JPH0329082Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は工作機械のテーブル上に載置される工
作物支持用のパレツトを交換するパレツト交換装
置、特に所謂シヤトルタイプのパレツト交換装置
に関する。

〔従来技術〕

この種のパレツト交換装置においては、例えば
第５図に示す如く、工作機械のスラライドテーブ
ル２の移動方向に沿つてベツド１の一側に、それ
ぞれが搬入出装置４を有する一対のパレツト支持
テーブル３を備えており、各パレツト支持テーブ
ル３は前記移動方向と直交する方向に移動可能に
パレツト５を支持すると共に各搬入出装置４の進
退動によりスライドテーブル２との間でパレツト
５を搬入・搬出するようにしている。そして、ス
ライドテーブル２上に搬入されたパレツト５は多
少下降してスライドテーブル２上に固定されると
同時に搬入出装置４の係合部材４ａとの係合が外
され、搬入出装置４の後退後、スライドテーブル
２の左右動と加工ヘツド７を備えた駆動ユニツト
６の前後動によりパレツト５上に固定された工作
物Ｗが加工され、加工終了後は搬入出装置４によ
りパレツト支持テーブル３上に搬出され、次いで
他方のパレツト支持テーブル３上のパレツト５が
スライドテーブル２上に搬入されるようになつて
いる。

このような従来のパレツト交換装置は、各パレ
ツト支持テーブル３がそれぞれ搬入出装置４を有
しているので、パレツト交換装置の配置スペース
が大きくなると共に、一方のパレツト支持テーブ
ル３には両側に搬入出装置４が設けられることに
なるので切粉の排出処理がやりにくいという問題
がある。

これに対し、例えば特開昭60−240564号公報に
開示された技術がある。この技術では台車にその
移動方向と直交する方向にパレツトを移動案内す
る一対の支持案内装置を設け、その間に機械台の
可動台に対しパレツトを搬入・搬出する１個の可
動体を設けている。そして各支持案内装置上のパ
レツトを可動体に選択的に係合させて交互に搬
入・搬出しており、これによれば前記問題点を解
決することができる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながらこの技術では、可動体を台車の移
動方向に移動させることにより各パレツトに対し
選択的に係合させているので、可動体を台車と直
交方向に進退動させる機構の他に台車に沿つた方
向に移動させる機構も必要とし、構造が複雑にな
つて製造コストが増大するという問題がある。

本考案はこのような問題を解決して、１個の搬
入出装置４０で搬入・搬出することができ、しか
も構造が簡単かつコンパクトで作動の安定性も良
いパレツト交換装置を得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

このために本考案によるパレツト交換装置は、
第１図〜第４図に例示する如く、工作機械のテー
ブル１２に対し水平方向に相対移動して同テーブ
ル上に載置される工作物Ｗ支持用のパレツト５０
を交換するパレツト交換装置において、前記相対
移動方向に沿つて前記工作機械の一側に配置され
た一対のパレツト支持テーブル２０と、各パレツ
ト支持テーブルに昇降装置３５を介して支持され
それぞれ支持ローラ３１ａを介して前記パレツト
５０を前記相対移動方向とは直交方向に移動可能
に案内支持する昇降プレート３０と、前記各パレ
ツト支持テーブル２０に設けられ前記各パレツト
５０が前記昇降プレート３０と共に下降した状態
において同パレツトの下面と当接してこれを支持
する支持部材２４と、前記各パレツト支持テーブ
ル２０に設けられ前記各パレツト５０の下降状態
において同パレツトの下面に形成されたノツチ５
２と係合する突出部を有する基準部材２５と、前
記両パレツト支持テーブル２０の間に設けられ前
記直交方向に進退動すると共に一対の係合突起４
６ａ，４６ｂを有する係合部材４６を備えた搬入
出装置４０と、前記各パレツト５０に設けられ上
昇状態において何れか一方の前記係合突起４６
ａ，４６ｂと係合し下降状態において同係合突起
より離脱するフツク５１を備えたことを特徴とす
るものである。

〔作用〕

工作物Ｗの加工が終了すれば、テーブル１２は
水平方向に相対移動して、空となつている一方の
パレツト支持テーブル２０の正面に割り出され、
その上の加工済の工作物Ｗを支持したパレツト５
０は、前進した搬入出装置４０の係合部材４６の
一側に係合され、係合部材４６の後退によりテー
ブル１２上より搬出され前記一方のパレツト支持
テーブル２０の昇降プレート３０上に支持ローラ
３１ａを介してに支持される。以上の作動状態に
おいては、他方のパレツト支持テーブル２０の昇
降プレート３０は支持ローラ３１ａを介して未加
工の工作物を載置したパレツト５０を支持して下
降しており、このパレツト５０はパレツト支持テ
ーブル２０に支持部材２４を介して当接支持され
ると共にノツチ５２と基準部材２５の係合により
固定されており、そのフツク５１は搬入出装置４
０の係合部材４６と係合してはいない。次いで、
前記一方のパレツト支持テーブル２０の昇降プレ
ート３０が下降して加工済の工作物Ｗを支持した
パレツト５０のフツク５１と係合部材４６の係合
を離脱すると同時に支持部材２４を介してこのパ
レツト５０をパレツト支持テーブル２０に当接支
持させ、またノツチ５２を基準部材２５の突出部
に係合させてこのパレツト５０をパレツト支持テ
ーブル２０に対し固定する。これと同時または前
後して他方のパレツト支持テーブル２０の昇降プ
レート３０が上昇して未加工の工作物Ｗを載置し
たパレツト５０のノツチ５２を基準部材２５の突
出部から離脱すると同時にこのパレツト５０のフ
ツク５１を係合部材４６の他側に係合し、この間
にテーブル１２は他方のパレツト支持テーブル２
０の正面に割り出される。次いで搬入出装置４０
が作動し係合部材４０が前進して未加工の工作物
Ｗを支持したパレツト５０がテーブル１２上に搬
入される。

〔考案の効果〕

本考案によれば、一対のパレツト支持テーブル
の昇降プレートに支持されるパレツトは、交互に
昇降し、その間に設けられた搬入出装置の係合部
材の両側に交互に係合・離脱されてテーブル上へ
の搬入・搬出が交互に行われるので、搬入出装置
は両パレツト支持テーブルの間に１個を設けるの
みで足り、従つてパレツト交換装置が小型化され
てその設置スペースを少なくすることができる。
しかも昇降プレートの昇降により搬入出装置の係
合部材に対するパレツトの係脱と、パレツトを固
定するためのパレツト支持テーブルに対するパレ
ツトの係脱が同時に行われるので、この各係脱を
行わせる機構が共通化されて構造が簡単かつコン
パクトになり、製造コストを低下させることがで
きる。また、昇降プレート３０は搬入・搬出の間
を除き下降させてパレツト５０を支持部材２４に
当接支持させておくことができるので、停電その
他の故障が生じた場合でも不用意にパレツト５０
が下降するおそれは少なく、作動の安定性がよ
い。更に、各パレツト支持テーブルの搬入出装置
と反対側は開放されるので切粉の排出処理が容易
となる。

〔実施例〕

以下に、第１図〜第４図に示す実施例の説明を
する。

第１図に示す平面図において、工作機械のベツ
ド１０上には、案内面１１を介してスライドテー
ブル１２が水平な左右方向（Ｘ方向）に移動可能
に案内支持されている。スライドテーブル１２に
は回転テーブル１３を介して図略のガイドレール
が設けられ、このガイドレールは後述の如くパレ
ツト支持テーブル２０の昇降プレート３０から搬
入出装置４０により搬入されるパレツト５０を案
内支持すると共に多少上下動し、下降した状態に
おいては工作物Ｗを載置固定したパレツト５０を
スライドテーブル１２の回転テーブル１３上にク
ランプするようになつている。ベツド１０の一側
にはＸ方向と平行に機枠１５が設けられ、その上
に本考案によるパレツト交換装置が設けられてい
る。

主として第１図及び第２図に示す如く、機枠１
５上にはＸ方向に沿つて左右一対のパレツト支持
テーブル２０が配置され、各パレツト支持テーブ
ル２０はパレツト５０をＸ方向と直交する水平な
Ｙ方向に案内支持する昇降プレート３０を昇降装
置３５を介して支持し、また両パレツト支持テー
ブル２０の間には搬入出装置４０が設けられてい
る。此等パレツト支持テーブル２０、昇降プレー
ト３０、昇降装置３５及び搬入出装置４０が本考
案のパレツト交換装置の主要部を構成している。

先ずパレツト支持テーブル２０につき説明すれ
ば、第２図及び第３図に示す如く、機枠１５上に
固定されたテーブル台座２１には鉛直な回転軸２
３及び環状のボールレース２１ａが固定され、こ
の回転軸２３、ボールレース２１ａ及びボール２
１ｂを介してテーブル本体２２が回転自在に支持
されている。第３図に示す如く、テーブル台座２
１にはシリンダ装置２６により昇降する位置決め
ピン２７が設けられている。テーブル本体２２は
これに支持される昇降プレート３０の案内方向が
Ｙ方向となつた位相及びその他の所定の位相にお
いて位置決めピン２７を上昇させればその先端が
テーブル本体２２に形成されたノツチ２８に嵌合
してその位相に位置決めされ、位置決めピン２７
を下降させれば回転軸２３を中心として回転自在
となる。テーブル本体２２には手動による回転操
作のための取手２９が設けられている。また各パ
レツト支持テーブル２０のベツド１０側に位置し
て、機枠１５上には支持ローラ１７を備えた中間
レール１６が設けられている。

第１図〜第３図に示す如く、長方形の昇降プレ
ート３０は一対の昇降装置３５を介してテーブル
本体２２に支持されている。昇降装置３５はテー
ブル本体２２に鉛直方向に形成されたシリンダ３
６、これに嵌合するピストン３７及びロツドカバ
ー３８よりなり、ピストンロツド３７ａの先端は
昇降プレート３０に固定されている。ポート３９
よりピストン３７の下側に流体圧を導入すれば昇
降プレート３０は上昇し、流体圧を除去すれば下
降する。昇降プレート３０の両長辺に沿つてパレ
ツト５０を案内支持する支持ローラ３１ａ及び案
内ローラ３１ｂが設けられている。昇降プレート
３０は、テーブル本体２２が位置決めピン２７に
より基準位置に位相決めされかつ上昇した状態で
は、第１図及び第２図の右半部に示す如く、各ロ
ーラ３１ａ，３１ｂを介してパレツト５０をＹ方
向に移動可能に案内支持するものである。また、
昇降プレート３０はパレツト５０を所定位置に支
持しかつ下降した状態においては、主として第２
図の左半部に示す如く、パレツト５０の下面をテ
ーブル本体２２上の支持部材２４に当接すると共
にパレツト５０のノツチ５２をテーブル本体２２
の基準部材２５の突出部に嵌合して、パレツト５
０をテーブル本体２２に固定している。昇降プレ
ート３０の中央には回転軸２３を同軸的にかつ摺
動自在に貫通するロツド３２が固定されている。
このロツド３２は昇降プレート３０と共に上下動
し、その下端に形成したドツグが図略のリミツト
スイツチと協働して昇降プレート３０の昇降を検
出するようになつている。

搬入出装置４０は、第１図、第２図及び第４図
に示す如く、両パレツト支持テーブル２０の中間
において、台枠１５ａを介して機枠１５上に載置
されている。搬入出装置４０は、台枠１５ａに固
定された支持部材４１と、支持ローラ４７ａ及び
案内ローラ４７ｂを介してＹ方向に移動可能に支
持部材４１に案内支持された中間部材４２と、支
持ローラ４８ａ及び案内ローラ４８ｂを介してＹ
方向に移動可能に中間部材４２に案内支持された
移動部材４３と、この移動部材４３に固定された
係合部材４６と、搬入出用シリンダ装置４４を主
要構成部材としている。中間部材４２の中央に形
成されたスリツト４２ａ内には互に噛合する３個
の歯車４５，４５ａ，４５ｂが傾斜方向に配置さ
れて中間部材４６に軸支され、下側の歯車４５ａ
は支持部材４１に固定された固定ラツク４１ａと
噛合し、上側の歯車４５ｂは移動部材４３に固定
された可動ラツク４３ａに噛合している。搬入出
用シリンダ装置４４のシリンダは支持部材４１に
取り付けられると共にそのピストンロツドは連結
部材４９を介して中間部材４２の先端部に連結さ
れている。以上の構成により搬入出用シリンダ装
置４４が作動すれば、移動部材４３及び係合部材
４６はピストンロツドの２倍のストロークでＹ方
向に進退動するようになつている。係合部材４６
の両側に形成された係合突起４６ａ，４６ｂは左
右のパレツト支持テーブル２０，２０の昇降プレ
ート３０，３０に支持されたパレツト５０，５０
に設けられたフツク５１，５１と係脱可能であ
る。すなわち、昇降プレート３０が下降した状態
においては、これに支持されたパレツト５０のフ
ツク５１は、第２図の左半部に示す如く係合突起
４６ａより離脱し、昇降プレート３０が上昇した
状態においてはこれに支持されたパレツト５０の
フツク５１は、第２図の右半部に示す如く係合突
起４６ｂと係合するようになつている。

次に本実施例の作動につき説明する。

第１図に示す如く右側のパレツト支持テーブル
２０の昇降プレート３０に支持されるパレツト５
０がスライドテーブル１２上に搬入されクランプ
され、左右方向に移動してその上に固定された工
作物Ｗが図略の加工ヘツド等により加工されてい
る状態においては、第２図に示す如く、左側の昇
降プレート３０は下降し各ローラ３１ａ，３１ｂ
を介してこれに支持されたパレツト５０も下降し
てその下面は支持部材２４を介してテーブル本体
２２に当接支持され、ノツチ５２が基準部材２５
の突出部に係合されてテーブル本体２２に固定さ
れ、フツク５１は係合部材４６の係合突起４６ａ
から離脱されている。この状態において左側のパ
レツト５０上の工作物Ｗは加工済のものから未加
工のものに交換される。この交換作業に際して
は、必要に応じて位置決めピン２７を下降させ、
テーブル本体２２を回転自在として取手２９によ
りパレツト５０を回動させて行い、右側のパレツ
ト５０上の工作物Ｗの加工が完了する頃までには
左側のパレツト５０上の工作物Ｗは未加工のもの
と交換されている。

工作物Ｗの加工が完了すれば、加工済の工作物
Ｗを載置したパレツト５０は、第１図に示す如く
右側のパレツト支持テーブル２０の正面に割り出
される。この状態では第２図に示す如く、右側の
昇降プレート３０は上昇し、左側の昇降プレート
３０は下降して左側のパレツト５０は前述のよう
にテーブル本体２２に固定されると共にそのフツ
ク５１は係合部材４６の係合突起４６ａから離脱
されている。この状態において搬入出用シリンダ
装置４４を作動させ、移動部材４３及び係合部材
４６を第１図の二点鎖線で示す前進端まで前進さ
せ、次いでスライドテーブル１２に設けられてパ
レツト５０を支持している図略のガイドレールを
上昇させれば、スライドテーブル１２に対するパ
レツト５０のクランプは外れると同時にパレツト
５０のフツク５１は係合部材４６の右側の係合突
起４６ｂに係合される。この状態において再び搬
入出用シリンダ装置４４を作動させ、移動部材４
３及び係合部材４６を第１図の実線で示す位置ま
で後退させれば、加工済の工作物Ｗを載置したパ
レツト５０は、支持ローラ１７を設けた中間レー
ル１６上を通つて各ローラ３１ａ，３１ｂを備え
た右側のパレツト支持テーブル２０の昇降プレー
ト３０上に戻されて支持される。

次いで右側の昇降プレート３０を下降させて右
側のパレツト５０のフツク５１と係合突起４６ｂ
の係合を外すと共にノツチ５２を基準部材２５に
係合させ、また支持部材２４と当接させてパレツ
ト５０をテーブル本体２２に対し固定し、左側の
昇降プレート３０を上昇させて左側のパレツト５
０のフツク５１と係合突起４６ａを係合させると
共にノツチ５２と基準部材２５の係合を外してパ
レツト５０とテーブル本体２２の固定を解除し、
更にスライドテーブル１２を移動して左側のパレ
ツト支持テーブル２０の正面に割り出した後、搬
入出用シリンダ装置４４を作動させて移動部材４
３及び係合部材４６を前進させれば未加工の工作
物Ｗを載置した左側のパレツト５０はスライドテ
ーブル１２上に搬入される。次いでスライドテー
ブル１２に設けた図略のガイドレールを下降させ
れば、パレツト５０はスライドテーブル１２上に
クランプされると同時にパレツト５０のフツク５
１と係合突起４６ａの係合は離脱する。この状態
において移動部材４３及び係合部材４６を後退さ
せた後、スライドテーブル１２を移動させて図略
の加工ヘツド等によりパレツト５０上の工作物Ｗ
の加工を行う。以後、工作物Ｗの加工が終了する
都度同様の操作を繰り返して、未加工の工作物Ｗ
を載置したパレツト５０との交換を行う。

なお、前記実施例においてはパレツト５０を支
持するテーブル１２をベツド１０に対し移動可能
としたが、テーブルをベツド１０に固定すると共
に一対のパレツト支持テーブル２０を支持する台
をベツド１０に対し移動可能としてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案によるパレツト交換装
置の一実施例を示し、第１図は全体平面図、第２
図は第１図の−断面図、第３図は第１図の
−断面図、第４図は第１図の−断面図、第
５図は従来例の全体平面図である。 符号の説明、１２……テーブル（スライドテー
ブル）、２０……パレツト支持テーブル、２４…
…支持部材、２５……基準部材、３０……昇降プ
レート、３１ａ……支持ローラ、３５……昇降装
置、４０……搬入出装置、４６……係合部材、５
０……パレツト、５１……フツク、５２……ノツ
チ、Ｗ……工作物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工作機械のテーブルに対し水平方向に相対移動
   して同テーブル上に載置される工作物支持用のパ
   レツトを交換するパレツト交換装置において、前
   記相対移動方向に沿つて前記工作機械の一側に配
   置された一対のパレツト支持テーブルと、各パレ
   ツト支持テーブルに昇降装置を介して支持されそ
   れぞれ支持ローラを介して前記パレツトを前記相
   対移動方向とは直交方向に移動可能に案内支持す
   る昇降プレートと、前記パレツト支持テーブルに
   設けられ前記各パレツトが前記昇降プレートと共
   に下降した状態において同パレツトの下面と当接
   してこれを支持する支持部材と、前記各パレツト
   支持テーブルに設けられ前記各パレツトの下降状
   態において同パレツトの下面に形成されたノツチ
   と係合する突出部を有する基準部材と、前記両パ
   レツト支持テーブルの間に設けられ前記直交方向
   に進退動すると共に一対の係合突起を有する係合
   部材を備えた搬入出装置と、前記各パレツトに設
   けられ上昇状態において何れか一方の前記係合突
   起と係合し下降状態において同係合突起より離脱
   するフツクを備えたことを特徴とするパレツト交
   換装置。