JPH0339062Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、衣類その他の小物を整理保管するた
めに使用される合成樹脂製の引出し式整理箱の改
良に関する。

（従来の技術） 合成樹脂製の引出し式整理箱には、第８図及び
第９図に示すように、前面開放箱形の箱本体１の
開口端縁に方形開口枠２を外嵌固定し、上面開放
箱形に形成した引出し３を箱本体１に前面より水
平に抜差し自在に収納し、引出し３の前面壁４の
左右方向中央部を下端から上方に向けて切欠くよ
うに、引出し３の前面側の左右方向中央部を後方
に没入した後、さらに上方に向けて没入して成る
引手部５を、引出し３の前側中央部を設けたもの
がある。

しかし、同図に示すものは引出し３の前面が引
手部５の形成によつてごてごてしたものになり、
整理箱の外観が全体としてスツキリせず、外観上
非常に体裁が悪かつた。また引手部５が引出し３
の左右方向中央部のみにあるため、引手部５に手
を挿入して引出し３を引出す際に、引手部５には
片手のみしか挿入することができず、特に引出し
３に重量物を収納していたり、左右方向の一方に
のみ収納物がある場合には、引出し３の左右両側
を均等に引張することが困難になり、引出し３が
左右の一方側が他方側に比べて前方突出するよう
に傾斜し、引出し３をスムーズに引出せなくなる
惧れがあつた。

そこで従来、引出しの前面に、略全幅に亘つ
て、又は全幅に亘つて引手部を形成したものとし
て、例えば実公昭52−24112号、実公昭56−21006
号及び実公昭57−18266号の各公報に記載の引出
し式整理箱が提案されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来技術の場合、引出しの
引手部はいづれも平板状で強度の点で充分でな
く、また、箱本体のねじれ変形を防ぐのに充分で
なく、また箱本体の前面開放部の下端内周面は水
平状であるため、引出しの差し入れがスムーズに
行なえないという欠点がある。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記課題を解決することを目的として
以下の技術的手段を講じたものである。

即ち、本考案は、上壁１２と左右側壁１３，１
４と後壁１５と底壁１６とを備えた前面開放箱形
の箱本体１１の開口端縁に、下端内周面が前下り
傾斜状とされた、方形開口枠２２がＵ字状の嵌合
溝２３を介して外嵌固定され、前面壁２７と左右
側壁２８，２９と後壁３０と底壁３１とを備える
上面開放箱形に形成された引出し２６が、箱本体
１１に前面より前後に抜差し自在に収納され、該
引出し２６の前面下端が、前面壁２７の上下幅を
短かくするように左右方向全長に亘つて後方に没
入された後前面壁２７の下端部後方に向かうよう
に上方に没入されて成る引手部３３が、引出し２
６の前側下部に左右方向全長に亘つて設けられ、
引出し２６の前面壁２７の上縁・下縁及び左右側
縁に上下左右のリブ片３５，３６，３７，３８が
互いに連結するように一体に前方突設されている
ことを特徴とする。

（作用） 引出し２６の前面壁２７の上縁・下縁及び左右
側縁に上下左右のリブ片３５，３６，３７，３８
が互いに連結するように一体に前方突設されてこ
の部分の強度が増し、引手部３３に両手を挿入し
て引出し２６を引張する際、引出し２９に重量物
を収納しているような場合でも引手部３３が容易
に破損することがない。また、方形開口枠２２
は、Ｕ字状の嵌合溝２３を介して箱本体１１の開
口端縁に外嵌固定されて、箱本体１１のねじれ変
形を効果的に防いでいる。更に、方形開口枠２２
は下端内周面が前下り傾斜状とされ、引出し２６
はスムーズに箱本体１１内に差し入れられる。

（実施例） 以下、本考案を図示の実施例に従つて説明する
と、第１図及至第７図において、１１は合成樹脂
製の箱本体で、上壁１２と左右側壁１３，１４と
後壁１５と底壁１６とを備える前面開放箱形に形
成されている。箱本体１１の上記側壁１３，１４
と後壁１５と底壁１６とは一体に形成され、これ
らとは別体に形成された上壁１２は断面Ｕ字形の
嵌合部１７を介して左右側壁１３，１４及び後壁
１５の上縁部に着脱自在に嵌合されている。底壁
１６には長方形状の開口部１８が設けられてい
る。

１９は上壁１２に没入形成した嵌合凹部で、上
壁１２の前後左右の端縁に沿うように長方形状に
形成されている。２０は底壁１６に下方突設した
突出片で前記嵌合凹部１９に対応して長方形状に
形成されており、第２図に示すように整理箱を複
数段に積重ねる場合に、上段側の整理箱の突出片
２０が下段側の整理箱の嵌合凹部１９に嵌合し
て、整理箱をガタ付かないように積重ねることが
できるようになつている。

２２は合成樹脂製の方形の開口枠で、その下端
内周面は前下り傾斜状とされ、Ｕ字状の嵌合溝２
３を介して箱本体１１の開口端縁に着脱自在に外
嵌固定され、これにより箱本体１１をねじれ変形
等が生じないように補強している。

２６は合成樹脂製の引出しで、前面壁２７と左
右側壁２８，２９と後壁３０と底壁３１とを一体
に備える上面開放箱形に形成され、前記箱本体１
１に前面より前後に抜差し自在に収納されてい
る。３３は引出し２６に設けた引手部で、引出し
２６の前面下端部を、前面壁２７の上下幅を短か
くするように後方に没入した後前面壁２７の下端
部後方に向かうように上方に没入して成り、引出
し２６の前側下部に左右方向全長に亘つて形成さ
れている。

３５，３６，３７，３８は引出し２６の前面壁
２７に設けた補強のための上下左右のリブ片で、
前面壁２７の上縁・下縁及び左右側縁に互いに連
続するように一体に前方突設され、このうち左右
のリブ片３７，３８は、前方側が左右方向外方に
向かうように傾斜されている。４０，４１は引出
し２６の左右側壁２８，２９の左右方向外方に突
出した上下方向のリブ片であり、前記左右のリブ
片３７，３８の後方に位置している。４２は引出
し２６の後壁３１前端に下方突設したストツパー
片で、該ストツパー片４２は引出し２６を箱本体
１１に差込んだ際に方形開口枠２の下部に上方突
設した突片４３に前側から接当するようになつて
いる。

（考案の効果） 本考案によれば、引手部３３が引出し２６の前
側下部に左右方向全長に亘つて設けられ、引出し
２６の前面壁２７の上縁・下縁及び左右側縁に上
下左右のリブ片３５，３６，３７，３８が互いに
連結するように一体に前方突設されているので、、
引手部３３の強度が増し、引出し２６に重量物を
収納した状態で引張しても容易に破損することが
ない。また箱本体１１の開口端縁に、下端内周面
が前下り傾斜状とされた方形開口枠２２がＵ字状
の嵌合溝２３を介して外嵌固定されているので、
箱本体１１のねじれ変形を効果的に防止すると共
に、引出し２６をスムーズに箱本体１１内に差し
入れることができる。

【図面の簡単な説明】

図面の第１図及至第７図は本考案の一実施例を
示し、第１図は整理箱の斜視図、第２図は整理箱
を積み重ねた状態の側面図、第３図は正断面図、
第４図は側断面図、第５図は拡大平断面図、第６
図は整理箱前部の拡大側断面図、第７図は拡大側
断面図である。第８図は従来例を示す斜視図、第
９図は同側断面図である。 １１……箱本体、１２……上壁、１３……左側
壁、１４……右側壁、１５……後壁、１６……底
壁、２２……方形開口枠、２６……引出し、２７
……前面壁、２８……右側壁、２９……右側壁、
３０……後壁、３１……底壁、３３……引手部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上壁１２と左右側壁１３，１４と後壁１５と底
   壁１６とを備えた前面開放箱形の箱本体１１の開
   口端縁に、下端内周面が前下り傾斜状とされた、
   方形開口枠２２がＵ字状の嵌合溝２３を介して外
   嵌固定され、前面壁２７と左右側壁２８，２９と
   後壁３０と底壁３１とを備える上面開放箱形に形
   成された引出し２６が、箱本体１１に前面より前
   後に抜差し自在に収納され、該引出し２６の前面
   下端が、前面壁２７の上下幅を短かくするように
   左右方向全長に亘つて後方に没入された後前面壁
   ２７の下端部後方に向かうように上方に没入され
   て成る引手部３３が、引出し２６の前側下部に左
   右方向全長に亘つて設けられ、引出し２６の前面
   壁２７の上縁・下縁及び左右側縁に上下左右のリ
   ブ片３５，３６，３７，３８が互いに連結するよ
   うに一体に前方突設されていることを特徴とする
   合成樹脂製の引出し式整理箱。