JPS6239230Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は軒樋本体の両側壁の上端部外側面に方
形状からなる中空耳縁を形成してなるものにおい
て、中空耳縁の内側壁面を上方外開きになるよう
に傾斜して傾斜壁を形成し、該中空耳縁の上壁面
を内方に向けて延設するとともにその先端部を下
方に向けて曲折して係止片を形成し、上記傾斜壁
と係止片との間に連結片を掛け渡して該連結片上
に中空室を形成せしめてなる軒樋に係るものであ
つて、その目的とするところは施工が簡単にして
且つ施工後における吊り金具の表出に伴う軒樋の
美観性の低下および耐久性の低下を防止せしめる
ことにある。最近、軒先への軒樋の固定は受け金
具に替わり該軒樋の表面に取付金具の表出が少な
い吊り金具が好んで使用されているが、現在、一
般に使用されている吊り金具は軒樋耳縁を上方よ
り把持する構造からなるために該吊り金具の把持
部が軒樋耳縁上に表出し、初期目的とする美観性
を完全に満足させるまでには至らなかつた。

そこで、軒樋耳縁の内側を開口し、該軒樋耳縁
の内側に吊り金具を係止し得るようになしたもの
が考案されるに至つたが、施工が煩雑にして且つ
中空耳縁を開口する関係上、強度低下を来す等の
欠点を余儀なくされていた。

本考案は上記に鑑み考案されたものであつて、
以下、本考案を図面に示す実施例について説明す
れば、第１図は本考案軒樋の断面図、第２図は同
上一部拡大断面図、第３図は同上使用状態を示す
一部拡大断面図で、図中１は軒樋本体であり、２
は軒樋本体１の両側壁の上端部外側面に形成され
た方形状からなる中空耳縁であり、３は中空耳縁
２の内側壁面を上方外開きになるように傾斜して
形成された傾斜壁であり、４は中空耳縁２の上壁
面を内方に向けて延設し且つその先端部を下方に
向けて曲折して形成された係止片であり、５は傾
斜壁３と係止片４との間に掛け渡された連結片で
あり、６は連結片５上に形成された中空室を示す
ものである。

尚、図中７は吊り金具Ａの支承帯板であり、８
は支承帯板７の両端部を上方に向けて曲折して形
成された係合片であり、９は支承帯板７の両端部
近傍の上面に形成されたバネ板であつて、中空耳
縁２の上壁面に当接し該中空耳縁２を係止片４と
共同して狭着する用に供されるものである。

以上より明らかなように、本考案の軒樋は軒樋
本体１の両側壁の上端部外側面に方形状からなる
中空耳縁２を形成してなるものにおいて、中空耳
縁２の内側壁面を上方外開きになるように傾斜し
て傾斜壁３を形成し、該中空耳縁２の上壁面を内
方に向けて延設するとともにその先端部を下方に
向けて曲折して係止片４を形成し、上記傾斜壁３
と係止片４との間に連結片５を掛け渡して該連結
片４上に中空室６を形成せしめてなる構成よりな
るなるため、使用に際しては第３図に示すように
軒樋本体１の両側壁を外側に拡開して吊り金具Ａ
の支承帯板７の両端部に形成された上向きの係合
片８を中空耳縁２の傾斜壁３に当接し、次いで拡
開された軒樋本体１の弾性を利用してこの傾斜壁
３上に沿わせ乍ら係合片６を上方に向けて移動し
て係止片４に係止するとともにバネ板９と共同し
て中空耳縁２を狭着固定するものである。

而して、本考案の軒樋は中空耳縁２の傾斜壁３
および拡開された軒樋本体１の弾性を利用して吊
り金具Ａの係合片８を係止片４に係止するもので
あるために軒樋耳縁の内側に吊り金具を係止せん
とする従来品に比し施工性が著しく向上せしめら
れ、更には中空耳縁２に開口部３を形成するも、
該開口部３が傾斜壁４および連結片５にて補強さ
れ、しかも係合片８が上方に中空室６を設けてな
る連結片５に当接されるために従来みられる耳縁
への開口部の開設に伴う強度低下が防止せしめら
れ、また吊り金具Ａの係合片６が中空耳縁２の内
側壁面にて遮蔽されるために初期目的とする美観
性も合わせ保持せしめられるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案軒樋の断面図、第２図は同上一
部拡大断面図、第３図は同上使用状態を示す一部
拡大断面である。 １……軒樋本体、２……中空耳縁、３……傾斜
壁、４……係止片、５……連結片、６……中空
室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軒樋本体の両側壁の上端部外側面に方形状から
   なる中空耳縁を形成してなるものにおいて、中空
   耳縁の内側壁面を上方外開きになるように傾斜し
   て傾斜壁を形成し、該中空耳縁の上壁面を内方に
   向けて延設するとともにその先端部を下方に向け
   て曲折して係止片を形成し、上記傾斜壁と係止片
   との間に連結片を掛け渡して該連結片上に中空室
   を形成せしめてなる軒樋。