JPH0627778Y2 - エンジンのオイルセパレ−タ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はエンジンのブローバイガス中に含まれるオイル
を除去するためのオイルセパレータ構造に関するもので
ある。

（従来技術） 従来、実開昭５９−１９６５１０号公報に示されるよう
に、エンジンのクランクケース内に漏れ出すブローバイ
ガスを吸気系に還元させるブローバイガス還元装置にお
いて、シリンダブロックの外側部に、内部をオイルバッ
フルで迷路状としたオイルセパレータを取付け、このオ
イルセパレータをシリンダブロック下方のクランクケー
スと吸気通路とに連通させることにより、クランクケー
スから吸気通路に送られるブローバイガス中に含まれる
オイルを除去するようにしたオイルセパレータ構造は知
られている。

ところが、従来のオイルセパレータ構造では、箱状のオ
イルセパレータ室およびその内部のオイルバッフル等で
構成されるオイルセパレータが予めシリンダヘッドと別
体に形成され、これがシリンダヘッドの側壁の外方に取
付けられていたため、コストが高くなるとともに、エン
ジンの重量が増加し、さらにオイルセパレータが占める
スペースも大きくなってレイアウト的にも不利である等
の問題が残されていた。

（考案の目的） 本考案は上記の事情に鑑み、シリンダブロックの外側部
に設けられるオイルセパレータのコンパクト化、重量軽
減およびコストダウンを果すことができるエンジンのオ
イルセパレータ構造を提供するものである。

（考案の構成） 本考案は、エンジンのブローバイガス中に含まれるオイ
ルを除去するオイルセパレータがシリンダブロックの外
側部に設けられたオイルセパレータ構造であって、シリ
ンダブロックの垂直壁下部からスカート部に至る部分の
側壁に、外側方に突出する枠状の外周壁が一体に連設さ
れ、この外周壁に蓋板が連結されることにより、この部
分のシリンダブロック側壁と上記外周壁と蓋板とでオイ
ルセパレータ室が形成され、かつ、上記外周壁がシリン
ダブロックの補強リブの一部を囲うように設けられて、
この補強リブがオイルセパレータ室内の１つのオイルバ
ッフルとして構成され、このオイルバッフルを挾んだ位
置にブローバイガス導入口およびブローバイガス排出口
が配設され、上記ブローバイガス導入口はシリンダブロ
ック側壁に切抜き状に形成され、ブローバイガス排出口
は蓋板に形成されていることを特徴とするものである。

つまり、シリンダブロックの側壁および補強リブが、オ
イルセパレータ室構成壁の一部およびオイルバッフルの
一部に兼用された構造となっている。

（実施例） 第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示し、これらの
図において、１はシリンダブロック、２はシリンダブロ
ック１下方のクランクケースであり、上記シリンダブロ
ック１の外側部にオイルセパレータ３が設けられてい
る。このオイルセパレータ３のオイルセパレータ室４
は、シリンダブロック１の垂直壁下部からスカート部に
わたる部分において、シリンダブロック１の側壁５と、
この側壁５から側方に突出した外周壁６と、この外周壁
６に取付けられる蓋板７とで形成されている。すなわ
ち、シリンダブロック１の垂直壁下部からスカート部に
わたる部分の側壁５に、外側方に突出する枠状の外周壁
６が一体に連成されることにより、この部分の側壁５と
外周壁６とで外側部が開放された空間が形成され、この
空間の外側部開放部分を覆うように蓋板７が取付けられ
ることにより、密閉構造のオイルセパレータ室４が形成
されている。上記蓋板４は上記外周壁６に連成された蓋
板取付け部８にボルト９で取付けられるようになってい
る。

上記オイルセパレータ室４には、後記オイルバッフル１
３，１４を挾んだ位置にブローバイガス導入口１１とブ
ローバイガス排出口１２とが形成され、例えば、オイル
セパレータ室４の一端側下方部におけるシリンダブロッ
ク１の側壁５に、オイルセパレータ室４内とクランクケ
ース２内とを連通するブローバイガス導入口１１が切欠
き状に形成される一方、上記蓋板７に、オイルセパレー
タ室４内に通じる筒状のブローバイガス排出口１２が連
成されている。上記ブローバイガス導入口１１はオイル
セパレータ室４で分離されたオイルの排出口を兼ねてお
り、上記外周壁６の下端壁はオイルをブローバイガス導
入口１１に案内するように多少傾斜している。上記ブロ
ーバイガス排出口１２は図外の吸気通路にパイプ等を介
して接続される。

また、上記オイルセパレータ室４内には、この室内を迷
路状とするように複数のオイルバッフル１３，１４が設
けられるが、上記外周壁６がシリンダブロック１の補強
リブ１５の一部を囲うように設けられて、この補強リブ
１５がオイルセパレータ室４内の１つのオイルバッフル
１３として構成されている。つまり、シリンダブロック
１の側面には縦方向の補強リブ１５が配設されている
が、その１つの補強リブ１５がオイルセパレータ室４の
内部を通るように予め補強リブ１５とオイルセパレータ
室４の配置が設定されるとともに、オイルセパレータ室
４の内部において補強リブ１５の一部分の突出量が大き
くされることにより、オイルバッフル１３が形成されて
いる。他のオイルバッフル１４は図示のようにシリンダ
ブロック１の側壁５の所定範囲に連設しておけばよく、
あるいは蓋板７に連設しておいてもよい。

なお、このほかにシリンダブロック１には、図外のシリ
ンダヘッドカバー内に通じるブローバイガス通路１６が
形成され、このブローバイガス通路１６は、下端が上記
オイルセパレータ室４に開口している。

このようなオイルセパレータ構造においては、クランク
ケース２内に漏れ出したブローバイガスがブローバイガ
ス導入口１１からオイルセパレータ室４に導入され、オ
イルバッフル１３，１４で形成された迷路状の経路を通
ってブローバイガス排出口１２に流れる間にブローバイ
ガス中に含まれるオイルが分離除去される。

このようにブローバイガス中のオイルを除去するためオ
イルセパレータ３がシリンダブロック１の外側部に設け
られるが、とくに上記構造では、オイルセパレータ３の
蓋板７以外の部分がシリンダブロック１に一体に形成さ
れ、シリンダブロック１の側壁５および補強リブ１５が
オイルセパレータ３の一部に兼用されて、オイルセパレ
ータ３がコンパクトに形成されている。また、上記外周
壁６がリブ１５とともにシリンダブロック１を補強する
機能を有し、シリンダブロック１の下方のスカート部の
剛性を高めることもできる。

（考案の効果） 以上のように本考案のオイルセパレータ構造は、シリン
ダブロックの垂直壁下部からスカート部に至る部分にお
いて、この部分のシリンダブロック側壁と、この部分か
ら外側方に突出する枠状の外周壁と、この外周壁に連結
された蓋板とによってオイルセパレータ室を形成すると
ともに、シリンダブロックの補強リブを利用してオイル
セパレータ室内の１つのオイルバッフルを形成すること
により、シリンダブロックの側壁および補強リブがオイ
ルセパレータの一部を兼ねるようにしているため、オイ
ルセパレータがコンパクト化されるとともに、材料の節
減および製作の簡略化によるコストダウンが可能とな
り、またエンジン全体の重量が軽減される等の効果をも
たらすものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のオイルセパレータ構造の一実施例を示
す分解状態斜視図、第２図は蓋板を外した状態の側面
図、第３図は第２図のIII−III線に沿った断面図であ
る。 １……シリンダブロック、……クランクケース、３オイ
ルセパレータ、４……オイルセパレータ室、５……シリ
ンダブロック側壁、６……外周壁、７……蓋板、１１…
…ブローバイガス導入口、１２……ブローバイガス排出
口、１３，１４……オイルバッフル、１５……補強リ
ブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】エンジンのブローバイガス中に含まれるオ
   イルを除去するオイルセパレータがシリンダブロックの
   外側部に設けられたオイルセパレータ構造であって、シ
   リンダブロックの垂直壁下部からスカート部に至る部分
   の側壁に、外側方に突出する枠状の外周壁が一体に連設
   され、この外周壁に蓋板が連結されることにより、この
   部分のシリンダブロック側壁と上記外周壁と蓋板とでオ
   イルセパレータ室が形成され、かつ、上記外周壁がシリ
   ンダブロックの補強リブの一部を囲うように設けられ
   て、この補強リブがオイルセパレータ室内の１つのオイ
   ルバッフルとして構成され、このオイルバッフルを挾ん
   だ位置にブローバイガス導入口およびブローバイガス排
   出口が配設され、上記ブローバイガス導入口はシリンダ
   ブロック側壁に切抜き状に形成され、ブローバイガス排
   出口は蓋板に形成されていることを特徴とするエンジン
   のオイルセパレータ構造。