JPS6215442Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はシリンダ内からクランクケース内に洩
れるブローバイガスによるクランクケース内の圧
力上昇を防止する内燃機関の息抜き装置に関す
る。

〔従来の技術〕

一般に、内燃機関には、シリンダ内からクラン
クケース内に洩れるブローバイガスによつて、ク
ランクケース内の圧力が上昇するのを防止するた
めに息抜き装置が使用されている。

この息抜き装置として、従来、クランクケース
の透孔部分に、突出部材をランクケース内に突き
出して設け、その突出部材によりクランク軸の回
転前方側にガス取入口を形成するとともに、上記
透孔に息抜き管を取り付けたものが知られている
（例えば、実公昭54−26450号公報、実公昭57−
17043号公報参照）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、上記従来の息抜き装置は、構造が複
雑であるばかりでなく、クランクケース内に突出
部材を突設する関係から、クランクケースが大形
になり、しかも突出部材に潤滑油の飛沫等がほぼ
垂直に衝突して多量のミストが発生するといつた
問題点がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、クランクケースの上部に透孔を形成
し、息抜き管の一端を止着した蓋板を、息抜き管
を上記透孔に開口させるとともに透孔の上部を閉
塞して設け、上記蓋板の下面に、ガス取入口を側
部に有するカバーを、上記ガス取入口を透孔の内
周面から離すとともに上記クランクケース内に設
けられたクランク軸の回転前方側に配し、かつ底
面をクランクケースの内面にほぼ一致させた状態
で上記息抜き管の開口部を囲むようにして取り付
け、上記息抜き管の他端に、フイルタを内蔵する
とともにドレーンパイプとガス放出口を備えた息
抜き体を設けることによつて、上記従来の問題点
を解決したものである。

〔作用〕 内燃機関の作動によつてブローバイガスがクラ
ンクケース内に洩れると、直ちに、クランクケー
ス内のガスは、カバーのガス取入口から息抜き管
内にはいり、息抜き体の内部のフイルタを通つて
ガス放出口から大気中に放出される。この際、ク
ランク軸の回転に伴いクランクケース内を回転移
動している油滴は、カバーのガス取入口がクラン
ク軸の回転前方側に形成されているので、ガス取
入口に直接飛び込むことはない。また、カバー
は、その底面をクランクケースの内面にほぼ一致
させて透孔内に納められており、クランクケース
内に突出していないため、潤滑油の飛沫等がカバ
ーに垂直に衝突して多量のミストを発生すること
もない。

このため、油滴のクランクケース外への抜出し
が可及的に抑止されることになり、息抜き体のフ
イルタが油滴でつまつてクランクケース内の圧力
を上昇させることはない。

息抜き体に内蔵されたフイルタは、油分を捕捉
するとともに、息抜き音を低減する。

〔実施例〕

添付図面は本考案の一実施例を示すもので、１
０は本考案の内燃機関の息抜き装置である。この
息抜き装置１０の息抜き管１２の一端は、蓋板１
１に止着され、該蓋板１１は、クランクケース１
３の上部の肉厚部に設けられた透孔１９に息抜き
管１２を開口させるとともに透孔１９の上部を閉
塞して設けられている。上記蓋板１１の下面に
は、ガス取入口１４ａを側部（第１図で右側部）
に有するカバー１４が、そのガス取入口１４ａを
透孔１９の内周面１９ａから離すとともにクラン
クケース１３内に第１図において時計方向に回転
するように設けられたクランク軸１８の回転前方
側に位置させ、また底面１４ｂをクランクケース
１３の内面１３ａに一致させた状態で息抜き管１
２の開口部１２ａを囲むようにして固着されてい
る。なお、上記クランク軸１８は、シリンダ１５
内のピストン１６の直線往復運動により、周知の
ように、連接棒１７を介して回転させられるよう
になつている。

また、上記息抜き管１２の他端には、大気への
ガス放出口２０を備えている息抜き体２１が設け
られている。そしてこの息抜き体２１の内部には
フイルタ２２が、下部にはドレーンパイプ２３が
それぞれ取り付けられている。

次に、上記のように構成された本考案に係る内
燃機関の息抜き装置１０の作用について説明す
る。

まず、内燃機関を作動させると、るシリンダ１
５内のピストン１６の直線往復運動により、第１
図において、クランク軸１８が時計方向に回転す
る。そして、シリンダ１５内からクランクケース
１３内にブローバイガスが洩れると、直ちに、ク
ランクケース１３内のガスはカバー１４のガス取
入口１４ａから息抜き管１２内にはいり、息抜き
体２１の内部のフイルタ２２を通つてガス放出口
２０から大気中に放出される。

この時、クランク軸１８の回転に伴いクランク
ケース１３内を回転移動している油滴は、カバー
１４のガス取入口１４ａがクランク軸１８の回転
前方側に形成されているので、ガス取入口１４ａ
に直接飛び込むことはない。また、カバー１４
は、その底面１４ｂをクランクケース１３の内面
１３ａに一致させて透孔１９内に収められてお
り、クランクケース１３内に突出していないた
め、潤滑油の飛沫等がカバー１４に垂直、或いは
これに近い角度で衝突して多量のミストを発生す
ることもない。従つて、油滴のクランクケース１
３外への抜出しが可及的に抑止されるので、息抜
き体２１のフイルタ２２が油滴でつまることはな
く、クランクケース１３内の圧力が上昇すること
はない。なお、カバー１４の点検に際しては、蓋
板１１をクランクケース１３から取り外して行
う。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係る内燃機関の
息抜き装置は、クランクケースの上部に透孔が形
成され、息抜き管の一端を止着した蓋板が、息抜
き管を上記透孔に開口させるとともに透孔の上部
を閉塞して設けられ、上記蓋板の下面に、ガス取
入口を側部に有するカバーが、上記ガス取入口を
透孔の内周面から離すとともに上記クランクケー
ス内に設けられたクランク軸の回転前方側に配し
て上記息抜き管の開口部を囲むようにして取り付
けられた構成とされているので、油滴のクランク
ケース外への抜出しが可及的に抑止され、したが
つて息抜き体のフイルタが油滴でつまることがな
く、クランクケース内の圧力が上昇することもな
い。

また、息抜き管の一端を止着した蓋板の下面
に、ガス取入口を有するカバーを取り付け、その
カバーをケーシングとして機能する透孔内に収め
た単純構造であるため、実施しやすく、保守点検
も容易である上、カバーはその底面をクランクケ
ースの内面にほぼ一致させて設けられ、カバーを
クランクケース内に突き出さない構成となつてい
るので、クランクケースを小形化することが容易
であるとともに、潤滑油の飛沫等がカバーに垂
直、或いはこれに近い角度で衝突してミストとな
つて飛散し、息抜き管から外部に放出されること
が抑えられる効果がある。また、息抜き管の他端
に取り付けられた息抜き体にはフイルタが設けら
れているので、油分が効率よく捕捉され、またそ
のフイルタによつて息抜き管が低減される効果も
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は第１図の−矢視図である。 １１……蓋板、１２……息抜き管、１２ａ……
開口部、１３……クランクケース、１３ａ……内
面、１４……カバー、１４ａ……ガス取入口、１
４ｂ……底面、１８……クランク軸、１９……透
孔、１９ａ……内周面、２０……ガス放出口、２
１……息抜き体、２２……フイルタ、２３……ド
レンパイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランクケース１３の上部に透孔１９が形成さ
   れ、息抜き管１２の一端を止着した蓋板１１が、
   息抜き管１２を上記透孔１９に開口させるととも
   に透孔１９の上部を閉塞して設けられ、上記蓋板
   １１の下面に、ガス取入口１４ａを側部に有する
   カバー１４が、上記ガス取入口１４ａを透孔１９
   の内周面１９ａから離すとともに上記クランクケ
   ース１３内に設けられたクランク軸１８の回転前
   方側に配し、かつ底面１４ｂをクランクケース１
   ３の内面１３ａにほぼ一致させた状態で上記息抜
   き管１２の開口部１２ａを囲むようにして取り付
   けられ、上記息抜き管１２の他端に、フイルタ２
   ２を内蔵するとともにドレーンパイプ２３とガス
   放出口２０を備えた息抜き体２１が設けられたこ
   とを特徴とする内燃機関の息抜き装置。