JPH0331203Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、化粧品パレツトとともに用いられる
レフイル容器、特に化粧皿回転スライド式レフイ
ル容器の改良に関する。

《従来の技術》 パレツト内に収納されるレフイル容器は、単体
でも販売されるので化粧料表面を保護するためま
たパレツトに収納した後に使用上支障をきたさな
いように、レフイル容器の表面を単純な板材で覆
つてなるものが一般的であつた。

しかしながら、この従来のものではレフイル容
器表面を覆う板材が取外し式であるので、その開
閉操作が面倒であるばかりでなく、板材を他の化
粧品のものと間違えてその化粧品を他に付着せし
めたり、或いは板材を紛失したりする虞れがあ
り、操作上の煩雑さがあつて不便な思いを使用者
に与えていた。

また化粧皿が回転およびスライドをする構成の
ものとしては59−27016号公報に示されるような
固形化粧料容器が公知となつている。この公知の
構成においては上下両面に化粧料充填部を有する
箱形の充填皿が容器本体の凹陥部に嵌装され、充
填皿の一側端が凹陥部の内側面に対して回動自在
かつ水平方向に摺動自在に係合されるようになつ
ている。

しかし、この公知の構成では充填皿はその上下
両面において化粧料が露出した状態であるため、
これが嵌装されている凹陥部や容器本体の蓋体の
裏面またはこれに接着された鏡等に化粧料が付着
して汚れるといつた惧れがある。また、充填皿は
常に容器本体の凹陥部に嵌装された状態であるた
め、充填皿の自由端に指をかけて充填皿を回転さ
せる際に指が自由端にかかりにくく、操作性の悪
いものとなつている。

《考案が解決しようとする問題点》 本考案は上記のような問題点に鑑みてなされた
もので、その目的はレフイル容器には化粧料を覆
う蓋や板材を用いることなくして化粧料の保護が
可能であり、かつこのレフイル容器が収容される
容器本体内においては化粧料が容器本体や蓋体を
汚すことがなく、しかも使用する際には極めて便
利で操作の容易なレフイル容器を提供することに
ある。

《問題点を解決するための手段》 即ち、本考案では化粧料収納凹所を表面のみに
有する偏平桝形化粧皿と、該化粧皿が収納位置に
あるときに化粧皿の周壁を覆い、かつ少なくとも
後部壁の高さを低くした桝形の本体部とによりレ
フイル容器を構成し、その化粧皿の回転端部付近
の左右側面にそれぞれ軸状突起を設けるとともに
自由端部に手掛け部を形成し、該軸状突起に相対
する前記本体部の左右側壁内面であつて該本体部
の高さの1/2より上側の部分に、軸状突起の太さ
に合致する長溝を本体部開口面と略平行に形成
し、更に該長溝の前端位置を、化粧皿が回転しそ
の軸状突起が前記長溝を前方にスライドして該長
溝の前端に係接した際、裏返し状態にある化粧皿
の自由端部が本体部の前記後部壁により傾斜して
支えられる位置に設定してなるのである。

《実施例》 以下、図示実施例に基づいて本考案を詳述す
る。

第１図乃至第５図は本考案の一実施例に係る化
粧皿回転スライド式レフイル容器を示す図であつ
て、第１図は化粧皿が容器本体部内に収納されて
いる状態を示すものである。図中、１はその内部
凹所（収納状態では下側に位置する）に化粧料Ｌ
が充填された偏平桝形の化粧皿であつて、図にお
いて右方の端部（以下回転端部という）近傍の両
側面には、その高さの略中央の位置に第２図に示
すような軸状突起１ａがそれぞれ設けられ、図に
おいて左方の端部（以下自由端部という）には手
掛け１ｂが形成されている。そして、この化粧皿
１は全体として後述の容器本体部２の凹所Ｓにほ
ぼ収納されるように大きさ・形状に合成樹脂の一
体成形で作られている。

レフイル容器の本体部２は、図において上側に
凹所Ｓを有する偏平桝形に形成され、この本体部
２の底面積がレフイル容器全体の底面積となるよ
うに定められ、第６図に示すように、他のレフイ
ル容器と組合されてパレツトＰ内に収納されるよ
うになつている。そして、本体部２の構造は、第
３図によつて判るように、前記化粧皿１をその内
部凹所Ｓに収納し得るようにその周壁は化粧皿１
の周囲を覆い得る側壁となつている。更に、前方
の側壁２ａには前記手掛け１ｂに指が掛かる程度
の切欠２ｂが形成され、また後方の側壁２ｃは他
の３側壁より低い形に設定されている。これは化
粧皿１が第１図の収納位置から図において時計方
向へ回転し第４図の中間位置を経て第５図の使用
位置に至つたとき、後方側壁２ｃが化粧皿１の裏
返つた自由端部を充填化粧料Ｌを使用し易い角度
に支えるための措置である。

更に、本体部２には前記化粧皿１の軸状突起１
ａに相対する左右側壁のそれぞれの内面に、軸状
突起１ａの太さに合致する長溝３がそれぞれ形成
されている。そしてこの長溝３の長さは、化粧皿
１が第１図の収納位置から第４図の中間位置を経
て第５図の使用位置に向かつて時計方向へ回転し
た際に、その軸状突起１ａが長溝３内を支障なく
スライドし得るような長さに設定され、また長溝
３の図において左方の前端部３ａの位置は、化粧
皿が回転しその回転端部が前方へスライドして軸
状突起が長溝前端に係接した際、裏返し状態にあ
る化粧皿の自由端部が本体部２の側壁により支え
られる状態になる位置に設定されている。

また、長溝３の他方の後端部３ｂの位置は、化
粧皿１が第１図の収納位置にある時に化粧皿１が
第１図右方へ「ズレ」ないように固定し得る位置
に定められている。尚、収納位置にある化粧皿１
が不用意に開放しないように本体部２の前壁下側
に凸壁２ｄが形成され、これに化粧皿１の第１図
における前方下端が圧接するようになつている。

そして、化粧皿１と本体部２との結合法は、合
成樹脂のもつ撓み性を利用して本体部２の両側壁
を撓ませ、その状態で化粧皿１の軸状突起１ａの
片方を一方の長溝３内に貫入し、しかる後に他方
の軸状突起をもう一方の長溝内に入れるような方
法を用いる。

さて、本考案のレフイル容器１，２を携帯する
場合には、これらを複数個組合せて第６図のよう
にパレツトＰ内の所定位置に配置し、そして目的
とする化粧料を使用する場合には、該化粧料の入
つている容器の化粧皿１の手掛け１ｂに指を掛け
てまず第４図の中間位置まで持ち上げ、しかる後
に化粧皿１を後方へ倒すように回転させて第５図
の傾斜位置にする。この姿勢で化粧皿１は安定す
ることになるので安心して化粧料を使用すること
が可能となる。使用後は前述の手順を逆に行なえ
ば第１図の状態に復帰させることができる。

《考案の効果》 以上のように本考案のレフイル容器では、化粧
料は化粧皿１とレフイル本体部２とによつて隠蔽
されて保護されるため、レフイル容器の化粧料を
覆う別体の蓋を用いる必要がなく、従つて蓋を用
いることによつて生じる不都合が解消されるとと
もに、レフイル容器の収納されるパレツト内（容
器本体）においては化粧料によつてパレツトやパ
レツトの蓋の裏面が汚されるといつた惧れもなく
なる。

また、化粧料は化粧皿を回転させるのみで使用
でき、しかも化粧皿に指かけ部があり、使用して
いる際に化粧皿は傾斜してレフイル本体の後端に
支えられているため、回転操作も容易となり使用
上の操作は簡単である。

しかも使用時において化粧皿は前方に向けて斜
めに傾斜した状態となつているため、パレツトの
鏡を見ながら使用者が顔と化粧料の色合せをする
ことができ、化粧上極めて便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案の一実施例に係る化
粧皿回転スライド式レフイル容器を示す図であつ
て、第１図は化粧皿が容器本体部内に収納されて
いる状態の断面図を示し、第２図及び第３図は化
粧皿及び容器本体部の斜視図をそれぞれ示し、第
４図は化粧皿の使用のための回転中間位置、第５
図は化粧皿の使用位置をそれぞれ示す断面図であ
り、第６図は本考案に係るレフイル容器が化粧品
パレツト内に収納・配置されている状態を示す斜
視図である。 １……化粧皿、１ａ……軸状突起、２……レフ
イル本体部、３……長溝、Ｐ……化粧品パレツ
ト、Ｓ……本体部の凹所、Ｌ……化粧料。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料収納凹所を表面のみに有する偏平桝形化
   粧皿と、該化粧皿が収納位置にある時に化粧皿の
   周壁を覆い、かつ少なくとも後部壁の高さを低く
   した桝形の本体部とによりレフイル容器を構成
   し、その化粧皿の回転端部付近の左右側面にそれ
   ぞれ軸状突起を設けるとともに自由端部に手掛け
   部を形成し、該軸状突起に相対する前記本体部の
   左右側壁内面であつて該本体部の高さの1/2より
   上側の部分に、軸状突起の太さに合致する長溝を
   本体部開口面と略平行に形成し、更に長溝の前端
   位置を、化粧皿が回転しその軸状突起が前記長溝
   を前方にスライドして該長溝の前端に係接した
   際、裏返し状態にある化粧皿の自由端部が本体部
   の前記後部壁により傾斜して支えられる位置に設
   定してなることを特徴とする化粧皿回転スライド
   式レフイル容器。