JPS6129876Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は樋受具に関するものである。

〔従来の技術〕

従来樋受具としては底部の両側部に立上り部が
立設され、一方の立上り部の先端部に樋耳縁嵌合
部が設けられ、他方の立上り部の先端から外側方
に樋耳縁押え部が立設されたものが使用されてお
り、上記樋受具においては樋の一方の耳縁は樋受
具嵌合部に嵌合され、他方の耳縁は樋耳縁受部に
当接され、樋耳縁押え部が折曲されて保持されて
いるが樋耳縁押え部に強度が小さいと衝撃により
容易に離脱し、強度が大であると折曲が困難であ
り、施工性が悪いと言う欠点があつた。

出願人は上記欠点を解消せんとして実開昭55−
157541号公報に記載されているような、樋受具本
体の一端に別体になされた樋耳縁係止片が取付け
られて樋耳縁係止部の形成が可能にされたものを
提案した。

〔解決しようとする問題点〕

前記欠点の内樋耳縁押え部の強度が小さいと衝
撃により容易に離脱し、強度が大であると折曲が
困難であると言う点は解消できたが、施工性が悪
いと言う点については、樋耳縁係止片を別体とし
てビス、ナツト等で樋受具本体に取付けたもので
あり、樋耳縁係止片を取付けた状態に於いては樋
耳縁係止片の先端が内方に突出しており、且つ強
度が大とされているので、樋を樋受具内に載置す
るのに樋を両耳縁を内方に近づけるように大きく
変形させ挿入し載置させなければならなかつた。

又樋耳縁係止片を外した状態では樋の載置は容
易であつたが、梯子の上で樋耳縁係止片及びビ
ス、ナツト等の複数の小部品を用いて樋耳縁係止
片を取付けることは非常に煩雑であると言う上記
従来技術には無かつた別の施工性についての問題
が生じた。

〔問題点を解決しるための手段〕

本考案は上記の欠点に鑑み、施工性が良く、施
工後衝撃が加わつても樋が容易に離脱することの
無い樋受具を提供せんとしてなされたものであつ
て、その要旨は、受具本体と係止杆よりなり、受
具本体は底部の側端部に立上り部が立設され、一
方の立上り部の上端部から外側方に突出されて樋
耳縁受部が設けられ、該樋耳縁受部の先端部に樋
耳縁保持部が立設され、該樋耳縁保持部の外側面
に係止杆係止部が設けられて形成されており、係
止杆は弾性を有する丸棒体からなり、係止杆本体
の上端部が前記樋耳縁受部に載置される樋耳縁上
端面に略当接可能な方向に屈曲されて樋耳縁押え
部が設けられ、該樋耳縁押え部の先端から樋耳縁
係止部が垂設され、下端部が前記樋耳縁受部外側
方下端部に当接可能な方向に屈曲されて屈曲部が
設けられ、樋耳縁押え部の基端部と屈曲部の基端
部との間隔は樋耳縁保持部の高さと略同じとされ
ており、前記係止杆本体が係止杆係止部に回動自
在に装着されている樋受具に存する。

〔実施例〕

以下本考案樋受具の一例を図面に参照して説明
する。

第１図は本考案の樋受具の一実施例並びに使用
態様を示す側面図であり、第２図は本考案の樋受
部の要部を示す斜視図である。

図中１は受具本体であり、２は係止杆であり、
４は角樋である。

受具本体１は底部１１の両側端部に立上り部１
２，１３が立設され、立上り部１２は立上り部１
３より高さが高くなされている。

立上り部１２の上端部には外側略水平方向に屈
曲されて外側に突出された樋耳縁受部１４が設け
られ、該耳縁受部１４の先端部に樋耳縁保持部１
５が立設され、樋耳縁保持部１５の外側面水平方
向の略中央部の上下端部付近に係止杆係止部１
６，１７が各々設けられ、立上り部１３の上端部
には樋耳縁嵌合部１８が設けられている。

係止杆係止部１６と１７は樋耳縁保持部１５の
水平方向の略中央部の上下端部付近が略コ字状に
切断され、先端が鈎状に屈曲され、開口部が互い
に逆方向になるように外側方に屈曲突出されてい
る。

係止杆２は弾性を有する金属よりなる丸棒体か
らなり、係止杆本体２１の上端部が前記樋受部１
４に載置された角樋４（後記）の樋耳縁４３の上
端部と当接若しくは僅かの間〓をおいて、該上端
面に沿う方向に屈曲されて樋耳縁押え部２２が形
成され、該樋耳縁押え部２２の先端部から樋耳縁
係止部２３が垂下され、該樋耳縁係止部２３の先
端部が樋耳縁４３の上端部内側に略当接されるよ
うになされ、係止杆本体２１の下端部に樋耳縁受
部１４の下面の外側方端部に当接可能な方向に屈
曲された屈曲部２４が設けられ、該屈曲部２４の
基端部と樋耳縁押え部２２の基端部との間隔は樋
耳縁保持部１５の高さと略同一となされており、
係止杆本体２１が係止杆係止部１６，１７に嵌合
係止されて係止杆２は受具本体１に回動自在に装
着されて樋受具が形成されている。

３は支持体であり、一端が受具本体１の底部１
１の略中央部に熔接されており、他端部を軒、庇
等の固定部材に固定することにより樋受具が軒、
庇等に固定される。

４は角樋であり、底部４１の両側部に立上り壁
４２，４２′が立設され、該立上り壁４２，４
２′の上端部に角筒状の樋耳縁４３，４３′が設け
られており、立上り壁４２は立上り壁４２′より
高くなされている。

本実施例では角樋４が角筒状の樋耳縁４３，４
３′の上下面が略水平となされたものに使用する
樋受具について述べたが、これにこだわるもので
なく、上下面の何れか一方が傾斜されたもので
も、外側面が傾斜されたものであつても、要は受
具本体１の樋耳縁受部１４に樋耳縁４３の下面が
載置できるように、樋耳縁受部１４が樋耳縁４３
の下面と略同方向に屈曲され、樋耳縁保持部１５
が樋耳縁４３の外側面に添ううように立設されて
樋受具本体１が形成され、更に、係止杆本体２１
が係止杆係止部１６，１７に係止された状態に於
いて、係止杆本体２１の上端部に樋耳縁４３の上
面に沿うように屈曲されて設けられた樋耳縁押え
部２２の先端部に垂下された樋耳縁係止部２３の
少なくとも先端部が樋耳縁４３の上端部内側に略
当接され、屈曲部２４が樋耳縁受部１４の下面の
外側方端部に当接されるように屈曲され、該屈曲
部２４の基端部と樋耳縁押え部２２の基端部との
間隔は、樋耳縁保持部１５の高さと同じか係止杆
本体２１が上方に移動しても、樋耳縁係止部２３
の先端部が樋耳縁４３の上端部内側から外れるこ
とのない高さの範囲であればよい。

本考案の樋受具に角樋４を係止するには係止杆
２を第２図に示しさ如く、樋耳縁押え部２２、樋
の縁係止部２３及び屈曲部２４を樋耳縁保持部１
５より外側方に向けて設置し、角樋４を受具本体
１内に載置し、樋耳縁４３′を樋耳縁嵌合部１８
に嵌合し、樋耳縁４３を樋耳縁受部１４と樋耳縁
保持部１５とに当接し、次いで樋耳縁押さえ部２
２の樋耳縁係止部２３側を上方に持ち上げて、樋
耳縁押え部２２を上方に弾性変形させて湾曲せし
めた後、手を離すと弾性力により復元し、樋耳縁
押え部２２が樋耳縁４３の上端部に略当接され、
樋耳縁係止部２３が樋耳縁４３の上端部内側に当
接され、屈曲部２４が樋耳縁受部１４の下面部に
当接されるように係止する。

〔作用〕

樋耳縁保持部１５の外側面に回動自在に装着さ
れた係止杆２の樋耳縁押え部２２を樋耳縁係止部
２３側上方に持ち上げて弾性変形させて樋耳縁押
え部２２を上方に湾曲せしめ、樋耳縁係止部２３
が樋耳縁４３の上を越すようにして係止杆２を回
動し、手を離すことにより、樋耳縁押え部２２が
弾性力により復元して樋耳縁４３の上端部内側に
当接されて樋４が係止される。

〔効果〕

本考案の樋受具の構成は上述の通りであり、樋
を樋受具に装着する際には、先ず樋を受具本体に
載置するに当たり、当初樋耳縁押え部及び樋耳縁
係止部が樋耳縁保持部より外側方に向けて設置さ
れ樋耳縁受部の上方は開放されているので樋の載
置が容易であり、次ぎに樋の耳縁を係止するに当
たつて、回動自在に装着された係止杆の樋耳縁係
止部側を持ち上げ樋耳縁押え部を上方に弾性変形
させて湾曲せしめて回動するだけで樋耳縁を係止
し得るのであるから係止も容易である。

従つて、樋の取付け施工が非常に容易且つ速や
かに行えるものである。

又、施工後衝撃等が加わつても樋が容易に離脱
することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案樋受具の一実施例並びにその使
用態様を示す側面図、第２図は本考案樋受具の要
部を示す斜視図である。 記号の説明、１……受具本体、１１……底部、
１２，１３……立上り部、１４……樋耳縁受部、
１５……樋耳縁保持部、１６，１７……係止杆係
止部、１８……樋耳縁嵌合部、２……係止杆、２
１……係止杆本体、２２……樋耳縁押え部、２３
……樋耳縁係止部、２４……屈曲部、３……支持
体、４……角樋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 受具本体と係止杆よりなり、受具本体は底部の
   側端部に立上り部が立設され、一方の立上り部の
   上端部から外側方に突出されて樋耳縁受部が設け
   られ、該樋耳縁受部の先端部に樋耳縁保持部が立
   設され、該樋耳縁保持部の外側面に係止杆係止部
   が設けられて形成されており、係止杆は弾性を有
   する丸棒体からなり、係止杆本体の上端部が前記
   樋耳縁受部に載置される樋耳縁上端部に略当接可
   能な方向に屈曲されて樋耳縁押え部が設けられ、
   該樋耳縁押え部の先端から樋耳縁係止部が垂設さ
   れ、下端部が前記樋耳縁受部外側方下端部に当接
   可能な方向に屈曲されて屈曲部が設けされ、樋耳
   縁押え部の基端部と屈曲部の基端部との間隔は樋
   耳縁保持部の高さと略同じとされており、前記係
   止杆本体が係止杆係止部に回動自在に装着されて
   なる樋受具。