JPH0332166Y2

JPH0332166Y2 -

Info

Publication number: JPH0332166Y2
Application number: JP1985005479U
Authority: JP
Priority date: 1985-01-19
Filing date: 1985-01-19
Publication date: 1991-07-09
Also published as: JPS61123112U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、プレハブ住宅の外壁等として用いら
れる建物用パネルの取付構造に関するものであ
る。

（従来の技術）プレハブ住宅に用いられる建物用パネルとして
は、例えば不燃性もしくは難燃性を有する無機質
系の材料からなるものが多用されている。この種
の建物用パネルは側縁に縦溝が形成されたり、あ
るいは背面に蟻溝状の縦溝が形成されており、こ
れらの縦溝に建物の軸組に取り付けた取付金具が
係止されて建物用パネルが固定される一方、該パ
ネルの下縁も上記軸組に取り付けた受け金具によ
り受支される構造とされていた。そして、上記取
付金具および受け金具は軸組に取付けビス等によ
り固定されていた。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、このような取付構造では以下に
述べるような問題が生じていた。

すなわち、建物用パネルの側縁や背面に縦溝を
設けるため、形状が複雑で、製造が容易でなく、
製造コストの上昇を招く。また、これらの縦溝が
設けられる部位は、肉厚が薄くて強度が弱く、こ
れに加えてこの部位に取付金具が係止されるか
ら、取付金具の締付力により破損しやすい。さら
に、上記縦溝の部位は建物用パネルの輸送中等に
おいても、衝撃などにより欠け易かつた。

また、上記取付金具や受け金具を固定する作業
がめんどうで、作業能率が悪かつた。

加えて、建物用パネルは軸組に堅固に固定され
るため、地震等により建物の軸組がゆがむと、こ
の影響を直接受けて、ひび割れするなどして破損
する虞れがあつた。

（問題点を解決するための手段）本考案に係る建物用パネルの取付構造は、リツ
プ溝形鋼を矩形状に枠組み形成した軸組に、外壁
パネルを取付金具と締付ボルトを用いて取付けた
構造であり、取付金具は、断面がＬ字形の本体プ
レートの一方の板である側板の外面に取付金具を
軸組に固定させる係止部が設けられ、この係止部
は短冊状の係止片の端部が側板に固着されて、軸
組の縁片が本体プレートの屈曲基部側から係止片
と側板との間に差込み係止されるようになされ、
この係止片の先端は外方へ折曲げられて支持部と
なされ、本体プレートの他方の板である取付板に
は締付ボルトを挿通させるための挿通長孔が形成
されており、複数個の取付金具が適当な間隔をお
いて、本体プレートの側板と係止片との間に縁片
を挟持させて軸組に係止固定され、この状態で、
係止片の先端に形成した支持部がリツプ溝形鋼の
側板の内側面に当接され、本体プレートの取付板
の前面が軸組の外側面と略面一となされ、軸組の
外側面に添接した外壁パネルの背面に、取付金具
の本体プレートの取付板に形成した挿通長孔に挿
通した締付ボルトがねじ込んで締付けられたもの
である。

（作用）建物用パネルの溝加工を不要として、単純な形
状とするとともに、全体として均一な強度を確保
できる。また、取付金具を軸組に差込み係止させ
るのみで取り付けるようにすることにより取り付
け作業の能率化を図つた。さらに、取付金具が軸
組に強固に係止されるような構成とした。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

本考案に係る建物用パネルの取付構造を第１図
に示し、建物用パネル１は具体的には外壁パネル
であつて、軸組２の外側に取付金具３……により
取り付けられている。４は各外壁パネル１，１間
に介装された乾式目地である。

外壁パネル１は無機質系の材料からなる２枚の
コンクリート製の板材５，６が積層状に接着され
て形成されている。なお、上記無機質系の材料と
しては骨材としてパーライト等が用いられ、板材
５，６を接着する接着剤としては無機質系の耐熱
接着剤やエポキシ系接着剤が用いられる。

また、板材６の接合面６ａには複数本の溝７…
…が板材６の縦方向へ全長にわたつて延びるとと
もに、横方向へ所定間隔をもつて設けられてお
り、これにより外壁パネル１の内部の縦方向へ貫
通する空気通路が形成されている。

外壁パネル１の形状は縦長の矩形とされるとと
もに、各端縁１ａ……は面一に形成されて、平板
状の単純な形状とされている。

軸組２は縁片８ａ，８ａを有するいわゆるリツ
プ溝形鋼８……が上記外壁パネル１に対応した矩
形状に枠組みされて形成され、建物の外壁部のコ
ンクリート基礎の上に起立状に設けられている。

取付金具３は第２図に示すように、金具本体９
と締付ボルト１０から構成されている。

取付本体９は、断面がＬ字形状の本体プレート
１２の上側と下側に三角形状の補強プレート１
３，１３がそれぞれ溶接されたものである。本体
プレート１２の一方の板である外板１２ａの外面
に係止部１４が設けられる一方、本体プレート１
２の他方の板である取付板１２ｂの挿通孔１５が
設けられている。係止部１４は軸組２の縁片８ａ
に係止するもので、具体的には係止片からなり、
基部１４ａが本体プレート１２の側板１２ａの外
面に溶接されている。係止片１４の内側面１４ｃ
と側板１２ａとの間隔は軸組２の縁片８ａの肉厚
に対応して設定されている。また、係止片１４の
先端部は本体プレート１２の取付板１２ｂと平行
に外側へ折曲され、支持部１４ｂとなされてい
る。そして、第１図に示すように、係止片１４は
軸組２の縁片８ａの内側へ挿入されて、縁片８ａ
に挟持状に係止され、これにより金具本体９が軸
組に取り付けられる。この係止状態において、係
止片１４の先端に形成した支持部１４ｂが軸組２
の側板の内側面２ａに当接されるとともに、本体
プレート１２の取付板１２ｂが軸組２の外側面２
ｂと略面一になるようにされている。

また、挿通孔１５は締付ボルト１０を挿通する
ためのもので、横長の長孔に形成され、締付ボル
ト１０の横方向の位置が微調整可能とされてい
る。

固定プラグ１１は外壁パネル１の背面１ｂに埋
め込まれて、締付ボルト１０を受けるためのもの
で、合成樹脂製である。固定プラグ１１は、外形
が段付のくさび形状とされるとともに、割れ目１
１ａが形成されている。そして、該固定プラグ１
１に締付ボルト１０をねじ込むと、固定プラグ１
１が外周へふくらんで、外壁パネル１と締付ボル
ト１０が固定されるようになされている。なお、
固定プラグ１１は外壁パネル１の背面１ｂに予め
設けられた挿入孔１６に挿入して埋め込まれ、挿
入孔１６は軸組２に取り付けられる金具本体９に
対応した位置に形成されている。

しかして、取付金具３の金具本体９の軸組２の
所定個所に前述の要領でそれぞれ取り付ける。一
方、軸組２の外側面に外壁パネル１を添接させ
る。この状態で、外壁パネル１の背面１ｂが金具
本体９の取付板１２ｂに当接する。次に、締付ボ
ルト１０を金具本体９の挿通孔１５に後側（室内
側）から挿通した後、これを外壁パネル１の背面
１ｂに予め埋め込まれた固定プラグ１１にねじ込
んで締め付け、これにより外壁パネル１が取付金
具３……を介して軸組２に固定される。このよう
にして、外壁パネル１……を軸組２に張設した
後、各外壁パネル１，１の境界部分に乾式目地４
を挿入して取り付け、外壁部を形成する。

なお、固定プラグ１１を用いないで、締付ボル
ト１０を外壁パネル１に直接ねじ込むことも可能
であるが、外壁パネル１の破損防止および取付強
度などを考慮して、固定プラグ１１を用いること
が好ましい。

また、外壁パネル１は上述の実施例のように２
層状のほか、３層あるいは４層状としても良く、
このような積層構造とすることにより、衝撃や撓
みに対する十分な強度が得られる。

さらに、外壁パネル１の内部に空気通路（溝７
……）が設けられていれば、外部からの輻射熱が
有効に遮断されて、建物の内部へ伝達されること
がなく、好ましい。

（考案の効果）本考案によれば、建物用パネルを溝加工のない
単純な形状とすることができるから、製造コスト
の低減化が図れるとともに、全体として均一な強
度を確保することができ、建物用パネルの破損を
防止することができる。

また、取付金具の取り付けが係止部を軸組に係
止するだけでワンタツチで行うことができ、作業
能率が大幅に向上する。しかも、取付金具は軸組
に対し、上下方向へある程度可動であるため軸組
にゆがみが生じても、これが建物用パネルに直接
影響することがなく、建物用パネルの破損を防止
できる。

また、係止片の先端に形成した支持部が、取付
金具を軸組に係止固定したとき、軸組の側板の内
側面に踏張るように当接される。したがつて、取
付金具の取付板に大きな荷重がかかつてよじれた
りしても、この支持部で強度がでる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示し、第１図は建
物用パネルの取付構造を示す横断面図、第２図は
取付金具を分解して示す斜視図である。１……建物用パネル（外壁パネル）、１ｂ……
背面、２……軸組、３……取付金具、８ａ……縁
片（軸組を構成するリツプ溝形鋼のリツプ）、１
０……締付ボルト、１４……係止部（係止片）、
１５……挿通孔。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】リツプ溝形鋼を矩形状に枠組み形成した軸組
に、外壁パネルを取付金具と締付ボルトを用いて
取付けた構造であり、取付金具は、断面がＬ字形の本体プレートの一
方の板である側板の外面に取付金具を軸組に固定
させる係止部が設けられ、この係止部は短冊状の
係止片の端部が側板に固着されて、軸組の縁片が
本体プレートの屈曲基部側から係止片と側板との
間に差込み係止されるようになされ、この係止片
の先端は外方へ折曲げられて支持部となされ、本
体プレートの他方の板である取付板には締付ボル
トを挿通させるための挿通長孔が形成されてお
り、複数個の取付金具が適当な間隔をおいて、本体
プレートの側板と係止片との間に縁片を挟持させ
て軸組に係止固定され、この状態で、係止片の先
端に形成した支持部がリツプ溝形鋼の側板の内側
面に当接され、本体プレートの取付板の前面が軸
組の外側面と略面一となされ、軸組の外側面に添接した外壁パネルの背面に、
取付金具の本体プレートの取付板に形成した挿通
長孔に挿通した締付ボルトがねじ込んで締付けら
れたことを特徴とする建物用パネルの取付構造。