JPH0627777Y2 - エンジンのオイルセパレ−タ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、エンジンのオイルセパレータ装置に関し、特
にエンジン外部に設けられるオイルセパレータ装置に関
するものである。

（従来技術） 一般に、エンジンのオイルセパレータはシリンダヘッド
カバー内に設けられるが、シリンダヘッドカバー内にオ
イルセパレータを設けるスペースが確保できなかった
り、オイルセパレータの容量アップのために該セパレー
タを大型化した場合、エンジン外部に設ける必要が生じ
る。

例えば、実開昭５５−１０６３２３号に見られるよう
に、シリンダヘッドカバーからブローバイガスを取出
し、エンジン外部に設けられたオイルセパレータにより
オイルミストを除去したブローバイガスをエアクリーナ
に供給し、オイルミストをオイル戻し管を介してシリン
ダ内にドレーンするようにした技術が公知である。

しかしながら、オイルミストのドレーン口、すなわちオ
イル戻し管のエンジン側取付部は、オイル飛散部を避け
た箇所に設けることと、オイル戻し管の取付けに際して
シール機能および取付構造の簡略化が要求されるため、
上記先行技術においては、別途飛散オイル逆流防止構造
とシール構造ととを設けて取付ける必要があり構造が複
雑化するという問題がある。

（考案の目的） 本考案は上記事情に鑑み、エンジンの外部に設けられた
オイルセパレータに一端が接続されたオイルドレーンパ
イプの他端をシリンダヘッドカバーとシリンダヘッド間
の半月状のシール部材に差込むことにより、別途飛散オ
イル逆流防止構造とシール構造とを設けて取付けること
なく簡単な構造で飛散オイル逆流防止機能とシール機能
とを備えたオイルドレーンパイプの取付けを行なうよう
にしたエンジンのオイルセパレータ装置を提供すること
を目的とするものである。

（考案の構成） 本考案のオイルセパレータ装置は、エンジン外部に設け
られたオイルセパレータに一端が接続されたオイルドレ
ーンパイプの他端を、タイミングチェーンカバーを構成
するシリンダヘッドカバーとシリンダヘッドの一側端部
の合わせ面で且つカムプーリと対向する位置に設けた半
月状のシール部材に嵌挿したものである。

（考案の効果） 本考案によれば、オイルドレーンパイプをシリンダヘッ
ドカバーとシリンダヘッドとの間で且つカムプーリと対
向する位置に設けた半月状のシール部材に嵌挿するだけ
で、別途シール構造を設けることを不用とするととも
に、差込むだけの接続としたことにより、オイルドレー
ンパイプの取付構造を簡略化できるという利点を有す
る。また、オイルドレーンパイプ嵌挿口が、飛散オイル
の少ない位置でかつカムプーリに対向する位置に設けら
れているため、前記オイルドレーンパイプ挿入口近傍で
は飛散オイルそのものが少ないのに加え、飛散オイルが
ドレーンパイプ内に入る場合カムプーリがその障害物と
なり、別途逆流オイル防止構造を設けることなく、オイ
ルドレーンパイプ内に飛散オイルが入りにくいという利
点を有する。

（実施例） 以下、図面により本考案の実施例を説明する。

オイルセパレータ装置１はシリンダヘッドカバー２の上
部に位置し、取付ブラケット３，４を介して上記シリン
ダヘッドカバー２に取付けられている。

上記オイルセパレータ装置１の全体構成は、シリンダヘ
ッドカバー２に一端が接続されたブローバイガス取出通
路５と、該取出通路５の他端が接続され、その内部にブ
ローバイガス中のオイルミストを分離する分離通路（図
示せず）が形成されたオイルセパレータ６と、該セパレ
ータ６でオイルミストが除去されたブローバイガスを吸
気通路へ供給すべく一端がオイルセパレータ６に他端が
エアクリーナ７に接続されたブローバイガス供給通路８
と、上記オイルセパレータ６でブローバイガスから除去
されたオイルミストをエンジン内部へドレーンすべく一
端がオイルセパレータ６の低位置に接続されたオイルド
レーン通路（パイプ）９とから構成されている。

上記オイルドレーン通路（パイプ）９の他端は、シリン
ダヘッドカバー２とシリンダヘッド１０でエンジンの長
手方向一端部の合せ面に設けられ、シリンダヘッド１０
の加工穴をふさぐ半月状のシール部材１１に差込まれて
いて、シリンダヘッドカバー２とシリンダブロック１０
との一部分２ａ，１０ａで構成されたタイミングチェー
ンカバー内に開口している。

上記半月状のシール部材１１は、シリンダヘッド１０に
軸支されたカム軸１２の一端に取付けられ、クランク軸
（図示せず）にチェーン部材１３を介して動力が伝達さ
れるカムプーリ１４と対向する位置に設けられている。

上記のとおり、オイルドレーン通路（パイプ）９をタイ
ミングチェーンカバーを構成するシリンダヘッドカバー
とシリンダヘッドの一側端部の合わせ面で且つカムプー
リと対向する位置に設けた半月状のシール部材に嵌挿し
たことにより、半月状のシール部材１１がシール機能を
果たし、別途シール構造を設ける必要がないとともに、
差込むだけであるため作業が簡単になる。

さらに、半月状のシール部材１１はカムプーリ１４と対
向する位置にあるので、オイルドレーン通路（パイプ）
９内にチェーンケース内の飛散オイルが入りにくいとい
う利点もある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図はオイルセ
パレータ装置の全体構成を示すエンジンの平面図、第２
図は第１図の側面図、第３図は第１図の正面図、第４図
は第１図のＡ−Ａ線における断面図である。 １……オイルセパレータ装置、２……シリンダヘッドカ
バー、５……ブローバイガス取出通路、６……オイルセ
パレータ、７……エアクリーナ、８……ブローバイガス
供給通路、９……オイルドレーン通路（パイプ）、１０
……シリンダヘッド、１１……半月状のシール部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】エンジン内のブローバイガス中に含まれる
   オイルミストをエンジン外部に設けられたオイルセパレ
   ータにより分離するようにしたエンジンにおいて、前記
   オイルセパレータに接続されたオイルドレーンパイプの
   他端を、タイミングチェーンカバーを構成するシリンダ
   ヘッドカバーとシリンダヘッドの一側端部の合わせ面で
   且つカムプーリと対向する位置に設けたシール部材に嵌
   挿したことを特徴とするエンジンのオイルセパレータ装
   置。