JPH0734043Y2 - カセット形式給紙機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は、カセット形式給紙機構に関する。

〈従来技術〉 静電複写装置の如き画像生成装置は、複写紙の如きシー
ト状部材を送給する給紙機構を装備している。かかる給
紙機構は、一般に、装置ハウジング内に規定されたカセ
ット受部とこのカセット受部に装着されるカセットの組
合せから成り、カセット内にシート状部材が積層状態に
受入れられる。

しかしながら、この種のカセット形式給紙機構には、次
の通り解決すべき問題が存在する。一般にカセットは収
容されるシート状部材よりも幾分大きく、それ故にJIS
A1サイズ等の大きいシート状部材を収容するには大きい
カセットが必要である。かかる大きいカセットを装置ハ
ウジングのカセット受部に装着すると、その後部がハウ
ジングから比較的大きく突出するようになり、従ってカ
セットの上記突出量に関連して大きい設置スペースを必
要とする等の問題がある。

〈考案の目的〉 本考案は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主
目的は、大きいシート状部材を収容することができるに
もかかわらず装着状態において専有スペースを小さくす
ることができる、優れたカセット形式給紙機構を提供す
ることである。

〈考案の概要〉 本考案によれば、装置ハウジングの底部に規定されたセ
ット受部と、該カセット受部の一端部上方に配設された
送出しローラと、該カセット受部に所要の通り装着され
るカセットとから成るカセット形式給紙機構において； 該カセット受部は、該装置ハウジングの一端から他端に
延びる貫通開口を備え、 該カセットは、該貫通開口の一端から他端までの長さ以
上の装着方向長さを有するカセット前部と、該カセット
前部の後端に上方へ旋回自在に装着されたカセット後部
とから成るカセット本体を備え、該カセット受部の該貫
通開口に該カセット前部側を該一端側に該カセット後部
側を該他端側にして移動自在に配設し、 該カセットの該カセット後部及び該カセット受部の他端
部には、該カセットの作用位置への装着移動に関連して
該カセット受部の他端位置で該カセット後部を該カセッ
ト前部に対して上方に回動せしめる回動機構が設けられ
ており、該カセットの作用位置への装着状態において該
カセット前部の後端が該カセット受部の他端部に位置付
けられ、該カセット後部が該カセット受部の他端部上方
に略垂直に位置付けられる、ことを特徴とするカセット
形式給紙機構が提供される。

〈考案の具体例〉 以下、添付図面を参照して更に詳述する。

本考案に従うカセット形式給紙機構の一具体例を装備す
る静電複写装置の一例を示す第１図において、図示の静
電複写装置は略直方体形状の装置ハウジング２を備えて
いる。

ハウジング２の略中央部には、周表面に感光体が配設さ
れた回転ドラム４が配設されている。矢印６で示す方向
に回動される回転ドラム４の周囲には、帯電用コロナ放
電器８、現像装置10、転写用コロナ放電器12、剥離用コ
ロナ放電器14及びクリーニング装置16が配設されてい
る。帯電用コロナ放電器８は回転ドラム４の感光体表面
を特定極性に帯電せしめ、また現像装置10は感光体表面
に形成された静電潜像にトナーを施してトナー像に現像
する。また、転写用コロナ放電器12は後述する如くして
回転ドラム４に密着されたシート状部材としての複写紙
の裏面にコロナ放電を施して感光体上のトナー像を複写
紙に転写し、剥離用コロナ放電器14は複写紙の裏面にコ
ロナ放電を施して複写紙を回転ドラム４から剥離し、更
にクリーニング装置16は転写後感光体上に残留する残留
トナーを除去する。

ハウジング２の上端部には、複写すべき原稿を走査領域
を通して搬送する原稿搬送機構18が配設されている。図
示の原稿搬送機構18は搬入ローラ対20及び排出ローラ対
22を備えており、搬入ローラ対20の作用によって搬入さ
れた原稿は走査領域を通して排出ローラ対22に導かれ、
排出ローラ対22の作用によって所要の通り排出される。

回転ドラム４の上方には、光学装置24が配設されてい
る。図示の光学装置24は走査領域にて原稿を照射する照
射ランプ26と原稿から反射光を露光領域にて感光体表面
に投射する光学要素28（例えば複数個のロッド状レンズ
から構成される）から構成され、照射ランプ26からの光
は、第１図に一点鎖線で示す如く、回転ドラム４に投射
される。

回転ドラム４の下方には、複写紙を所要の通り搬送する
複写紙搬送機構30が配設されている。そして、この複写
紙搬送機構30の上流端、具体例においてハウジング２内
の底部には、本考案に従う給紙機構の一具体例が配設さ
れている。この給紙機構については後述する。図示の複
写紙搬送機構30は案内板対32、搬送ローラ対34、案内板
対36、搬送ローラ対38、案内板対40、案内板42、上ロー
ラ44とベルト機構46から成る定着手段48及び排出ローラ
対50から構成されている。上ローラ44内には、ヒータの
如き加熱手段52が配設されている。従って、給紙機構か
ら送給された複写紙（又は挿入口54を通して導入された
複写紙）は、案内板対32間を通って搬送ローラ対34に送
給され、案内板対36、搬送ローラ対38及び案内板対40間
を通って転写域にて回転ドラム４の周表面に密着され
る。そして、剥離用コロナ放電器14の作用によって回転
ドラム４から剥離された複写紙は、案内板42上を通って
上ローラ44とベルト機構46の間に挿入され、かかる上ロ
ーラ44及びベルト機構46間と通って搬送される間にトナ
ー像がその表面に定着され、しかる後排出ローラ対50の
作用によって装置ハウジング２外に排出される。

次に、第１図と共に第２図を参照して、図示の給紙機構
について説明する。給紙機構56は装置ハウジング２の底
部に規定されたカセット受部58とこのカセット受部58に
所要の通り装着されるカセット60から構成されている。
具体例では、装置ハウジング２の底部には一端から他
端、即ち第１図において右端から左端まで延びる縦断面
が矩形状である貫通開口62が形成され、かかる貫通開口
62の下縁を規定する底壁64の上面によってカセット受部
58が規定されている。このカセット受部58の第１図にお
いて右端部上方には、前送りローラ66及び送出しローラ
68が配設されている。前送りローラ66は上下方向に移動
自在に装着され、カセット60に収容された複写紙の上面
に作用して第１図において右方に移動せしめる。また、
送出しローラ68は矢印70で示す方向に回動され、前送り
ローラ66の作用によって移動された複写紙に作用してカ
セット60から送出し、かく送出した複写紙を案内板対32
間に送給する。カセット受部58の他端部（第１図におい
て左端部）には、幅方向（第１図において紙面に垂直な
方向）に間隔を置いて一対の作用コロ72（第１図におい
て片方のみ示す）が配設されている。カセット受部58の
両側端部には上方に突出する支持壁74（第１図において
片方のみ示す）が設けられ、かかる支持壁74の各々に短
軸76を介して作用コロ72が回転自在に装着されている。

このカセット受部58に装着されるカセット60は、第２図
に示す通り、カセット前部78とカセット後部80から成る
用紙を収納するためのカセット本体82を備えている。カ
セット本体82の前部を構成するカセット前部78は、前底
壁84、前側壁86及び88、並びに前端壁90を有し、その装
着方向長さ（図１において左右方向長さ）は図面に示さ
れているように上記貫通開口62の一端から他端までの長
さ以上に構成されている。また、カセット本体82の後部
を構成するカセット後部80は、後底壁92、後側壁94及び
96、並びに後端壁98を有しており、該カセット後部80と
上記カセット前部78は相互に共同して上面が開放された
箱状のカセット本体82を構成する。具体例では、カセッ
ト前部78の前側壁86及び88の後端部には略半円状に突出
する突起部100及び102が設けられ、またカセット後部80
の後側壁94及び96の前端部にも略半円状に上方に突出す
る突起部104及び106が設けられ、これら突起部100、10
2、104及び106がピン108及び110を介して上方へ旋回自
在に連結されている。カセット前部78の前端壁90は前側
壁86及び88の上縁を越えて上方に突出し、その内面下部
には前端に向けて上方に傾斜して延びる案内部材112が
配設され、その内面上部には弧状に湾曲して挿入開口54
に向けて延びる案内部材114が配設されている。また、
案内部材112の下方には分離ローラ116が配設され、その
上部は案内部材112に形成された矩形状の開口118を通し
て上方に突出している。分離ローラ116は送出しローラ6
8と協働し、前送りローラ66の作用によって重送された
（複数枚の複写紙が重なった状態で送給されること）複
写紙を分離し、かくして最上位の複写紙が案内部材114
と装置ハウジング２側の案内部材120間を通って挿入開
口54に導かれる。また、カセット後部80には、作用コロ
72と協働して回動機構を構成する被作用部材122が設け
られている。被作用部材122は作用コロ72の各々に対応
して配設され、それらの一方が後側壁94の外面い設けら
れ、それらの他方は後側壁96の外面に設けられている。
被作用部材122の各々は、夫々、後側壁94及び96の後端
部から前に向って下方に傾斜して延びる下傾斜部124、
下傾斜部124の下端から後底壁92に沿って水平に延びる
水平部126及び水平部126から前に向って上方に傾斜して
延びる上傾斜部128を有している。

かかるカセット60は、カセット受部58に形成された貫通
開口62にカセット前部78側を一端側（図１において右端
側）にカセット後部80側を他端側（図１において左端
側）にして移動自在に配設され、具体例では、第３−Ａ
図に示す引出し位置と第１図及び第３−Ｃ図に示す作用
位置の間を移動自在になっている。引出し位置において
は、カセット前部78はハウジング２から第３−Ａ図にお
いて右方に突出し、かくしてカセット前部78の上面開口
を通して複写紙を所要の通り装填することができる。一
方、作用位置においては、カセット60はカセット受部58
に所要の通り装着され、かくしてカセット60からの複写
紙の送給が可能になる。

具体例では、カセット60の上記作用位置に解除自在にロ
ックするロック手段が設けられている。図示のロック手
段は、前側壁86及び88の前端部にピン130及び132を介し
て旋回自在に装着された係合部材134及び136を備え、係
合部材134及び136にはこれらを第２図において反時計方
向に偏倚せしめる捩りばね138及び140が付設されてい
る。一方、ハウジング２側には、係合部材134及び136に
対応してピン142（第３−Ｃ図において片方のみ二点鎖
線で示す）が設けられている。

主として第３−Ａ図乃至第３−Ｃ図を参照して、カセッ
ト60を第３−Ａ図に示す引出し位置から矢印144で示す
装着方向に移動せしめると、カセット受部58に設けられ
た一対の作用コロ72が、カセット後部80に設けられた対
応する被案内部材122に作用し、かくしてカセット後部8
0は矢印144で示す装着方向の移動に伴い上記カセット受
部58の他端位置でピン108及び110を中心としてカセット
前部78に対して相対的に矢印146で示す上方に旋回され
る。そしてカセット60を第３−Ｃに示す作用位置まで移
動せしめると、カセット前部78の後端がカセット受部58
の他端部に位置付けされ、一方、作用コロ72が被案内部
材122の下面に接触しながらその一端部から他端部ま
で、即ち下傾斜部124から水平部126を通って上傾斜部12
8まで相対的に移動し、かくして作用コロ72の作用によ
ってカセット後部80は、カセット受部58の他端部上方、
即ちハウジング２の第１図において左側に実質上垂直な
状態で保持される。また、作用位置にせしめると、一対
の係合部材134及び136がピン142に解除自在に係合し、
かくしてカセット60は上記作用位置にロックされる。

一方、かく装着したカセット60を上記引出し位置にせし
めるには、係合部材134及び136とピン142の係合を解除
した後カセット60を矢印144で示す方向と反対の引出し
方向に移動せしめればよい。

以上の通り、上記給紙機構においてカセット60を作用位
置にせしめると、ハウジング２の貫通開口62を通して後
方に突出するカセット後部80がカセット前部78に対して
相対的に上方に旋回され、かくして第１図及び第３−Ｃ
図から理解される如く、カセット60自体比較的大きいに
もかかわらず、その占有面積が小さくなり、このことに
関連して装置の設置スペースを従来に比して小さくする
ことができる。尚、具体例では、カセット後部80の上述
した旋回を許容するために、貫通開口62の後部は後に向
けて上方に拡って延びている。

以上、本考案に従って構成されたカセット形式給紙機構
の一具体例について説明したが、本考案はかかる具体例
に限定されるものではなく、本考案の範囲を逸脱するこ
となく種々の変形乃至修正が可能である。

〈考案の効果〉 本考案によるカセット形式給紙機構は以上のように構成
されているので、カセットを作用位置へ装着移動する
と、カセットのカセット後部及びカセット受部の他端部
に設けられた回動機構が機能して、カセット受部の他端
位置でカセット後部をカセット前部に対して上方に回動
せしめ、該カセット後部が該カセット受部の他端部上方
に略垂直に位置付けられるため、カセットが占める平面
状の占有面積が小さくなり、従って、装置の設置スペー
スを小さくすることができる。しかも、本考案によれ
ば、カセットを作用位置へ装着移動することにより回動
機構が機能して、カセット後部をカセット前部に対して
上方に回動するため、操作者がカセットを回動する必要
がなく、カセット装着操作が簡単かつ容易となる等の作
用効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に従うカセット形式給紙機構の一具体
例を装備した静電複写装置の一例を簡略化して示す簡略
断面図。 第２図は、第１図の給紙機構におけるカセットを示す斜
視図。 第３−Ａ図乃至第３−Ｃ図は、夫々、第１図の給紙機構
のカセット受部にカセットを装着するときの動きを説明
するための簡略図。 56……給紙機構 58……カセット受部 60……カセット 72……作用コロ 78……カセット前部 80……カセット後部 122……被作用部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】装置ハウジングの底部に規定されたカセッ
   ト受部と、該カセット受部の一端部上方に配設された送
   出しローラと、該カセット受部に所要の通り装着される
   カセットとから成るカセット形式給紙機構において； 該カセット受部は、該装置ハウジングの一端から他端に
   延びる貫通開口を備え、 該カセットは、該貫通開口の一端から他端までの長さ以
   上の装着方向長さを有するカセット前部と、該カセット
   前部の後端に上方へ旋回自在に装着されたカセット後部
   とから成るカセット本体を備え、該カセット受部の該貫
   通開口に該カセット前部側を該一端側に該カセット後部
   側を該他端側にして移動自在に配設し、 該カセットの該カセット後部及び該カセット受部の他端
   部には、該カセットの作用位置への装着移動に関連して
   該カセット受部の他端位置で該カセット後部を該カセッ
   ト前部に対して上方に回動せしめる回動機構が設けられ
   ており、該カセットの作用位置への装着状態において該
   カセット前部の後端が該カセット受部の他端部に位置付
   けられ、該カセット後部が該カセット受部の他端部上方
   に略垂直に位置付けられる、ことを特徴とするカセット
   形式給紙機構。
2. 【請求項２】該回動機構は、該カセット受部の他端部に
   回転自在に装着された作用コロと該カセット後部に設け
   られ該作用コロと協働する被作用部材から構成され、該
   カセットを該作用位置に装着すると該作用コロが該被作
   用部材に作用し、該カセット後部は上方に略垂直な位置
   まで回動される請求項１記載のカセット形式給紙機構。