（第５図及び第６図参照）。従つて、ハウジング２
の右端壁主部１３８と支持枠１４０とは係合ピン
１６４とスロツト１６６との協働によつて連動
し、右端壁主部１３８を第４図及び第６図に実線
で図示する閉位置から第４図に２点鎖線で第５図
に実線で図示するとおりの開位置まで第４図にお
いて反時計方向に旋回せしめると、かかる右端壁
主部１３８の旋回動に連動して支持枠１４０が第
４図及び第６図に実線で示すロール状複写紙巻出
し位置から第４図に２点鎖線で第５図に実線で示
すとおりのロール状複写紙装填位置まで第４図に
おいて反時計方向に旋回せしめられ、逆に右端壁
主部１３８を上記開位置から上記閉位置まで第４
図において時計方向に旋回せしめると、かかる右
端壁主部１３８の旋回動に連動して支持枠１４０
が上記ロール状複写紙装填位置から上記ロール状
複写紙巻出し位置まで第４図において時計方向に
旋回せしめられる。支持枠１４０が上記ロール状
複写紙装填位置になると、ハウジング２内の適当
な位置に固定された停止ピン１６８に支持枠１４
０の一側縁部が当接し、これによつて右端壁主部
１３８が上記開位置に支持枠１４０が上記ロール
状複写紙装填位置に維持される。右端壁主部１３
８と支持枠１４０が連動する際には、第５図及び
第６図から容易に理解されるように、係合ピン１
６４がスロツト１６６に対して相対的にスロツト
１６６の長手方向に移動する。スロツト１６６に
はそれから係合ピン１６４を離脱せしめるための
開口部１７０が設けられており、この開口部１７
０を通してスロツト１６６から係合ピン１６４を
離脱せしめ、これによつて右端壁主部１３８と支
持枠１４０との連動を解除することもできる。

ロール状複写紙供給機構５２は、更に、支持枠
１４０を支持している支持軸１４６から内方へ適
宜の間隔を置いて且つ支持軸１４６に対して実質
的に平行に回転自在に装着された一対のローラ１
７２及び１７４から構成されたロール状複写紙供
給ローラ対５８を具備している。一対のローラ１
７２及び１７４は、少なくともその一方がクラツ
チ機構の作動によつて駆動源に選択的に接続され
て回転駆動され、ロール状複写紙を巻出しロール
状複写紙切断機構６０を通して送り出す。ロール
状複写紙切断機構６０は、上縁部に刃１７６を有
する静止部材１７８と、刃１７６と協働する刃１
８０を有する回転部材１８２とを有し、回転部材
１８２が選択的に回転せしめられることによつて
静止部材１７８の刃１７６と回転部材１８２の刃
１８０とが協働する切断位置にて複写紙を切断す
る。

支持枠１４０を支持している支持軸１４６に
は、ロールから巻出される複写紙をロールの巻方
向に対して逆方向にわん曲せしめるように案内し
て複写紙のカールを矯正するそれ自体は公知のカ
ール取りローラ１８４が回転自在に装着されてい
る。

ロール状複写紙供給機構５２は、更に、本発明
に従う静電複写装置の重要な特徴と構成する複写
紙初期送り機構１８６を具備する。第４図に図示
する具体例においては、複写紙初期送り機構１８
６は、支持枠１４０を支持している支持軸１４６
の一端部（第４図において前端部）に支持軸１４
６と共に回動するように固着された歯車片１８８
から構成された入力部材を有する。歯車片１８８
は、歯車１９０，１９１及び１９２並びに一方向
クラツチ１９４を介して、ロール状複写紙供給ロ
ーラ対５８の一方のローラ１７４の軸に駆動連結
されている。一方向クラツチ１９４は、歯車１９
２の矢印１９５（第５図）の方向への回転をロー
ラ１７４に伝動してローラ１７４を矢印１９６
（第５図）の方向へ回動せしめるが、ローラ１７
４の矢印１９６の方向への回転は歯車１９２に伝
動しないそれ自体は公知のものである。

上記のとおりの初期送り機構１８６を具備する
ロール状複写紙供給機構５２においては、次のと
おりにしてロール状複写紙の装填が遂行される。
ロール状複写紙１５２を装填する際には、先ず最
初に、永久磁石片１６２による支持枠１４０の保
持作用に抗して、ハウジング２の右端壁の主部１
３８を第４図に実線で示す閉位置から第４図に２
点鎖線で第５図に実線で示す開位置に旋回せしめ
る。かくすると、右端壁主部１３８の旋回に連動
されて、支持枠１４０も第４図に実線で示すロー
ル状複写紙巻出し位置から第４図に２点鎖線で第
５図に実線で示すロール状複写紙装填位置に旋回
せしめられる。しかる後に、支持枠１４０の切欠
き部１５０にロール状複写紙１５２のコア１５４
を係合して支持枠１４０にロール状複写紙１５２
を回転自在に装着する。次に、ロール状複写紙１
５２を手動によつて幾分巻出し、その先端をロー
ル状複写紙供給ローラ対５８のニツプ位置Ｎに位
置付ける。しかる後に、右端壁主部１３８を上記
開位置から第４図及び第６図に実線で示す閉位置
に旋回せしめる。かくすると、右端壁主部１３８
の旋回に連動されて、支持枠１４０も上記ロール
状複写紙装填位置から第４図及び第６図に実線で
示すロール状複写紙巻出し位置に旋回せしめられ
る。支持枠１４０が上記ロール状複写紙巻出し位
置になると支持枠１４０の停止板１５８が永久磁
石片１６２に当接してこれに吸着され、これによ
つて支持枠４０と右端壁主部１３８が夫々上記ロ
ール状複写紙巻出し位置と上記閉位置に保持され
る。一方、支持枠１４０が上記ロール状複写紙装
填位置から上記ロール状複写紙巻出し位置に旋回
せしめられる際には、支持軸１４６を介して支持
枠１４０に連結されている歯車片１８８が第５図
に図示する位置から第６図に図示する位置に時計
方向に旋回される。複写紙初期送り機構１８６の
入力部材を構成する歯車片１８８のかような旋回
動は、歯車１９０，１９１及び１９２並びに一方
向クラツチ１９４から構成された伝動手段によつ
て、ロール状複写紙供給ローラ対５８のローラ１
７４に伝動され、ローラ１７２及びローラ１７４
が複写紙供給方向に所定量だけ回転せしめられ
る。かくすると、複写紙が所定量だけ巻出され、
ロール状複写紙供給ローラ対５８のニツプ位置Ｎ
に位置していた複写紙の先端がロール状複写紙切
断機構６０の切断位置Ｃ（第５図及び第６図）ま
で送り出される。尚、入力部材を構成する歯車片
１８８と伝動手段の一部を構成する歯車１９２と
の歯車比は、歯車片１８８が第５図に図示する位
置から第６図に図示する位置まで時計方向に回転
すると、ロール状複写紙供給ローラ対５８のロー
ラ１７４が第５図に矢印１９６で示す方向に回転
され、その周面が上記ニツプ位置Ｎと上記切断位
置Ｃとの間の複写紙搬送距離ｌ（第５図）だけ移
動されるように設定することが重要である。

第７図は、第４図乃至第６図に図示する上記の
とおりのロール状複写紙供給機構５２の変形例を
図示するものである。第７図に図示するロール状
複写紙供給機構５２′は、第４図乃至第６図に図
示するロール状複写紙供給機構５２は比べて、複
写紙初期送り機構１８６′が変形されているが、
その他の部分は実質的に同一である。

尚、第７図においては第４図とは逆に、ハウジ
ングの右端壁主部１３８′はその開位置を実線で
図示しその閉位置を２点鎖線で図示し、支持枠１
４０′はそのロール状複写紙装填位置を実線で図
示しそのロール状複写紙巻出し位置を２点鎖線で
図示している。第７図に図示する変形例における
複写紙初期送り機構１８６′は、支持枠１４０′及
びその支持軸１４６′とは別個独立にハウジング
２′内の適宜の位置に回転自在に装着された歯車
片１８８′から構成された入力部材を有する。こ
の歯車片１８８′は、一体的に連結された手動操
作レバー１８９′を有し、この手動操作レバー１
８９′を操作することによつて第７図に実線で図
示する第１の角度位置と第７図に２点鎖線で図示
する第２の角度位置との間を回動せしめられ得る
ようになつている。歯車片１８８′の第１の角度
位置と第２の角度位置とは、歯車片１８８′又は
手動操作レバー１８９′が当接される適宜の停止
部材（図示していない）をハウジング２′内の所
定の位置に固定することによつて規定され得る。
歯車片１８８′は、歯車１９２′及び一方向クラツ
チ１９４′を介して、ロール状複写紙供給ローラ
対５８′の一方のローラ１７２′の軸に駆動連結さ
れている。一方向クラツチ１９４′は、歯車１９
２′の矢印１９５′の方向への回転をローラ１７
２′に伝動してローラ１７２′を矢印１９６′の方
向へ回動せしめるが、ローラ１７２′の矢印１９
６′の方向への回転は歯車１９２′に伝動しないそ
れ自体は公知のものである。

第７図に図示する上記のとおりの初期送り機構
１８６′を具備するロール状複写紙供給機構５
２′においては、ロール状複写紙１５２′を充填す
る際には、先ず最初に、第４図乃至第６図に図示
するロール状複写紙供給機構５２の場合と同様
に、ハウジング２′の右端壁の主部１３８′を開位
置にせしめると共に支持枠１４０′をロール状複
写紙装填位置にせしめ、次に、支持枠１４０′に
ロール状複写紙１５２′を回動自在に装着し、し
かる後に、ロール状複写紙１５２′を手動によつ
て幾分巻出し、その先端をロール状複写紙供給ロ
ーラ対５８′のニツプ位置に位置付ける。次に、
手動操作レバー１８９′を操作することによつて
歯車片１８８′を第７図に実線で図示する第１の
角度位置から第７図に２点鎖で図示する第２の角
度位置まで第７図において反時計方向に回動す
る。かくすると、歯車片１８８′の回転が歯車１
９２′及び一方向クラツチ１９４′から構成された
伝動手段によつてロール状複写紙供給ローラ対５
８′のローラ１７２′に伝動され、ローラ１７２′
及びローラ１７４′が複写紙供給方向に所定量だ
け回転せしめられる。これによつて、複写紙が所
定量だけ巻出され、ロール状複写紙供給ローラ対
５８′のニツプ位置に位置していた複写紙の先端
がロール状複写紙切断機構６０′の切断位置まで
送り出される。

一般に、ロール状複写紙供給機構を備えた静電
複写装置においては、前回の複写工程において切
断された複写紙の先端はロール状複写紙切断機構
の切断位置にあり、次の複写工程の際にかかる複
写紙が原稿の像の走査の開始に同期して供給さ
れ、かくすることによつて複写紙の先端が原稿の
像の先端に対応して送り出され、原稿の像の先端
が複写紙の先端に実質上合致した状態でトナー像
が複写紙に形成されるようになつている。従つ
て、ロール状複写紙供給機構に新たにロール状複
写紙を装填する際には、ロール状複写紙を幾分巻
出してその先端をロール状複写紙切断機構の切断
位置に位置付けることが重要である。しかしなが
ら、公知の静電複写装置においては、既に本明細
書の冒頭で説明したとおり、ロール状複写紙の先
端をロール状複写紙切断機構の切断位置に位置付
けるためには、複写紙の先端部を切断して複写紙
を幾分無駄に浪費することが必要であると共に相
当煩雑な操作を遂行しなければならなかつた。

しかるに、上述したとおりのロール状複写紙供
給機構５２又は５２′を備えた本発明に従う静電
複写装置においては、ロール状複写紙供給構５２
又は５２′が複写紙初期送り構１８６又は１８
６′を具備しているが故に、新たなロール状複写
紙１５２又は１５２′を装填する際に複写紙を全
く無駄に浪費することなく且つ極めて簡単な操作
によつて複写紙の先端をロール状複写紙切断機構
６０又は６０′の切断位置に位置付けることがで
きる。即ち、上述したとおりのロール状複写紙供
給機構５２によれば、ロール状複写紙装填位置に
せしめた支持枠１４０にロール状複写紙１５２を
装着し、その先端をロール状複写紙供給ローラ対
５８のニツプ位置に位置付け、しかる後に支持枠
１４０をロール状複写紙巻出し位置に旋回（ハウ
ジング２の右端壁主部１３８を閉じることによつ
て）せしめればよい。かくすると、支持枠１４０
の旋回によつて作動される複写紙初期送り機構１
８６の作用によつて複写紙の先端が自動的にロー
ル状複写紙切断機構６０の切断位置に位置付けら
れる。また、上述したとおりのロール状複写紙供
給機構５２′によれば、ロール状複写紙装填位置
にせしめた支持枠１４０′にロール状複写紙１５
２′を装填し、その先端をロール状複写紙供給ロ
ーラ対５８′のニツプ位置に位置付け、しかる後
に手動操作レバー１８９′を操作して複写紙初期
送り機構１８６′の歯車片１８８′を第１の角度位
置から第２の角度位置にせしめればよい。かくす
ると、複写紙初期送り機構１８６′の作用によつ
て複写紙の先端が自動的にロール状複写紙切断機
構６０′の切断位置に位置付けられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に従う静電複写装置の好適具
体例の、一部を切欠いた斜面図。第２図は、第１
図に示す静電複写装置の簡略断面図。第３図は、
第１図に示す静電複写装置における原稿載置機構
を示す斜面図。第４図は、第１図に示す静電複写
装置におけるロール状複写紙供給機構を示す、一
部を切欠いた斜面図。第５図及び第６図は、第４
図に示すロール状複写紙供給機構を示す簡略断面
図。第７図は、ロール状複写紙供給機構の変形例
を示す、一部を切欠いた斜面図。 ２及び２′…ハウジング、４…原稿載置機構、
２６…光学系、５０…ロール状複写紙搬送系、５
２及び５２′…ロール状複写紙供給機構、５８及
び５８′…ロール状複写紙供給ローラ対、６０及
び６０′…ロール状複写紙切断機構、９６…透明
板、９８…原稿押え部材、１４０及び１４０′…
ロール状複写紙支持枠、１８６及び１８６′…複
写紙初期送り機構。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハウジングと；複写すべき原稿を載置するた
   めの透明板及び該透明板上に載置された原稿を覆
   うための原稿押え部材を有し且つ該ハウジング上
   に装着された原稿載置機構と；該透明板上に載置
   された原稿の像を投射するための光学系を含む、
   該ハウジング内に配置された複写画像形成手段
   と；該原稿載置機構と該光学系との相対的移動に
   よつて遂行される該原稿の像の走査に同期して複
   写紙を搬送するための、ロール状複写紙を巻出す
   ロール状複写紙供給機構及びロール状複写紙切断
   機構を含む複写紙搬送系とを備えた静電複写装置
   において； 該ロール状複写紙供給機構は、ロール状複写紙
   装填位置とロール状複写紙巻出し位置との間を旋
   回可能に装着され且つロール状複写紙のコアを回
   転自在に支持するロール状複写紙支持枠と、巻出
   された複写紙を供給するための回転駆動される複
   写紙供給ローラ対と、ロール状複写紙装填時に該
   複写紙供給ローラ対を複写紙供給方向に所定量だ
   け回転せしめるための複写紙初期送り機構とを具
   備し、該支持枠にロール状複写紙を回転自在に装
   填し且つその先端を巻出して該複写紙供給ローラ
   対のニツプ位置に位置付けた後に、該初期送り機
   構によつて該複写紙供給ローラ対を複写紙供給方
   向に所定量だけ回転せしめると巻出された複写紙
   の先端が該複写紙切断機構の切断位置まで送り出
   されるように構成されていることを特徴とする静
   電複写装置。 ２ 該初期送り機構が、該支持枠に連結されてい
   て該支持枠を旋回すると該支持枠の旋回中心軸線
   を中心として回転される入力部材と、該入力部材
   の所定の方向の回転を該複写紙供給ローラ対に伝
   動するための、一方向クラツチを含む伝動手段と
   から構成され、該支持枠を該ロール状複写紙装填
   位置から該ロール状複写紙巻出し位置に旋回せし
   めると、該入力部材が該所定の方向に回転され、
   該複写紙供給ローラ対が複写紙供給方向に所定量
   だけ回転される特許請求の範囲第１項記載の静電
   複写装置。 ３ 該初期送り機構が、該支持枠とは別個独立に
   第１の角度位置と第２の角度位置との間を旋回可
   能に装着され且つ手動操作レバーを有する入力部
   材と、該入力部材の所定の方向の回転を該複写紙
   供給ローラ対に伝動するための、一方向クラツチ
   を含む伝動手段とから構成され、該手動操作レバ
   ーを操作して該入力部材を該第１の角度位置から
   該第２の角度位置まで該所定の方向に回転せしめ
   ると、該複写紙供給ローラ対が複写紙供給方向に
   所定量だけ回転される特許請求の範囲第１項記載
   の静電複写装置。 ４ 該ハウジングの一端壁の少なくとも一部が下
   端部を中心として旋回せしめることによつて開閉
   することができるように装着され、そして該ハウ
   ジングの一端壁の少なくとも一部と該支持枠とが
   相互に連動するように接続されていて、該ハウジ
   ングの一端壁の少なくとも一部を充分に開いて開
   位置にすると該支持枠はその一端が該ハウジング
   から外部へ突出して該ロール状複写紙装填位置に
   せしめられ、該ハウンジングの一端壁の少なくと
   も一部を閉じて閉位置にすると該支持枠は該ハウ
   ジング内に位置する該ロール状複写紙巻出し位置
   にせしめられる特許請求の範囲第１項乃至第３項
   のいずれかに記載の静電複写装置。