JPH043313Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は複写機、フアクシミリ、プリンタ等の
画像形成装置に適用される静電潜像現像装置に関
し、更に詳細にはトナーの補給を行なうカートリ
ツジを有する現像装置に関する。

「従来の技術」 前記画像形成装置に用いられる静電潜像現像装
置は、トナー収納室と、該収納室内に配置され前
記トナーを感光体表面に形成された静電潜像部に
搬送付着させる各種現像部材等からなり、前記収
納室内に収納されたトナーは、現像部材等により
現像毎に感光体表面に付着されてトナー像として
装置外に排出される。

従つてこの種の現像装置にあつては定期的に前
記トナーを収納室内に補給する必要があり、従来
公知の現像装置においては一般に前記収納室の上
方に開口させたトナー補給口より、トナーを収納
カートリツジを用いて、前記収納室内にトナーを
補給する構成を採つている。

しかしながらこの種の従来装置においては、粘
着テープ又はその他のシール手段を用いて密封し
たカートリツジの開口部を現像装置外で開口した
後、該開口状態にあるカートリツジを現像装置ま
で搬送して該装置内に装着するように構成してあ
る為、前記開口部を開口時に、又はカートリツジ
を現像装置内に装着する時に、誤つて開口部より
トナーを装置外にこぼして周囲の他の器物や着衣
を汚してしまう場合が多々あつた。

この為、例えば特開昭58−14178号に示す如く、
現像装置内にカートリツジを装着後該カートリツ
ジの開口部を開口させる事により、自動的にトナ
ーが現像装置内に補給され、この結果前記トナー
の装置外への飛散やこぼれ等を防止し得る技術が
提案されている。

その構成を第１図に基づいて簡単に説明する
と、１はトナーを収納したカートリツジで、細長
く形成され且つ下側側壁面のほぼ全長に亙つて開
口部２ａを形成したトナー容器２と、前記開口部
２ａを密閉するテープ状のシール部材３とよりな
り、前記シール部材３を開口部２ａ縁面に貼着す
ると共に、該シール部材３を一端部から他端部へ
折返して延長し、その先端部を引出代３ａとして
形成してある。

４は現像装置のカートリツジ装着部で、カート
リツジ挿入方向入口側の縁部４ａに、前記シール
部材３幅方向に接触するクリーニングブレード５
が設けられている。

そして前記カートリツジ１をカートリツジ装着
部４に装着後、前記引出代３ａを持つてシール部
材３を引き出す事により、密封時にトナー容器２
内のトナーと接触していたシール部材３片面が前
記クリーニングブレード５に接触しながら引き出
される為、前記シール部材３片面に付着していた
トナーが自動的に現像装置内に掻き落され、トナ
ー補給時における前記トナーの装置外への飛散や
こぼれ等を防止する事が出来る。

「考案が解決しようとする技術的課題」 しかしながらかかる構成であつても、前記クリ
ーニングブレード５は現像装置のカートリツジ装
着部４側に設けられている為、前記カートリツジ
１と装着部４間のクリアランス又は寸法誤差等に
より生ずるガタ等により、前記クリーニングブレ
ード５とシール部材３とが均一に圧接される事が
なく、この為前記トナーの掻き落しが十分に行な
われず、シール部材３片面に付着したトナーが残
存したまま装置外に引き出されてしまう。

又、前記装置外に引き出されたシール部材３
は、トナー容器外側角隅部２ｂで直角に折曲され
て外方に引き出される如く構成してある為、前記
折曲時の圧接や振動により前記シール部材３に残
存付着しているトナーが、前記角隅部２ｂで装置
外に飛散やこぼれが生じてしまい、他の器物や着
衣を汚してしまう場合がある。

又、前記クリーニングブレード５は、カートリ
ツジ装着部入口の縁部４ａに設けられている為、
前記トナー掻き落としの際、そのトナーの全てが
装着部内に落下する事なくその一部がクリーニン
グブレード５の出口側、即ち現像装置外へ飛散し
てしまう。

更にクリーニングブレード５は装着部４側に設
けられているのでカートリツジ１を装着する際に
破損したり、長期の使用により摩耗する等クリー
ニング効果が発揮出来ない。

等の種々の欠点を生じ、前記トナーの装置外への
飛散やこぼれ等が完全に防止し得なかつた。

本考案はかかる従来技術の欠点に鑑み、トナー
補給時における前記トナーの装置外への飛散やこ
ぼれ等を完全に防止する事を出来る現像装置を提
供する事を目的とする。

「課題を解決する為の技術手段」 而して本考案の特徴とする所は、 開口面を有するトナー容器と前記開口面を密閉
する開封可能なシール部材と該シール部材を外部
に導出させる挿通部とを有するトナーカートリツ
ジを含む静電潜像現像装置において 前記挿通部を、トナー容器の壁面に沿つて開口
面と垂直方向に所定長さをもつて形成すると共
に、 該挿通部内の前記シール部材のトナー付着面と
対峙する側にクリーニング手段を設け、 該クリーニング手段により掻き落とされたトナ
ーが、現像装置側のトナー補給口内に落下するよ
うに前記挿通部入口をトナー補給口と対面する側
に設けた事を特徴とする静電潜像現像装置を提案
する。

「作用」 かかる技術手段によれば、第６図に示すように
挿通部３８出口側に引き出されたシール部材４０
の端側４０ａを引つ張り、該シール部材４０を引
き出す事により、カートリツジ３０内に収納され
たトナー３１が開口部３３より徐々に装置内に落
下し、現像装置内のトナー収納室１１に補給され
るとともに、 特に本考案は開口面３３ａにより変向した後の
壁面３２ａに沿つて挿通部３８を形成し該挿通部
３８内にクリーニング手段３９を設けた為に、該
変向した位置にある稜線部３２１ａで（その圧接
と引き出し時の振動により）第１のトナーの掃き
落しが行なわれる。

この際前記シール部材４０は前記稜線部３２１
ａより直接外部に引出されるのではなく、壁面に
沿つて所定長さをもつて形成された挿通部３８内
に導入されるために外部飛散の恐れが全くない。

そして前記第１の掃き落としの後前記シール部
材４０が挿通部３８内を挿通される事により、該
挿通部内のクリーニング手段３９により前記稜線
部３２１ａでの掃き落しによつても尚、残存付着
しているトナー３１がトナー補給口１２ａ側に掃
き落とされ、 而も前記クリーニング手段３９は、挿通部に対
応させて壁面に沿つて長く形成し得るために、前
記トナーの掻き落としが一層完全に行なうことが
出来る。

この結果、前記シール部材４０の付着トナー３
１は前記稜線部とクリーニング手段３９による２
段階の掃き落しにより完全にトナー補給口１２ａ
内に掃き落した後、常にクリーンな状態で装置外
に排出させる事が出来、且つ前記掃き落しの際、
トナーが装置外部に飛散する恐れは全く生じな
い。

「実施例」 以下、図面に基づいて本考案の実施例を例示的
に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されて
いる構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置
などは特に特定的な記載がない限りは、この考案
の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる
説明例に過ぎない。

第２図は複写機に用いられた本考案の実施例に
係る現像装置を示す。

１０は現像装置のハウジングをなす枠体で、感
光体９の円周方向に沿つて該感光体９のほぼ全幅
に亙つて配置され、感光体９対面側が開口された
トナー収納室１１と、該収納室１１に連なり上側
を開口し、該開口部１２ａよりカートリツジ３０
が装着可能に構成されたカートリツジ装着部１２
とよりなる。

トナー収納室１１には、その外周面を感光体９
に転接しながら回転する現像ローラ１３と、磁石
集成体１４ａと導電性スリーブ１４ｂとよりなり
前記現像ローラ１３にトナーを供給する供給ロー
ラ１４と、現像後前記現像ローラ１３に残存付着
しているトナーを掃き落とすクリーニングブラシ
１５と、穂高規制部材１６とを収納すると共に、
該収納室１１を形成する底板１７を円弧状に腕曲
させながらカートリツジ装着部１２へ向け斜め上
方に延伸させ、後記カートリツジ３０より補給さ
れたトナー３１がトナー収納室１１に流下し、マ
グネツトローラ１４付近に滞留するように構成す
る。

前記カートリツジ装着部１２は、前記底板１７
の上端を垂直方向に延伸させた一の側板２４と、
前記収納室１１を形成する上板１８の上端部に固
定された垂直仕切壁２５により形成され、上方に
形成したトナー補給口１２ａよりカートリツジ３
０を装着した際、該カートリツジ３０と装着部１
２間に隙間が生じる事なくきつちり収納されるよ
うに構成する。

第３Ａ図及び第３Ｂ図はカートリツジ３０を装
着する構造を示す断面図であり、第３Ａ図はカー
トリツジ３０の装着前の状態を、第３Ｂ図は装着
された状態を示している。

そして第３Ａ図に示される如く、前記装着部１
２の長手方向両端側１２ｂの少なく共に一端に
は、略横Ｔ字状の位置規制部材２０が取り付けら
れており、前記カートリツジ３０を装着した際、
その下面が前記位置規制部材２０の突出片２０ａ
上面に当接されて、該カートリツジ３０上面と装
着部１２上端面が同一平面上になる如く規制して
いる。

又、前記位置規制部材２０のカートリツジ３０
側には、略Ｌ字状の弾性部材２１が取り付けられ
ており、該弾性部材２１は垂直片２２基部を前記
位置規制部材２０のカートリツジ３０側垂直面に
固定されている。

そして前記垂直片２２は、その上側中央部をカ
ートリツジ３０側に向け直角に折曲し、後記カー
トリツジ３０の係止面に係止可能な折曲部２２ａ
を形成すると共に、該折曲部２２ａの先端部を更
に反カートリツジ３０側に斜め上方に折返し、カ
ートリツジ３０交換時に使用するつまみ部２２ｂ
を形成する。

一方前記垂直片２２の基端より前記位置規制部
材２０の突出片２０ａに沿つてカートリツジ３０
側に延伸された水平片２３を円弧状に又は直線状
に腕曲させ、カートリツジ３０を装着した際、該
カートリツジ３０下面に上方に向け弾性力が付勢
されるよう構成する。

かくしてカートリツジ３０を下方に押圧すれば
弾性部材２１の働きにより第３Ｂ図のように装着
部１２に装着される。

次にカートリツジ３０の構成について第４図乃
至第６図に基づいて説明する。

カートリツジ３０は、トナーを収納する細長い
方形のトナー容器３２と、該容器３２の下面長手
方向のほぼ全長に亙つて開口された開口部３３
と、該開口部３３を密封する剥離可能なシール部
材４０とにより構成される。

トナー容器３２は透明又は半透明の樹脂体で形
成し、長手方向側壁面３４の下方を、傾斜壁３４
ａと垂直壁３４ｂによつて断面Ｙ型状に絞り込む
と共に、該垂直壁３４ｂの下端を外方に直角に折
返し、開口部３３の両側全長に亙つて前記シール
部材４０の貼着面３５を形成する。

又該トナー容器３２の長手方向両端側、即ち前
記シール部材４０の貼着面３５に対し直角に形成
された端壁面３２ａに楔状の係止部材３６，３７
を形成する。

係止部材３６，３７は上面を前記シール部材４
０の貼着面３５に対し平行に形成し、前記弾性部
材２１の折曲部２２ａが係止可能な係止面３６
ａ，３７ａとなすと共に、その下端を前記貼着面
３５と同一平面上か、又は僅かに突出する如く構
成する。

又前記係止部材３６，３７の内、一側の係止部
材３７には上面より下端まで貫通する、後記シー
ル部材４０が挿通可能なスリツト溝状の挿通部３
８が穿設されている。

挿通部３８は、第６図に示される如く、前記ト
ナー容器３２端壁面３２ａに沿つて、開口部３３
開口面３３ａ（貼着面３５）に対し直角に変向さ
せて形成すると共に、該挿通部３８下端の入口側
３８ａを、カートリツジ装着部１２のトナー補給
口１２ａ内に位置するように形成すると共に、前
記トナー容器３２端壁面３２ａと対向する内壁面
３８ａ側にクリーニング部材３９を取り付ける。

クリーニング部材３９は前記挿通部３８下端の
入口側３８ａ付近に配設され、フエルト、スポン
ジ、マイラー、ブレード、樹脂フイルム、植毛等
の可撓性部材で形成すると共に、該挿通部３８内
に後記するシール部材４０を挿通した際、該シー
ル部材４０を押圧し、表面に付着したトナー３１
を装置内に掃き落とし可能に構成してある。

シール部材４０は、第５図に示される如く、粘
着テープその他の剥離可能なテープ材で形成さ
れ、挿通部入口側３８ａの端壁面３２ａ縁部より
係止部材３６側に向け、前記開口部３３を密封す
るように貼着面３５全面に貼着した後、前記係止
部材３６の下端内側より折り返して、再び前記係
止部材３７縁部側に延長する。そしてその端側の
引出代４０ａを前記挿通部３８下端より挿通させ
て該挿通部３８上方まで引き出しておく。

次にかかる構成による本実施例の作用を説明す
る。

先づ、第３Ａ図に示される如く、前記カートリ
ツジ３０を、開口部３３を密封させたまま、カー
トリツジ装着部１２のトナー補給口１２ａより挿
入させると、前記装着部１２端側に取り付けられ
た弾性部材２１がカートリツジ３０端側の係止部
材３６の外壁面に沿つて外方に押し拡げられなが
ら徐々に装着部１２内に挿入され、最後にカート
リツジ３０下面が前記位置規制部材２０に当接す
る。

と同時に、前記係止部材３６、の外壁面によつて
外方に押し拡げられていた前記弾性部材２１は、
その押圧を解かれて元に復帰し、該弾性部材２１
の折曲部２２ａが係止部材３６の係止面３６ａに
係止固定し、前記カートリツジ３０の現像装置内
への装着が完了する。（第３Ａ図参照） 前記装着完了後、前記係止部材３７の挿通部３
８上方に引き出されたシール部材４０の端側４０
ａを引つ張り、該シール部材４０を引き出す事に
より、該シール部材４０が先ず挿通部入口側３８
ａの端壁面３２ａ角隅部で直角に折曲されて、該
角隅部に圧接しながら順次シール部材４０が剥離
していき、カートリツジ３０内に収納されたトナ
ー３１が前記開口部３３より徐々に装置内に落下
し、底板１７上面を流下しながら前記トナー収納
室１１に補給される事となる。（第５図参照） 一方、前記挿通部入口側３８ａはカートリツジ
装着部１２のトナー補給口１２ａ内に位置してい
る為、密封時にトナー容器３２内に収納されたト
ナーと接触しているシール部材片面４０ｂにはト
ナーがべつとり付着しているが、前記端壁面３２
ａ角隅部の圧接と引き出し時の振動により前記ト
ナーがトナー補給口１２ａ内に掃き落とされ、前
記トナー収納室１１に補給される事となる。

更に、該シール部材４０が前記挿通部３８内を
挿通する際、その片面４０ｂが前記クリーニング
部材３９に押圧されながら装置外に排出される構
成の為、前記端壁面３２ａ角隅部での掃き落とし
によつても尚、残存付着しているトナー３１は、
前記クリーニング部材により完全に挿通部入口側
３８ａによりトナー補給口１２ａ内に掃き落とさ
れる。（第６図参照） この結果、前記シール部材４０は、片面４０ｂ
又は他の個所に付着していたトナー３１を前記端
壁面３２ａ角隅部とクリーニング部材３９による
２回の掃き落としにより完全にトナー補給口１２
ａ内に掃き落とした後、常にクリーンな状態で装
置外に排出させる事が出来、且つ前記掃き落とし
の際、トナーが装置外部に飛散する恐れは全く生
じない。

そして前記トナー補給後、前記各種現像部材に
より現像を行なう。

そして、現像によるトナーの消費により、前記
トナー収納室１１に滞留しているトナー３１が必
要量以下になつた場合に、カートリツジ３０の交
換を行なう。

カートリツジ３０の交換を行なう場合は前記弾
性部材２１の垂直片２２先端のつまみ部２２ｂを
外方に押し拡げる事により、該弾性部材２１とカ
ートリツジ３０の係止部材３６、との固定が解か
れ、一方該カートリツジ３０の下面は前記弾性部
材２１の水平片２３により弾性力が付勢されてい
る為、自動的に上方に飛び出し、カートリツジ３
０の取り換えを極めて簡単に行なう事が出来る。
（第３Ａ図参照） 「効果」 以上記載の如く本考案によれば、シール部材を
外部に導出させる挿通部をカートリツジ側に形成
し、該挿通部を開口面に対し変向させて形成する
と共に、該挿通部入口側を、現像装置側のトナー
補給口内に位置するように構成した為、カートリ
ツジを現像装置内へ装着後、該カートリツジ開口
面を密封するシール部材を挿通部より引き出して
カートリツジ開口部を開口する際、該シール部材
に付着しているトナーを確実且つ自動的にトナー
補給口内に掃き落す事が出来る為、前記トナーの
装置外への飛散やこぼれ等を完全に防止する事が
出来る。

等の種々の著効を有す。

尚、上記実施例においては、シール部材として
粘着テープを２つに折り返して２重層として形成
し、その端側を挿通部より引き出しながら前記密
封しているテープを剥離し、開口する構成を取つ
たが、本考案の範囲はこれのみに限定されるもの
でなく本考案の要旨を変更しない範囲で自由な設
計変更が可能である。

例えば前記シール部材として糸とテープとを組
み合わせて用い、糸を引つ張る事により開口部に
貼着していたテープを破断又は剥離する構成も採
る事が出来る。

又挿通部においても、開口面と変向して形成す
る事が出来れば溝部の他に通路、孔部、凹部等
種々の挿通部を用いる事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来公知の現像装置を示す要部断面図
である。第２図乃至第６図は本考案の実施例を示
し、第２図は該実施例の断面図、第３図はカート
リツジの係合状態を示す概略説明図で、第３Ａ図
は離脱した状態、第３Ｂ図は係合させた状態を示
す。第４図は本実施例に使用されるカートリツジ
の斜視図、第５図はカートリツジの開口部にシー
ル部材を取り付けた状態を示す断面図、第６図は
挿通部の構成を示す要部拡大図である。 ３０……カートリツジ、３２……トナー容器、
３２ａ……壁面、３３ａ……開口面、３８……挿
通部、３９……クリーニング手段、４０……シー
ル部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 開口面を有するトナー容器と前記開口面を密閉
   する開封可能なシール部材と該シール部材を外部
   に導出させる挿通部とを有するトナーカートリツ
   ジを含む静電潜像現像装置において、 前記挿通部を、トナー容器の壁面に沿つて開口
   面と垂直方向に所定長さをもつて形成すると共
   に、 該挿通部内の前記シール部材のトナー付着面と
   対峙する側にクリーニング手段を設け、 該クリーニング手段により掻き落とされたトナ
   ーが、現像装置側のトナー補給口内に落下するよ
   うに前記挿通部入口をトナー補給口と対面する側
   に設けた事を特徴とする静電潜像現像装置。