JPS602838Y2 - 合成樹脂製の引出し式整理箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、折畳まれたカッタシャツ、衣類、その他小物
を整理保管するに使用される合成樹脂製の引出し式整理
箱の改良に関する。

従来、この種整理箱において、引出しの前面に引手部を
突出状に設けることは、物が引掛ったり、邪魔になるた
め、嫌われ傾向にある。

したがって、引出しの前面の上縁又は下縁に手を掛は易
く切り欠くか、またはその前面の一部に手掛かりとなる
凹部を設けるかして引手部を構成している。

しかし、前者の切欠きによる引手構成では、引出し相互
を積重ねた場合、その切欠きから害虫、塵埃などが浸入
し易く、衣類等の整理保管には不向きである。

また後者の凹部による引手構成では、その凹部を引出し
の成形と同時に一体戒形する場合、金型から取出しにく
く、満足な引手部が得られないという難点があった。

本考案は従来の上記欠点を改善し、引出しの前面に引手
部を突出させず一体成形でき、またその成形時に金型か
ら容易に取出すことができ、また害虫、塵埃の浸入防止
を図ることができ、更に開口端縁を開口枠に嵌着した箱
本体の構成に於いて、引出しの開閉に際し前記開口枠が
外れることなくむしろ開口枠が箱本体との結合を一層強
固となし、しかも箱本体より取出した引出しの持ち運び
も容易とした合成樹脂製の引出し式整理箱を提供しよう
とするものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明すれば、図面
において、１は合成樹脂製の箱本体で、ポリプロピレン
などの材料をもって、上壁２、左右側壁３，４、後壁５
、および底壁６の五面体にて前側が開放する箱形に一体
戊形されている。

その左側壁３および右側壁４の両内面には前後方向に長
い狭幅の軌条７を数段（図例では３段）に突出状に一体
成形しである。

この一体軌条７は成形金型から抜出し易いように、又引
出しの荷重により撓むことのないようにその突出量を可
及的に少なく、狭幅化するために、左側壁３および右側
壁４を箱本体１の本来の外面の位置ａより内側にｂだけ
寄せて窪み状に成形しである。

換言すれば、左側壁３、又右側壁４の内側に寄せられた
ｂ分だけ、軌条７の突出量を少なく細幅化することがで
きる。

箱本体１の前側部の開目端縁にはＡＢＳ樹脂などで別体
に成形した断面略Ｕ形の方形開口枠８をはめ込み固定し
て、箱本体１全体のねじれ変形などに対する補強を講じ
である。

また、この開口枠８の内周には前面聖女鍔部８ａを内向
き張出状に一体形成しである。

引出し９は、スチロール樹脂などをもって前面壁１０、
左右側壁１１，１２、底壁１３、および後壁１４の五面
体にて上部開放状の、全体が透明の箱形に成形される。

その左側壁１１および右側壁１２の各上端には縁１５を
外向き且つ倒Ｕ形に張り出して一体形成しである。

引出し９はこの両縁１５，１５を箱本体１の前面より軌
条７，７の上にのせて抜差し自在に差込まれる。

図例では引出し９を三段に積重ね状に差込んである。

また、この合成樹脂製引出し９の前面壁１０には凹部１
６を前面壁１０の前面より人込み状に、縦方向に設けで
ある。

その凹部１６の前面側上部は引出し前面壁１０と面一で
同一壁体よりなる引手部１７で閉塞し、又その前面側下
部１８、および底面１９は開放状に形成しである。

そして同凹部１６の上面は、この上に積み重ねられる引
出し９の前記凹部１６の開放底面１９を閉塞できる平面
形状の形態を有しかつ、前面壁１０の上端面と面一で同
一体よりなる上壁２０で閉塞しである。

なお、最下段の引出し９の凹部１６の開放底面１９は箱
本体１の開口枠８の内面に重合することにより閉塞され
る。

上記引出し９の前面壁１０の上側縁、下側縁、左側縁、
および右側縁はそれぞれ、左右側壁１１．１２の各上端
より更に上方に、同左右側壁１１．１２より更に側方に
、底壁１３より更に下方に少し、張出すように形成され
ており、この前面壁１０の各張出側縁の後面が上記開口
枠８の前面聖女鍔部８ａに接当するまで、引出し９を差
込むことができ、これにて引出し９の完全な差込み納ま
り状態が得られるようになされている。

また引出し９の左側壁１１および右側壁１２の各外面に
おける縁１５後部の下方には第３・５図に示すように、
該縁１５との間で軌条７を挟持する突起１５ａが突設さ
れている。

このように引出し９を構成した場合は、前面壁１０にお
ける凹部１６の前面下部１８より手を差入れ引手部１７
を持って、この引出し９を箱本体１より抜き差しするこ
とができる。

引手部１７は引出し９の前面壁１０と面一に一体成形さ
れていて前方へ突出しておらず、従ってこれに物を当て
°たり、引掛けたりする虞れはない。

しかも、この凹部１６は縦方向に、かつ底面１９を開放
状に形成しであるので、この凹部１６をもつ引出し９の
成型時において、凹部１６から金型をその底方向（第４
図中、矢印Ａ方向）に真直ぐに抜き出すことができ、こ
の引出し９の金型からの取出しを難なく行なうことがで
きる。

また、凹部１６の底面１９がこのように開放状に成形さ
れていても、箱本体１に取付けた実際の使用段階では、
下段の引出し９の凹部１６の上壁２０でもって閉塞され
るので、害虫、塵埃が浸入するようなことはなくなり、
特にカッターシャツ等衣類の整理箱に好適なものとなる
。

また引出し９の前面壁１０が上記張出側縁とされて該前
面壁１０の上下縁を該側壁１１．１２の上下より張出す
係止縁１０ａ、１０ｂと威し、引出し９の開閉に際し、
最上段引出し９の上側係止縁１０ａ後面及び最下段引出
し９の下側係止縁１０ｂ後面が開口枠８の鍔部８ａに衝
当腰常に該開口枠８と箱本体１との強固な結合を保証す
る。

また、この引出し９は左右側壁１１．１２の各上端に外
向き張出状の縁１５を形成してあり、この左右の縁１５
により引出し９全体のねじれ変形などが防止できて頑強
な合成樹脂製の引出し９を得ることができ、補強用の縁
１５としてきわめて有用なものである。

そして、この左右の縁１５はかかる補強効果を得るばか
りか、箱本体１側の軌条７上に摺動自在に載置されるも
のとしても利用されており、このため軌条７の狭幅化を
図ることができて、箱本体１の成型容易化、材料節減を
図りうるのである。

すなわち、たとえば、補強用の前記縁１５を有するこの
引出し９が底壁１３を箱本体１側の軌条７上に載せて引
出される構造をとる場合には、その軌条７は第３図中、
Ｘで示すように左右側壁３，４から、底壁１３下面の少
なくとも端を受けるべくその下面端に達する突出量で突
設させなければならず、あるいは底壁１３全面を受ける
べく左右側壁３，４間全体に張り渡す棚板状体なるもの
を一体戒型しなければならないのであるが、これに対し
上記のように外向き張出状で左右側壁３，４内面に近接
する縁１５を受けるようにした軌条７にありでは左右側
壁３，４から僅かに突設させることで足りてその狭幅化
が図られるのであり、この狭幅化により箱本体１の一体
戒型にさいしその成形金型は抜易くなり、その一体皮型
がきわめて容易に行われ、又その狭幅化により成形材料
を削減できるという利点も得られる。

さらに、この引出し９は左側壁１１および右側壁１２の
各外面における縁１５後部の下方に、縁１５との間で軌
条７を挟持する突起１５ａを突設しているので、引出し
９を箱本体１から前方に引出すとき、引出し９中に入っ
ている収容物の重量により引出し９前部が下方に傾きか
けた場合には突起１５ａが軌条７下面に接当してその傾
きを阻止し、従って引出し９を水平な引出し状態に保持
できて収容物の出入れを便利にすると共に、引出し９の
傾きとともに引出し９中に一杯に入っている収容物が前
方にすべり出ることをも防止できる。

さらに又、箱本体１の前面開口端縁に嵌合固定された開
口枠８により、箱本体１全体のねじれ変形などを有効に
防止できるばかりか、その開口枠８の内周には前面聖女
鍔部８ａを形成してこれに引出し９の前面壁１０の張出
側縁後面を接当させ、引出し９をこれ以上奥に差込むこ
とができないようにしであるので、引出し９の差込み過
剰によりこの後壁１４が箱本体１の後壁５に強く衝突し
、この反動により引出し９が前方に押出されて少し開い
たままにされるという不具合をも防止できる。

本考案は以上のように構成した結果、箱本体１が前面開
口端縁に開口枠８を嵌合固定し、該箱本体１全体のねじ
れ変形等を有効に防止したものに於いて、最上段引出し
９の上側係止縁１０ａ及び最下段引出し９の下側係止縁
１０ｂが開口枠８の鍔部８ａに衝当する構成とされてい
るので、該引出し９の差込みに際して前記衝当により開
口枠８が箱本体１と一層強く結合する方向に作用され、
従って使用に際し該開口枠８が箱本体１より不慮に脱落
することはなく、常に開口枠８の強固な取付状態を保証
することができる。

また引出し９は左右側壁１１．１２の各上端縁より外向
き且つ倒Ｕ形に張出状の縁１５を延設しているので、箱
本体１より取出した引出し９が上部開口縁を容易に歪み
変形されることなく、従って収納物を収納した引出し９
のみを持ち運ぶ際にも該引出し９が安定強固であり、し
かもこの持ち運び時に前記倒Ｕ形張出状の縁１５が把手
として利用できるので極めて便利である。

更に本考案は、上記実施例の如く構成しておけば、引出
しの前面における引出部に物を当てたり、引掛ける問題
、および害虫、塵埃の浸入問題を解消でき、しかも引出
しの成形金型から容易に取出すことができるという成型
上の利点もあり、また、軌条７を一体に形成した箱本体
１の成型も簡易に行われ、更に引出し９を引出した時の
傾き防止、および引出し９の閉め残し防止を図りうるも
のであって、実益効果大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の１実施例を示す斜視図、第２図は第１図
における■−■線断面図、第３図は同図における■−■
線断面図、第４図は引出しの正面図、第５図は底面図で
ある。 １・・・・・・箱本体、９・・・・・・引出部 １０・
・・・・・前面壁、１６・・・・・・凹部、１７・・・
・・・引手部、１８・・・・・・前面下部、１９・・・
・・・底面、２０・・・・・・上壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上壁２、左右側壁３，４、後壁５、および底壁６を備え
   た前面開放箱形の箱本体１が、断面略Ｕ形の方形開口枠
   ８に該箱本体１の開口端縁を嵌合固定して戒り； 縦方向に複数段設けられる引出し９が、前記箱本体１に
   前面より水平に抜差し自在に収納されて戒り； 前記引出し９は、上面開放箱形に形威され、該引出し９
   の左右側壁１１．１２の各上端縁より外向き且つ倒Ｕ形
   に張出状の縁１５を延設すると共に、該引出し９の前面
   壁１０に引手部１７を威す凹部１６を設は且つ該前面壁
   １０の上下縁を前記側壁１１．１２の上下より張出すよ
   う延長して係止縁１０ａ、１０ｂど戊し； 前記箱本体１は、該左右側壁３，４に前記引出し９の張
   出状縁１５を摺動自在に支持する軌条７を設けると共に
   、前記開口枠８の内周に鍔部８ａを形威し、最上段引出
   し９の上側係止縁１０ａ後面及び最下段引出し９の下側
   係止縁１０ｂ後面を前記鍔部８ａに衝当自在に構成して
   成ることを特徴とする合成樹脂製の引出し式整理箱。