JPS6131376B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はホテル、病院などの客室等の室内空気
調和用のフアンコイルユニツトに関する。

従来のフアンコイルユニツトを用いた空気調和
には換気方法により大きく分けて２種類あるが、
各々には次に述べるような欠点がある。その１は
第１図に示すように外気処理空調器１のエアーフ
イルター２、コイル３、フアン４により調和され
た外気はダクト５により室内Ｒの天井面に取り付
けられた吹出口６から室内Ｒに供給される。然し
換気用外気のみでは完全に室温調節が出来ないの
で、天井裏又は床上に設置したフアンコイルユニ
ツト７のフアン８、コイル９により室内空気を循
環させ、室温調節している。尚換気用の排気は客
室に附設した排気口（図示せず）より室外に排出
される。この第１の換気方法の場合、前記外気処
理空調器１とダクト５の保温保冷工事のほか、外
気用吹出口６の設置工事が特に必要となるため、
施工費の大幅な増加につながる欠点があつた。そ
の２は第２図に示すように外気処理空調器１′の
エアーフイルター３、フアン４により過された
外気を温度調節することなくダクト５により室内
Ｒに設置されたフアンコイルユニツト７の吸込口
７ａへ給送し室内循環空気と共にフアン８、コイ
ル９により空気調和して室内Ｒに供給する。換気
用の排気は第１の方法と同様に排気口より室外に
排出する。この第２の場合には前記第１の換気方
法にみられた施工費増加の欠点は除去されるが、
なお次のような欠点を有している。一般にフアン
コイルユニツト７は室内負荷の大きさに応じてフ
アン８の回転が強、中、弱、および停止に切換可
能になつているが、フアンコイルユニツト７のフ
アン８による風量調節は弱の場合でも最大風量の
３分の１程度にしか減少し得ないものであるか
ら、夏季昼間の冷房負荷の大きいときにはフアン
コイルユニツト７のフアン８を通常運転すること
によつて適度の冷房が可能であるが、夜間は冷房
負荷が非常に減少するため、たとえフアン８の回
転を弱にしても、能力が過大で室温が下りすぎ
る。そのためフアンコイルユニツト７のフアン８
を停止すれば温度調節されていない外気の大半
は、通過抵抗の大きなフアン８、コイル９を通過
せずに、通過抵抗の小さな室内空気吸込口１０よ
り室内へ吹き出すため室温保持が出来ず在室者に
不快感を与える欠点がある。たとえフアン８の停
止時に吸込口１０を全閉するシヤツター等を取付
けたとしても、停止したフアンの通過抵抗が大き
いため換気用外気の送風エネルギー損失と換気量
の減少という欠点を生じ、何ら根本的解決とはな
らない。

この発明は上記事情に鑑みてなされたものであ
つて、第３図にその空気調和システムを示すよう
に、本発明に係るフアンコイルユニツト１１は、
外気処理空調器１′とダクト５により供給された
換気用外気の吹出ノズル１３を適数個有するノズ
ルチヤンバー１４を、フアン８の吹出口８ａとコ
イル９の給気側９ａとを接続する外匣１２の内部
のフアン吹出口開口面と略々同一の面内に形成
し、該外匣１２の外側面に前記ノズルチヤンバー
１４の換気用外気取入口１４ａを臨ませてあるこ
とを特徴とするものである。

よく知られているように、必要換気量は室の構
造又は収容人員などにより変化するが、通常はフ
アンコイルユニツトのフアン８の循環風量の略々
１／８〜１／３に相当する換気量を必要とするものであ
り、 第４図乃至第７図は上記換気量を充足する本発明
の実施例を示す。第４図と第５図は、低風量乃至
中風量の換気を行うためのフアンコイルユニツト
の左側断面と正面断面とを略示し、換気用外気取
入口１４ａは該フアンコイルユニツトの設置態様
を考慮して上下何れ側にでもダクト５を接続出来
るように設けてあり、又使用しない方の換気用外
気取入口は盲板で覆われる。ノズルチヤンバー１
４は２台のフアン８，８の中央空間部Ａと各フア
ンの吹出口８ａ，８ａ下方の空間部Ｂとにまたが
つて一体的に形成されており、その吹出ノズル１
３は、換気用外気が適宜数のスリツト１３ａから
コイル給気側９ａの方向に吹き出るように、フア
ンの吹出口８ａ，８ａの直下で且つコイル給気側
９ａと対面するノズルチヤンバー１４の正面壁に
設けてある。２台のフアン８，８は室内空気循環
用のフアンで、室内空気の吸込口１０（第３図参
照）より吸い込まれた室内空気が外匣１２の背面
に設けた吸込口１２ａ及び各フアンの吸込口８
ｂ，８ｂを通過後、各フアンの吹出口８ａ，８ａ
よりコイル給気側９ａの方向に吹き出るように構
成されている。１５は各フアンの吹出口８ａ，８
ａの開口部全体を覆う遮蔽板であつて、該遮蔽板
は、フアンから吹き出した空気の風圧によりコイ
ル給気側９ａの方向に全体が回動するように、そ
の上端両側を回動自在に軸支されており、フアン
８の停止時に吹出ノズルのノズルスリツト１３ａ
から吹き出す換気用外気がフアンの吹出口８ａに
逆流するのを防止する。９は換気用外気及び室内
循環空気を加熱又は冷却するコイルで、該コイル
９で調和された空気が外匣１２の正面板に設けた
吹出口１２ｂより室内に吹き出るよう構成されて
いる。１６はコイル９の冷却時に発生する露結水
を受け集める受皿である。１７は外匣１２内部に
形成したフアン室Ｃとコイル室Ｄを仕切る仕切板
で、前記ノズルチヤンバー１４も仕切板の一部と
して機能する。

また第６図と第７図は中風量乃至高風量の換気
を行うためのフアンコイルユニツトの左側断面と
正面断面を略示し、前記第４図及び第５図に示し
たフアンコイルユニツトと構成が異なる所は、ノ
ズルチヤンバー１４′の形状と遮蔽板１５（第４
図参照）の設置を省略した点のみである。ノズル
チヤンバー１４′は２台のフアン８，８の中央空
間部Ａ並びに各フアンの吹出口８ａ，８ａ下方の
空間部Ｂ及び外匣１２の外側板と各フアン８，８
との間隙部Ｅ，Ｅにまたがつて各フアンの吹出口
８ａ，８ａを囲繞するよう一体的に形成されてお
り、そのノズル１３は、ノズルスリツト１３ａか
らコイル給気側９ａの方向にフアンの吹出口８
ａ，８ａを囲繞するように吹き出た換気用外気が
その動圧に対応する負の静圧を各フアンの吹出口
８ａ，８ａに発生するように、該ノズルチヤンバ
ー１４′のコイル給気側９ａと対面する正面壁に
設けてある。またノズル１３に設けたノズルスリ
ツト１３ａは換気量に応じて各ノズルスリツト開
口部の全部又は一部を盲板により覆う等の適宜の
手段によりノズルスリツトの箇数又は各ノズルス
リツトの開口面積を変化できる構造となつてい
る。

この発明に係るフアンコイルユニツトは、上述
の如き構成よりなるため、下記の如き秀れた利点
を備えている。

予め温度調節済みの換気用外気を必要としな
いため、外気処理空調器のコイル及びコイルの
配管工事並びに換気用外気供給用ダクトの保温
保冷工事が不要となり施工費の大幅な低減がで
きる。

換気用外気の全部をフアンコイルユニツト１
１のコイル９で温度調節してフアンコイルユニ
ツトの吹出口１２ｂより室内に供給するため、
第１図に示す如く従来方法に必要とした換気用
外気の吹出口６の設置工事が不要となり施工費
の大幅な低減ができる。

換気用外気をフアン８を通過させることなく
直接コイル９に供給することとにより、第２図
に示す如く換気用外気がフアン８を通過するこ
とによる送風エネルギー損失と換気量の減少と
いう従来方法の欠点を除去し、常に安定した換
気ができる。

換気用外気吹出ノズル１３のノズルスリツト
１３ａの開口面積を増減することにより、種々
の必要換気量に対応することができる。

夜間就寝時は、熱交換量が少ないためフアン
８を停止して換気用外気で室温調節する場合等
において換気用外気のみでは熱交換量が不足す
るときでも、第６図及び第７図に示す如きフア
ンコイルユニツトを使用すれば、たとえフアン
８を停止していても換気用外気の順方向吹出し
によりフアン吹出口８ａ，８ａに負の静圧を発
生させ、少量の室内空気をフアンコイルユニツ
トに吸引し換気用外気と共にコイル９で熱交換
して室内に供給することができるので、熱交換
量の不足を補いフアン騒音のない快適な空調が
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の公知のフアンコイル
ユニツトを用いた空気調和システムを説明するた
めの側面図、第３図は本発明に係るフアンコイル
ユニツトを用いた空気調和システム全体の側面
図、第４図及び第６図は本発明に係るフアンコイ
ルユニツトの実施例を示す左側断面図、第５図及
び第７図は夫々第４図、第５図の正面断面図であ
る。 ８……フアン、９……コイル、９ａ……給気
側、１１……フアンコイルユニツト、１２……外
匣、１３……ノズル、１４……ノズルチヤンバ
ー、１４ａ……換気用外気取入口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 空気を吸引するフアンと該フアンにより給送
   される空気を加熱又は冷却するコイルとを有する
   室内空気調和用フアンコイルユニツトにおいて、
   フアンの吹出口とコイルの給気側とを接続する外
   匣内部のフアン吹出口開口面と略々同一の面内に
   換気用外気の吹出用ノズルを適宜数有するノズル
   チヤンバーを形成し、該ノズルチヤンバーの換気
   用外気取入口を前記外匣の外側面に臨ませてある
   ことを特徴とするフアンコイルユニツト。 ２ 前記ノズルの数又は前記各ノズルの換気用外
   気吹出開口部の開口面積を増減することにより、
   換気量を調節可能にしたことを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載のフアンコイルユニツト。