JPH033872Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は空気調和機、特に前面パネルの取付
構造の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

第４図は従来の空気調和機の内部構造を示す断
面図であり、図において１は台板１ａは上記台板
１の前縁部に形成された立上り部、１ｂはこの立
上り部１ａの上端部を前方に折曲されたフランジ
部、２は台板上に載置された圧縮機、３は台板へ
取付けた機器取付柱、４は機器取付柱へ取付けた
熱交換器、５は上記熱交換器４よりドレンを受け
るためのドレンパン、６は送風機であり、上記の
送風機取付板７に取付けられて送風装置を構成し
側面パネル８に取り付けられている。９は縦形状
をなした前面パネルであり、この前面パネル９の
下部にはフランジ部（下）１０を有し、内方へ折
り曲げた後更に下方へ折曲している。また前面パ
ネル９の上部には内方へ折曲されたフランジ部
（上）１１が設けられている。１２は送風機取付
板７の前縁部に設けられた立ち上がりフランジで
あり、１３は前面パネル９の取付用ネジである。
１４は吹出グリルであり側面パネル８へ取付けら
れ、その上部には天井パネル１５、後部には背面
パネル１６が取付けられてある。

従来の空気調和機は上記のように構成されてお
り、たとえば、前面パネル９を空気調和機の箱体
２２へ取付けるには、まず、台板１の前縁部のフ
ランジ部１ｂ及び立上り部１ａと前面パネル９の
フランジ部（下）１０とを重合し、フランジ部
（上）１１を送風機取付板７の前縁部に設けられ
た立ち上がりフランジ１２上へ載置し、取付ネジ
１３を締めることによりフランジ部（上）１１を
固定していた。また、取り外す場合には上記と全
く逆の作業を行なうことにより取外していた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記のような従来の空気調和機では前面パネル
９の脱着のために、前面パネル９のフランジ部
（上）１１の取付ネジ１３を上部よりドライバー
により廻す必要があり、空気調和機の高さが２ｍ
前後あるため、通常の大人の背丈以上の所の作業
となつてしまい、そのままでは作業がやりにく
く、脚立等の踏み台を必要としていた。また、前
面パネル９のフランジ部（上）１１の上方には吹
出グリル１４が取付けられているため、ドライバ
ーの操作の邪魔となり作業性も低下していた。更
に、前パネル９のフランジ部（下）１０は内側に
折り曲げた後下側に折曲されており、この下側に
折曲された部分が、空気調和機の運転時に、上記
台板１の立上り部１ａの内側面等との間で騒音が
発生するという問題点があつた。

この考案はかかる問題点を解決するためになさ
れたものであり、前面パネル９の脱着を踏み台等
を使用することなく、また、吹出しグリル１４等
によつてその作業性が粗害されることなく、容易
に上記前面パネル９の脱着を行うことができるよ
うにすることを目的としたものである。また、上
記フランジ部（下）と上記台板１の立上り部１ａ
等との間での騒音の発生をなくし、品質性能を確
保することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る空気調和機は、前縁部に形成さ
れた立上り部と、この立上り部の上端を前方に折
曲されたフランジ部とを有し、このフランジ部に
切欠き等の掛止用被挿通部が設けられると共に圧
縮機が取付けられた台板、この台板の周縁部に沿
つて立設された左右側面パネル、背面パネル及び
上記左右側面パネル、背面パネルの上部に位置す
る天井パネルを有する横断面形状がコ字状に構成
された空気調和機の箱体と、上記圧縮機より供給
される冷媒と被空調空気とを熱交換させる熱交換
器と、この熱交換器に被空調空気を供給する送風
機と、下方に開口部を有し、断面形状がコ字状に
形成された溝部が、その前縁部に設けられると共
に上記箱体の上部内周部に沿つて略々水平に装着
され、上記送風機を支持する送風機取付板と、上
端部が内方に折曲され、上記溝部に嵌挿されるフ
ランジ部（上）と、下端部が内方に折曲され、上
記台板のフランジ部の上面に載置されると共に上
記台板のフランジ部に設けられた掛止用被挿通部
に対応する位置に貫通孔が設けられたフランジ部
（下）とを有する前面パネルと、上記台板の立上
り部前面に当接され上下方向の長孔が設けられた
平坦部とこの平坦部に連なり、上記貫通孔、上記
掛止用被挿通部に挿通された挿通部とを有し、上
記長孔部を通して上記台板の立上り部に螺着さ
れ、螺子を緩めることによつて下方に摺動し得る
固定部材を設けることにより空気調和機を構成し
て上記目的を達成するものである。

〔作用〕

この考案においては、前面パネルの上端部に形
成されたフランジ部（上）を送風機取付け板の前
縁部に設けられた溝部に嵌挿し、前面パネルの下
端部に形成されたフランジ部（下）を上記台板の
前縁部に形成されたフランジ部の上面に載置し、
上記フランジ部（下）に設けられた貫通孔及び上
記台板のフランジ部に設けられた掛止用被挿通部
に上記掛止用部材の挿通部を挿通して上記長孔を
通して上記掛止用部材を上記台板前縁部に形成さ
れた立上り部に螺着することによつて、上記前面
パネルを空気調和機の箱体に固定し、上記長孔部
の螺子を緩め、上記掛止用部材の平坦部を上記台
板の立上り部の前面部に沿つて下方に摺動させる
ことによつて上記掛止用部材の挿通部が上記フラ
ンジ部（下）の貫通孔から下方に外れ、上記前面
パネルが容易に取外すことができるものである。

〔実施例〕 第１図はこの考案の一実施例を示す空気調和機
の分解斜視図であり、第２図は前面パネル掛止部
の詳細を示す部分斜視図であり第３図は第１図に
示す空気調和機の内部構造を示す縦断面図であ
る。１〜１１，１４〜１６，２２，１ａ，１ｂは
上記従来装置と全く同一または、相当部分を示す
ものである。１７は下方に開口部を有し、断面形
状がコ字状に形成された溝部で送風機取付板７の
前縁部に設けられたものである。１９は掛止用部
材であり、上記台板１の立上り部１ａの前面部に
当接され、上下方向の長孔１９ａが設けられた平
坦部１９ｂとこの平坦部１９ｂに連なる挿通部１
９ｃとを有し、上記長孔１９ａを通して上記台板
１の立上り部１ａに取付ネジ１３により螺着され
るように構成されたものである。１ｃは台板１の
フランジ部１ｂに設けられた掛止用被挿通部で切
欠き加工によつて形成されたものである。１１ａ
は前面パネル９の下端部に設けられたフランジ部
（下）１０に設けられた貫通孔である。２３は上
記吹出しグリル１４の意匠カバーであり、側面パ
ネル８に固定されている。上記のように構成され
た空気調和機においては、前面パネル９を取付け
る場合には、送風機取付板７の前縁部に設けられ
た溝部１７に上記前面パネル９の上端部に設けら
れたフランジ部（上）１１を嵌挿し、前面パネル
９の下端部に設けられたフランジ部（下）１０を
上記台板１のフランジ部１ｂの上面に載置すると
共に上記掛止用部材１９の挿通部１９ｃを上記貫
通孔１１ａ及び上記掛止用被挿通部１ｃに挿通
し、上記長孔１９ａを通して、取付螺子１３によ
り上記掛止用部材１９の平坦部１９ｂを上記台板
１の立上り部１ａに螺着することによつて、前面
パネル９の取付けができる。また、前面パネル９
を取外す場合は、まず取付ネジ１３をゆるめて、
掛止用部材１９を上記台板１の立上り部１ａの前
面部に沿つて下方に摺動させれば、上記掛止用部
材１９の挿通部１９ｃは上記フランジ部（下）１
０の貫通孔１１ａより外れて、前面パネル９を台
板１のフランジ１ｂより外すことができ、下方に
下げることにより、上記溝部１７より外れ前面パ
ネル９を上記空気調和機の箱体２２より取り外す
ことができる。

〔考案の効果〕

この考案は以上説明したとおり、前縁部に形成
された立上り部とこの立上り部の上端を前方に折
曲されたフランジ部とを有し、このフランジ部に
切欠き等の掛止用被挿通部が設けられると共に圧
縮機が取付けられた台板、この台板の周縁部に沿
つて立設された左右側面パネル、背面パネル及び
上記左右側面パネル、背面パネルの上部に位置す
る天井パネルを有する横断面形状がコ字状に構成
された空気調和機の箱体と、上記圧縮機より供給
される冷媒と被空調空気とを熱交換させる熱交換
器と、この熱交換器に被空調空気を供給する送風
機と、下方に開口部を有し、断面形状がコ字状に
形成された溝部が、その前縁部に設けられると共
に上記箱体の上部内周部に沿つて略々水平に装着
され、上記送風機を支持する送風機取付板と、上
端部が内方に折曲され、上記溝部に嵌挿されるフ
ランジ部（上）と、下端部が内方に折曲され、上
記台板のフランジ部の上面に載置されると共に上
記台板のフランジ部に設けられた掛止用被挿通部
に対応する位置に貫通孔が設けられたフランジ部
（下）とを有する前面パネルと上記台板の立上り
部前面に当接され上下方向の長孔が設けられた平
坦部とこの平坦部に連なり、上記貫通孔、上記掛
止用被挿通部に挿通された挿通部とを有し、上記
長孔部を通して上記台板の立上り部に螺着され、
螺子を緩めることによつて下方に摺動し得る掛止
用部材とを設けたことにより、空気調和機を構成
したので前面パネルの取付け作業、取外し作業が
容易になつた。すなわち、取付けに際しては、前
面パネルのフランジ部（上）を送風機取付板の前
縁部に設けられた溝部に嵌挿し、フランジ部
（下）を上記台板のフランジ部の上面に当接して、
上記掛仕用部材を上方に摺動して上記台板の立上
り部に螺着することにより前面パネルを取付ける
ことができ、取外しに際しては、取付け螺子を緩
めて上記掛止用部材を下方に摺動させ、掛止用部
材の挿通部を上記貫通孔から下方に外すことによ
つて、前面パネルを容易に取外すことができ、脚
立等の踏台等を使用する必要がなくなり、作業性
を大幅に向上させることができた。

また、従来装置における前面パネルのフランジ
部（下）の端部における下方への折曲部が不要な
構成としたので、運転時に騒音が発生することも
なくなつた。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す空気調和機
の分解斜視図、第２図は前面パネル掛止部の詳細
を示す部分斜視図、第３図は第１図に示す空気調
和機の内部構造を示す縦断面図、第４図は従来の
空気調和機の内部構造を示す縦断面図である。図
において、１は台板、１ａは立上り部、１ｂは台
板１のフランジ部、１ｃは掛止用被挿通部、２は
圧縮機、８は側面パネル、１６は背面パネル、１
５は天井パネル、２２は箱体、４は熱交換器、６
は送風機、１７は溝部、７は送風機取付板、１１
はフランジ部（上）、１１ａは貫通孔、１０はフ
ランジ部（下）、９は前面パネル、１９ａは長孔、
１９ｂは平坦部、１９ｃは挿通部、１９は掛止用
部材である。なお、各図中、同一符号は同一また
は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前縁部に形成された立上り部とこの立上り部の
   上端部を前方に折曲されたフランジ部とを有し、
   このフランジ部に切欠き等の掛止用被挿通部が設
   けられると共に圧縮機が取付けられた台板、この
   台板の周縁部に沿つて立設された左右側面パネ
   ル、背面パネル及び上記左右側面パネル、背面パ
   ネルの上部に位置する天井パネルを有する横断面
   形状がコ字状に構成された空気調和機の箱体、上
   記圧縮機より供給される冷媒と被空調空気とを熱
   交換させる熱交換器、この熱交換器に被空調空気
   を供給する送風機、下方に開口部を有し、断面形
   状がコ字状に形成された溝部が、その前縁部に設
   けられると共に上記箱体の上部内周部に沿つて
   略々水平に装着され、上記送風機を支持する送風
   機取付板、上端部が内方に折曲され、上記溝部に
   嵌挿されるフランジ部（上）と、下端部が内方に
   折曲され、上記台板のフランジ部の上面に載置さ
   れると共に上記台板のフランジ部に設けられた掛
   止用被挿通部に対応する位置に貫通孔が設けられ
   たフランジ部（下）とを有する前面パネル、及び
   上記台板の立上り部前面に当接され上下方向の長
   孔が設けられた平坦部と、この平坦部に連なり、
   上記貫通孔、上記掛止用被挿通部に挿通された挿
   通部とを有し、上記長孔部を通して上記台板の立
   上り部に螺着され、螺子を緩めることによつて下
   方に摺動し得る掛止用部材を備えた空気調和機。