JPH0418522Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は主にコーヒー、紅茶、チヨコレート液
等の抽出飲料を製造する飲料製造装置に係わり、
特に１台の装置で遠心力式エスプレツソ抽出法と
ドリツプ式抽出法を選択できる飲料製造装置に関
する。

（従来の技術） 従来、強煎りのコーヒー豆の粉末等を一過性で
抽出するエスプレツソ式飲料製造装置として、蒸
気圧を利用したスチームプレツシヤー式、給水ポ
ンプを利用した給水ポンプ式、又電動機に直結し
た抽出器を回転し、遠心力を利用して抽出を行う
遠心力式が知られる。これらの抽出方式のうちコ
ーヒー等を少数のカツプに抽出する場合遠心力式
は構造上或いは使い勝手等から優位な点が多い。

次に前記遠心力式の飲料製造装置について第６
図ないし第７図を参照して説明する。

第６図に示すようにケース１は上部に凸状のカ
バー２で覆つたエスプレツソ用抽出器３を設ける
と共に、一側下部にカツプ４等の載置台１ａを形
成する。さらにエスプレツソ用抽出器３の下方に
アルミ鋳物製等の加熱ケース５を設け、この加熱
ケース５の底部６にシーズヒータ等の発熱体７を
鋳込み又は加締付け等により装着する。７ａは水
目盛りである。

又加熱ケース５の底部６の中央に駆動軸８を貫
通すると共に、この駆動軸８と底部６の間にパツ
キング８ａを設けて水密とし、駆動軸８を駆動軸
８の下方に設けた電動機９の軸１０に直結する。
前記駆動軸８の上部に後述する筒体１３と連通
し、側部に抽出孔１２を設けた前記エスプレツソ
用抽出器３を固定する。前記筒体１３は下端を加
熱ケース５上に開口すると共に、前記駆動軸８の
外側に間隔をおいて上方に広がるように配設され
る。

さらに前記エスプレツソ用抽出器３は前記筒体
１３の上端と連通する底部１５とこの底部１５の
上方に斜設する側部１６とこの側部１６の上端外
側に設けるフランジ部１７からなる原料粉収納容
器１８と、注出孔１２である隙間を形成し、原料
収納容器１８に被せる蓋体１９からなる。又原料
粉収納容器１８の底部１５と筒体１３の接続部上
方に拡散板２０を嵌着すると共に、この拡散板２
０の内面に嵌合段部２１と、駆動軸８との嵌合段
部２２を設けて、電動機９の回転力が駆動軸８、
嵌合段部２１，２２そして原料収納容器１８、筒
体１３及び蓋体１９に伝達できる。

さらに抽出孔１２の外側に前記カバー２の側部
２３が位置し、この側部２３の下方に集液槽２４
を配設すると共に、前記載置台１ａの上方に集液
槽２４と連通する注出口２５を設ける、。又加熱
ケース５の側面にはサーモスタツト２７を装着
し、ケース１の上面寄りにカバースイツチ２８を
設け、さらにケース１の下部前面に作動スイツチ
２６を設ける。

次に電気回路図を第７図に基づいて説明する
に、発熱体７に作動スイツチ２６、サーモスタツ
ト２７及びカバースイツチ２８が直列接続されて
いると共に、パイロツトランプ２９と抵抗３０の
直列回路が並列接続している。又サーモスタツト
２７とカバースイツチ２８との間に電動機９が挿
入節則している。

次に、前記構成につきその作用を説明する。

まずカバー２を取り、次に蓋体１９と共に原料
粉収納容器１８を駆動軸８よりはずして適量の水
Ｗを推量目盛り７ａを見ながら加熱ケース５に注
ぐ。そして駆動軸８に原料粉収納容器１８を嵌合
した後、この原料粉収納容器１８にコーヒー粉Ｃ
を適量収納し、蓋体１９及びカバー２を被せる。
この際カバースイツチ２８は閉成する。

次に作動スイツチ２６を切換接点２６Ａ側に短
絡すると、発熱体７に通電して、水Ｗを加熱する
と共にパイロツトランプ２９が点灯する。そして
水Ｗが所定の温度に達するとサーモスタツト２７
が常開接点２７Ｂ側に短絡する。同時にパイロツ
トランプ２９も消灯する。

そして作動スイツチ２６を他側切換接点２６Ｂ
に切換えると、電動機９が回転し、この回転に伴
い筒体１３、原料粉収納容器１８、拡散板２０等
が一体に回転する。このため加熱ケース５の筒体
１３内の熱湯Ｗは遠心力が与えられ、筒体１３内
を上昇して熱湯Ｗは回転している原料粉収納容器
１８に流入し、そしてコーヒー粉Ｃに浸透し、抽
出されたコーヒー液Ｌは遠心力によつて抽出孔１
２より外部へ飛散され、集液槽２４によつて集め
ることができる。さらにコーヒー液Ｌは抽出口２
５よりカツプ４に収納できる。

（考案が解決しようとする問題点） 前記のように遠心力式の飲料製造装置では強煎
りのコーヒー豆等を簡単に一過性の抽出が可能で
あるが弱煎りのコーヒー豆、すなわちレギユラー
コーヒー粉等を抽出できず、最近のコーヒー通の
趣向の多様化に対応できない問題点があつたる。

そこで本考案は以上の問題点を除去するので、
エスプレツ式抽出法とドリツプ式抽出法を１台の
飲料製造装置で可能とし、かつ各専用部品を少な
くすると共に、取扱いが簡単な飲料製造機を提供
することを目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案は、加熱ケース３４の底部３５に形成
し、発熱体３７を近設し凹部３６と、底部５８に
抽出孔５９を設けたドリツプ用抽出器５６と、こ
のドリツプ用抽出器５６の上部に上端開口部６５
を連通すると共に下端開口部６６を前記凹部３６
に連通した揚湯路６４と、前記加熱ケース３４と
凹部３６の間に介在し、加熱ケース３４側より凹
部３６側へのみ流れる逆止弁６７と、前記抽出孔
５９の下方に位置する集液槽５４とから構成す
る。

（作用） ドリツプ式抽出時、凹部３６に収容され発熱体
３７によつて沸騰した熱湯W′は揚湯路６４内を
上昇し、上端開口部６５よりドリツプ式抽出器５
６内にふり注がれる。そして抽出液L′は抽出孔５
９を通つて集液槽５４に集めることができる。

（実施例） 以下、第１図ないし第５図に示した実施例に基
づいて実施例を説明する。

ケース３１は一側下部にカツプ３２等を置くた
めの載置部３３を形成する。

ケース３１の内部に設け、アルミニウム鋳物か
ら作られる加熱ケース３４の底部３５の中央に凹
部３６を形成すると共に、この凹部３６の廻りに
シーズヒータ等の発熱体３７を配設する。

そして加熱ケース３４の凹部３６の底部３８上
方に後述するエプレツソ用抽出器３９を駆動する
駆動軸４０を設ける。そして原動軸４１と底部３
５の間にパツキング４２を設けて水密とし、この
原動軸４１を下方に設けた電動機４３に直結す
る。前記駆動軸４０の外側には後述する筒体４４
を設けると共に、側部に抽出孔４５を設けた前記
エスプレツソ用抽出器３９を挿着する。前記筒体
４４は下端を底部３８上に開口する共に、前記駆
動軸４０の外側に間隔をおいて上方に広がるよう
に形成される。

さらに前記エスプレツソ用抽出器３９は前記筒
体４４の上端と連通する底部４６とこの底部４６
の上方に斜設する側部４７とこの側部４７の上端
外側に設けるフランジ部４８からなるエスプレツ
ソ用原料粉収納容器４９と、隙間である抽出孔４
５を形成してエスプレツソ用原料粉収納容器４５
に被嵌する蓋体５０からなる。又エスプレツソ用
原料粉収納容器４９の底部４６と筒体４４の接続
部上方に拡散板５１を図示しない嵌合段部によつ
て嵌着して、電動機４３の回転力が原動軸４１、
駆動軸４０、嵌合段部そしてエスプレツソ用原料
粉収納容器４９、筒体４４及び蓋体５０に伝達で
きる。

さらに抽出孔４５の外側にカバー５２を設け、
このカバー５２の側部５３の下方に集液槽５４を
配設すると共に、前記載置部３３の上方に集液槽
５４と連通する注出口５５を設ける。

前記エスプレツソ用抽出器３９と選択的に設け
るドリツプ用抽出器５６は集液槽５４の内筒部５
７の上端に縁部が載置する截頭円錐形の底部５８
とこの底部５８の外側に張設するネツト等から成
る抽出孔５９とこの抽出孔５９の上方に設けた側
部６０とからなるドリツプ用原料粉収納容器６１
と、このドリツプ用原料収納容器６１の上部に被
嵌し多数の孔６２を散在した拡散蓋体６３から成
る。

さらにこのドリツプ用原料収納容器６１の中央
に揚湯路である揚湯管６４を縦設し、この揚湯管
６４の上端開口部６５を拡散蓋体６３の内部に連
通し、又下端開口部６６を前記凹部３６内に連通
する。さらに前記加熱ケース３４と凹部３６との
間、すなわち凹部３６の開口縁に前記揚湯管６４
と一体で加熱ケース３４側より凹部３６側へのみ
流れる逆止弁６７を設ける。この逆止弁６７は第
２図に示すように揚湯管６４に固着して加熱ケー
ス３４側と凹部３６側を仕切ると共に、加熱ケー
ス３４と凹部３６を連通するための孔６８Ａを複
数形成した弁座６８と、この弁座６８の下方で揚
湯管６４に摺動自在に設けられ前記孔６８Ａを閉
塞可能に設けた弁体６９から構成され、この弁体
６９は揚湯管６４の下部寄りに形成した膨出部７
０によつて係止された受け板７０Ａによつて抜け
落ちが防止できる。又加熱ケース３４の一側にエ
スプレツソ用サーモスタツト７１を装着し、凹部
３６の側部にドリツプ用サーモスタツト７２を装
着し、さらにケース３１の下部前面に作動スイツ
チ７３、主スイツチ７４を設けると共に、ケース
３１の上面寄りにケーススイツチ７５を設ける。

第５図において、主スイツチ７４の一側切換接
点７４Ａはドリツプ用サーモスタツト７２、発熱
体３７及びケーススイツチ７５に直列に接続して
いる。一方主スイツチ７４の他側切換接点７４Ｂ
はエスプレツソ用作動スイツチ７３、エスプレツ
ソ用サーモスタツト４１及び発熱体３７に直列に
接続している。そして、作動スイツチ７３の一側
切換点７３Ａはエスプレツソ用サーモスタツト７
１の一側切換接点７１Ａに、作動スイツチ７３の
他側切換接点７３Ｂは同様にエスプレツソ用サー
モスタツト７１の他側切換接点７１Ｂに各々接続
されており、他側切換接点７１Ｂとケーススイツ
チ７５との間には電動機４３が挿入接続されてい
る。発熱体３７には第１のパイロツトランプ７６
と第２のパイロツトランプ７７が各々抵抗７６
Ａ，７７Ａを介して並列に接続されている。

次に前記構成につきその作用を説明する。

第４図に示すようにエスプレツソ用抽出器３９
にコーヒー粉Ｃを収納すると共に加熱ケース３４
に所定の水Ｗを入れた後、主スイツチ７４を切換
接続点７４Ｂに短絡し、そしてエスプレツソ用作
動スイツチ７３を一側接点７３Ａ短絡すると発熱
体３７に通電し、水Ｗはエスプレツソ用のサーモ
スタツト７１により所定温度まで加熱される。次
に水Ｗが加熱されてエスプレツソ用サーモスタツ
ト７１が接点７１Ｂ側に短絡した後、エスプレツ
ソ用の作動スイツチ７３を他側接点７３Ｂ側に短
絡すると電動機４３が回転し、この回転に伴つて
エスプレツソ用抽出器３９が回転して、熱湯Ｗが
筒体４４を上昇してエスプレツソ用抽出器３９に
流入し、そしてコーヒー粉Ｃを遠心力によつて抽
出し、抽出孔４５からコーヒー液Ｌを取出し、集
液槽５４より注出口５５へ流れたコーヒー液Ｌを
カツプ３２に注ぐことができる。

次にドリツプ式抽出時の作用を第１〜３図に基
づいて説明する。

まずカバー５２を開けて、エスプレツソ用抽出
器３９を取りはずした後、コーヒー粉C′をドリツ
プ用原料収納容器６１へ収容した後、拡散蓋体６
３をドリツプ用原料収納容器６１に被嵌し、加熱
ケース３４に水W′を適量入れる。

そしてドリツプ用粉収納容器６１を集液槽５４
に載置すると共に、弁座６８が凹部３６の上端に
着座するように設置する。この際、弁座６８と弁
体６９との間には隙間があるため水W′は孔６
８Ａを経て加熱ケース３４から凹部３６内へ流れ
る。次にカバー５２を閉め主スイツチ７４を一側
接点７４Ａに切換えると、発熱体３７に通電しド
リツプ用サーモスタツト７２で定められた所定温
度に加熱される。

このように発熱体３７が発熱すると、凹部３６
内の水W′は沸騰して、該凹部３６の内圧が上昇
すると、弁体６９が上方へ押圧されて、弁座６８
に着座し、凹部３６内を密閉状態とする。さらに
凹部３６内の熱湯W′は内圧上昇に伴つて揚湯管
６４内を上昇して上端開口部６５より吐出され
る。この吐出された熱湯W′は拡散蓋体６３によ
つて拡散された後コーヒー粉C′に注がれ、そして
コーヒー液L′は抽出孔５９より集液槽５４に滴下
する。この集液槽５４にたまつたコーヒー液L′は
注出口５５よりカツプ３２に注がれる。熱湯
W′の減少に伴い凹部３６内の内圧が降下すると、
この内圧降下に伴つて弁体６９が下がり、受け板
７０Ａに係止されると共に、再度隙間が生じて
孔６８Ａが連通状態となり、その結果加熱ケース
３４内の水W′は凹部３６に給水される。そして
再び低温感知したドリツプ用サーモスタツト７２
により給水された凹部３６の水W′が加熱され、
内圧上昇に伴つて揚水管６４を上昇してコーヒー
粉C′に注がれ抽出できる。

以上のように、発熱体３７を装着した有底な加
熱ケース３４に下部を筒体４４によつて連通する
と共に側方に抽出孔４５を設けたエスプレツソ用
抽出器３９を電動機４３によつて回転可能に設
け、このエプレツソ用抽出器３９の外側にコーヒ
ー液Ｌの集液槽５４を配設した飲料製造装置にお
いて、前記エスプレツソ用抽出器３９と選択的に
ドリツプ用抽出器５６を設けると共に、凹部３６
の熱湯W′をドリツプ用抽出器５６に給湯する揚
湯管６４を設けることによつて１台の飲料製造装
置でエスプレツソ式コーヒーのみならず、ドリツ
プ式コーヒーをも製造できる。

さらに加熱ケース３４の底部３５に発熱体３７
を近設した凹部３６を形成し、この凹部３６に下
端開口部６６を連通した揚湯管６４の上端開口部
６５をドリツプ用抽出器５６の上部に設けたこと
により、水W′は凹部３６内で加熱され、そして
揚湯管６４内を上昇してコーヒー粉C′に注ぐこと
ができ、ドリツプ式抽出のため専用部分を最小限
とでき合理的である。

しかも、ドリツプ用抽出器５６に縦設した揚湯
管６４の下端開口部６６に加熱ケース３４から凹
部３６内のみ流れる逆止弁６７を設けて、凹部３
６を密閉状態として内圧上昇に伴つて熱湯W′を
揚湯管６４内を上昇させてコーヒー粉C′に注いで
抽出でき、一方内圧降下に伴つて逆止弁６７が開
いて給水できる。このため確実に熱湯W′をドリ
ツプ用抽出器５６に給湯でき、確実な抽出が可能
である。又装置全体の形状はコンパクトになり、
収納スペース、包装ケース等も小形化することが
できる相乗効果も発揮できる。

さらに前記逆止弁６７は揚湯管６４を介してド
リツプ用抽出器５６と一体であるため、ドリツプ
用抽出器５６を加熱ケース３４側に設置すると同
時に取り換えが終了するため取扱いが簡単であ
る。

尚、本考案は、前記実施例に限定されるもので
はなく、例えばドリツプ用抽出器を直接加熱ケー
スの底部に載置する等種々の変形が可能である。

［考案の効果］ 本考案は発熱体を装着した有底な加熱ケースに
下部を筒体を介して連通すると共に側方に抽出孔
を設けたエスプレツソ用抽出器を電動機によつて
回転可能に設け、かつ前記抽出孔の外側に集液槽
を設けた飲料製造装置において、前記加熱ケース
の底部に形成し、前記発熱体を近設した凹部と前
記エスプレツソ用抽出器と選択的に設け底部に抽
出孔を設けたドリツプ用抽出器と、このドリツプ
用抽出器の上部に上端開口部を連通すると共に下
端開口部を前記凹部に連通した揚湯路と、前記加
熱ケースと凹部の間に介在する逆止弁を具備する
ものであり、前記抽出器の選択により１台でエス
プレツソ式抽出と、ドリツプ式抽出が可能であ
り、さらに取扱いが簡単で、しかも合理的な飲料
製造装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の一実施例を示す
もので第１図はドリツプ式抽出時の縦断面図、第
２図は要部の断面図、第３図はドリツプ式抽出時
の一部切欠き平面図、第４図はエスプレツソ式抽
出時の縦断図、第５図は電気回路図、第６図は従
来例の縦断面図、第７図は同電気回路図である。 ３４……加熱ケース、３６……凹部、３７……
発熱体、３９……エスプレツソ用抽出器、４３…
…電動機、４４……筒体、４５……抽出孔、５４
……集液槽、５６……ドリツプ用抽出器、５９…
…抽出孔、６４……揚湯管（揚湯路）、６５……
上端開口部、６６……下端開口部、６７……逆止
弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発熱体を装着した有底な加熱ケースに下部を筒
   体を介して連通すると共に側方に抽出孔を設けた
   エスプレツソ用抽出器を電動機によつて回転可能
   に設け、かつ前記抽出孔の外側に集液槽を設けた
   飲料製造装置において、前記加熱ケースの底部に
   形成し前記発熱体を近設した凹部と、前記エスプ
   レツソ用抽出器と選択的に設け底部に抽出孔を設
   けたドリツプ用抽出器と、このドリツプ用抽出器
   の上部に上端開口部を連通すると共に下端開口部
   を前記凹部に連通した揚湯路と、前記加熱ケース
   と凹部の間に介在する逆止弁を具備することを特
   徴とする飲料製造装置。