JPH0321559Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は軒樋の取付構造、特に施工後におい
て取付金具が軒樋の前面に表出しない軒樋の取付
構造に係るものである。

〔従来の技術〕

最近、軒先への軒樋の固定は該軒樋の外周面に
沿つて支承する受け金具に替わり該軒樋の前面へ
の表出が少ない吊り金具が好んで使用されている
が、現在一般に使用されている樋吊り金具は中空
耳縁を上方より把持するものであるため、樋吊り
金具の把持部が屋外側の中空耳縁の前面に表出
し、初期目的とする美観性を完全に満足させるま
でには至らなかつた。

そこで、中空耳縁の内側を開口し該中空耳縁の
内側に帯板状からなる樋吊り金具の先端部を単に
挿入して係止するようになしたものが考案される
に至つたが、強風等による離脱や中空耳縁の開口
に伴う耐久性の低下等の弊害を余儀なくされてい
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この考案は上記従来品の問題点を解決すべく考
案されたものであつて、経時変化に伴う離脱がな
く、しかも強度低下を来さない軒樋の取付構造を
提供せんとするものである。

〔問題を解決するための手段〕

この考案は上記に鑑み考案されたものであつ
て、軒樋本体の両側壁上端部に形成された中空耳
縁の少なくとも屋外側の中空耳縁の内側壁面下半
部を逆レ字状に曲折して該中空耳縁の内側壁面に
長手方向に沿う開口部および突片を有する中空室
を形成してなる軒樋Ａと、樋受主体の少なくとも
屋外側の端部に上記中空室に係止すべくステンレ
ス薄板の如き薄肉にして剛性を有する剛直帯金の
先端部を上方に向けて曲折するとともにその先端
部を逆Ｕ字状に折り返してなる係止片を有する軒
樋耳縁保持部を形成してなる樋吊り金具Ｂとを用
いることにより上記問題点を解決した。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に示す実施例について説
明すれば、第１図はこの考案の軒樋の取付構造の
一実施例を示す断面図、第２図は同上一部拡大断
面図を各々示すもので、図中Ａは軒樋、２は樋吊
り金具であり、符号１は断面Ｕ字状からな軒樋本
体であり、２，２′は軒樋本体１の両側壁上端部
に形成された方形状からなる中空耳縁であり、３
は屋外側の中空耳縁２の内側壁面下半部を逆レ字
状に曲折して形成された中空室であり、４は中空
室３の内壁面側に開設された長手方向に沿う開口
部であり、５は中空室３の形成に伴い開口部４の
上端部から下方に向けて突設するように形成され
た突片であり、６は軒樋Ａの固定の用に供される
樋吊り金具Ｂの樋受主体であつて、帯金の曲折に
より形成されているものであり、７は樋受主体７
の屋外側の端部に形成された軒樋耳縁保持部であ
つて、ステンレス薄板の如き薄肉にして剛性を有
する剛直帯板からなる水平状帯金８の先端部を上
方に向けた曲折するとともにその先端部を逆Ｕ字
状に折り返してなる係止片９を形成してなるもの
である。尚、図中１０は屋内側の軒樋耳縁保持部
であつて、軒樋耳縁保持部およびバネ片にて形成
されているものである。

〔考案の効果〕

以上より明らかなように、この考案の軒樋の取
付構造は軒樋本体１の両側壁上端部に形成された
軒樋支持金具２，２′の少なくとも屋外側の中空
耳縁２の内側壁面下半部を逆レ字状に曲折して該
中空耳縁２の内側壁面側に長手方向に沿う開口部
４および突片５を有する中空室３を形成してなる
軒樋Ａと、樋受主体６の少なくとも屋外側の端部
に上記中空室３の突片５に係止すべくステンレス
薄板の如き薄肉にして剛性を有する剛性帯金の先
端部を上方に向けて曲折するとともにその先端部
を逆Ｕ字状に折り返してなる係止片９を有する軒
樋耳縁保持部７を形成してなる樋吊り金具Ｂとか
らなる構成よりなるため、施工に際しては予め軒
先に固定された樋吊り金具Ｂの係止片９に開口部
を当接して押圧し、係止片９に中空室３を嵌装し
て突片５を係止し、次いで建屋側の中空耳縁２′
を中空耳縁保持部に嵌入させることにより樋吊り
金具Ｂに軒樋Ａを装着するものである。

而して、この考案の軒樋の取付構造は逆Ｕ字状
に折り返された係止片９の先端部への鋭角状に曲
折された突片５の係止により強固に固定されてい
るために従来品にみられる強風等の揺動による軒
樋Ａの離脱が防止せしめられ、更には開口部４お
よび突片５が中空耳縁２の曲折により形成されて
いるために開口部４の形成に伴う強度低下が防止
せしめられ、また樋吊り金具Ｂが軒樋Ａの屋外側
の前面に全く表出しないために初期目的とする美
観性も合わせ付与せしめられるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の軒樋の取付構造の一実施例
を示す断面図、第２図は同上一部拡大断面図を示
すものである。 Ａ……軒樋、Ｂ……樋吊り金具、１……軒樋本
体、２，２′……中空耳縁、３……中空室、４…
…開口部、５……突片、６……樋受主体、７……
軒樋耳縁保持部、９……係止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軒樋本体の両側壁上端部に形成された中空耳縁
   の少なくとも屋外側の中空耳縁の内側壁面下半部
   を逆レ字状に曲折して該中空耳縁の内側壁面に長
   手方向に沿う開口部および突片を有する中空室を
   形成してなる軒樋Ａと、樋受主体の少なくとも屋
   外側の端部に上記中空室に係止すべくステンレス
   薄板の如き薄肉にして剛性を有する剛直帯金の先
   端部を上方に向けて曲折するとともにその先端部
   を逆Ｕ字状に折り返してなる係止片を有する軒樋
   耳縁保持部を形成してなる樋吊り金具Ｂとからな
   る軒樋の取付構造。