JPH0326528Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は複写機、フアクシミリ、プリンタ等に
使用される静電潜像現像装置に関し、詳細にはカ
ートリツジを用いてトナーの補給を行なう現像装
置に関する。

「従来の技術」 電子写真装置或いは静電記録装置に用いられる
現像装置は、トナー収納室と補給口よりなる枠体
と、前記収納室内に配置され前記トナーを感光体
表面に形成された静電潜像部に搬送付着させる各
種現像部材等からなり、前記収納室内に収納され
たトナーは、現像部材等により現像毎に感光体表
面に付着されてトナー像として装置外に排出され
る構成の為、定期的に前記トナーを収納室内に補
給する必要がある。

この為、従来公知の現像装置にあつては、トナ
ー補給時における補給作業の簡易化とトナーの外
部飛散を防止する為、トナー収納容器をカートリ
ツジ化し、該カートリツジをそのまま装置内に装
着させた装置が種々提案されている。

「考案が解決しようとする技術的課題」 しかしながら前記現像装置に用いるトナーは湿
気等により固化し易く且つ他の異物の混入を極度
に嫌う為、前記カートリツジと現像装置のカート
リツジ装着部間に隙間やガタ等を生じさせる事な
くきつちり収納する必要があるが、カートリツジ
を現像装置内にきつちり収納させる構成にすると
逆に該カートリツジの取り出しが極めて面倒にな
り易い。

又、取り易くする為前記カートリツジ上部に取
手をつけるとスペースが大きくなり機械全体が大
型化する。

又前記カートリツジ装着部内に手を入れてカー
トリツジの取り出しを行なう際に、誤つて該装置
部周辺に付着していトナーに接触し、手や着衣を
汚してしまう場合があつた。

更に、前記カートリツジを取り出す際又は取り
出し後に、該カートリツジに残留しているトナー
が不用意に装置外にこぼれてしまい、周囲の他の
器物や着衣を汚してしまう場合もあつた。

本考案はかかる従来技術の欠点に鑑み、カート
リツジや現像装置内のカートリツジ装着部に何等
接触又は手を触れる事なく、一動作で簡単に前記
カートリツジを前記装着部外に排出させる事が出
来る静電潜像現像装置を提供する事を目的とす
る。

「課題を解決する為の技術手段」 本考案は、トナーを収納するカートリツジと該
カートリツジを着脱自在に装着するカートリツジ
ッ装着部とを有する現像装置に適用されるもの
で、 その特徴とする所は、第２Ａ及び第２Ｂ図に示
すように、 カートリツジ３０側においてはカートリツジ３
０装入方向に沿うカートリツジ３０側壁面側の所
定箇所に、カートリツジ底面３０Ａとほぼ平行に
形成された係止面３６ａを設けた点。

一方前記カートリツジ装着部１２側において
は、前記カートリツジ３０側壁面と対面する側
に、 前記カートリツジ底面３０Ａ側に配置され該底
面３０Ａを排出方向に押圧可能に弾性力を付勢し
た水平部位２３と、前記係止面３６ａに係合可能
な折曲部を設けた垂直部位２２と、該垂直部位２
２の先側に設け前記係合位置から解除する方向に
前記垂直部位２２を変位可能な把手部２２ｂとを
一体的に形成した弾性部位２１を取り付けた点に
ある。

「作用」 かかる技術的手段によれば、カートリツジ３０
を装着する場合は第２Ａ図に示すように、前記弾
性部材２１の水平部位２３の付勢力に抗して、前
記カートリツジ３０をカートリツジ装着部１２側
に装入しながら、前記カートリツジ３０係止面３
６ａに前記垂直部位２２の折曲部を係合させる事
により第２Ｂ図に示すように、前記カートリツジ
３０が水平部位２３の付勢力と前記折曲部間に挟
持されて位置規制された状態で装着され、 一方前記カートリツジ３０を取外す場合は、第
２Ｂ図に示すように、垂直部位２２先側に設けた
把手部２２ｂを介して、前記係合位置から解除す
る方向に前記垂直部位２２を変位させることによ
り、係止面３６ａから前記折曲部が離脱し、その
後水平部位２３の付勢力により、前記カートリツ
ジ３０が上方に移動し装着位置から離脱させるこ
とが出来る。

従つてかかる技術手段によれば、カートリツジ
３０や現像装置内のカートリツジ装着部１２に何
等接触又は手を触れる事なく、把持部を持つて垂
直部位２２を変位させると云う一動作で簡単に前
記カートリツジ３０を前記装着部１２外に排出さ
せる事が出来、これにより前記カートリツジ３０
の取り外し動作の簡易化とトナーによる他の器物
や着衣の汚れを完全に防止する事が出来る。

「実施例」 以下、図面に基づいて本考案の実施例を例示的
に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されて
いる構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置
などは特に特定的な記載がない限り、この考案の
範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説
明例に過ぎない。

第１図は複写機に用いられた本考案の実施例に
係る現像装置を示す。

１０は現像装置のハウジングをなす枠体で、感
光体９の円周方向に沿つて該感光体９のほぼ全幅
に亙つて配置され、感光体９対面側が開口された
トナー収納室１１と、該収納室１１に連なり上側
を開口し、該開口部１２ａよりカートリツジ３０
が装着可能に構成されたカートリツジ装着部１２
とよりなる。

トナー収納室１１には、その外周面を感光体９
に転接しながら回転する現像ローラ１３と、磁石
集成体１４ａと導電性スリーブ１４ｂとよりなり
前記現像ローラ１３にトナーを供給する供給ロー
ラ１４と、現像後前記現像ローラ１３に残存付着
しているトナーを掃き落とすクリーニングブラシ
１５と、穂高規制部材１６を収納すると共に、該
納室１１を形成する底板１７を円弧状に腕曲させ
ながらカートリツジ装着部１２へ向け斜め上方に
延伸させ、後記カートリツジ３０より補給された
トナー３１がトナー収納室１１に流下し、マグネ
ツトローラ１４付近に滞留するように構成する。

前記カートリツジ装着部１２は、前記底板１７
の上端を垂直方向に延伸させた一の側板２４と、
前記収納室１１を形成する上板１８の上端部に固
定された垂直仕切壁２５により形成され、上方に
形成したトナー補給口１２ａよりカートリツジ３
０を装着した際、該カートリツジ３０と装着部１
２間に隙間が生じる事なくきつちり収納されるよ
うに構成する。

第２Ａ図及び第２Ｂ図はカートリツジ３０を装
着する構造を示す断面図であり、第２Ａ図はカー
トリツジ３０の装着前の状態を、第２Ｂ図は装着
された状態を示している。

そして第２Ａ図に示される如く、前記装着部１
２の長手方向両端側１２ｂの少なく共一端には、
略横Ｔ字状の位置規制部材２０が取り付けられて
おり、前記カートリツジ３０を装着した際、その
下面が前記位置規制部材２０の突出片２０ａ上面
に当接されて、該カートリツジ３０上面と装着部
１２上端面が同一平面上になる如く規制してい
る。

又、前記位置規制部材２０のカートリツジ３０
側には、略Ｌ字状の弾性部材２１が取り付けられ
ており、該弾性部材２１は垂直部位２２基部を前
記位置規制部材２０のカートリツジ３０側垂直面
に固定されている。

そして前記垂直部位２２は、その上側中央部を
カートリツジ３０側に向け直角に折曲し、後記カ
ートリツジ３０の係止部３６ａに係止可能な折曲
部２２ａを形成すると共に、該折曲部２２ａの先
端部を更に反カートリツジ３０側に斜め上方に折
返し、カートリツジ３０交換時に使用する把持部
２２ｂを形成する。

一方前記垂直部位２２の基端より前記位置規制
部材２０の突出片２０ａに沿つてカートリツジ３
０側に延伸された水平部位２３を円弧状に又は直
線状に腕曲させ、カートリツジ３０を装着した
際、該カートリツジ３０下面に上方に向け弾性力
が付勢されるよう構成する。

かくしてカートリツジ３０を下方に押圧すれば
弾性部材２１の働きにより第２Ｂ図のように装着
部１２に装着される。

次にカートリツジ３０の構成について第３図乃
至第５図に基づいて説明する。

カートリツジ３０は、トナーを収納する細長い
方形の中空容器３２と、該容器３２の下面長手方
向のほぼ全長に亙つて開口された開口部３３と該
開口部３３を密封する剥離可能なシール部材４０
とにより構成される。

中空容器３２は透明又は呂半透明の樹脂体で形
成し、長手方向側壁面３４の下方を、傾斜壁３４
ａと垂直壁３４ｂによつて断面Ｙ型状に絞り込む
と共に、該垂直壁３４ｂの下端を外方に直角に折
返し、開口部３３の両側全長に亙つて前記シール
部材４０の貼着面３５を形成する。

又該中空容器３２の長手方向両端側、即ち前記
シール部材４０の貼着面３５に対し直角に形成さ
れた端壁面３２ａに楔状の係止部材３６，３７を
形成する。

係止部材３６，３７は上面を前記シール部材４
０の貼着面３５に対し平行に形成し、前記弾性部
材２１の折曲部２２ａが係止可能な係止面３６
ａ，３７ａとなすと共に、その下端を前記貼着面
３５と同一平面上か、又は僅かに突出する如く構
成する。

又前記係止部材３６，３７の内、一側の係止部
材３７には上面より下端まで貫通する、後記シー
ル部材４０が挿通可能なスリツト溝状の挿通部３
８が穿設されている。

挿通部３８は、第５図に示される如く、前記中
空容器３２端壁面３２ａに沿つて、開口部３３開
口面（貼着面３５）に対し直角に変向させて形成
すると共に、該挿通部３８下端の入口側３８ａ
を、カートリツジ装着部１２のトナー補給口１２
ａ内に位置するように形成すると共に、前記中空
容器３２端壁面３２ａと対向する内壁面３８ａ側
にクリーニング部材３９を取り付ける。

クリーニング部材３９は前記挿通部３８下端の
入口側３８ａ付近に配設され、フエルト、スポン
ジ、マイラー、ブレード、樹脂フイルム、植毛等
の可撓性部材で形成すると共に、該挿通部３８内
に後記するシール部材４０を挿通した際、該シー
ル部材４０を押圧し、表面に付着したトナー３１
を装置内に掃き落とし可能に構成してある。

シール部材４０は、第４図に示される如く、粘
着テープその他の剥離可能なテープ材で形成さ
れ、挿通部入口側３８ａの端壁面３２ａ縁部より
係止部材３６側に向け、前記開口部３３を密封す
るように貼着面３５全面に貼着した後、前記係止
部材３６の下端内側より折り返して、再び前記係
止部材３７縁部側に延長する。そしてその端側の
引出代４０ａを前記挿通部３８下端より挿通させ
て該挿通部３８上方まで引き出しておく。

次にかかる構成による本実施例の作用を説明す
る。

先づ、第２Ａ図に示される如く、前記カートリ
ツジ３０を、開口部３３を密封させたまま、カー
トリツジ装着部１２のトナー補給口１２ａより挿
入させると、前記装着部１２端側に取り付けられ
た弾性部材２１がカートリツジ３０端側の係止部
材３６の外壁面に沿つて外方に押し拡げられなが
ら徐々に装着部１２内に挿入され、最後にカート
リツジ３０下面が前記位置規制部材２０に当接す
る。

と同時に、前記係止部材３６、の外壁面によつて
外方に押し拡げられていた前記弾性部材２１は、
その押圧を解かれて元に復帰し、該弾性部材２１
の折曲部２２ａが係止部材３６の係止面３６ａに
係止固定し、前記カートリツジ３０の現像装置内
への装着が完了する。（第２Ａ図参照） 前記装着完了後、前記係止部材３７の挿通部３
８上方に引き出されたシール部材４０の端側４０
ａを引つ張り、該シール部材４０を引き出す事に
より、該シール部材４０が先ず挿通部入口側３８
ａの端壁面３２ａ角隅部で直角に折曲されて、該
角隅部に圧接しながら順次シール部材４０が剥離
していき、カートリツジ３０内に収納されたトナ
ー３１が前記開口部３３より徐々に装置内に落下
し、底板１７上面を流下しながら前記トナー収納
室１１に補給される事となる。（第４図参照） 一方、前記挿通部入口側３８ａはカートリツジ
装着部１２のトナー補給口１２ａ内に位置してい
る為、密封時に中空容器３２内に収納されたトナ
ーと接触しているシール部材片面４０ｂにはトナ
ーがべつとり付着しているが、前記端壁面３２ａ
角隅部の圧接と引き出し時の振動により前記トナ
ーがトナー補給口１２ａ内に掃き落とされ、前記
トナー収納室１１に補給される事となる。

更に、該シール部材４０が前記挿通部３８内を
挿通する際、その片面４０ｂが前記クリーニング
部材３９に押圧されながら装置外に排出される構
成の為、前記端壁面３２ａ角隅部での掃き落しに
よつても尚、残存付着しているトー３１は、前記
クリーニング部材３９により完全に挿通部入口側
３８ａによりトナー補給口１２ａ内に掃き落とさ
れる。（第５図参照） この結果、前記シール部材４０は、片面４０ｂ
又は他の個所に付着していたトナー３１を前記端
壁面３２ａ角隅部とクリーニング部材３９による
２回の掃き落しにより完全にトナー補給口１２ａ
内に掃き落とした後、常にクリーンな状態で装置
外に排出させる事が出来、且つ前記掃き落しの
際、トナーが装置外部に飛散する恐れは全く生じ
ない。

そして前記トナー補給後、前記各種現像部材に
より現像を行なう。

そして、現像によるトナーの消費により、前記
トナー収納室１１に滞留しているトナー３１が必
要量以下になつた場合に、カートリツジ３０の交
換を行なう。

カートリツジ３０の交換を行なう場合は前記弾
性部材２１の垂直部位２２先端の把持部２２ｂを
外方に押し拡げる事により、該弾性部材２１とカ
ートリツジ３０の係止部材３６、との固定が解か
れ、一方該カートリツジ３０の下面は前記弾性部
材２１の水平部位２３により弾性力が付勢されて
いる為、自動的に上方に飛び出し、カートリツジ
３０の取り換えを極めて簡単に行なう事が出来
る。（第２Ａ図参照） 「効果」 以上記載の如く本考案によれば、カートリツジ
や現像装置内のカートリツジ装着部に何等接触又
は手を触れる事なく、前記カートリツジの取り外
しを行なう事が出来る為、取り外しの際、着衣や
手を汚す事がない。

又本考案は、弾性部材の付勢力により前記カー
トリツジに弾性力が付勢されて排出される為、該
弾性力による衝撃によりカートリツジ内の残存ト
ナーが現像装置内に落下し、該トナーが残留して
いない状態で前記カートリツジを取り出す事が出
来、カートリツジ取り出しの際又は取り出し後に
おける他の器物や着衣の汚れを完全に防止出来
る。

更に、本考案はカートリツジの装着と排出を一
の弾性部材により行なう為に、構成が極めて簡単
化するとともに、その保守も容易である。

又本考案はカートリツジの底面側より常に弾性
力が付勢された状態で係止面上に位置固定される
ためにガタが生じることなく確実な装着がなされ
る。

等の種々の著効を有す。

尚、本考案の範囲は上記実施例のみに限定され
るものでなく本考案の要旨を変更しない範囲で自
由な設計変更が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案の実施例を示し、第
１図は該実施例の断面図、第２図はカートリツジ
の係合状態を示す概略説明図で、第２Ａ図は係合
した状態、第２Ｂ図は離脱時又は挿入時の状態を
示す。第３図は本実施例に使用されるカートリツ
ジの斜視図、第４図はカートリツジの開口部にシ
ール部材を取り付けた状態を示す断面図、第５図
は挿通部の構成を示す要部拡大図である。 １２：カートリツジ装着部、２１：通性部材、
３０：カートリツジ、３６，３７：係止部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 トナーを収納するカートリツジと該カートリツ
   ジを着脱自在に装着するカートリツジ装着部とを
   有する静電潜像現像装置において、 カートリツジ装入方向に沿うカートリツジ側壁
   面側の所定箇所に、カートリツジ底面とほぼ平行
   に形成された係止面を設け、 一方前記カートリツジ装着部の前記カートリツ
   ジ側壁面と対面する側に、 前記カートリツジ底面側に配置され該底面を排
   出方向に押圧可能に弾性力を付勢した水平部位
   と、前記係止面に係合可能な折曲部を設けた垂直
   部位と、該垂直部位の先側に設け前記係合位置か
   ら解除する方向に前記垂直部位を変位可能な把手
   部位とを一体的に形成した弾性部材を取り付け、 前記弾性部材の水平部位の付勢力に抗して、前
   記カートリツジをカートリツジ装着部側に装入し
   ながら、前記カートリツジ係止面に前記垂直部位
   を係合させる事により前記カートリツジが装着さ
   れ、 一方前記把手部位を介して、前記係合位置から
   解除する方向に前記垂直部位を変位させることに
   より水平部位の付勢力により、前記カートリツジ
   を排出可能に構成した 事を特徴とする静電潜像現像装置。