JPS6349218Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はケース内に収容されたコーヒー粉に湯
を供給することによりコーヒー液を抽出するコー
ヒー抽出器に関する。

〔考案の技術的背景〕

従来より、この種のコーヒー抽出器ではコーヒ
ー液貯溜用のボトルの上方にケースを配置し、こ
のケースの内部にフイルタを設ける一方、底部た
る受け部に前記ボトルの上面開口部に臨む抽出口
を設けている。そして、コーヒー液を抽出するに
際してはケース内のフイルタ上に収容されたコー
ヒー粉に湯を供給し、フイルタで濾過されたコー
ヒー液を抽出口から流出させてボトル内に貯溜す
るようにしている。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、上記構成によればケース内のコ
ーヒー内のコーヒー粉は抽出時に所定量の湯を吸
収した状態となるから、湯の供給を終了してもし
ばらくの間抽出口からコーヒー液がしずく状態で
流出し続けることになり、従つて湯の供給終了後
ボトルを抽出口の下方から取外すと抽出口からの
コーヒー液のしずくがボトル外にこぼれ落ちるこ
とになるので、湯の供給終了後もしばらくの間待
たなければならず、ボトル内のコーヒー液を直ち
に飲用に供することができないという問題があつ
た。しかも、１回の抽出で複数カツプ分のコーヒ
ー液をまとめて抽出する場合には、全て抽出し終
えるのに長い時間がかかるため、使用者にとつて
抽出終了を待つのが甚だ面倒で、抽出途中でボト
ルを取出して１カツプ分だけでも早くコーヒー液
を飲みたいという欲求にかられることがよくあ
る。しかしながら、抽出の途中でボトルを取出す
と、コーヒー液が外部にこぼれ出してしまうた
め、面倒でも抽出終了までボトルの取出しを待た
なければならず、甚だ不自由であつた。そこで、
抽出途中でのボトル取出し及び抽出終了後の液だ
れ防止を可能ならしめるために、ケースの抽出口
に弁装置を設け、この弁装置を機械的或いは電気
的に作動させて抽出口の下方からボトルが取外さ
れた時に該抽出口を閉塞して該抽出口からコーヒ
ー液のしずくが流出することを防止することが考
えられている。ところが、このものでは弁装置の
弁体を開閉動作させるための駆動機構、抽出口を
確実に閉塞するためのスプリング等の補助押圧機
構、抽出口の下方にボトルが位置しているかどう
か検出して前記駆動機構を制御する検出機構等が
必要であるため、構成が複雑になつて製造コスト
が高くなるという問題を生ずる。

〔考案の目的〕

従つて本考案の目的は、抽出途中で適宜ボトル
を取出してコーヒー液を注ぎかえることができる
と共に、湯の供給終了後コーヒー液のしずくがい
つまでもケースの受け部から滴下することを確実
に防止して抽出されたコーヒー液を直ちに飲用し
供し得るようにし、しかも安価に製造し得るコー
ヒー抽出器を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案は、内部にフイルタが設けられそのフイ
ルタ上にコーヒー液を収容するケースと、このケ
ースに設けられ前記フイルタから滴下するコーヒ
ー液を受ける受け部と、前記ケースが前記受け部
と共に装着された器体と、コーヒー液貯溜用のボ
トルと、前記受け部内に受けられたコーヒー液が
所定量に達した時にのみサイホン現象を生じさせ
てそのコーヒー液を前記ボトル内に流出させるサ
イホン機構部とを具備して成る構成である。

この構成によれば、抽出中は、フイルタから受
け部内に滴下したコーヒー液が、サイホン機構部
のサイホン現象により間欠的にボトル内に流下す
ることになる。従つて、抽出途中でも、サイホン
現象の起こらない期間即ちコーヒー液の流出停止
期間中に、適宜ボトルを取出してコーヒー液をカ
ツプ等に注ぎかえた後ボトルを再セツトするよう
にすれば、抽出途中でのコーヒー液の注ぎかえ
（ボトルの取出し）が可能になると共に、コーヒ
ー液を外部にこぼすことなく最後まで抽出でき
る。また、抽出終了後は、サイホン機構部がコー
ヒー液のしずくたれを防止する作用をなす。しか
も、従来の如きボトルの出入れに連動して開閉動
作する複雑な構成の弁装置を設ける必要がなく、
単純な構成のサイホン機構部を設けるだけで良い
から、製造コストを安価にできる。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例について図面を参照しな
がら説明する。まず第１図において、１はミル付
のコーヒー抽出器の器体で、これの左右両側には
モータ収納室２及びボトル載置台３を形成し、上
半部の左右両側にはケース収納凹部４及び貯水タ
ンク５を夫々形成している。６は加熱盤７内にシ
ーズヒータ８と加熱管９とを並列状態に埋設して
構成した湯生成機構で、加熱盤７を前記ボトル載
置台３に装着された伝熱盤３ａ下面に密接して配
設している。そして、加熱管９の一端部を上方へ
延ばして貯水タンク５の図示しない出水口に連結
し、また他端部をケース収納凹部４の上方に延ば
してその上端部に給湯パイプ１０を旋回可能に連
結している。１１はモータ収納室２内に配設した
モータで、これの回転軸１１ａを上方のケース収
納凹部４に設けられた軸挿通孔１２（第２図参
照）からケース収納凹部４内に突出させている。
１３はモータ１１の回転軸１１ａに水密且つ回転
自在に挿通されたシール部材で、これは外周部に
嵌合されたゴム部材１４とともに前記軸挿通孔１
２に圧入固定されている。１５はケース収納凹部
４に着脱可能に収納したケースで、これの周壁た
る円筒状のケース主部１６の下端部に多数の小孔
１７を有するフイルタ支え１８を設けるととも
に、このフイルタ支え１８の上面に網目状のフイ
ルタ１９を装着している。２０はフイルタ支え１
８の中央部に上向きに突設した略円筒状のカツタ
支持部、２１はカツタ支持部２０に回転自在に支
持されたカツタで、これの中央下部に設けられた
ボス部２２を前記モータ１１の回転軸１１ａに着
脱可能に連結している。２３は合成樹脂の一体成
形により形成した浅底の円筒容器状の受け部で、
この受け部２３はケース主部１６の下端部に例え
ばバヨネツト係合機構等により着脱可能に連結さ
れていて、底部を前記ケース収納凹部４の傾斜せ
る底部に沿う傾斜面状に形成している。２４は受
け部２３の中央部に立上り形成した軸挿通筒で、
これの上端外周部は前記カツタ２１のボス部２２
の下端部に設けられた囲壁部２２ａにより包囲さ
れている。２５は受け部２３に設けたサイホン機
構部で、以下これについて詳述する。即ち、２６
は受け部２２の最下部を各図中右側方に膨出させ
て形設した流出口部で、これの右端部に第３図に
示すように半円形の筒状をなすパイプ部２７が形
成されている。そして、このパイプ部２７の上端
は受け部２３の周側部及び軸挿通筒２４の上端よ
り低位置にあり、一方下端たる出口端２７ａは流
出口部２６の下面より下方に若干突出していてボ
トル載置台３上に載せられたボトル２８に臨み得
るようにしている。２９は流出口部２６の上面開
口部を開閉する蓋部で、これは流出口部２６の右
側壁部の上端縁部にセルフヒンジ部３０を介して
一体成形されており、これの先端縁部にはケース
主部１６の下端外周部に形成された係合溝部３１
に係合する凸条部３２を形成している。３３は蓋
部２９の内面のセルフヒンジ部３０寄り部位に一
体成形により突設された半円状の仕切壁部で、こ
れは、蓋部２９を流出口部２６の上面開口部を閉
塞するように回動させて第２図に示すように凸条
部３２をケース主部１６の係合溝部３１に係合さ
せた状態では、パイプ部２７の外側に若干離間し
て対向するようになつているとともに、その両側
部が流出口部２６の側壁内面に気密に圧接され、
更に下端部と流出口部２６底部との間には僅かな
空隙３４を存するように設定されており、以上を
以てサイホン機構部２５が構成されている。尚、
３５はケース１５の上面開口部に着脱可能に取着
した浅底容器状の湯拡散体で、これの底部には複
数の注湯孔３６を形成している。３７はケース１
５及び貯水タンク５を一括して覆う蓋である。

次に上記構成の作用を説明する。コーヒー液を
抽出するに際しては、まず貯水タンク５及びケー
ス１５内に夫々水及びコーヒー豆を投入し、湯拡
散体３５及び蓋３７を被せた上で、モータ１１に
通電すると、カツタ２１が回転してケース１５内
のコーヒー豆を粉砕しててコーヒー粉にする。そ
して、湯生成機構６のシーズヒータ８に通電する
と、熱湯が給湯パイプ１０から湯拡散体３５に供
給され、更にこの熱湯が湯拡散体３５の注湯孔３
６からケース１５内に滴下する。滴下した熱湯
は、コーヒー粉に浸透してコーヒーのエキスを抽
出してコーヒー液となつた後、フイルタ１９によ
り濾過されて受け部２３内に滴下する。このよう
にして受け部２３内に滴下したコーヒー液は当初
は流出せずに受け部２３内に貯溜され、第４図に
示すようにその液面を次第に上昇させながら空隙
３４から仕切壁部３３とパイプ部２７との隙間に
侵入し、そして第５図に示すように液面がパイプ
部２７の上端を起える程度になると、サイホン機
構部２５がサイホン現象を起こしてコーヒー液は
矢印Ａで示すようにパイプ部２７の出口端２７ａ
から流出してボトル２８内に貯溜される。このよ
うに受け部２３内に貯溜されたコーヒー液がサイ
ホン現象により流し出し始めると、受け部２３内
の液面は急激に低下し、第６図に示すように仕切
壁部３３の下端まで低下すると空気が空隙３４か
ら仕切壁部３３とパイプ部２７との隙間に吸い込
まれるようになつてパイプ部２７からのコーヒー
液の流出が停止する。このようになると、再び受
け部２３内のコーヒー液の液面が上昇してパイプ
部２７の上端を覆うようになるまではパイプ部２
７からのコーヒー液の流出は引続き停止されたま
まであり、従つて受け部２３内に受けられたコー
ヒー液が所定量に達した時にのみサイホン機構部
２５がサイホン現象を起こしてパイプ部２７から
流出してボトル２８内に流下するという過程が以
後繰返される。斯かるコーヒー液の抽出の途中
で、ボトル内のコーヒー液を飲用に供する場合に
は、サイホン現象の起こらない期間即ちコーヒー
液の流出停止期間を見計らつて、その期間中にボ
トル２８を取出してそのボトル２８からコーヒー
液を適宜のカツプ等に注ぎかえた後そのボトル２
８をボトル載置台３上に再セツトすれば良い。こ
のような作業をコーヒー液の流出停止期間中に行
うことにより、抽出途中でのコーヒー液の注ぎか
えが可能になると共に、抽出したコーヒー液を外
部にこぼすことなく最後までボトル２８内に流下
させることができて、頗る便利である。尚、パイ
プ部２７の上端は受け部２３の周側部及び軸挿通
筒２４の上端より低位置にあるため、コーヒー液
がケース主部１５ａと受け部２３の連結部或は軸
挿通筒２４から受け部２３外に溢れ出ることはな
い。而して、貯水タンク５内の水を全て加熱し終
えると、ケース１５内への熱湯の供給が終了す
る。この熱湯の供給終了の前後において、受け部
２３に貯溜されたコーヒー液がサイホン機構部２
５の最後のサイホン現象によりパイプ部２７から
流出して所定量のコーヒー液がボトル２８内に貯
溜される。この後、フイルタ１９から受け部２３
内に滴下するコーヒー液は急激に減少し、再び受
け部２３内のコーヒー液の液面がパイプ部２７の
上端まで上昇することはなく、従つてパイプ部２
７の出口端２７ａからコーヒー液が滴下すること
はない。この結果、湯生成機構６からの熱湯の供
給終了の前後において最後のサイホン現象を生じ
た以降はパイプ部２７の出口端２７ａからコーヒ
ー液のしずくが滴下することはなく、従つてこの
後にボトル２８をケース１５の下方たるボトル載
置台３から取外してもコーヒー液のしずくがケー
ス１５からボトル載置台３上に滴下することは確
実に防止される。

このようにしてコーヒー液を抽出した後、掃除
を行う場合には、まず蓋３７を開放してケース１
５をケース収納凹部４から取外し、更にケース１
５から湯拡散体３５を取外して内部のコーヒー液
のかす及び受け部２３に残つたコーヒー液を捨て
る。そして、受け部２３をケース主部１６から取
外してこれらケース主部１６内及び受け部２３内
を夫々掃除する。この受け部２３側を掃除する場
合に、上記構成では蓋部２９をセルフヒンジ部３
０を回動中心として上方に回動すると、これに伴
つて仕切壁部３３も上方に回動される構成として
いるから、パイプ部２７及び仕切壁部３３等のサ
イホン機構部２５の内部の掃除をも容易にできる
が、例えばサイホン機構部２５全体を受け部２３
に一体構造で設けるようにしてもよい。更に、こ
のようにして掃除した後、蓋部２９を流出口部２
６の上面開口部に被せると、これに伴つて仕切壁
部３３がパイプ部２７に被さるため、例えばサイ
ホン機構部の一部を着脱可能な別体構成とした場
合とは異なつて、掃除時にサイホン機構部２５の
一部が紛失するといつたことはなく、しかも掃除
後のサイホン機構部２５の組立てが極めて簡単で
ある。

このように上記構成によれば、ケース１５の下
部にフイルタ１９から滴下するコーヒー液を受け
る受け部２３を設け、この受け部２３にサイホン
機構部２５を設けたので、ケース１５内に熱湯が
供給される期間中はフイルタ１９から受け部２３
内に滴下したコーヒー液が所定量に達した時にの
みサイホン機構部２５がサイホン現象を起こして
コーヒー液を受け部２３外に流出させるという過
程が繰返され、一方熱湯の供給終了後はフイルタ
１９から受け部２３内にしずくとなつて滴下する
コーヒー液が所定量に達せず受け部２３内に貯溜
されたままの状態を続けるから、該コーヒー液が
受け部２３からしずくとなつていつまでも滴下す
ることを防止でき、従つて熱湯の供給終了後ボト
ル２８をボトル載置台３から取外した場合でもコ
ーヒー液のしずくがケース１５から滴下すること
はない。しかも、上述したような効果を生じさせ
るサイホン機構部２５は構造が簡単であり、従来
考えられていた弁装置に比べて大幅に安価に製造
することができる。

尚、本実施例では本考案をミル付のコーヒー抽
出器に適用してミル及びコーヒー液抽出兼用のケ
ース１５にサイホン機構部２５を設けたので、こ
れに限らず、例えばコーヒー液抽出専用のケース
をボトルの上面開口部に載置する構成のものに対
しても本考案を適用し得ることは言うまでもな
い。

〔考案の効果〕

本考案は以上の説明から明らかなように、内部
にフイルタが設けられたケースに前記フイルタか
ら滴下するコーヒー液を受ける受け部を設けると
ともに、この受け部内に受けられたコーヒー液が
所定量に達した時にのみサイホン現象を生じさせ
てそのコーヒー液をボトル内に流出させるサイホ
ン機構部を設けたので、抽出の途中でも、サイホ
ン現象の起こらない期間即ちコーヒー液の流出停
止期間にコーヒー液の注ぎかえが可能になると共
に、抽出したコーヒー液を外部にこぼすことなく
最後までボトル内に流下させることができて、頗
る便利である。しかも、ケース内への湯の供給終
了後はフイルタから受け部内にしずく状態で滴下
したコーヒー液が所定量に達せず該受け部内に貯
溜されたままの状態を続けるようになり、この結
果、湯の供給終了後ボトルをケースの下方から取
外した場合でもコーヒー液のしずくがケースの受
け部から滴下することを確実に防止して抽出され
たコーヒー液を直ちに飲用に供し得、しかもサイ
ホン機構部は構造が簡単で安価に製造し得るとい
う優れた効果を奏するコーヒー抽出器を提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は全体の縦断面図、第２図は要部の縦断面図、第
３図はサイホン機構部の一部を開放した状態で示
す受け部の斜視図、第４図乃至第６図は作用を説
明するために夫々異なる状態で示す要部の縦断面
図である。 図中、１は器体、１５はケース、１９はフイル
タ、２３は受け部、２５はサイホン機構部、２７
はパイプ部、２８はボトル、２９は蓋部、３０は
セルフヒンジ部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 内部にフイルタが設けられそのフイルタ上に
   コーヒー粉を収容するケースと、このケースに
   設けられ前記フイルタから滴下するコーヒー液
   を受ける受け部と、前記ケースが前記受け部と
   共に装着された器体と、コーヒー液貯溜用のボ
   トルと、前記受け部内に受けられたコーヒー液
   が所定量に達した時にのみサイホン現象を生じ
   させてそのコーヒー液を前記ボトル内に流出さ
   せるサイホン機構部とを具備して成るコーヒー
   抽出器。 ２ サイホン機構部は、受け部に合成樹脂の一体
   成形により形成され且つ一部を開閉可能とする
   セルフヒンジ部を有することを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載のコーヒー抽
   出器。