JPH0338616Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は冷凍運搬車の仕切り体の吹出装置収
納構造に関するものである。

従来、冷凍運搬車の保冷室内は、エバポレータ
ーより冷気を吐出して保冷するものであるため、
収納荷物の量や、保冷温度の差のある荷物に応じ
て適当に仕切り壁を用いて保冷室内の区分けを行
うものがあるが、この仕切り壁の構造は、前後摺
動自在のものであり仕切り壁の前後の空間を積荷
の両に応じて調整できるようにしているものであ
るが、この仕切り壁には吹出装置が設けられてお
り、保冷室の前端に設けられたエバポレーターよ
り吹出される冷気を仕切り壁の後室へ送気するよ
うに構成されているものであり、この吹出装置は
仕切り壁の全面に一部突出しているために仕切り
壁を保冷室の再前端に摺動させて保冷室全体を仕
切りなしの状態で使用する場合には、一部突出状
の吹出装置が支承となつて保冷室の前壁に仕切り
壁を密着させることができず、突出状の吹出装置
の分だけ無駄な空間を形成することになり、保冷
室の有効利用ができないものであつた。

この考案では仕切り体に設けた吹出装置を前方
へ傾倒自在に構成すると共に、保冷室の前壁に収
納開口部を形成して仕切り体を保冷室の最前端に
摺動させた場合に吹出装置が前壁の収納開口部に
収納されるようにして、仕切り体を前壁に密着さ
せ、しかも、エバポレーターからの冷気は吹出装
置の前傾後の回行窓から吹出させることができる
ようにして仕切り体を有した保冷室の空間を有効
に使用できるようにした冷凍搬車の仕切り体の吹
出装置収納構造を提供せんとするものである。

本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、
Ａは、冷凍運搬車であり、同冷凍運搬車Ａはシヤ
シフレーム１の前部に運転部２を設け、その後部
には、箱状の保冷室３を設けている。箱状の保冷
室３の前方上部は、外方へ突出して形成した空間
Ｓを設けており、空間Ｓ中の上部には、保冷室前
壁５３より外方へ突出したエバポレーター４を配
設しており、同エバポレーター４の前方には、エ
バポレーター吐出口５を保冷室３に開口してい
る。保冷室３の上部の左右側端縁には断面略コの
字状の左右レール６，６′を配設している。同左
右レール６，６′には保冷室の内部を仕切り、前
室と後室に区分けするための仕切り体７が前後摺
動自在に支持されているものであり、以下、仕切
り体７の構造について説明する。即ち、断面コの
字状の左右レール６，６′の内部には外周をパイ
プ状のインナーガイド８及びアウターガイド９に
包皮されたガスシリンダー１０，１０′がそれぞ
れ摺動自在に収納されており、左右レール６，
６′の内部においてアウターガイド９が摺動する
ことにより、その内部に内蔵されたインナーガイ
ド８及びガスシリンダー１０，１０′がアウター
ガイド９と共に摺動するように構成されており、
右ガスシリダー１０′のアウターガイド９には支
柱ブラケツト１１を垂設しており、同ブラケツト
１１には、保冷室３の右側壁１２に沿つて立設し
た支柱１３の上端を右枢支ピン１４にて軸支する
と共に、その下方には固定ピン１５をブラケツト
１１下部に着脱自在に固定している。又、左ガス
シリンダー１０のアウターガイド９には、枢支ブ
ラケツト１６が垂設されており、支柱１３にヒン
ジ１９で枢支された仕切り板１７と同ブラケツト
１６との間には着脱自在に枢支ピン１８が枢支さ
れており、仕切り板１７の上方跳ね上げ作動は右
側の固定ピン１５を抜去して左右枢支ピン１８，
１４を中心にして支柱１３と共に行うものであ
る。同支柱１３には仕切り板１７がヒンジ１９を
介して後方横開閉自在に連設されており、また左
右アウターガイド９，９はそれらの間に介装した
クロスメンバー２０で連結されている。

しかも、左右ガスシリンダー１０，１０′のロ
ツド２１は、後方へ向かつて伸縮自在に構成され
ており、ロツド２１の先端は、インナーガイド８
の先端に連結されており、ロツド２１の伸縮作動
に応じてインナーガイド８も伸縮作動するように
構成されており、このインナーガイド８の先端外
周には角状パイプ８−１が延設されており、同角
状パイプ８−１には折返しシーブ２２が軸架され
ており、シリンダ本体２３基部に基端を連設した
跳上ワイヤー２４を同折返しシーブ２２にて折返
し、アウターガイド９下端に軸支した受シーブ２
５にて受止めて跳上ワイヤー２４先端を支柱１３
上部及び仕切り板１７左側縁上部にそれぞれ連設
しており、仕切り体７の上方跳上時における補助
作動をなすべく構成している。尚、本実施例では
補助作動として、跳上ワイヤー２４の引張をガス
シリンダー１０，１０′にて行うように構成して
いるが、それ以外にスプリング、油圧シリンダ等
を利用して跳上ワイヤー２４の引張作動による跳
上作動を補助しうるようにしてもよい。

尚、アウターガイド９はシリンダ本体２３を包
皮しているが、インナーガイド８はロツド２１と
共に、摺動する状態でガスシリンダー１０，１
０′を包皮しているものであり、同ロツド２１と
一体摺動のインナーガイド８先端に折返しシーブ
２２が軸支されているものであり、更にその先方
には左右レール６，６′内摺動のための後部ロー
ラ２６が軸支されており、同じくガスシリンダー
１０，１０′基端に位置するアウターガイド９端
部にもレール６，６′内を摺動するための前部ロ
ーラ２７が軸支されているものであり、仕切り体
７の前後摺動は、支柱ブラケツト１１及び枢支ブ
ラケツト１６に一体のガスシリンダー１０，１
０′のアウターガイド９、インナーガイド８の端
部に設けられた各ローラ２６，２７を介して、左
右レール６，６′に沿つて前後摺動するものであ
る。

次に仕切り体７の横開き、上方跳上及び前後摺
動の各作動状態における仕切り体７の固定構造に
ついて説明する。

まずヒンジ１９を介して仕切り板１７を後方横
回動させて横開きし、右側壁１２に、当接状態に
した後には仕切り板１７の右側端下部に設けた昇
降自在の横開きストツパー２８により保冷室３の
底板に固定するものである。また仕切り体７を左
右枢支ピン１８，１４を中心に上方に跳上作動し
た場合の固定については、支柱１３及び仕切り板
１７左側端の各外側縁部に伸縮自在のストツパー
杆２９，２９を配設し、同ストツパー杆２９，２
９はスプリング３０にて突出方向に付勢されてお
り、ストツパー杆２９，２９の先端は、上面を傾
斜面３１を形成し、下面に係止凹部３２を設け、
仕切り体２７の跳上りに際して自動的にスプリン
グ付勢に抗して、ガスシリンダー１０，１０′の
インナーガイド８基端に垂設した係止ブラケツト
３３に係合しうるように構成しており、各ストツ
パー杆２９，２９の基端には、解除ワイヤー３４
が連設されており、同ワイヤー３４は仕切り板１
７の下端中央部において、引張操作可能な握持杆
３５を設けている。３６は係止ブラケツト３３に
設けた係止孔である。

また仕切り体７を所定の前後摺動位置で固定す
る構成については、左右ガスシリンダー１０，１
０′のアウターガイド９にそれぞれ連設した、コ
字状ブラケツト３７下部にストツパー杆保持ケー
ス３８を垂設し、同ケース３８中にストツパー杆
３９を昇降自在に収納し、同ストツパー杆３９を
スプリング４０にて上方に付勢せしめて、同スト
ツパー杆３９先端を左右レール６，６′下側面に
前後方向に多数形成したピン孔４１に係合せしめ
ることにより行うものであり、固定の解除はスト
ツパー杆３９を付勢力に抗して下方へ引張するこ
とにより、ストツパー杆３９をピン孔４１から抜
去し同ストツパー杆３９をピン孔から離脱せしめ
た状態で固定して行うものである。

尚、保冷室３内の後部の上部左右側には、水平
方向に回動自在の落下防止板４２をそれぞれ設け
ており、同落下防止板４２はスプリング４３によ
る付勢力で、内側方に張出状に保持されている。
従つて、保冷室３の後部付近において仕切り板１
７を跳上た際に、落下防止板４２の上縁部上に仕
切り板１７の両側を支持しうるように構成してい
る。

また支柱１３の下端には、上端を抜去した支持
杆４４を左右回動自在に設けており、同支持杆４
４の下端には横ローラ４５を枢支し、同横ローラ
４５は、保冷室３の右側壁１２下部に、張設した
当て板４６に当接自在となつており、支柱１３の
上部を支柱ブラケツト１１に右枢支ピン１４及び
固定ピン１５で固定している場合の支柱１３下部
の保持機能を果すものであり、支柱１３下端に抜
去自在に設けたピン４７によつて支持杆４４を横
ローラ４５と当て板４６の当接状態に傾斜保持せ
しめており、仕切り体７の上方跳上作動時はピン
４７を抜去して支持杆４４を内側寄りに収納して
おくものである。

仕切り体１７の上部中央、即ち、エバポレータ
ー４の対応位置には吹出装置４８を配設してお
り、同吹出装置４８は後側カバー４９と下方の吸
入開口部５０とを仕切りフアン５１と斜上方を向
いたエアガイド翼５２とより構成されており、吸
入開口部５０は仕切り体７の前室に下方向いて開
口しており、エアガイド翼５２は後室に面して設
けられており、前室の冷気を仕切りフアン５１に
より吸入開口部５０からエアガイド翼５２を介し
て後室に送風すべく構成しており、吹出装置４８
の前部即ち下方に吸入開口部５０を有する突出部
分は仕切り板の１７の前面より前方へ突出状に形
成されている。

しかも、吹出装置４８の周縁に該当する仕切り
板上部中央部分は仕切り板１７の本体と別体に構
成されて傾斜板ｍを形成しており、同傾斜板ｍの
下側縁はヒンジｎにより仕切り板１７の本体と枢
支されており、傾斜板ｍは吹出装置４８と共に、
ヒンジｎを介して前方へ傾動自在に構成されてい
るものであり、仕切り体７を保冷室３の最前端ま
で摺動させた場合に保冷室前壁５３に設けた収納
開口部５４より収納して、保冷室３前壁５３の前
方でエバポレーター４の下方に吹出装置４８が格
納されるべく構成し、仕切り体７を可及的に保冷
室３前部に前進摺動させ保冷室空間を有効に使用
しうるように構成している。n′は傾斜板ｍを前方
に傾倒させた場合に形成される開口窓を示してお
り、この開口窓m′はエバポレーター４に対応す
る位置に開口されているものであり、仕切り板１
７を保冷室３の最前端に摺動させた場合に開口窓
m′にエバポレーター４の吹出口が位置するよう
に構成している。５５は収納開口部５４に設けた
開閉蓋である。

保冷室３の右側壁１２及び左側壁の内面は、縦
方向にエアリブ５６が形成されており、各リブ５
６間の空隙は冷気下向通路５７としており、ま
た、保冷室３の床部には、上下に一定の空隙を保
持して、多数の床機５８が前後方向に敷設せしめ
られており、同空隙を循環通路５９とし、冷気下
向通路５７と床機５８下方の循環通路５９とは連
通状態となつており、しかも、循環通路５９の前
端は、保冷室３の前壁５３と保冷室ボデイ６０と
の間に形成した冷気循環路６１とに連通せしめて
おり、冷気循環路６１は、エバポレーター４下方
において漸次前方へ拡大しておりエバポレーター
４の吸入部６２に至るべく構成しているものであ
る。尚、図中６３は吸入開口部５０に設けたスダ
レ状のゴム蓋であり、仕切りフアン５１の駆動に
よつて開き同フアン５１の停止時は閉じるべく構
成されている。また６４は仕切り板１７周縁に連
設したパツキン、６５はサーモスタツト、６６は
後部扉である。

尚、この実施例では仕切り体が前後摺動の場合
以外に上方跳ね上げ及び横開閉できる場合の構造
について説明したが、仕切り体が前後摺動のみの
場合の構造においても同様に当然適用されるもの
である。

この考案の実施例は上記のように構成されてい
るものであり、まず、仕切り体７の前後摺動作動
は、左右レール６，６′中に摺動自在に収納され
たアウターガイド９を支柱ブラケツト１１を介し
て、仕切り体７と共に、左右レール６，６′支柱
を前後摺動せしめることにより行うものであり、
このアウターガイド９の前後摺動に伴ないインナ
ーガイド８及びこれに収納されたガスシリンダー
１０，１０′も同時に前後摺動させるものであり、
摺動後の固定は、左右ガスシリンダー１０，１
０′のアウターガイド９に連設したコ字状ブラケ
ツト３７下部のストツパー杆保持ケース３８中の
ストツパー杆３９を、スプリング４０にて上方に
付勢して、左右レール６，６′下側面のピン孔４
１に係合せしめて行い、固定解除はストツパー杆
３９をピン孔４１から除去せしめることにより行
うものであり、また、仕切り体７の上方跳ね上げ
作動は、固定ピン１５をブラケツト１１から抜去
し、ガスシリンダー１０，１０′のアウターガイ
ド９に垂設した支柱ブラケツト１１と、支柱１３
上端とを枢支した右枢支ピン１４を中心に支柱１
３と共に、上方回動可能状態としたのち、仕切り
体７を上方へ回動せしめればガスシリンダー１
０，１０′が作動して、ロツド２１を後方へ伸長
せしめることにより、インナーガイド８もロツド
２１の先端に伴つて伸長していき折返しシーブ２
２は跳ね上げワイヤー２４を引張ることになり、
跳ね上げワイヤー２４に連設された支柱１３の上
部及び仕切り体１７左側縁上部を上方へ持ち上げ
ることになり、仕切り体７の上方回動持ち上げ作
動がガスシリンダー１０，１０′の跳ね上げワイ
ヤー引張りと相乗して跳ね上げ作業が軽い力で行
われるものであり、また仕切り体７の横開閉作動
は、支柱１３と仕切り体１７とのヒンジ１９を介
して仕切り板１７をヒンジ１９を中心に横開閉す
るものであり、仕切り体７の上方跳ね上げ後の固
定は、支柱１３及び仕切り板１７左側端の各外側
縁部に配設した伸縮自在のストツパー杆２９，２
９をガスシリンダー１０，１０′のインナーガイ
ド８基端に垂設した係止ブラケツト３３の係止孔
３６に係合させることにより行い、固定解除は、
各ストツパー杆２９，２９基端に連設した解除ワ
イヤー３４の引張りにより行うものであり、仕切
り体７の横開閉作動後の固定は、仕切り板１７を
右側壁１２に当接した状態とした後に、仕切り板
１７の右側端下部に設けた昇降自在の横開きスト
ツパー２８により保冷室３の底板に固定するもの
である。

このようにして、仕切り体７の前後摺動、上方
跳ね上げ、横開き作動がなされて、仕切り体７の
仕切り区分内で区分けして積載された荷物は、積
載、積降しのいづれの場合にも適当に上方跳ね上
げ、或は横開きの作動によつて、積載、積降し作
業が効率的に行えるものである。しかも仕切り体
７の前方摺動に際して保冷室３の最前端にまで、
仕切り体を摺動させて保冷室３内部を仕切りのな
い空間として使用する場合には、まず保冷室３前
壁５３に設けた収納開口部５４の開閉蓋５５を開
放して収納開口部を形成した後に、仕切り板１７
に設けた傾斜板ｍをヒンジｎを介して前方に水平
状に傾倒させて吹出装置４８の傾斜板ｍと共に、
水平傾倒状態とし、かかる状態で仕切り板１７を
保冷室３の最前端にまで摺動せしめて前壁５３に
密着状態とし、同時に吹出装置４８は前壁５３の
収納開口部５４中に収納するものであり、この状
態においてはエバポレーター４の吹出口は仕切り
板１７の開口窓に相対して位置しており、開口窓
m′を介して冷気は保冷室内に送気される。

この考案によれば、吹出装置が前方へ傾倒自在
に構成され、仕切り体の最前端摺動時に保冷室前
壁の収納開口部に吹出装置が収納されるように構
成されているので、保冷室を必要に応じて仕切り
体で区分して使用す場合以外においても、仕切り
体を保冷室最前端に摺動して保冷室を区分して使
用しない状態とした場合に、仕切り体より突出状
の吹出装置仕が何ら支障とならずに仕切り体を摺
動収納することができ、保冷室の空間を有効に使
用できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案仕切り壁構造の一部切欠全体斜
視図。第２図は、同要部の仕切り壁の上方跳ね上
げ作動説明図。第３図は、同要部の仕切り壁の横
開き作動の説明図。第４図は、レール部分の側面
図。第５図〜第１０図は、第４図の−線、
−線、−線、−線、−線、−
線の各断面図。第１１図は、本案仕切り壁構造の
保冷室の後部内部側面図。第１２図は−線の
断面図。第１３図は本案仕切り体の跳ね上げ収納
状態の説明図。第１４図は本案仕切り体の一部背
面図。第１５図は本案保冷室の前部縦断面側面
図。第１６図は本案仕切り体の一部拡大図であ
る。 Ａ……冷凍運搬車、３……保冷室，６，６′…
…レール、７……仕切り体，１１……支持ブラケ
ツト，１３……支柱，１６……枢支ブラケツト，
１７……仕切り板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷凍運搬車Ａの保冷室３の内部に、前後区分仕
   切りを行うための仕切り体７を前後摺動自在に設
   け、同仕切り体７の所定箇所に仕切り後室へ冷気
   を送気するための吹出装置４８を設けると共に、
   吹出装置４８は、前方へ水平状態に傾倒自在に構
   成し、しかも、保冷室前壁５３には収納開口部５
   ４を設け、同収納開口部５４は、保冷室の前方上
   部を外方へ突出して形成した空間Ｓと連通せし
   め、仕切り体７の最前方摺動時に、保冷室３前壁
   ５３に設けた収納開口部５４から水平状態に傾倒
   した吹出装置４８をその前方の空間Ｓ中に収納可
   能に構成してなる冷凍運搬車の仕切り体の吹出装
   置収納構造。