JPH0339541Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は軒樋、特に、吊り金具にて吊設され
る軒樋に係るものである。

〔従来の技術〕

吊り金具にて吊設すべく断面がＵ字状からなる
軒樋本体の両側端部に中空耳縁を形成してなる軒
樋は周知である。

しかしながら、この種の軒樋は耳縁が断面円形
状若しくは方形状からなるために吊り金具で吊設
する際は該耳縁を抱持しなければならず、これよ
り吊り金具の抱持部が屋外側の中空耳縁上に表出
するために初期目的とする美観性を満足するまで
には至らなかつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

そこで、中空耳縁上への抱持部の表出を防止す
るために該中空耳縁の樋内側壁面に吊り金具を係
止すべき開口部を形成してなる内吊り方式による
軒樋が考案されるに至つたが、中空耳縁に開口部
を開設する関係上、軒樋の強度低下を来すばかり
でなく、吊り金具の係止具に係止される軒樋の係
止突片が比較的薄い板状からなるため、吊設後、
強風等による揺動に伴う係止突片の変形や折損に
より軒樋が吊り金具から離脱する等の弊害を生じ
ていた。

この考案は上記従来品の欠点たる経時変化に伴
う軒樋の変形や破損、また強風等による軒樋の離
脱等の弊害を解消すべく考案されたものである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は上記に鑑み考案されたものであつて
断面がＵ字状からなる軒樋本体の両側端部に中空
耳縁を設けてなる軒樋において、少なくとも屋外
側の中空耳縁内の下半部に該中空耳縁の樋内側の
壁面に開口部を有する断面略凸字状にして軸線方
向に沿う係止室を形成するとともに該係止室の建
屋側に中空状係止突片を形成せしめてなる軒樋で
ある。

〔作 用〕

この考案は少なくとも屋外側の中空耳縁内の下
半部に該中空耳縁の樋内側の壁面に開口部を有す
る断面略凸字状にして軸線方向に沿う係止室を形
成してなるため吊り金具の係止片への固定が強固
になり、また係止突片が中空状に形成されている
ことから該係止突片の変形や折損に伴う軒樋の離
脱がない。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に示す実施例について詳
細に説明すれば、第１図はこの考案の一実施例を
示す斜視図で、図中、１はポリ塩化ビニルを素材
として押出成形による成形された断面Ｕ字状から
なる軒樋本体であり、２は軒樋本体１の屋外側端
部に形成された断面方形状の枠体からなる中空耳
縁であつて、中空室ａの下半部に樋内側の壁面ｂ
に開口部３を有する断面略凸字状にして軸線方向
に沿う係止室４を形成するとともに該係止室４の
建屋側に該係止室４の建屋側上板と中空耳縁２の
樋内側壁面ｂにて囲橈された中空状係止突片５を
形成してなるものである。

この考案の軒樋は上記構成よりなるため、施工
に際しては第２図および第３図に示すように、予
め軒先に取付けられた吊り金具Ａの屋外側端部に
形成された係止具Ｂに開口部３を当接してこれを
押圧し、該係止具Ｂのバネ板からなる突片B1に
係止室４を嵌装するとともに中空状係止突片５を
係止し、次いで、吊り金具Ａの建屋側端部に形成
された抱持部Ｃに建屋側の中空耳縁２′を嵌装し
てバネ片Ｄにて固定するものである。

〔考案の効果〕

以上より明らかなように、この考案の軒樋は少
なくとも屋外側の中空耳縁内の下半部に、中空耳
縁の樋内側の壁面に開口部を有する断面略凸字状
にして軸線方向に沿う係止室を形成せしめてなる
ため、吊り金具の係止具に屋外側の中空耳縁を強
固に係止することができ、加え、係止室の建屋側
に中空状係止突片が形成されているため、従来み
られる係止突片の変形や折損に伴う軒樋の離脱が
防止されることから吊設後における軒樋の耐久性
が一段と向上せしめられる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す斜視図、第
２図および第３図は同上使用状態を示す断面図お
よび一部拡大断面図である。 １……軒樋本体、２……中空耳縁、３……開口
部、４……係止室、５……中空状係止突片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面がＵ字状からなる軒樋本体１の両側端部に
   中空耳縁２，２′を設けてなる軒樋において、少
   なくとも屋外側の中空耳縁２内の下半部に該中空
   耳縁２の樋内側の壁面に開口部３を有する断面略
   凸字状にして軸線方向に沿う係止室４を形成する
   とともに該係止室４の建屋側に中空状係止突片５
   を形成せしめてなる軒樋。