JP2573345Y2 - 通風型二重サッシ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、窓枠と内ガラスと外
ガラスとで区画形成されたブラインド内蔵の通気室を有
し、この通気室に室内空気を通すことにより空調機の熱
負荷を軽減する通風型二重サッシに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の通風型二重サッシの一例を図３に
示す。この通風型二重サッシ１は、窓枠２と内ガラス３
と外ガラス４とで囲まれた通気室５を有する。通気室５
の上方には排気ファン６が設けられ、この排気ファン６
は、通気室５の下部の排気口５ａから取り入れた室内空
気ＥＡ０を通気取入口５ｂを通して外部へ排気ＥＡとし
て排出する。

【０００３】通気室５にはブラインド７が設けられ、日
射光線を遮蔽するようになっている。窓ガラス４、３を
通過する日射光線量の制御はブラインド７の傾斜角を変
えることにより行われる。なお、通風型二重サッシ１
は、建物外周部８に取り付けられる。

【０００４】冷房時には、ブラインド７は全閉され、太
陽光線により生じたブラインド７の熱は通気室５を通過
する冷気としての室内空気ＥＡ０により奪われ、ブライ
ンド７の温度は低下し、ブラインド７から室内への輻射
熱は低減する。これにより、室内空調機の熱負荷は低減
される。

【０００５】また、暖房時には、ブラインド７は全開さ
れ、太陽の輻射熱は室内に与えられると共に、通気室５
を通過する暖気としての室内空気ＥＡ０により、輻射熱
が室内に与えられ、外気の冷熱の伝達が抑制される。こ
れにより、室内空調機の熱負荷は低減される。

【０００６】従来の通風型二重サッシの他の例を図４に
示す。図４の通風型二重サッシが図３と異なる点は、複
数の通風型二重サッシ１を接続するためのダクト９を有
している点である（図４においては通風型二重サッシは
１つしか示してないが、実際は複数の通風型二重サッシ
がダクト９を介して接続されている）。すなわち、排気
口５ａから取り入れられた室内空気ＥＡ０は、通気室５
およびダクト９を経由して、排気ＥＡとして、集中型排
気ファン６により外部排気口９ａから排出される。従っ
て、集中型排気ファン６は、通風型二重サッシ１の数に
応じた容量のものとする必要がある。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】このような従来の通風
型二重サッシにおいては次のような問題があった。

【０００８】まず、図３の問題として、サッシ１の上部
に排気ファン６を組み込んでいるため、排気ファン６の
メンテナンスが困難であるという問題があった。また、
屋外の騒音、風雨が排気ファン６、通気室５を介して侵
入するという問題があった。次に、図４の問題として、
サッシ１の上部の排気ダクト９を介して複数のサッシ相
互間およびサッシ１と屋外の集中型排気ファン６とを接
続するダクト工事が必要であり、施工の簡素化が図れな
いという問題があった。

【０００９】この考案は上述した従来の問題点に鑑みて
なされたもので、その目的は、排気ファンのメンテナン
スが容易で、屋外の騒音、風雨が侵入せず、かつ、ダク
ト工事が不要で施工の簡素化が図れる通風型二重サッシ
を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】そこでこの考案では、窓
枠と内ガラスと外ガラスとで区画形成されたブラインド
内蔵の通気室を有し、この通気室に室内空気を通す通風
型二重サッシにおいて、前記室内空気を前記通気室の上
部から取り入れ下部から排出する排気ファンを内蔵した
腰壁部を前記通気室の下方に備えた。

【００１１】

【作用】この考案による通風型二重サッシにおいては、
通気室の下方に位置する腰壁部に内蔵された排気ファン
により、室内空気は通気室の上部から吸引され、腰壁部
から外気へ排出される。

【００１２】このように排気ファンが通気室の下方にあ
る腰壁部に配置されたことにより、排気ファンへの接近
が容易となり、そのメンテナンスが容易となる。また、
屋外の騒音、風雨が室内に侵入しないように、屋外と室
内とを腰壁部により隔てることができる。さらに、ダク
ト工事は不要となり、施工の簡素化を図ることができ
る。

【００１３】

【実施例】以下、この考案による通風型二重サッシの一
実施例について図面を参照して説明する。

【００１４】図１は、この考案の一実施例に係る通風型
二重サッシを示す概略断面図である。また、図２は腰壁
部を詳細に示す構成図である。

【００１５】図１、図２に示す通風型二重サッシ１０が
図３、図４の従来の通風型二重サッシと異なる点は、排
気口５ａを通気室５の上部に設け、排気ファン６を通気
室５の下方すなわちサッシ下部にある腰壁部１１に内蔵
し、腰壁部１１を建物外周部８に取り付けるための取付
け部１２と窓枠２との間に外部排気口１１ａを設けた点
である。

【００１６】このような構成の通風型二重サッシ１０に
おいては、通気室５の上部の排気口５ａから取り入れら
れた室内空気ＥＡ０は、通気室５を経由して、通気取入
口５ｂから通気ＥＡ１として腰壁部１１内蔵の排気ファ
ン６に取り入れられ、外部排気口１１ａから排気ＥＡと
して排出される。

【００１７】外部排気口１１ａは、外壁面から外周部８
の厚みだけ引っ込んだ所にあり、風雨の影響を受けにく
い。また、外部排気口１１ａと室内とは腰壁部１１の筐
体１１ｂにより隔てられており、外部からの騒音が侵入
しにくい構造となっている。このように、排気ファン６
が通気室５の下方にある腰壁部１１に配置されたことに
より、排気ファン６への接近が容易となり、そのメンテ
ナンスが容易となる。排気ファン６への接近は、腰壁部
１１の筐体１１ｂに点検扉（図示せず）を取り付けるこ
とにより容易となる。また、腰壁部１１の筐体１１ｂに
より、屋外の騒音、風雨は室内に侵入しにくい。すなわ
ち、腰壁部１１の排気ガラリ部１３に十分な処理を行っ
て、騒音、風雨の侵入を阻止することが可能である。さ
らに、図１、図２に示す通風型二重サッシ１０にはダク
トは無いので、施工の簡素化を図ることができる。

【００１８】なお、通気室５を流れる室内空気ＥＡ０お
よびブラインド７により室内空調機の熱負荷が軽減され
る点は従来と同様である。

【００１９】

【考案の効果】以上説明したように、この考案に係る通
風型二重サッシは、室内空気を通気室の上部から取り入
れ下部から排出する排気ファンを通気室の下方の腰壁部
に内蔵したことにより、排気ファンへの接近が容易とな
り、そのメンテナンスが容易となる。また、屋外の騒
音、風雨が室内に侵入しないように、屋外と室内とを腰
壁部により隔てることができる。さらに、ダクト工事は
不要となり、施工の簡素化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案による通風型二重サッシの一実施例を
示す概略断面図である。

【図２】図１の通風型二重サッシを構成する腰壁部を詳
細に示す構成図である。

【図３】従来の通風型二重サッシの一例を示す概略断面
図である。

【図４】従来の通風型二重サッシの他の例を示す概略断
面図である。

【符号の説明】

２ 窓枠 ３ 内ガラス ４ 外ガラス ５ 通気室 ５ａ 排気口 ５ｂ 通気取入口 ６ 排気ファン ７ ブラインド ８ 建物外周部 １０ 通風型二重サッシ １１ 腰壁部 １１ａ 外部排気口 １２ 取付け部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 香取 茂雄 神奈川県川崎市中原区中丸子135番地 不二サッシ株式会社内 (72)考案者 北川 寛 東京都港区三田３−13−16 日本ピーマ ック株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−66392（ＪＰ，Ａ) 実開 平４−66292（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−42697（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) E06B 9/264 E06B 7/02 F24F 7/10

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 窓枠と内ガラスと外ガラスとで区画形成
   されたブラインド内蔵の通気室を有し、この通気室に室
   内空気を通す通風型二重サッシにおいて、 前記室内空気を前記通気室の上部から取り入れ下部から
   排出する排気ファンを内蔵した腰壁部を、前記通気室の
   下方に備えたことを特徴とする通風型二重サッシ。