JPS5937632Y2 - 空調換気扇 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は室内空気と室外空気とを熱交換しつつ入れ換え
て室内空気の調整を図る空調換気扇の改良に関する。

この種空調換気扇は、通常の一般換気扇と違って排気フ
ァンのみならず吸気ファン並びに熱交換器を有していて
、その吸気ファン及び排気ファンの運転により室内空気
と室外空気との入れ換えを積極的に行ない且つこの折り
にそれら室内外空気を熱交換器により熱交換せしめるこ
とによって、例えば冬季に於いては暖房により温められ
た室内空気によって冷たい室外空気を加温しつつ吸入し
、又、夏季に於いては冷房によって冷やされた室内空気
によって熱い室外空気を冷却しつつ吸入するといった作
用をなすものであるから、それにより室内空気の清浄度
を良好に保ち得るばかりでなく該室内の温度変化をも極
力少なく抑え得るという利点を有するものである。

然しなから斯様に優れた利点を有する空調換気扇も、従
来はそれが各室毎に取付けて使用せられるものであった
ため、例えば二つの室については二台の空調換気扇を必
要とし、その分製品費ばかりでなく個々の取付けに要す
る工事費や取付後の使用に要する電気代等まで大いに嵩
み経済的に不利となる欠点を呈していた。

殊に近年、空港や高速鉄道等の周辺地に於いては施工者
側の義務もあって防音のため家屋の全室密閉化が進んで
おり、斯様に密閉された家屋に於いては前述の他構造上
或いは熱交換器の特性として遮音性能にも優れた空調換
気扇が特に必要とされるのであるが、然し、これを全室
につき前述の如く一金兄取付けていたのでは費用が膨大
となり、又、その−金兄から僅かながら埋れて総合的に
聞こえる騒音やその一金兄が各室毎に発する運転音も無
視できなくなる問題があった。

本考案は上述の如き事情に鑑みてなされたものであり、
従ってその目的は、１台にて複数の室の空調換気ができ
、以て費用を安く抑え且つより静かに使用できる実用上
極めて有益な空調換気扇を提供するにある。

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説明するに
、先ず第１図に於いて、１は外筐であり、その内部の図
中左側片半部には主仕切板２により隔てて後側に吸気フ
ァン３を、前側に排気ファン４を夫々配設している。

ここで、それら吸気ファン３及び排気ファン４は詳細に
は上記主仕切板２に貫着したモータ５を共通の駆動源と
して有するもので、その他吸気ファン３はモータ５に取
付けた羽根車６及びこの羽根車６を囲繞して前記外筐１
内の図中右側片半部との間を仕切ったケーシング７を有
して成り、他方、排気ファン４もモータ５に取付けた羽
根車８及びこの羽根車８を囲繞して同じく外筐１内の図
中右側片半部との間を仕切ったケーシング９を有して成
る。

１０はゲージング７の従って吸気ファン３の吸気口で、
１１は吐気口、又、１２はケーシング９の従って排気フ
ァン４の吸気口で、１３は吐気口である。

一方、１４は上記外筐１内の図中右側片半部に配設した
いわゆる直交形の熱交換器で、周知であるから詳細な構
造の説明は割愛するが、要するに吸気通路１５と排気通
路１６とを多数夫々熱交換可能に交差させて有する菱形
直方体状のものであり、四方を前述の主仕切板２の他こ
れに加えて設けた補助仕切板１７．１８，１９により隔
絶して保持せしめている。

さて、以上にあって前記外筐１の後面部には前記吸気フ
ァン３の吸気口１０に臨ませて外気吸入口２０を、又、
上記熱交換器１４の排気通路１６出口に臨ませて内気吐
出口２１を夫々形成しており、他方、前面部には排気フ
ァン４の吸気口１２に臨ませて内気吸入口２２を、又、
熱交換器１４の吸気通路１５出口に臨ませて外気吐出口
２３を夫々形成している。

そして又、外筐１の図中左側面部には上記内気吸入口２
２と同様にして今一つの内気吸入口２４を形成しており
、更に外筐１の図中右側面部には上記外気吐出口２３と
同様にして今一つの外気吐出口２５を形成している。

尚、２６は壁で、前記外筐１はこの壁２６を貫通して前
方の室内側及び後方の室外側にわたり取付けられている
。

又、２７，２８，２９及び３０は前述の外気吸入口２０
、内気吐出口２１゜内気吸入口２４及び外気吐出口２５
１／Ｃ夫々接続せられるダクトで、その接続には第２図
に示す様なダクト３１を使用する様にしており、それ以
外特に上記内気吐入口２４及び外気吐出口２５を閉塞す
るに当たっては第３図に示す様な蓋３２を使用する様に
している。

そこで今、外気吸入口２０及び内気吐出口２１にのみ夫
々ダク）２７，２８を接続してこの両ダク）２７．２８
を室外に連通させ、内気吸入口２４及び外気吐出口２５
は夫々蓋３２により閉塞した状態にて、運転を開始せし
めると、吸気ファン３０作用によりダク）２７を通じて
外気吸入口２０から吸入される室外空気が図中矢印Ａで
示す如く熱交換器１４の吸気通路１５を通って外気吐出
口２３から該外気吐出口２３及び内気吸入口２２が直接
連通した室の内部へと吐出されるもので、他方、排気フ
ァン４の作用により上記内気吸入口２２から吸入される
室内空気は図中矢印Ｂで示す如く熱交換器１４の排気通
路１６を通って内気吐出口２１からダクト２８を通じ室
外へと吐出される。

そしてこのとき上記交換器１４部分では吸気通路１５を
通る室外空気と排気通路１６を通る室内空気とが熱交換
をするものであり、斯くして前記内気吸入口２２及び外
気吐出口２３が直接連通した室唯−の空調換気が行なわ
れる。

これに対して前記外気吸入口２０及び内気吐出口２１に
夫々ダク）２７．２８を接続してこの両ダク）２７．２
８を室外に連通させたことに加え、内気吸入口２４及び
外気吐出口２５にも夫々ダク）２９，３０を接続してこ
の両ダクト２９．３０を前述の内気吸入口２２及び外気
吐出口２３が直接連通した室とは別の一室に連通せしめ
、この状態にて運転を開始せしめると、前述の矢印Ａ、
Ｂによる当初の一室の室内空気の入れ換えに加え、他の
一室についてもその室内空気がダクト２９を通じ内気吸
入口２４から矢印Ｃで示す如く吸入されて先の排気流（
矢印Ｂ）と合わせ室外へと吐出される一方、室外空気が
先の吸気流（矢印Ａ）から矢印りで示す如く分かれて外
気吐出口２５からダクト３０を通じ上記他の一室内へと
吐出されるもので、即ち他の一室の室内空気の入れ換え
も同時に行なわれるものであり、勿論その室内外空気は
前述同様にして熱交換されるから、斯くして当初の一室
の空調換気と併せ他の一室の空調換気も一台にて所望に
行なわすことができるものである。

同、本考案は上述の様な二室の空調換気を行なうものに
限られるのではなく、例えばダクト２９゜３０に夫々枝
管を設けたり内気吐入口２４及び外気吐出口２５自体の
数を増したりすることによって吸気ファン３や排気ファ
ン４並びに熱交換器１４をや＼大きくしたりすることも
合わせ、三室或いは凹室、石室と多数の室の空調換気を
行なう様にしたものであっても良い。

又、内気吸入口２２や外気吐出口２３も室に直接連通さ
せるものに限らず夫々ダクトを介して連通させる様にし
ても良く、要するに本考案の場合外気用及び内気用の如
何を問わず吸入口及び吐出口のすべてが夫々ダクトを介
して室外に或いは室内へと連通ずるものであっても良い
。

尤も、前述の場合も含めて外気吸入口２０及び内気吐出
口２１が直接室外に連通ずるものの場合にはダク）２７
，２８等は不要ならしめ得る。

その他、本考案は上記し且つ図面に示した実施例にのみ
限定されるものではなく、例えば吸気ファンや排気ファ
ン或いは熱交換器等の具体的構造等につき、要旨を逸脱
しない範囲内で適宜変更して実施し得る。

本考案は以上説明した様に、１台にて複数の室の空調換
気ができるものであって、それにより使用台数を減らし
得ることから、製品の購入費のみならず工事費や電気代
等まで節約することができて経済的に大いに有利ならし
め得、又、防音上でも洩れ聞こえる騒音をより少なくし
得且つ運転音も僅かに留め得るものであり、よって一段
と静かに使用できる等、実用に即した数々の効果を奏す
る空調換気扇を提供し得るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したものにて、第１図は全
体の横断面図、第２図はダクト継手単独の斜視図、第３
図は蓋単独の斜視図である。 図中、１は外筐、３は吸気ファン、４は排気ファン、１
４は熱交換器、２０は外気吸入口、２１は内気吐出口、
２２は内気吸入口、２３は外気吐出口、２４は内気吸入
口、２５は外気吐出口、２９及び３０は夫々ダクトであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気ファンによって外気吸入口から吸入した室外空気を
   外気吐出口から室内に吐出すると同時に排気ファンによ
   って内気吸入口から吸入した室内空気を内気吐出口から
   室外に吐出し併せて熱交換器によりそれら吸入後の室内
   外空気を熱交換させる様にしたものに於いて、前記外気
   吐出口と内気吸入口とを夫々複数箇所に設け、そのうち
   少なくとも一箇所宛の外気吐出口と内気吸入口とを他の
   箇所の外気吐出口及び内気吸入口が連通した室とは別の
   室に夫々ダクトを介して連通させ得る様にして成ること
   を特徴とする空調換気扇。