JP3012553U - 組立式収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 引き出しの脱落を防止するとともに、使用勝
手に優れた組立式収納ケースを提供する。 【構成】 引き出し６を、上部部材３の環状リブ部材１
１の遊端縁１１ａと引き出し６上縁６ａとの間に所定の
間隙をもって収容し、上部部材３の底面前部に、下方に
向けて突出する係止突片１７を形成する。引き出し６を
大きく引き出しても係止突片１７によって係止でき、下
部部材３からの脱落を防止できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数の部材によって組み立てられる組立式収納ケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、衣類等を収納する合成樹脂製の収納ケースが広く用いられている。この ような収納ケースにあっては、複数の板状の棚部材と、これらの棚部材を支柱に より離間して結合し、離間されたそれぞれの空間に引き出しを収容してなる組立 式の収納ケースが本考案者等によって案出されている。

【０００３】 ここで、引き出しの奥に収納されている物を見たり、取り出したい場合には、 この引き出しを大きく引き出さなければならない繁雑さがあり、誤って引き出し すぎた場合には、引き出しが棚部材から脱落する虞がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案は、引き出しの脱落を防止するとともに、使用勝手に優れた組立 式収納ケースを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために本考案にあっては、板状の上部部材と下部部材とを 支柱により離間して結合し、前記下部部材と前記上部部材との間に上面が開口さ れた箱体からなる引き出しを収容してなる組立式収納ケースにおいて、前記上部 部材の外周縁に、下方に向けて折り返された環状リブ部材を形成し、前記引き出 しを、前記環状リブ部材の遊端縁と該引き出し上縁との間に所定の間隙を介して 収容し、前記上部部材の底面前部に、下方に向けて突出する係止突片を形成した 。

【０００６】 また、前記係止突片が、前記環状リブ部材の遊端縁から前記引き出し方向に連 続して延在する、或いは、前記係止突片が、前側に位置する前記環状リブ部材の 遊端縁と面一となる高さまで突出するとともに、前記引き出しの前部上面の引き 出し方向への長さよりも小さな間隙をもって前記遊端縁と離間された位置に形成 した。

【０００７】

【作用】

上部部材の外周縁に環状リブ部材を形成したことから、該上部部材の剛性を高 めることができる。引き出しは、上部部材の底面に所定の間隙をもって収納され ているため、引き出されるにつれて、下部部材からはみ出した引き出しの重みに より、積極的な上方への支えを行わない限り下向に傾く。引き出し限界付近で引 き出し後面上部が当接するように、上部部材の底面前部に下方に向けて突出する 係止突片を形成しているため、引き出しは係止突片により係止され、引き出す方 向への移動が規制される。

【０００８】 また係止突片を、環状リブ部材の遊端縁から引き出し方向に連続して延在する 、或いは引き出しの前部上面の引き出し方向への長さよりも小さな間隙をもって 前記遊端縁と離間された位置に形成しているため、係止突片と環状リブ部材との 間隙には、引き出しの前部上面が侵入できない。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図にしたがって説明する。図１に示すように、本実 施例における組立式収納ケース１は、長方形板状の底板２、棚板３、３及び天板 ４と、各板２、３、３、４を離間させて結合する支柱５、・・・と、各板２、３ 、３、４の間に収容される引き出し６（１つのみ図示）とにより構成されている 。

【００１０】 前記底板２、及び前記棚板３、３は同形状であり、長方形状の板材からなり、 図２にも示すように、左右の縁部には、前記引き出し６の左右方向への大きな移 動を規制する上方に膨出した左側膨出部７、右側膨出部８が形成されるとともに 、その後縁部には、引き出し６の後方向への移動を規制する前記膨出部７、８と 同様に後側膨出部９が形成されていて、前縁部には、端部に向けて徐々に下降す る傾斜面１０が形成されている。

【００１１】 また両板２、３の周縁には、下方へ折り返された環状リブ１１が略全周縁に形 成されている。さらに、両板２、３は、長尺方向に２分された２ヵ所に長方形状 の開口部１２が形成されていて、これらの開口縁には、前記環状リブ１１よりも 短く下方に折り返された開口縁リブ１３が全周縁に形成されている。そして両板 ２、３の四隅には、筒状部１４、・・・が一体形成されることにより上下に貫通 する取付穴１５、・・・が設けられている。

【００１２】 両板２、３、３の裏面には、図３に示すように、各取付穴１５、・・・に隣接 して、図１２に鎖線で示す一方向キャスター６０が取りつけられる取付片１６、 ・・・が形成されている。また両板２、３、３の裏面前部の中央および取付片１ ６、１６に隣接する位置には、底面から下方（図では上方）に向けて突出する係 止突片１７、・・・がそれぞれ形成されている。これら係止突片１７、・・・は 、前側に位置する環状リブ１１の遊端縁１１ａと面一となる高さまで突出すると ともに、垂直に落ちた係止面１７ａ、・・・を有するように短尺方向に延在する 前記した開口縁リブ１３ａ、・・・まで連続して延在している。また、短尺方向 に延在する開口縁リブ１３ａ、・・・と、後側に位置する環状リブ１１との間に は、傾斜面１８ａ、・・・を有する補強リブ１８、・・・が形成されている。

【００１３】 一方、支柱５は、図４から図６に示すように、前記筒状部１４と同一外形寸法 を有すると共に、長さ方向に対する垂直断面が一方向に開口する（図中の左側） コ字状の支柱本体２１を有している。支柱本体２１の上面には、取付穴１５に内 嵌する下段側嵌合部２２が一体形成されている。下段側嵌合部２２もまた垂直断 面が一方向に開口する（図中の左側）垂直断面コ字状であって、取付穴１５の内 壁１５ａに密接する第１の壁２３を有しており、その上縁には内側に向かって突 出する係合爪２４が形成されている。

【００１４】 また、前記支柱５は、支柱本体２１の上面に一体形成されると共に、取付穴１ ５に内嵌する上段側嵌合部２５を有している。上段側嵌合部２５は、支柱本体２ １と同じ方向に開口する（図中の左側）垂直断面コ字状であり、取付穴１５の内 壁１５ａに密接する第２の壁２５ａを有しており、その下面には、前記下段嵌合 部２２に内嵌する第２嵌合部２６がさらに突設されている。第２嵌合部２６は、 前述と同様に垂直断面がコ字状であって、第３の壁２７を有しており、その第３ の壁２７には、前記係合爪２４が係合する係合穴２８が設けられている。

【００１５】 次に、前記した天板４の裏面には、図７に示すように、下方に折り返された環 状リブ３１が全周縁に形成されていて、その裏面の４隅には、前記した支柱５、 ・・・の上段側嵌合部２２、・・・の第１の壁２３、・・・が密接する壁３２、 ・・・が形成されているとともに、前記した第２嵌合部２６、・・・と同形状の コ字状の嵌合部３３、・・・が形成されている。これら嵌合部３３、・・・には 、前記上段側嵌合部２２、・・・の第１の壁２３、・・・に内嵌する内嵌壁３４ 、・・・を有しており、その内嵌壁３４、・・・には、前記係合爪２４、・・・ が係合する係合穴３５、・・・が設けられている。

【００１６】 また、天板４裏面の前部の中央および左右には、前記した底板２、および棚板 ３、３と同様に、底面から下方（図では上方）に向けて突出する係止突片３６、 ・・・がそれぞれ形成されている。これら係止突片３６、・・・は、前側に位置 する環状リブ３１の遊端縁３１ａと面一となる高さまで突出するとともに、垂直 に落ちた係止面３６ａ、・・・を有するように、短尺方向に一段低く延在する補 強リブ３７、・・・まで連続して延在している。また、短尺方向に延在する補強 リブ３７、・・・と、後側に位置する環状リブ３１との間には、傾斜面１８ａ、 ・・・を有する補強リブ３８、・・・が形成されている。

【００１７】 次に、前記引き出し６は、図８に示すように、引き出し本体４０と該引き出し 本体４０の前面を形成する引き出し前部４１とにより形成されている。引き出し 本体４０は、前面および上面に開口を有するように、底面４０ａと両側面４０ｂ 、４０ｃと背面４０ｄとが一体的に形成されていて、開口を形成する周縁には、 下方に折り返された補強リブ４２が形成されいる。前記補強リブ４２の前部端に は、一段小さくなった螺着肉厚部４３が形成されている。この螺着肉厚部４３は 、ブロック状に形成されており、上下方向にねじ孔４４が穿設されている。この ねじ孔４４は、タッピングねじなどの結合ねじ４５が螺着するための下孔であり 、特にねじ山等は設けられていない。さらに、引き出し本体底面４０ａの前部上 面には、先端から所定の間隔をもって制限リブ４６が左右全幅に渡って上方に立 設されている。

【００１８】 また、図９に示すように、引き出し本体４０の底面前部の下面には、先端から 所定の間隔のもって先端側が上方に位置するように制限段差部４７が設けられて いる。この制限段差部４７は、引き出し前部４１の結合位置を形成するものであ る。引き出し本体４０の底面前部の下面には、先端部分にあって幅方向に沿って 複数の連結爪４８が設けられている。連結爪４８は引き出し本体４０の幅方向に 等間隔をもって５ヵ所に設けられており、下面視で長方形状をなし、前面側が傾 斜され、後ろ面側が垂直に立つ壁に形成されて、楔状を成す連結爪４８が形成さ れている。

【００１９】 一方、引き出し前部４１には、図１０にも示すように、その下辺および左右辺 部分には、引き出し本体４０の全前縁部を前方から挟み込む保持リブ４９が形成 されている。保持リブ４９の下辺部分の下リブ５０部分には、引き出し本体４０ の連結爪４８に対応する部分に、連結爪４８の輪郭形状に対応する長方形状の連 結孔５１が穿設されている。また、引き出し前部４１の前面には、左右に１つづ つ合計２箇所の把手部５２が形成されている。そして、引き出し前部４１の上面 ４１ａは、後方から折り返され、その左右端部の前記螺着肉厚部４３のねじ孔４ ４に対応する部分に、結合孔５７が穿設されている。

【００２０】 以上に説明してきた組立式収納ケース１を組立てる際には、支柱５、・・・を 、図６に示されるように、両板２、３、３の取付孔１５、・・・に嵌合する一方 、天板４の嵌合部３３、・・・にも嵌合してそれぞれを結合し、底板２と棚板３ 、棚板３と棚板３、棚板３と天板４との間に空間を形成する。そして、図１１に 示すように、引き出し本体４０の螺着肉厚部４３のねじ孔４４と引き出し前部４ １の結合孔５７とを対応させ、結合ねじ４５により両者を結合する。後に、矢印 Ａ方向に引き出し前部１４を回動させ、引き出し本体４０の連結爪４８と連結孔 ５１とを互いに噛み合せて引き出し６を構成する。そして、前記した空間にこの 引き出し６を収容して、図１２に示すように、組立式収納ケース１が完成する。

【００２１】 このように構成された組立式収納ケース１にあっては、図１３に示すように、 引き出し６の上縁となる引き出し前部４１の上面４１ａと棚板３の環状リブ１１ の遊端縁１１ａとの間に所定の間隙Ｃをもって収容される。図示はしないが、前 記上面４１ａと天板４の環状リブ３５の遊端縁３５ａとの間にも前記と同様に所 定の間隙Ｃをもって収容されている。ここで、図１４に示すように、引き出し６ を引き出すと、引き出し６の自重及び中に収納された収納物の重さにより、積極 的な上方向への支えを行わない限り、引き出し前部４１が下方に落ちるように引 き出される。即ち、引き出し６の後面４０ｄ上部の外側縁が短尺方向の開口縁リ ブ１３ａの遊端縁上を摺接して移動することとなる。さらに引き出すと、前記後 面４０ａ上部の内縁が、係止突片１７の係止面１７ａにより係止されて引き出し ６の引き出す方向への移動が規制される。同様に天板４に形成された係止突片３ ６によって引き出し６の引き出す方向への移動が規制される。

【００２２】 したがって、上記状態にあっては引き出し６を引き出すことができず、よって 引き出し６は両板２、３、３から脱落することはない。また、この引き出し６の 係止状態が、引き出し前部４１が下方に落ちた状態となっていることから、利用 者にとって見やすい角度に引き出しが傾斜し、中の収納物を取りやすく、特に奥 に収納されているものを見たり取り出す場合に有効である。

【００２３】 また、各板２、３、３、４の周縁には、環状リブ１１が形成されていることか ら、それらの剛性を高めることでき、しかも係止突片１７が引き出し前部４１の 上面４１ａの侵入を防止することから、引き出す際の引き出し６のひっかかりを 防止できる。

【００２４】 また、図１５及び図１６に示すように、係止突片６１を、前側に位置する環状 リブ１１の遊端縁１１ａと面一となる高さまで突出するとともに、引き出し６の 前部４１の上面４１ａ短尺方向への長さよりも小さな間隙をもって前記遊端縁１ １ａと離間した位置に形成しても、上記と同様の作用・効果を奏することができ る。

【００２５】 なお、本考案における上部部材と下部部材は、本実施例において天板４を上部 部材とした場合には、天板４の下方に位置する２段目の棚板３が下部部材となり 、２段目の棚板３を上部部材とした場合には、この下方に位置する１段目の棚板 ３が下部部材となる。さらには、１段目の棚板３を上部部材とした場合には、こ の下方に位置する底板２が下部部材となる。

【００２６】

【考案の効果】

以上説明してきたように本考案にあっては、上部部材の環状リブ部材の遊端縁 と引き出し上縁との間に所定の間隙をもって引き出しが収容されていることから 、仮に上部部材の中央が下方に垂れて湾曲しても、引き出し上縁に衝当すること はなく、しかも、上部部材底面と引き出し上縁との間には前記所定の間隙よりも 大きな間隙が形成されるため、引き出された引き出しをさらに下方に傾かせるこ とができる。このことは、収納物を見るにあたっては、使用者の視線に適してい るとともに、収納物を取り出す場合には、その動作を容易に行うことができ、特 に、奥に収納されている物を見たり、取り出したりする場合には、引き出しを大 きく引き出すことがあるが、この場合であっても、引き出しが係止突片によって 係止されるため、下部部材からの脱落も防止できる。

【００２７】 また係止突片が、環状リブ部材の遊端縁から連続して延在する、或いは引き出 しの前部上面が侵入できない位置に形成していることから、引き出す際に引き出 しがひっかるようなことはない。

【００２８】 このようなことから、引き出しの奥に何が収納されているのか一目で判断でき 、取り出し動作も容易に行え、さらに引き出しの脱落もないことから、使用勝手 の大変良い収納ケースを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す組立式収納ケースの分
解斜視図である。

【図２】同実施例の底板及び棚板を示す斜視図である。

【図３】図２を裏面から見た斜視図である。

【図４】同実施例の支柱と棚板との関係を説明するため
の部分分解斜視図である。

【図５】図４の矢視図である。

【図６】支柱の取付構造を示す部分正断面図である。

【図７】同実施例の天板の裏面を示す斜視図である。

【図８】同実施例の引き出しの組立て状態を示す分解斜
視図である。

【図９】引き出しの組立て状態を示す部分側断面図であ
る。

【図１０】同実施例の引き出し前部の裏面を示す部分斜
視図である。

【図１１】引き出し本体に引き出し前部を挿着する状態
を示す部分側断面図である。

【図１２】組立式収納ケースを示す斜視図である。

【図１３】引き出し収容時に於ける該引き出しと底板及
び棚板との関係を説明するための部分側断面図である。

【図１４】引き出しを引き出した状態を示す部分側断面
図である。

【図１５】他の実施例である、底板、棚板の裏面を示す
斜視図である。

【図１６】図１５を用いた場合の引き出し収容時に於け
る該引き出しと底板及び棚板との関係を説明するための
部分側断面図である。

【符号の説明】

１ 組立式収納ケース ２ 底板 ３ 棚板 ４ 天板 ５ 支柱 ６ 引き出し １１、３１ 環状リブ １１ａ、３１ａ 遊端縁 １７、６１ 係止突片

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】板状の上部部材と下部部材とを支柱により
   離間して結合し、前記下部部材と前記上部部材との間に
   上面が開口された箱体からなる引き出しを収容してなる
   組立式収納ケースにおいて、 前記上部部材の外周縁に、下方に向けて折り返された環
   状リブ部材を形成し、 前記引き出しを、前記環状リブ部材の遊端縁と該引き出
   し上縁との間に所定の間隙を介して収容し、 前記上部部材の底面前部に、下方に向けて突出する係止
   突片を形成したことを特徴とする組立式収納ケース。
2. 【請求項２】前記係止突片が、前側に位置する前記環状
   リブ部材の遊端縁から引き出し方向に連続して延在する
   ことを特徴とする請求項１に記載の組立式収納ケース。
3. 【請求項３】前記係止突片が、前側に位置する前記環状
   リブ部材の遊端縁と面一となる高さまで突出するととも
   に、前記引き出しの前部上面の引き出し方向への長さよ
   りも小さな間隙をもって前記遊端縁と離間した位置に形
   成したことを特徴とする請求項１に記載の組立式収納ケ
   ース。