JPS6136171Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、バスケツトに入れた例えば、コーヒ
ー豆等の大粒の原料を粉砕する機能と、バスケツ
トの中に熱湯を滴下して、粉砕された原料から抽
出された液をフイルタで濾過する機能とを合せ持
つた飲料製造機に関するものである。

従来、この種の飲料製造機は、コーヒ豆等の大
粒の原料を入れるバスケツトと、バスケツトの下
部開口に装着するフイルタと、フイルタの下部に
装着する受皿と、受皿の注出口の直下に受口を位
置させた容器と、バスケツト蓋に内装される粉砕
体と、粉砕体と駆動するモータと、所望量の水を
入れる貯水槽と、貯水槽から供給された水を加熱
手段で加熱してバスケツト内部に給湯する給湯装
置とで構成されている。

このように構成された従来例では、先ず、バス
ケツトに原料、例えば、コーヒー豆を入れた後、
モータを回転させて、粉砕体によりコーヒー豆を
粉砕し、コーヒー豆が適当な大きさに粉砕された
ならば、モータを停止させる。次に、加熱手段に
通電して、加熱手段で加熱された熱湯をバスケツ
ト内の粉砕されたコーヒー豆に直接滴下し、粉砕
されたコーヒー豆からその成分を抽出して、フイ
ルタで濾過した後、受皿で収集した抽出液を容器
に収容する。ところで、コーヒー豆を過度に細か
く粉砕すると、抽出時にフイルタが目詰りを起こ
して、粉砕されたコーヒー豆及びコーヒーの抽出
液がバスケツト蓋から溢れ、バスケツト、バスケ
ツト蓋の周辺機器、食卓等を汚してしまう欠点が
あつた。

又、前記の欠点を解消するために、バスケツト
の上部開口をバスケツト蓋で覆うと共に、上端が
フイルタとバスケツト蓋とで覆われたバスケツト
の粉砕・抽出室で開口し、且つ、下端が受皿の上
部で開口するパイプをバスケツトの外部或いは内
部に設けたものがある。

しかしながら、このように構成された従来例で
は、粉砕されたコーヒー豆が、粉砕時には、自ら
パイプの中に飛び込んでバスケツトから排出され
たり、又、抽出時には、パイプを介して、抽出液
と共にバスケツトから溢れ出るため、バスケツト
内の粉砕されたコーヒー豆の量が不足して、所望
の濃度に抽出できなかつり、又、フイルタで濾過
した抽出液にパイプを介して受皿に排出、或い
は、溢れ出たコーヒー粉が混入して、抽出したコ
ーヒーの味を低下させたり、抽出したコーヒーの
口当りを悪くする欠点があつた。又、パイプをバ
スケツトの外部に設けたものは、パイプが突出し
ている分だけ外容積が増加したり、折れ曲つたパ
イプ内の清掃が困難になる欠点があり、更に、パ
イプをバスケツトの内部に設けたものは、粉砕さ
れるコーヒー豆がパイプに当つて円滑に流動しな
くなり、コーヒー豆が短時間に均一に粉砕されな
くなる欠点があつた。

本考案は、前記従来例の欠点を解消するため
に、上端開口をフイルタとバスケツト蓋とで覆つ
たバスケツト内部の上端よりも高く、且つ、バス
ケツト周壁の上端よりも低い位置に設置し、下端
開口を受皿の抽出口の上部に設置した溢流路を、
バスケツトの外周壁面上に設けた飲料製造機を提
供するものである。以下、図面により、本考案の
実施例を詳細に説明する。

第１図は、本考案の一実施例を具備した飲料製
造機の全体の構成図、第２図は、本考案の一実施
例を具備したバスケツトの構成図で、１は底面２
が周端最低部に設けた抽出口３に向かつて傾斜し
ている有底円筒状の受皿で、この受皿１の内周壁
面上端部には係合突起４が周壁に沿つて凸設さ
れ、又、受皿１の底面２の中央部には、内周端を
フランジ状に上方に突出させた貫通穴５が設けら
れている。６は外周壁面下端部に係合溝７を凹設
した円筒状のバスケツト、８はバスケツト６の外
周壁面上に突設した溢流路で、この溢流路８の上
端開口８ａは、バスケツト６と溢流路８との間の
バスケツト６の周壁の上端部を切り欠いて形成し
たもので、バスケツト６の周壁の上端よりも低い
所に位置し、又、溢流路８の下端開口８ｂは、受
皿１をバスケツト６の下端部に所定の向きで装着
したときに、注出口３の上部に位置する。９はバ
スケツト６の上端部に装着するバスケツト蓋で、
このバスケツト蓋９には溢出孔１０が溢流路８の
上端開口８ａと等しいか、或いは、それよりも低
い置に突設されている。１１はバスケツト蓋９の
中央部にバスケツト蓋９と一体に設けた熱湯受皿
で、この熱湯受皿１１には滴下孔１２が穿設され
ている。１３はバスケツト蓋９の周壁の上端の切
欠部に放射方向に突設した溢流路蓋で、この溢流
路蓋１３の下面とバスケツト６及びバスケツト蓋
９の切欠部上端との間が離隔されて、溢流路８へ
の流入口１４が形成されている。１５はバスケツ
ト蓋６の下端開口に固着されるステンレス網製の
フイルタで、このフイルタ１５は、外周端のリン
グ状の枠部材１６と、内周端の筒状の軸筒１７
と、枠部材１６と軸筒１７との間に放射状に設け
たリブ１８と共に、一体成形される。１９は軸筒
１７に回動自在に軸支された継手、２０は、軸筒
１７から突出した継手１９の上端部に装着される
支持体２１の周壁下端部に、粉砕羽根２２を放射
方向に突設した原料粉砕体、２３は受口２４を設
けたガラス製の容器で、この容器２３にはハンド
ル２５と蓋２６とが取り付けられている。２７
は、貯水槽２８を一端部に載置し、貫通穴２９を
有するバスケツト蓋載置台３０を中央部に載置
し、且つ、開口３１を他端部に設けた基台、３２
は基台２７の開口３１の内側に装着した加熱体
で、この加熱体３２にはシーズヒータ３３と加熱
管３４とが組み込まれている。３５は、一端を貯
水槽２８に、他端を加熱管３４に接続した給水
管、３６は貯水槽２８の供給口に遊嵌した逆止弁
で、この逆止弁３６は加熱管３４で加熱された熱
湯が貯水槽２８に流入するのを防止している。３
７は一端を加熱管３４に接続した給湯管、３８は
給湯管３７の他端に水平方向に回動自在に取り付
けた注入管、３９は貯水槽２８及びバスケツト載
置台３０の上部を覆う蓋、４０は防振ゴムを介し
て基台２７とバスケツト載置台３０との間に挾装
されたモータ、このモータ４０の回転軸４１の先
端に固着した継手４２は、その先端が貫通穴２９
を貫通して、バスケツト載置台３０から突出して
いる。

このように構成された本実施例では、先ず、受
皿１の係合突起４をバスケツト６の係合溝７に嵌
合して、受皿１をバスケツト６の下部に装着し、
適量のコーヒー豆をフイルタ１５で仕切られたバ
スケツト６に入れた上で、バスケツト６の上端開
口部にバスケツト蓋９を装着する。そして、受皿
１及びバスケツト蓋９を装着したバスケツト６を
バスケツト載置台３０に第１図に示した如く載置
して、継手１９と継手４２とを接続した上、熱湯
受皿１１の上部に注入管３８を位置させると共
に、貯水槽２８に所望量の水を注入して、蓋３９
をする。又、加熱体３２の上には、受皿１の注出
口３と容器２３の受口２４とが対向するように第
１図に示した如くに容器２３を載置する。次に、
モータ４０に通電して、モータ４０共々粉砕羽根
２２を回転させ、バスケツト６の中のコーヒー豆
が粉砕羽根２２によつて適当な大きさになるまで
粉砕する。ところで、粉砕されるコーヒー豆は、
バスケツト６内を流動すると共に、一部はバスケ
ツト６の外へ向かつて飛散するが、バスケツト蓋
９によつて飛散が阻止される。そして、モータ４
０への通電を停止すると共に、シーズヒータ３３
に通電すると、貯水槽２８から給水管３５を介し
て加熱管３４に供給された水は、シーズヒータ３
３によつて加熱され、加熱管３４において沸騰し
た熱湯は、逆止弁３６と蒸気圧との働きによつ
て、加熱管３４から給湯管３７に押し上げられた
上、注入管３８から熱湯受皿１１に注がれる。
又、熱湯受皿１１に注がれた熱湯は、滴下孔１２
から粉砕されたコーヒー豆の上に万遍無く注がれ
て、粉砕されたコーヒー豆の中を通電する間に、
コーヒー豆の成分を抽出する。そして、コーヒー
成分を抽出した熱湯は、フイルタ１５で濾過され
た上、受皿１で収集され、加熱体３２によつて保
温されている容器２３の中に収容される。ところ
が、コーヒー豆を小さく粉砕し過ぎると、粉砕さ
れたコーヒー豆がフイルタ１５の穴を塞いで、フ
イルタ１５の濾過能力を低下させるため、バスケ
ツト６の中に熱湯の量が次第に増加して、熱湯が
バスケツト６の中から溢出孔１０を通つてバスケ
ツト蓋９に溢れ出す。そして、熱湯がバスケツト
６の中に更に供給されると、バスケツト蓋９の中
の熱湯は、流入口１４から溢流路８に流れ込ん
で、溢流路８から受皿１の注出口３を通つて容器
２３に収容される。又、熱湯と共にバスケツト６
からバスケツト蓋９に流れ出た粉砕されたコーヒ
ー豆は、熱湯が溢出孔１０から溢流路８に流れ込
む間に、バスケツト蓋９の上に沈澱したり、バス
ケツト蓋９の切欠部の壁面によつて溢流路８に流
れ込むのを阻止されるため、バスケツト蓋９から
容器２３に収容される熱湯の中には、非常に細か
く粉砕されたコーヒー豆の一部しか流入しない。

更に、溢流路８が受皿１に注出口３の上方に形
設されるので、飲料製造機全体の寸法が小さくな
つて、機体のコンパクト化が図れるようになる。

以上説明したように、本考案によれば、熱湯受
皿が一体に設けられたバスケツト蓋を上部開口
に、フイルタを下部開口にそれぞれ装着したバス
ケツトに入れた適量の原料を、粉砕体で適当な大
きさに粉砕した後、貯水槽の水を加熱体で加熱し
て供給した熱湯を、熱湯受皿からバスケツト蓋内
に粉砕された原料に滴下して、粉砕された原料か
らその成分を抽出した上、この抽出した液をフイ
ルタで濾過して、バスケツトの下部に装着した受
皿で収集すると共に、この受皿の周端に設けた注
出口の下部に置いた容器に収容して保温する飲料
製造機において、バスケツトで溢れた熱湯をバス
ケツトから排出するための溢出孔が設けられたバ
スケツト蓋と、バスケツト蓋に溢れ出た熱湯を容
器に導くための溢流路が外周壁に設けられたバス
ケツトとが具備されているので、粉砕時には、粉
砕されるコーヒー豆がバスケツト内を円滑に流動
するので、コーヒー豆が短時間に均一に粉砕され
るようになり、又、抽出時には、バスケツトから
溢れ出た熱湯及び粉砕されたコーヒー豆が溢流路
から受皿の抽出口を通つて容器に収容されるた
め、バスケツト、バスケツトの周辺機器、食卓等
が汚れるのを防止できる利点がある。更に、溢流
路の上端開口が、バスケツトの外方で、且つ、バ
スケツト周壁の上端よりも低い位置に設置されて
いるため、粉砕時には、コーヒー豆或いは粉砕さ
れたコーヒー豆の一部が、バスケツトの外部に向
かつて飛散するが、コーヒー豆或いは粉砕された
コーヒー豆の飛散がバスケツト蓋によつて阻止さ
れると共に、溢流路への流入口がバスケツトの外
部に設けられているので、バスケツトの中のコー
ヒー豆の量が常に一定であり、又、抽出時に熱湯
がバスケツト内部から溢れ出る時には、粉砕され
たコーヒー豆が熱湯と共に溢れ出るのをバスケツ
ト蓋によつて抑制しているので、バスケツトの中
のコーヒー豆が流失し難くなつて、所望の濃度の
抽出液が得られ、味が低下するのを防止できる利
点がある。更に、この時、粉砕されたコーヒー豆
が熱湯と共にバスケツトからバスケツト蓋に溢れ
出ても、粉砕されたコーヒー豆が、バスケツト蓋
の溢出孔から溢流路の流入口に流れる間にバスケ
ツト蓋の上に沈澱したり、流入口の縁で溢流路に
流れ込むのを阻止されるため、バスケツトから溢
れ出て容器に収容される抽出液に混入する粉砕さ
れたコーヒー豆の量が非常に少なく、抽出したコ
ーヒーの口当りが良くなる利点がある。更に、溢
流路が上端開口から下端開口まで真直に設けられ
ているため、溢流路の清掃が容易になる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を具備した飲料製造
機の全体の構成図、第２図は本考案の一実施例を
具備したバスケツトの構成図である。 １……受皿、３……注出口、６……バスケツ
ト、８……溢流路、８ａ……上端開口、８ｂ……
下端開口、９……バスケツト蓋、１０……溢出
口、１１……熱湯受皿、１２……滴下孔、１３…
…溢流路蓋、１４……流入口、１５……フイル
タ、１７……軸筒、１９，４２……継手、２０…
…原料粉砕体、２２……粉砕羽根、２３……容
器、２４……受口、２７……基台、２８……貯水
槽、３０……バスケツト載置台、３２……加熱
体、３５……給水管、３７……給湯管、３８……
注入管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 熱湯受皿が一体に設けられたバスケツト蓋を
   上部開口に、フイルタを下部開口にそれぞれ装
   着したバスケツトに入れた適量の原料を、粉砕
   体で適当な大きさに粉砕した後、貯水槽の水を
   加熱体で加熱して供給した熱湯を、前記熱湯受
   皿から前記バスケツト内の粉砕された前記原料
   に滴下して、粉砕された前記原料からその成分
   を抽出した上、この抽出した液を、前記フイル
   タで濾過して、前記バスケツト蓋の下部に装着
   した受皿で収集すると共に、この受皿の周端に
   設けた注出口の下部に置いた容器に収容して保
   温する飲料製造機において、前記バスケツト蓋
   で溢れた前記熱湯を前記バスケツトから排出す
   るための溢出孔が設けられた前記バスケツト蓋
   と、前記バスケツト蓋に溢れ出た前記熱湯を前
   記容器に導くための溢流路が外周壁面に設けら
   れた前記バスケツト蓋とが具備されていること
   を特徴とする飲料製造機。 (2) 前記溢流路が前記注出口の上方に形設される
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)
   項の飲料製造機。