JPH0331966Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は光学系移動体の停止制御装置に関し、
より詳細には複写機、画像読取り装置等において
使用される移動型の光学系における減速、停止を
衝撃を生ずることなく、スムーズに行なう装置に
関する。

（従来技術） 一般に複写機等の静電写真の分野においては、
光源等を備えた光学系を原稿に対して走査移動せ
しめて画像露光を行ない、形成された静電像を一
定の方法で現像し、複写画像を得ている。

而して、この場合には一定の光学系を走査駆動
するために、その減速停止に際して、例えば該光
学系等が所定の枠組乃至はストツパー等に衝突し
た場合には大きな衝撃を生じる。

かかる衝突を解消乃至は緩和させるための手段
として、従来は適当なクツシヨンを設けるか或い
は光学系を移動可能に支持するロツド等に適当な
スプリングを設ける方法が採用されている。

（解決しようとする問題点） 然しながら、上記の様な手段においては、比較
的小さな衝撃力は緩和し得るとしても、光学系が
高速度で移動している際での減速、停止を行なう
場合に発生する様な比較的大きな衝撃力に対して
は効果が十分でなく、複写機全体が揺れる等のト
ラブルを防止し得ない。

特に高速複写が要求され、光学系を出来得る限
り高速度で走査駆動を行なうことが必要な現在で
は、その衝撃力の緩和は重要な技術的課題となつ
ている。

従つて本考案の目的は、高速度で走査駆動が行
なわれる光学系に対しても、その減速停止時に発
生する衝撃が極めて有効に緩和することが可能な
装置を提供するにある。

（問題点を解決すべき手段） 本考案によれば、光学系移動体を往復移動させ
るためのワイヤーに接触することによりワイヤー
にテンシヨンを印加するコロと、該コロをワイヤ
ーへ接離するための可動支持片と、光学系移動体
の停止位置近傍に設けられ該光学系移動体が当接
することにより光学系移動体と同方向に移動可能
な移動体と、該移動体が移動した際にコロをワイ
ヤーへ押しつけるよう作動させるように、上記移
動体と上記可動支持片と連結する連結部材を設け
たことを特徴とする光学系移動体の停止制御装置
が提供される。

（作用） 即ち、本考案は一定のワイヤー駆動により走査
駆動される光学系移動体の減速停止に際し、ワイ
ヤーのテンシヨンを増加せしめることによつて、
該光学系移動体に発生する慣性力を吸収し、その
際に生ずる衝撃力を極めて有効に緩和せしめるも
のである。

（実施態様） 以下本考案を添付図面に示す具体例に基づいて
詳細に説明する。

本考案の停止制御装置の全体を示す第１図にお
いて、例えば複写機の機枠等（図示せず）に固定
された案内レール１及び摺動軸２上を走査移動可
能に第１の移動枠３及び第２の移動枠４が設けら
れている。

第１の移動枠３にはハロゲンランプ等の光源が
内蔵され、また第２の移動枠４には所定の反射鏡
が設けられており、これら移動枠３，４が走査駆
動することによつて、これらの移動枠３，４上に
設けられる原稿の光像が所定の感光体上に形成さ
れる様になつている。

この移動枠３，４の走査駆動は、ワイヤー駆動
機構１０によつて行なわれる。

即ち、所定の駆動モータ（図示せず）によつて
駆動回転されるワイヤードラム１１及びワイヤー
コロ１２，１２に両端が固定されたワイヤー１３
が循環張架されている。

更にこのワイヤー１３は、第１の移動枠３に固
定されたワイヤー止め板１４にビス等で固定され
ており、また第２の移動枠４に回転自在に設けら
れているワイヤーコロ１５に捲回されている。

第１図に示される様な方式でワイヤー１３が循
環張架されている結果として、ワイヤードラム１
１の駆動回転に応じて第１の移動枠３及び第２の
移動枠４が往復動することになる。

この場合、ワイヤーコロ１５が動滑車として作
用するため、第２の移動枠４の移動速度は第１の
移動枠３の移動速度の1/2となり、所定の光路長
が一定に保たれている。

尚、この循環張架されているワイヤー１３に
は、テンシヨン機構２０が設けられており、該ワ
イヤー１３に一定のテンシヨンが付加されてワイ
ヤー駆動が速やかに行なわれる様になつている。

即ち、このテンシヨン機構２０は、ワイヤー１
３が循環張架されているワイヤーコロ２１、該コ
ロ２１の回転軸２２に連結されている可動支持片
２５及び機枠と可動支持片２５との間に設けられ
ている弾性部材２６とから成つており、可動支持
片２５は支点２７の回わりに回転し得る様になつ
ている。

従つて、弾性部材２６の弾性力によつて可動支
持片２５を介してコロ２１が下方に押圧されてワ
イヤー１３にテンシヨンが付加されるものであ
る。

本考案において重要な特徴は、テンシヨン付加
機構３０を設け、移動枠３，４の減速停止に際し
て、ワイヤーに更にテンシヨンを加えることにあ
る。即ち、テンシヨンが増大することによつて移
動枠３，４の減速停止が衝撃を発生することなく
スムーズに行なわれるのである。

このテンシヨン付加機構３０は、所定の機枠
に、移動枠３，４の移動方向と平行に移動可能に
設けられている移動体３１と、該移動体３１に一
端が固定された弾性部材３２とから成つている。

また移動体３１には、移動枠４が所定位置にき
た場合に該枠４と当接する当接片３３が形成され
ており、更にその当接面にはクツシヨン３４が設
けられている。

弾性部材３２の他端は、テンシヨン機構２０に
おける可動支持片２５の先端部に固定されてい
る。

このテンシヨン付加機構３０の作用を説明する
ための第２図において、移動枠３，４がリターン
移動（矢線Ｂ方向への移動）するに際し、移動枠
４は所定位置に達すると、クツシヨン３４を介し
て移動体３１と当接する。従つて移動体３１は移
動枠４とともに矢線Ｂの方向に移動する。

これにより、可動支持片２５には弾性部材３２
の作用により矢線b′の方向にモーメントが作用
し、ワイヤーはコロにより下方に押圧され、かく
して移動枠４のリターン移動に伴なつてワイヤー
にテンシヨンが付加されることが理解されよう。

従つて、この状態で所定の駆動モータの減速停
止を行なうと、慣性力は該ワイヤーのテンシヨン
に吸収され、移動枠３，４は速やかに停止するこ
ととなる。

尚、上述した態様において弾性部材３２の一端
は、ワイヤーテンシヨン機構２０の可動支持片２
５に固定されているが、ワイヤーテンシヨン機構
２０とは別個独立に、所定のワイヤーコロに連結
された可動支持片に固定してもよい。この場合に
は、テンシヨン付加機構３０とワイヤーテンシヨ
ン機構２０とは全く別個独立のものとして作用す
ることが理解されよう。

また添付図面の態様は、移動枠３，４の走査移
動において、リターン移動に際しての減速停止を
制御する様になつているが、用いる複写機等の機
能に応じて往路での減速停止を制御する様にして
も勿論よい。

（効果） かかる本考案によれば、ワイヤー駆動機構を用
いて所定の光学系を移動して所定の操作を行なう
に際し、その減速停止を、衝撃を発生することな
くスムーズに行なうことが可能となる。

本考案の停止制御装置は、特に複写機等の如
く、光学系を高速度で移動することが要求される
分野において有効に利用される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の停止制御装置の一例を示す
図、第２図は、本考案において使用するテンシヨ
ン付加機構の機能を説明するための図である。 ３……第１の移動枠、４……第２の移動枠、１
１……ワイヤードラム、１３……ワイヤー、２０
……ワイヤーテンシヨン機構、２５……回転支持
片、３０……テンシヨン付加機構、３１……移動
体、３２……弾性部材、３３……当接片、３４…
…クツシヨン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 光学系移動体を往復移動させるためのワイヤ
   ーに接触することによりワイヤーにテンシヨン
   を印加するコロと、該コロをワイヤーへ接離す
   るための可動支持片と、光学系移動体の停止位
   置近傍に設けられ該光学系移動体が当接するこ
   とにより光学系移動体と同方向に移動可能な移
   動体と、該移動体が移動した際にコロをワイヤ
   ーへ押しつけるよう作動させるように、上記移
   動体と上記可動支持片と連結する連結部材を設
   けたことを特徴とする光学系移動体の停止制御
   装置。 (2) 上記連結部材が弾性部材で構成される実用新
   案登録の請求の範囲第１項記載の光学系移動体
   の停止制御装置。