JPH0338077Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は船外機に関するもので、詳しくは冷却
水および排気ガスの排出用の通路に関する。

〔従来技術〕

第２図、第３図および第４図は従来の船外機を
示すものであり、この船外機１はこれに搭載され
たエンジンを冷却するため、冷却水としての海水
等をドライブシヤフトハウジング２に形成れた冷
却水取入れ通路３を通してエンジンに導いてい
る。エンジンを冷却し終つた冷却水は冷却水排水
通路４を通つた後、前記ハウジング２の上部に、
周壁５ａと底壁５ｂとを有し、ドライブシヤフト
６の図中左方域を囲う態様で形成された排水通路
部５およびドライブシヤフト６に沿つて設けられ
た排気兼冷却水排出通路７を順次通過して機外に
排出される。一方、エンジンの排気も前記ハウジ
ング２の上部に排水通路部５と一体に形成された
排気通路部８を矢印Ｅで示す如く通過した後、排
気兼冷却水排出通路７を通つて機外へと排出され
る。なお、第３図は平面図ではあるが、上記各通
路部の形状を明瞭に示すべく、ドライブシヤフト
ハウジング２の周壁および各リブにハツチングを
施した。

上記の如く構成された船外機では、冷却水排水
通路４から排水通路部５に放出された冷却水は、
矢印Ａで示すように周壁５ａに沿つて流れるの
で、この勢いにより冷却水が排気通路部８へ流れ
込み、排気圧が一時的に負圧となつたときにエン
ジンがこの冷却水を吸い込まぬよう、排水通路部
５と排気通路部８とを分断するバツフル９を設
け、排気通路部８への冷却水の侵入を防いでい
る。上記バツフル９は、第３図および第４図から
も明らかなように、垂直面に沿つて広がる板状の
部材であつて、排気通路部８への冷却水の侵入を
防ぐ目的から、上述の如く上記ハウジング２内の
排水通路部５と排気通路部８とを分断する態様
で、排気兼冷却水排出通路７の上縁部近傍にまで
垂下されている。ところが、このバツフル９はハ
ウジング２とは別体のエンジン側に固設されてお
り、さらにこのバツフル９はエンジン側とハウジ
ングとを組み付ける際の組み付け誤差を考慮して
ハウジング側の寸法よりいく分設定してあるた
め、バツフル９とハウジング２とに隙間が生じて
いる。これにより従来の船外機では上記隙間から
冷却水が矢印Ｂで示す如く排気通路部８へ流入
し、この冷却水をエンジンが吸い込む虞れがあつ
た。

〔考案の目的〕

本考案は上記問題点に鑑みて、冷却水の排気通
路部への流入を可久的に阻止する船外機を提供す
ることを目的とする。

〔考案の構成〕

上記目的を達成するため本考案では、ドライブ
シヤフトハウジングに、該ドライブシヤフトハウ
ジングと前記バツフルの端部との間〓を覆う態様
で、前記バツフルに対する排水通路部側に、上記
バツフルに沿つて該バツフルの端部と重なり合う
ように障壁を設けている。

〔実施例〕

以下、図面に示した実施例を参照しながら本考
案を詳細に説明する。

第１図に示すようにドライブシヤフトハウジン
グ２の右方部はその内部を区画するリブ３ａ，４
ａによつて冷却水取入れ通路３、冷却水排水通路
４、排気通路部８がそれぞれ形成されている。ま
たハウジング２の左方部には排水通路部５が形成
されると共に排気兼冷却水排出通路７がこれと一
体に形成されている。

上記排水通路部５は、従来の排水通路部と同
様、周壁５ａと底壁５ｂとを有し、ドライブシヤ
フト６の図中左方域を囲う態様で形成されてい
る。

なお、第１図は平面図ではあるが、上記各通路
部の形状を明瞭に示すべく、ドライブシヤフトハ
ウジング２の周壁および各リブにハツチングを施
した。前記通路部７は、その中を延設されている
ドライブシヤフト６に沿つて下方に向けて延設さ
れている。一方、ドライブシヤフトハウジング２
の上方に位置する特に図示していないエンジンブ
ロツクにはバツフル９が設けられており、これは
第１図に鎖線で示す如くハウジング２の内側に配
置されている。尚、エンジンブロツクとはクラン
クケース、シリンダブロツク、シリンダヘツド等
のエンジン構成部品は勿論、これらを支持するエ
ンジンホルダー等を含むものである。また、上記
バツフル９は、第３，４図に示した従来のバツフ
ルと同様、排水通路部５と排気通路部８とを分断
する態様で、排気兼冷却水排出通路７の上縁部近
傍にまで垂下されている。上述の如く、配置され
たバツフル９とハウジング２の側壁１０との間に
は先にも述べたように組み付け作業性に起因する
隙間が設けられており、本考案に係る船外機では
図に明示した如く、ドライブシヤフトハウジング
２の側壁１０には、上記バツフル９に対する排水
通路部側（図中左方側）に、上記間〓を覆う態様
で、上記バツフル９に沿つて拡がり、かつバツフ
ル９の端部と重なり合うように、板状の障壁１１
が突設されている。

いま、エンジンを冷却した後の冷却水は、冷却
水排水通路４から排水通路部５を通り、排気兼冷
却水排出通路７を経て機外へと排出される。この
とき排水通路部５を通過する冷却水の一部は周壁
５ａに沿つて矢印Ｃで示如く隙間に向かい流れて
ゆくが、上記障壁１１と衝突することにより、そ
の流れの方向が変り、矢印Ｄで示す如く排気兼冷
却水排出通路７に向つて流れ、該排出通路７を経
て機外へと排出される。

すなわち、壁面５ａに沿つて〓間に向かい流れ
る冷却水は、上記障壁１１の働きによつて、排気
兼冷却水排出通路７へ強制的に流入させられるこ
ととなる。

これにより、バツフル９の端部と障壁１１との
間に、第１図に示す横方向の〓間があつても、バ
ツフル９の端部とハウジング２との間の〓間に流
入しようとする冷却水は、障壁１１により事前に
排除されるため、排気通路部８への冷却水の流入
は未然に防止されることとなる。

なお、バツフル９における図中上端側にもドラ
イブシヤフトハウジング２との間に〓間がある
が、この部位では冷却水の流れによる冷却水の侵
入は位置的な関係により特に問題とする程ではな
いが、必要に応じ本考案を適用することは可能で
ある。また本例では障壁１１をハウジング２と一
体とし、突出形成するよう構成したが、障壁１１
を別体の部品としてハウジングに組み付けるよう
構成することも有効である。

〔考案の効果〕

以上のように本考案に係る船外機によれば、ド
ライブシヤフトハウジングに、該ドライブシヤフ
トハウジングと前記バツフルの端部との〓間を覆
う態様で、前記バツフルに対する排水通路部側
に、上記バツフルに沿い、かつ端部と重なり合う
ように障壁を設けたことにより、エンジンブロツ
クとドライブシヤフトハウジングとの組み付け性
を損なうことなく従来の欠点であつた排気通路部
への冷却水の流入を防ぎ、よつてエンジンが冷却
水を吸い込む不都合を可久的に抑制することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るドライブシヤフトハウジ
ングの平面図であり、第２図は従来の船外機の一
部を破断して示した側面図、第３図は同じく従来
の船外機のドライブシヤフトハウジングの平面図
であり、第４図はバツフルの設置位置を示す従来
の船外機の要部縦断面図である。 １……船外機、２……ドライブシヤフトハウジ
ング、３……冷却水取入れ通路、４……冷却水排
水通路、５……排水通路部、８……排気通路部、
９……バツフル、１０……側壁、１１……障壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドライブシヤフトハウジングに冷却水の排水通
   路部と、排気ガスの排気通路部とを形成すると共
   に、エンジンブロツクにバツフルを設け、該バツ
   フルを前記排水通路部と排気通路部との会合部に
   位置させて冷却水が排気通路部へ流入することを
   抑制するようにした船外機において、 前記ドライブシヤフトハウジングに、該ドライ
   ブシヤフトハウジングと前記バツフルの端部との
   間〓を覆う態様で、前記バツフルに対する排水通
   路部側に、上記バツフルに沿つて該バツフルの端
   部と重なり合うように障壁を設けたことを特徴と
   する船外機。