JPH0339132Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、抽出器から溢れ出る湯に対処する構
造を改良したコーヒー抽出器に関する。

［考案の技術的背景］ 従来より、コーヒー抽出器は、コーヒー液貯留
用のボトルの上方に抽出器を配置し、前記抽出器
内で抽出したコーヒー液を抽出器の抽出孔からボ
トル内に流し入れるようにした構成が一般的であ
る。

［背景技術の問題点］ ところで、抽出器内への単位時間当りの給湯量
が一定であつたとしても、抽出器内のコーヒー粉
の量が多かつたり、抽出孔がコーヒー粉で詰まつ
たりして、通水性が低下すると、給湯量の方がコ
ーヒー液の抽出量よりも多くなることがある。こ
の場合、抽出器内に滞留する湯が増加して、抽出
器の上部から溢れ出し、抽出器の外周面を伝い降
りてその下端から落下するようになる。而して、
抽出器をボトルの上方に配置する場合、少なくと
も抽出孔がボトルの上面開口部に臨むように配置
すれば良いから、全体の配置関係で抽出器の下端
が部分的にボトルの上面開口部からはみ出すよう
に配置されることが多い。このため、抽出器から
溢れ出した湯の一部が抽出器の下端のうちボトル
からはみ出した部位にも伝つてボトルの外部に落
下し、ボトルの周囲を濡らしてしまう欠点があつ
た。

［考案の目的］ 本考案は上記事情を考慮してなされたもので、
従つてその目的は、抽出器から溢れ出た湯により
ボトルの周囲を濡らしてしまうことを防止できる
コーヒー抽出器を提供するにある。

［考案の概要］ 本考案は上記目的を達成するために、抽出器の
上部に、該抽出器内で満杯になつた湯を溢れ出さ
せるオーバーフロー部を形成すると共に、前記抽
出器の下部に、前記オーバーフロー部から該抽出
器の外周面を伝い降りる湯に対する水切部を、ボ
トルの上面開口の真上に位置させるように設けた
構成としたものであり、以つて抽出器から溢れ出
した湯が抽出器の下部に沿つて広範囲に伝うこと
を水切部の水切作用により防止するようにしたと
ころに特徴を有する。

［考案の実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。１はコーヒー抽出器の本体、２は本体１の
下部に設けた加熱台で、この加熱台２内には加熱
管３とヒータ４から成る湯生成機構５が設けられ
ており、本体１に設けた貯水タンク６（第２図参
照）内の水が加熱管３内に供給されて熱湯化され
る。７は加熱台２に載置したコーヒー液貯留用の
ボトルで、これの上面にはボトル蓋８が被せられ
ている。９は加熱台２の斜め上方部に設けた縦軸
形のモータ（第１図参照）、１０はモータ９の上
方部に着脱可能に装着した粉砕ケースで、これの
内底部にはモータ９により回転駆動されるカツタ
１１が設けられている。この粉砕ケース１０の図
示右側の側面部にはコーヒー粉の通過を許容する
粉フイルタ部１２が設けられていると共に、この
粉フイルタ部１２を外側方から覆うフード部１０
ａが粉砕ケース１０に設けられている。１３は粉
砕ケース１０の上面に被せたキヤツプ、１４はボ
トル７の上方に配置したカツプ状の抽出器で、こ
れはフード部１３の下方に位置して本体１に係合
手段（図示せず）を介して着脱可能に支持されて
いる。この抽出器１４の内部には紙フイルタ１５
が収納され、また底部には抽出孔１６が形成され
ていると共に、この抽出孔１６を開閉する弁装置
１７が設けられている。この弁装置１７は抽出器
１４を本体１に装着すると、ボトル蓋８に当接し
て開放された状態となる。１８は抽出器１４の上
部に形成したオーバーフロー部たるオーバーフロ
ー孔で、このオーバーフロー孔１８から溢れ出す
湯を下方に導くためのオーバーフロー流路１９が
抽出器１４の外周面に上下に延びる樋状に形成さ
れている。２０は抽出器１４の略下半部に円筒状
に形成したスカート部、２１は抽出器１４の下部
にその外周面を伝い降りる水に対するように設け
た水切部で、本実施例ではスカート部２０の下端
から下方に延びる略三角形状に形成されていると
共に、この水切部２１がオーバーフロー流路１９
の下部近傍に位置し且つボトル７の真上に位置し
て２個形成されている。２２は抽出器１４の上面
に装着したキヤツプで、これには第２図に示すよ
うに湯受口部２３が形成されていると共に、湯受
口部２３の下方に位置して注湯器２４が設けられ
ている。そして、湯生成機構５で生成された熱湯
が給湯管２５及び給湯口体２６を介して湯受口部
２３内に吐出されるようになつている。

次に、上記構成の作用について説明する。コー
ヒー液を抽出するには、まず、粉砕ケース１０及
び貯水タンク６内に夫々コーヒー豆、水を収容し
て第１図に示す状態にセツトする。そして、モー
タ９に通電すると、カツタ１１が回転してコーヒ
ー豆が粉砕される。これにより、生成されたコー
ヒー粉は粉フイルタ部１２から順次排出されて抽
出器１４内の紙フイルタ１５上に落下収容され
る。コーヒー豆の粉砕後、湯生成機構５のヒータ
４に通電すると、貯水タンク６内の水が順次熱湯
化されて給湯口体２６からキヤツプ２２の湯受口
部２３内に吐出され、注湯器２４を介して紙フイ
ルタ１５上のコーヒー粉に滴下される。滴下され
た熱湯はコーヒー粉に浸透してコーヒー粉からコ
ーヒーのエキスを抽出し、紙フイルタ１５により
濾過されて抽出孔１６から流出し、ボトル７内に
コーヒー液として受け溜められる。

ところで、コーヒー液の抽出時に、コーヒー粉
の量が多過ぎたり、抽出孔１６がコーヒー粉によ
り詰まつたりして通水抵抗が大きくなつた場合、
或いは第３図に示すようにボトル７にボトル蓋８
を装着し忘れたことにより弁装置１７が抽出孔１
６を閉鎖した状態になつている場合には、抽出器
１４内に滞留する湯が増加して、オーバーフロー
孔１８から溢れ出し、抽出器１４の外周面を伝い
降りるようになる。この場合、溢れ出た湯が抽出
器１４の下端即ちスカート部２０の下端にまで伝
い降りると、該下端に設けられた水切部２１の水
切作用により該水切部２１から集中的に落下して
ボトル７内に受け溜められるようになり、湯がス
カート部２０の下端に沿つて広範囲に伝うことは
水切部２１の水切作用により極力防止され、以つ
て湯がボトル７の周囲に落下して濡らしてしまう
ことを防止できる。

また、本実施例では抽出器１４の下部に水切部
２１を２個設ける構成したので、第４図に示すよ
うに抽出器１４をテーブル２６等に載置する場合
に抽出器１４を２個の水切部２１と弁装置１７と
の３箇所で支持することができて、弁装置のみし
か設けられていなかつた従来の抽出器に比して、
載置時の安定性を向上させることができる。

尚、水切部２１は必ずしも２個設ける必要はな
く、例えば１個或いは３個以上設ける構成として
も良い。また、水切部は必ずしも本実施例のよう
に突起状に形成する必要はなく、例えば凹状等、
他の形状に形成しても良い。

［考案の効果］ 本考案は以上の説明から明らかなように、抽出
器の上部に、該抽出器内で満杯になつた湯を溢れ
出させるオーバーフロー部を形成すると共に、前
記抽出器の下部に、前記オーバーフロー部から該
抽出器の外周面を伝い降りる湯に対する水切部
を、ボトルの上面開口の真上に位置させるように
設けた構成としたので、抽出器から溢れ出た湯が
抽出器の下部に沿つて広範囲に伝うことを水切部
の水切作用により極力防止することができ、以つ
て抽出器から溢れ出た湯によりボトルの周囲を濡
らしてしまうことを防止できるという優れた実用
的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１
図及び第２図は夫々異なる部分を破断した全体の
側面図、第３図は要部の拡大縦断側面図、第４図
は抽出器をテーブルに載置した状態を示す図であ
る。 図面中、７はボトル、１４は抽出器、１８はオ
ーバーフロー孔（オーバーフロー部）、２１は水
切部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コーヒー液貯留用のボトルの上方に抽出器を配
   置し、前記抽出器内で抽出したコーヒー液を前記
   ボトル内に受け溜めるようにしたものにおいて、
   前記抽出器の上部に、該抽出器内で満杯になつた
   湯を溢れ出させるオーバーフロー部を形成すると
   共に、前記抽出器の下部に、前記オーバーフロー
   部から該抽出器の外周面を伝い降りる湯に対する
   水切部を、前記ボトルの上面開口の真上に位置さ
   せるように設けたことを特徴とするコーヒー抽出
   器。