JPH0321549Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は軒樋の取付構造、特に施工後におい
て取付金具が軒樋の前面に表出しない軒樋の取付
構造に係るものである。

〔従来の技術〕

最近、軒先への軒樋の固定は該軒樋の外周面に
沿つて支承する受け金具に替わり該軒樋の表面へ
の表出が少ない樋吊り金具が好んで使用されてい
るが、現在一般に使用されている樋吊り金具は中
空耳縁を上方より把持するものであるため、樋吊
り金具の把持部が屋外側の中空耳縁の前面に表出
し、初期目的とする美観性を完全に満足させるま
でには至らなかつた。

そこで、中空耳縁の内側を開口し該中空耳縁の
内側に帯板状からなる樋吊り金具の先端部を単に
挿入して係止するようになしたものが考案される
に至つたが、強風等による離脱や中空耳縁を開口
に伴う耐久性の低下等の弊害を余儀なくされてい
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この考案は上記従来品の問題点を解決すべく考
案されたものであつて、経時変化に伴う離脱がな
く、しかも強度低下を来さない軒樋の取付構造を
提供せんとするものである。

〔問題を解決するための手段〕

この考案は上記に鑑み考案されたものであつて
軒樋本体の両側壁上端部に形成された中空耳縁の
少なくとも屋外側の中空耳縁の内側壁面下半部に
長手方向に沿う開口部を有する中空室を形成する
とともに該開口部の上端部に長手方向に沿う突片
を下方に向けて突設し且つ該軒樋本体の内側壁面
に断面Ｌ字状の係合突片を突設してなる軒樋Ａ
と、樋受主体の少なくとも屋外側の端部に上記中
空室に嵌入して突片に係止すべく先端部が上方に
向けて立上げられた係止片を設けるとともにその
下方に先端部が上記係合突片に係合し且つ弾発力
にて軒樋本体の側壁を支承する支承片を設けてな
る樋吊り金具Ｂとを用いることにより上記問題点
を解決した。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に示す実施例について説
明すれば、第１図はこの考案の軒樋の取付構造の
一実施例を示す断面図、第２図は同上一部拡大断
面図を各々示すもので、図中Ａは軒樋、Ｂは樋吊
り金具であり、符号１は断面Ｕ字状からなる軒樋
本体であり、２，２′は軒樋本体１の両側壁上端
部に形成された方形状からなる中空耳縁であり、
３は屋外側の中空耳縁２の下半部に形成された中
空室であり、４は中空室３の内壁面側に開設され
た長手方向に沿う開口部であり、５は開口部４の
上端部から下方に向けて突設された突片であり、
６は軒樋本体１の内側壁面に長手方向に沿うよう
に突設された断面逆Ｌ字状の係合突片であり、７
は軒樋Ａの固定の用に供される樋吊り金具Ｂの樋
受主体であつて、帯金の曲折により形成されてい
るものであり、８は樋受主体７の屋外側の端部に
形成された係止片であつて、ステンレス薄板の如
き薄肉にして剛性を有する剛直板の先端部を上方
に向けて立上げてなるものであり、９は係止片８
の下方に形成された剛直板からなる支承片であつ
て、先端部が上記係合突片６に係合し且つ弾発力
にて軒樋本体１の側壁を支承するように形成され
ているものである。

尚、樋吊り金具Ｂとしては全体をステンレス薄
板の如き薄肉にして剛性を有する剛直板にて形成
しても差支えない。

〔考案の効果〕

以上より明らかなように、この考案の軒樋の取
付構造は軒樋本体１の両側壁上端部に形成された
中空耳縁２，２′の少なくとも屋外側の中空耳縁
２の内側壁面下半部に長手方向に沿う開口部４を
有する中空室３を形成するとともに該開口部４の
上端部に長手方向に沿う突片５を下方に向けて突
設し且つ該軒樋本体１の内側壁面に断面逆Ｌ字状
の係合突片６を突設してなる軒樋Ａと、樋受主体
７の少なくとも屋外側の端部に上記中空室３に嵌
入して突片５に係止すべく先端部が上方に向けて
立上げられた係止片８を設けるとともにその下方
に先端部が上記係合突片６に係合し且つ弾発力に
て軒樋本体１の側壁を支承する支承片９を設けて
なる樋吊り金具Ｂとからなる構成よりなるために
施工に際しては予め軒先に固定された樋吊り金具
Ｂの係止片８に開口部４を当接した後これを押圧
し、中空室３に嵌装して該係止片８に突片５を係
止するとともに支承片９の先端部に係合突片６を
嵌装し、次いで建屋側の中空耳縁２′を中空耳縁
把持部１０に嵌入させることにより軒樋Ａと樋吊
り金具Ｂとを装着するものである。

而して、この考案の軒樋の取付構造は係止片８
への中空室３の押圧嵌装による突片５への該係止
片８の係止並びに係合突片６に係合して軒樋本体
１の側壁を支承する支承片９の弾発力による軒樋
Ａの壁面への押圧および保持により強固に固定さ
れるために従来品にみられる強風等の揺動による
離脱が防止せしめられ、更には中空耳縁２内に中
空室３が形成されているために開口部４の形成に
伴う強度低下もなく、また樋吊り金具Ｂが軒樋Ａ
の屋外側の前面に全く表出しないために初期目的
とする美観性も合わせ付与せしめられるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の軒樋の取付構造の一実施例
を示す断面図、第２図は同上一部拡大断面図を示
すものである。 Ａ……軒樋、Ｂ……樋吊り金具、１……軒樋本
体、２，２′……中空耳縁、３……中空室、４…
…開口部、５……突片、６……係合突片、７……
樋受主体、８……係止片、９……支承片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軒樋本体の両側壁上端部に形成された中空耳縁
   の少なくとも屋外側の中空耳縁の内側壁面下半部
   に長手方向に沿う開口部を有する中空室を形成す
   るとともに該開口部の上端部に長手方向に沿う突
   片を下方に向けて突設し且つ該軒樋本体の内側壁
   面に断面逆Ｌ字状の係合突片を突設してなる軒樋
   Ａと、樋受主体の少なくとも屋外側の端部に上記
   中空室に嵌入して突片に係止すべく先端部が上方
   に向けて立上げられた係止片を設けるとともにそ
   の下方に先端部が上記係合突片に係合し且つ弾発
   力にて軒樋本体の側壁を支承する支承片を設けて
   なる樋吊り金具Ｂとからなる軒樋の取付構造。