JPS601210Y2 - 飛沫潤滑式傾斜エンジンのブレザ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は飛沫潤滑式傾斜エンジンのブ１／ザ装置に関
する。

傾斜エンジンにおいてブレザ装置をクランク室の上側壁
に設けるものがある。

これではブレザ穴がクランク室に直接臨むため、ミスト
状オイル又は油種などで飛散された油滴がブレザ室に入
り込みやすく、ブローバイガスとともに外部へ排出され
、オイル消費が大きくなり勝ちであった。

これを解消するために、ブレザ室の底壁に対角線に沿う
溝状のブレザ穴を通設するとともに、その下面を遮油板
で覆って、飛散油が入りにくく、しかもエンジンが傾斜
姿勢で運転される場合でも、オイルを速やかにクランク
室へ流下できるようにしたものを、本出願人が先に提案
している。

が、これではブレザ穴から流下したオイルが遮油板に受
は止められて板面上に滞留し、しかもガスと流下オイル
とが一個のブレザ穴内を往き来するので、ブローバイガ
スがクランク室へ戻りかけたオイルを再度ブレザ室へ連
れ込んでしまう欠点があった。

この考案は上記の欠点を解消できるようにするものであ
って、ブレザ室の対角部の両端にそれぞれブレザ穴を明
け、その少なくともクランク軸の回転上手側に位置する
ブレザ穴とクランク軸の運動空間との間を、クランクケ
ースと一体の遮油壁で仕切るようにした点に特徴を有す
る。

以下この考案の実施例を図面に基づき説明する。

第１図は傾斜エンジンの断面図、第２図及び第３図は第
１図■−■線及び■−■線に沿う断面図である。

図において１はクランクケース、２はシリンダ、３はピ
ストン、４はクランク軸、５はコンロッドである。

コンロッドキャップ５ａの下側には油種６が一体に形成
してあって、これでオイルを飛散させて各部の潤滑を行
うようにしている。

クランクケース１の上壁上には平面視四角形のブレザ室
７が上向きに開口する状態で形成しである。

そして、開口を塞ぐ状態に、ディス弁穴のブレザ弁ユニ
ット８とブレザカバー９とを順に装着して、これらでブ
レザ装置を構成している。

ブレザ室７の内底には山形の油切板１０が配設しである
。

第２図に示すように、上記のブレザ室７の底壁の後部左
側と前部右側との各隅部には、・それぞれクランク室Ｒ
と連通するブレザ穴１１，１２が連設しである。

両穴のうち、クランク軸４の回転方向（時計方向）下手
側のブレザ穴１２は、オイルの飛び込みを防ぐために、
回転方向に沿って下り傾斜状に形成しである。

また、他方のブレザ穴１１とクランク軸４の運動空間と
の間には、オイルの飛び込みを妨げる遮油室１３が、ク
ランク室Ｒの左上隅の余剰空間を区切る状態で設けであ
る。

この遮油壁１３は、第３図に示すよう・に、クランクケ
ース１の奥端からその開口縁寄り・部に亘って鋳抜き形
成され、これとクランクケース１の周壁とで三角形状の
ガス案内路１４を形成している。

図中符号＋５はブレザパイプ、１６はサイドカバーであ
る。

以上のように構成すると、エンジンが傾斜姿勢で運転さ
れる場合、２個のブレザ穴１１．１２のいずれか一方か
ら分離されたオイルが流下し、他方からブローバイガス
がブレザ室７へ入るので、クランク室Ｒの流下しかけた
オイルがブローバイガスて連れ戻されるのを防止して、
オイル消費を抑止できる。

尚、上記実施例の変形例として、第１図に想像線で示す
ように、ブレザ穴１２とクランク軸４の運動空間との間
も遮油壁１３で仕切ること、及びブレザ穴１１，１２の
設【才られていない両隅部に、オイル戻し専珀の小径穴
を形成することが考えられる。

以上説明したようにこの考案では、ブレザ室底壁の対角
部に２個のブレザ穴を形成して、エンジンが傾斜姿勢で
運転されるとき、その一方をオイルが流下し、他方をブ
ローバイガスが通過するようにしたので、クランク室へ
流下しかけたオイル及び遮油壁に付着したオイルがブロ
ーバイガスで再度ブレザ室へ連れ込まれるのを防止して
、ブレザ室で分離されたオイルを確実にクランク室へ戻
すことができ、飛散油滴のブレザ穴への飛び込みを遮油
壁で防ぐことと相俟って、全体としてオイル消費を著し
く低減することができるうえ、ブレザ装置の機能を広い
傾斜範囲に亘って正常状態に保持できる。

また、上記の遮油壁をクランクケースと一体に形成する
ので、冒述の既提案のものに比べ加工及び組立の工数を
大幅に低減でき、その分だけ製作コストを減らすことが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は傾斜エンジン
の断面図、第２図及び第３図は第１図■−■線及び■−
■・線に沿う断面図である。 １・・・・・・クランクケース、４・・・・・・クラン
ク軸、７・・・・・・ブレザ室、１１．１２・・・・・
・ブレザ穴、１３・・・・・・遮油壁、Ｒ・・・・・・
クランク室。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ クランク室Ｒの上側壁の外面にブレザ室７を形成し
   、ブレザ室７の底壁の前部−側端寄り部と後部他側端寄
   り部との対角部にそれぞれブレザ穴１１．１２を通設し
   、両ブレザ穴１１，１２のうち、少なくともクランク軸
   ４の回転上手側に位置するブレザ穴１１とクラ、ンク軸
   ４の運動空間との間を遮油壁１３て区切るとともに、遮
   油壁１３をクランクケース、：：１と一体に鋳造した事
   を特徴とする飛沫潤滑式傾斜エンジンのブレザ装置二 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載：の飛沫潤滑
   式傾斜エンジンのブレザ装置において、クランク軸４の
   回転下手側に位置するブレザ穴１２を、クランク軸４の
   回転方向に沿って下り傾斜状に形成したもの。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項に記載の
   飛沫潤滑式傾斜エンジンのブレザ装置において、クラン
   ク室Ｒの上側壁の左右両端内部とクランク軸４の運動空
   間との間に生ずる余剰空間を、前記の遮油壁１３て区切
   ったもの。