JPH0338489B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は壁貫通形の個別形空気調和機の換気装
置に関するものである。

従来の技術 従来、ビルデイングなどのペリメーターゾーン
に据付けられる壁貫通形の個別形空気調和機は、
第４図に示すような構成となつている。すなわち
家屋の外壁１の外側にガラリ２とスリーブ３とを
設け、このスリーブ３に納められた個別形空気調
和機の本体４があつて、この本体４には室内熱交
換器５と室内送風機６を設けた室内ユニツト部７
と、室外熱交換器８と室外送風機９とを設けた室
外ユニツト部１０と、この室外ユニツト部１０と
前記室内ユニツト部７とを仕切るため、中央部に
仕切板１１を設けている。この仕切板１１の下方
には室外ユニツト部１０と室内ユニツト部７を連
通させる開口部１２を設けるとともに、この開口
部１２を開閉するダンパー１３が備えられてい
る。

そして屋外の空気を給気するときは、前記ダン
パー１３を開（図中点線位置）にすることによ
り、空気は、室外給気口１４より流入し、室外送
風機９、室外熱交換器８を通過して室外吹出口１
５より吹き出すが、このときの空気の一部が開口
部１２より室内ユニツト部７へ流入し、室内吸込
口１６より流入した室内の空気と混合し、室内送
風機６、室内熱交換器５を通過して室内吹出口１
７より室内へ吹き出し、結果的に屋外の新鮮空気
を室内へ給気し、給気仕様の個別形空気調和機と
するものである。

第５図は従来の他の例を示し、この空気調和機
は室内の空気の排気用として、同じタイプの本体
４の仕切板１１の上方に開口部１８を設け、ダン
パー１３を開（図中点線位置）にすることによつ
て、室内吸込口１６より流入した室内空気が、室
内送風機６を通る途中において室外給気口１４よ
り流入した空気とともに前記室内の空気の一部
が、室外熱交換器８を通つて室外吹出口１５より
屋外へ吹き出し、結果的に室内の空気を屋外へ排
気するものである。

このように第４図および第５図に示すような、
室内ユニツト部７と室外ユニツト部１０とを仕切
板１１を介在して前後に設けた壁貫通形の空気調
和機は、従来ビルデイングなどの建物の条件に合
わせて第４図に示す給気仕様品と、第５図に示す
排気仕様品とを有し、その建物において給気を目
的とするか排気を目的とするかでどちらかの製品
機種の選択を行つていた。

発明が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、建築設計段階で排
気仕様品か給気仕様品かを決める必要があり、そ
の建物の仕様や条件に対応して給気仕様品（第４
図）か、排気仕様品（第５図）かが選択されて出
荷され、ペリメーターゾーンに据付けられる。し
かし、いつたん据付け現場に納入されるか、ある
いは据付けが完了したのちに、建物の環境変化に
よる使用者側の要望変更により、給気仕様品（第
４図）を排気仕様品（第５図）に変更したいと
か、またその逆の仕様変更要望が出た場合には、
仕様製品の交換という非常に多大な手間がかか
る。特に壁を貫通して据付けがほぼ完了した時点
で変更の要望がでると、取りはずしや運搬などの
作業が必要となり、多大な時間と手間がかかると
いう問題があつた。

本発明はこのような問題点を解決するもので、
一機種の製品で給気仕様と排気仕様のどちらかへ
容易に組替えの行なえる空気調和機を提供するこ
とを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために、本発明は本体内
に室内熱交換器および室内送風機を有する室内ユ
ニツト部と、室外熱交換器および室外送風機を有
する室外ユニツト部と、前記室内ユニツト部と前
記室外ユニツト部とを仕切る仕切板を設けたもの
において、前記仕切板の中央部に前記室内ユニツ
ト部と室外ユニツト部を連通する開口部を設け、
前記開口部に両翼のダンパーと、この両翼のダン
パーを開にしたとき前記開口部の中央より上下ど
ちらかの開口部を閉とするように遮蔽する遮蔽折
り曲げ片を有する送風機を設けた構成としたもの
である。

作 用 この構成により排気仕様品に設定する場合に
は、送風機に設けた遮蔽折り曲げ片によつて、仕
切板の開口部の下側を遮蔽するようにして送風機
を取付けて排気を行ない、また給気仕様品に設定
する場合には、前記送風機を上方に取付けて開口
部の上側を遮蔽して給気を行ない、給気仕様品ま
たは、排気仕様品のいずれかの選択を容易に行な
うこととなる。

実施例 以下本発明による一実施例を第１図〜第３図に
もとずいて説明する。第１図において、２１は外
壁２２を貫通して固定されたスリーブ２３の内側
に納められた壁貫通形空気調和機の本体であり、
外側にはガラリ２４を設けている。

この本体２１は仕切板３０で仕切られた室内ユ
ニツト部２９と室外ユニツト部３５を有してい
る。前記室内ユニツト部２９は室内熱交換器２５
と室内送風機２６を備え、下方に室内吸込口２７
を設けるとともに上方に室内吹出口２８とを設け
て構成されている。また、室外ユニツト部３５は
室外熱交換器３１、室外送風機３２を備え、ガラ
リ２４に対向した室外給気口３３と室外吹出口３
４を設けて構成されている。

また前記仕切板３０の中央部には室外ユニツト
部３５と室内ユニツト部２９とに連通する開口部
３６を設け、この開口部３６の水平方向のほぼ中
心に室外送風機の取付板３７が位置して設けら
れ、前記開口部３６を開閉するため45゜程度の角
度に動作する両翼のダンパー３８が設けられてい
る。第３図において前記室内送風機２６には、室
内送風機２６を固定する前記取付板３９と、この
取付板３９には仕切板３０側であつて、下方へ折
り曲げて形成し、開口部３６の上開口部３６ａを
遮蔽するか、または下開口部３６ｂを遮蔽する遮
蔽折り曲げ片４０を設けている。そしてこの遮蔽
折り曲げ片４０は、前記上開口部３６ａの面積お
よび下開口部３６ｂの面積より少し大きくなるよ
うに設けられている。４１，４２は仕切板３０の
側方において、取付板３９と一体になつた室内送
風機２６の固定用の穴である。また４３はダンパ
ーモーターである。

上記構成において、仮に建築条件や様式等によ
り排気仕様品としての要望があつたときには、第
１図に示すような室内送風機２６の取付位置とな
る。すなわち室内送風機２６の位置を下側に固定
し、開口部３６の下開口部３６ｂを取付板３９の
遮蔽折り曲げ片４０によつて遮蔽することにな
る。このように遮蔽することによつて、ダンパー
３８が図中点線位置まで開になると、室内吸込口
２７より流入した室内の空気の大部分は、室内送
風機２６より室内熱交換器２５を通過して室内吹
出口２８より吹き出されるが、一部の空気が上開
口部３６ａより図中点線矢印のように室外ユニツ
ト部３５へ流れ、室外給気口３３より流入し室外
送風機３２により室外熱交換器３１を通過して室
外吹出口３４より吹き出される屋外の空気ととも
に排気されることになり、排気仕様品として構成
する。

次に給気仕様品としての要望があつたときは、
第２図に示すように、室内送風機２６を上方にず
らせて取付けることによつて開口部３６の上開口
部３６ａを遮蔽折り曲げ片４０により遮蔽する。
そしてダンパー３８が図中点線位置まで開になる
と、室外給気口３３より流入した屋外の空気の大
部分は室外送風機３２によつて、室外熱交換器３
１を通過して室外吹出口３４より屋外へ吹き出さ
れるが、一部の空気は図中点線矢印のように下開
口部３６ｂより室内ユニツト部２９に流れ、室内
吸込口２７より流入し室内送風機２６により室内
熱交換器２５を通過して室内吹出口２８より吹き
出される室内の空気とともに給気されることにな
り、給気仕様品として構成する。

この結果、一つの壁貫通形の個別形空気調和機
によつて給気仕様品と排気仕様品とを、据付け後
においても対応できるのである。なお本実施例で
はダンパーモーター４３によるダンパー３８の開
閉を行なうが、ワイヤーなどによる操作であつて
もよい。

発明の効果 以上の実施例の説明より明らかなように本発明
によれば、室内ユニツト部と室外ユニツト部を仕
切る仕切板の中央部付近に開口部を設け、この開
口部に両翼のダンパーを設けて、前記開口部の中
央より上下どちらかの開口部を閉とする遮蔽折り
曲げ片を有する送風機を設けるようにしたから、
排気仕様品とするときは室内送風機を下方側の位
置にして排気を行なわしめ、給気仕様品とすると
きは室内送風機を上方側の位置にして給気を行な
うというように、各々対応することができ、一つ
の個別形空気調和機で給気と排気のどちらの機種
としてもまかなえるのである。したがつてビルデ
イングなどの建物において、環境変化により仕様
変更を行なう必要が生じた場合には、容易にどち
らの仕様にも現地対応することができ、しかも据
付後においても容易に変更が可能となるなどの効
果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による個別形空気調
和機の換気装置の排気状態を示す断面図、第２図
は同換気装置の給気状態を示す断面図、第３図は
同換気装置の部分斜視図、第４図は従来の個別形
空気調和機の給気仕様品を示す断面図、第５図は
同個別形空気調和機の排気仕様品を示す断面図で
ある。 ２１……本体、２６……室内送風機、２９……
室内ユニツト部、３０……仕切板、３２……室外
送風機、３５……室外ユニツト部、３６……開口
部、３６ａ……上開口部、３６ｂ……下開口部、
３８……ダンパー、３９……取付板、４０……遮
蔽折り曲げ片。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 本体内に室内熱交換器および室内送風機を有
   する室内ユニツト部と、室外熱交換器および室外
   送風機を有する室外ユニツト部と、前記室内ユニ
   ツト部と前記室外ユニツト部とを仕切る仕切板を
   備え、この仕切板の中央部付近に前記室内ユニツ
   ト部と室外ユニツト部を連通させる開口部を設
   け、前記開口部に両翼のダンパーと、この両翼の
   ダンパーを開にしたとき、前記開口部の中央より
   上下どちらかの開口部を閉とするように遮蔽する
   遮蔽折り曲げ片を有する送風機を設けてなる個別
   形空気調和機の換気装置。