JPH0321547Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は軒樋、特に吊り金具にて吊設し得る
ようになした軒樋に係るものである。

〔従来の技術〕

断面Ｕ字状からなる軒樋本体の両側部に設けら
れた耳縁を吊り金具にて把持して吊設するように
なした軒樋は周知である。

しかしながら、従来の軒樋は耳縁が断面円形状
若しくは方形状からなるために吊金具で吊設する
際に該耳縁を抱持しなければならず、これにより
吊り金具の把持部が耳縁上に表出し、初期目的と
する美観性を満足するまでには至らなかつた。

そこで、耳縁上への把持部の表出を防止するた
めに耳縁の内壁面に吊り金具を係止すべき開口部
を形成してなる軒樋が考案されるに至つたが、耳
縁に開口部を単に形成したに過ぎないために軒樋
の強度低下を来すばかりでなく吊設後に吊り金具
の離脱を来す等の弊害をも合わせ余儀なくされて
いた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この考案は上記従来品の欠点を解消するととも
に吊設に際しての作業性を向上せしめんとするも
のである。

〔問題を解決するための手段〕

この考案は上記に鑑み考案されたものであつて
断面Ｕ字状からなる軒樋本体の両側部に耳縁を設
けてなる軒樋において、少なくとも屋外側の耳縁
に該耳縁の内側壁面の下方に長手方向に沿う開口
部を形成するとともに該開口部から外側壁面側に
向けて上向き彎曲状に曲折されたスリツト状中空
室を形成せしめることにより問題点を解決した。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に示す実施例について説
明すれば、第１図はこの考案の一実施例を示す断
面図で、図中１は断面Ｕ字状からなる合成樹脂製
軒樋本体であり、２は軒樋本体１の両側部に形成
された断面方形状枠体からなる耳縁であり、３は
屋外側の耳縁２の内側壁面の下方に長手方向に沿
う開口部４を有するスリツト状中空室であつて、
開口部４から外側壁面側に向けて上向き彎曲状に
曲折されているものである。

〔考案の効果〕

以上より明らかなように、この考案の軒樋は少
なくとも屋外側の耳縁２の該耳縁２の内側壁面の
下方に長手方向に沿う開口部４を形成するととも
に該開口部４から外側壁面側に向けて上向き彎曲
状に曲折されたスリツト状中空室３を形成せしめ
てなる構成よりなるため、施工に際しては第３図
に示すように予め軒先に固定された吊り金具ａの
支承帯金ｂの一端部に設けられた上向き彎曲状の
鉤部ｃに上記耳縁２の開口部４を当接し、これを
押圧してスリツト状中空室３に嵌装係止し、次い
で該支持帯金ｂの他端部に設けられた把持部ｄに
建屋側の耳縁２を嵌着しバネ片ｅにて固定するも
のである。

而して、この考案の軒樋は軒先側に吊り金具ａ
の把持部ｄが表出しないために初期目的とする美
観性が付与せしめられ、更には中空室３がスリツ
ト状に形成されているために開口部４の形成に伴
う耳縁の破損がなく、これより吊設後における軒
樋の耐久性が向上せしめられ、加えスリツト状中
空室３が上向き彎曲状に形成されているために鉤
部ｃへの開口部４の当接押圧より嵌装係止されこ
れより軒樋の取付作業が簡便化ならしめられるば
かりでなく、鉤部ｃが強固に固定されるために経
時変化に伴う軒樋の離脱がない等耐久性が一段と
向上せしめられるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第
２図は同上他の実施例を示す断面図、第３図は同
上使用状態を示す断面図である。 １……軒樋本体、２……耳縁、３……中空室、
４……開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面Ｕ字状からなる軒樋本体の両側部に耳縁を設
   けてなる軒樋において、少なくとも屋外側の耳縁
   に該耳縁の内側壁面の下方に長手方向に沿う開口
   部を形成するとともに該開口部から外側壁面側に
   向けて上向き彎曲状に曲折されたスリツト状中空
   室を形成せしめてなる軒樋。