JP4222744B2 - 現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体状の現像剤からなる画像を形成するプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に使用される現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真、静電記録等の画像形成方式を利用したプリンタ等の画像形成装置においては、感光体等の像担持体に形成する静電潜像を粉体状の現像剤により現像し、その現像剤からなる画像を記録用紙等の記録媒体に直接又は中間転写体を介して転写することにより画像形成が行われるが、このような画像形成装置にあっては、その現像剤を収容して像担持体と対向する現像領域に供給するための現像装置が装備されている。
【0003】
このような現像装置は、図15に概念的に示すように、像担持体と対向する開口部101と現像剤102が収容される現像剤収容部103とが形成されたハウジング104の開口部101付近に、現像剤収容部103から供給される現像剤102を担持して像担持体と対向する現像領域まで搬送するロール状等の現像剤担持体105が回転可能に取り付けられて構成されている。図中の符号106は、現像剤収容部103内の現像剤102を攪拌しながら現像剤担持体105側に送る現像剤攪拌回転部材である。
【0004】
そして、このような現像装置においては、その使用前の運搬移動時等に現像剤収容部103に収容されている現像剤102がハウジング104の開口部101から外に漏れ出すことを防ぐために、そのハウジング104の現像剤担持体105と現像剤収容部103の間となる部位に対し、使用する直前に剥離して除去するプラスチックフィルム等からなる封止テープ107を貼付している。
【0005】
そのような部位に貼付する封止テープ107は、一般に、ハウジング104の現像剤担持体105と現像剤収容部103の間となる部位に形成する仕切り枠部(封止テープを貼付する枠状の面を有する部位)108に剥離可能に貼付し、しかも、その仕切り枠部108に貼付していないテープの自由端部107aをハウジング104の左右両側面部の一方からテープ引出し口109を通してハウジングの外に引き出せるようにハウジング側面部に一部露出させた状態で取り付けている。そして、この封止テープ107は、現像装置を画像形成装置に装着して使用する直前に、その自由端部を手で掴んでハウジング104の側面から現像剤担持体105又は開口部101とほぼ平行する方向(矢印方向)に沿った状態で引っ張り出すことにより、仕切り枠部108から剥離してテープ引出し口109を通して取り除かれるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような封止テープ107を貼付しておく現像装置にあっては、次のような課題がある。
【0007】
まず、近年における現像装置の小型化の要請によりハウジング104の全体も次第に小型化を余儀なくされるようになり、この結果、封止テープ107のハウジング側面部からの引き出しが困難か又は不可能になってきている。つまり、そのハウジング104全体の小型化に伴い、特にハウジング104の側面部については現像剤担持体105や現像剤攪拌搬送回転部材106等の駆動伝達ギアなどが互いに接近し密集した状態で配設されることになる関係上、そのハウジング側面から封止テープ107を引き出すためのテープ引出口109などを設けるスペースを確保することができなくなるからである。
【0008】
また、封止テープ107をハウジング104の側面部から引き出す現像装置では、そのハウジング側面部のテープ引出口109等に、封止テープ107の引き出しに伴って発生する現像剤の漏れを防止するためのシール対策を施さなければならず、あるいは、引き出される封止テープに付着している現像剤を取り除くための現像剤除去装置又は機構を別途設けなければならず煩わしかった。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、現像装置が小型化されることがあっても、その使用直前において封止テープを容易に剥離して取り除くことができる現像装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し得る本発明の現像装置は、図1に概念的に例示するように、静電潜像が形成される像担持体と対向する開口部1aと現像剤2が収容される現像剤収容部1bとが形成されたハウジング1と、このハウジング1の前記開口部1a付近に回転可能に取り付けられ、前記現像剤収容部1bに収容される現像剤2を担持して前記像担持体と対向する現像領域まで搬送する現像剤担持体3と、前記ハウジング1の前記現像剤担持体3と前記現像剤収容部1bの間となる部位に貼付され、使用直前に剥離して取り除かれる封止テープ4とを有する現像装置において、前記封止テープ4の貼付していない自由端部4aを前記ハウジング1の開口部1aからハウジング外に引き出しておき、その引き出された自由端部1aを引っ張ることにより当該封止テープ4を剥離して取り除くことを特徴とするものである。
【0011】
このような現像装置によれば、封止テープ4の取り除きに際しては、ハウジング1の開口部1aから引き出されているテープ自由端部4aを掴んで引っ張ることにより、封止テープ4が剥離されつつ開口部1aを通して引き出されるようにして取り除かれる。これにより、現像装置が小型化されてハウジング1の側面部に封止テープ4の引出し口を形成することができない場合であっても、かかる制約を受けることなく、ハウジングの開口部1aを利用した封止テープの取り除きが可能となる。
【0012】
ここで、上記ハウジング1は、通常、プラスチック成型品にて形成されるが、特にこれに限定されない。上記現像剤2は粉体状の乾式現像剤であり、具体的には、トナーからなる一成分現像剤、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤のいずれであってもよい。上記現像剤担持体3は、通常、ロール状のものであるが、特にこれに限定されない。図1中における符号7は、現像剤収容部1bに収容されている現像剤2を攪拌しながら所定の方向に搬送する攪拌搬送回転体である。なお、ハウジング1内には、この他にも、適用する現像剤2の種類に応じて必要な構成部品を追加して配設する。
【0013】
また、上記封止テープ4は、現像装置の使用前においてハウジング1の現像剤収容部1bに収容されている現像剤2が現像剤担持体3のある側に移動してハウジング1の開口部1aから外に漏れ出ることを防止することができ、しかも、剥離してハウジング開口部1を通して取り除きやすいものであればよい。
【0014】
また、封止テープ4は、現像剤担持体3に接触しながら引き出されるように、その自由端部4aをハウジング1の開口部1aからそのハウジング1の外面部1cに巻きつけるような状態で引き出しておくとよい。
【0015】
この場合には、取り除かれる封止テープ4が現像剤担持体3に接触しながら引き出されるようになり、これにより、ハウジング1の開口部1aに触れて引き出されることがなくなるため、特にハウジング1がプラスチック成型品で形成されている場合にはそのハウジング開口部1aが封止テープ4の接触により負荷をうけて変形することなどが回避される。また、現像剤担持体3がマグネットを内設する構造のものである場合には、引き出される封止テープ4に付着している磁性成分を含む現像剤が現像剤担持体3に吸着して除去されるようになり、現像剤除去装置などを別途設ける必要がなくなる。
【0016】
また、封止テープ4は、図1bに例示するように、その自由端部がそのテープの貼付部分の両端部からそれぞれ延長させた2つの自由端部4a,4bであり、その2つの自由端部4a,4bをハウジング1の開口部1aから共に引き出しておくとよい。これにより、封止テープ4を両端部側から引っ張るようにして剥離できるため、封止テープ4の取り除きを確実に行うことができるようになる。
【0017】
また、2つの自由端部4a,4bを引き出しておく場合には、封止テープの貼付部分に切り込み4cを形成しておくことが好ましい。これにより、封止テープ4を両端部側から引っ張るようにして剥離する際に、その封止テープ4が貼付部分の両端側から剥離される速度などが異なった場合であっても、その切り込み4cを境に切断されて2分された状態で各自由端部4a,4bによってそれぞれ引っ張られて剥離されるようになるため、より一層確実かつ容易に取り除かれるようになる。さらに、2つの自由端部4a,4bを引き出しておく場合には、その2つの自由端部4a,4bを、ハウジング1の開口部1aから交差させた状態で引き出しておくとよい。これにより、封止テープ4が貼付部分の両端側から中央部にむかって良好に剥離されやすくなり、しかも、現像剤担持体3に確実に接触しながら引き出されるようになり、封止テープ4の取り除きを良好に行うことができる。
【0018】
さらに、封止テープ4は、ハウジング1の現像剤担持体3と現像剤収容部1bの間となる部位に対して取り外し可能に装着する仕切り枠板5に貼付しておくとよい。この場合、仕切り枠板5は、封止テープ4の取り除き時及び取り除き後はハウジング1側にそのまま残る。この仕切り枠板5を採用した場合には、封止テープ4の貼付作業がハウジング1の所定部位に直接貼付するような場合に比べて行いやすくなる。また、現像装置の再利用時においても対応しやすくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図2〜5は本発明を適用した現像装置を示すものであり、図2はその斜視図、図3は図2のQ−Q線に沿う概略断面図、図4はその分解斜視図、図5はその分解要部断面図である。
【0020】
この現像装置は、二成分現像装置であり、基本的に、ハウジング10と、現像ロール13と、ロール状の層規制部材14と、2本のオーガー15、16と、羽根車状のパドルホイール17と、仕切り枠プレート18とでその主要部が構成されている。図3等において、符号70は仕切り枠プレート18に貼付され、現像装置の使用直前に剥離して取り除かれる封止テープ、100は画像情報に応じた静電潜像が形成される像担持体としての感光ドラム、2は非磁性トナー(平均粒径6〜10μm)及び磁性キャリアからなる二成分現像剤、Eは感光ドラム100上の現像領域であり、また、矢印は回転する部品の回転方向を示している。
【0021】
ハウジング10は、全体が板状に扁平した細長い箱形状からなるものであって、その上下に2分割したプラスチック成型品からなる下部ハウジング20と上部ハウジング30とを接合して組み立てる構造になっている。また、このハウジング10は、その下部ハウジング20と上部ハウジング30を組み立てた状態において、感光ドラム100と対向する側の端部にハウジング開口部11が形成されるとともに、その内部に現像剤2が存在する空間12が形成される形態になっている。
【0022】
図2〜5において、符号19は現像ロール13端部の現像剤漏れを防止するためのシール部材、21は下部ハウジング20側に形成された二成分現像剤1を収容する現像剤収容凹部、21aは現像剤収容凹部21を平行する2列の現像剤循環搬送路を仕切るための仕切り壁、21bは現像剤の循環折り返し部兼受入スペース部、21dは現像剤の循環折り返し部、24は仕切り枠プレート18の下部取付溝である。符号13cは現像ロール13(のスリーブ13a)の回転軸、13dは現像ロール13(のマグネットロール13b)の中心固定軸である。また、符号26(a〜e)は上部ハウジング30との組立て接合時に使用される係止突片、36(a〜e)は下部ハウジング20との組立て時おいて上記係止突片26(a〜e)が差し込まれる係止孔である。符号27はスナップフィット用係止片(37)が係止されるスナップフィット用係止部、28は位置決めピンである。符号33は現像剤補給部、33aは補給口、34は仕切り枠プレート18の上部取付溝、37はスナップフィット用係止片、39は上下ハウジングの接合部における現像剤漏れを防止するためのシール用弾性部材である。
【0023】
さらに、符号40、50は、下部ハウジング20と上部ハウジング30を接合した後に、その両ハウジング20、30を一体化してなるハウジング10の左右両端部にその外側から嵌め込んで装着することにより、両ハウジング20、30の接合状態を補強するための第1及び第2のサイドブラケットである。
【0024】
また、現像ロール13は、ハウジング開口部11から一部露出するような状態で回転駆動可能に配置される中空円筒形状からなる非磁性のスリーブ13aと、このスリーブ13aの中空内に位置固定された状態で配置され、複数の磁極が所定の角度に適宜配置されたマグネットロール13bとで構成されたものである。層規制ロール14は、現像ロール13(スリーブ13a)の表面に担持される二成分現像剤1の層厚を所定の厚さに規制するための非磁性ロールからなるもの(非磁性ロールトリマー)であり、そのスリーブ13aの表面に対して当該層規制の厚さに相当する間隙をあけた状態で対向配置される。
【0025】
また、オーガー15、16は、回転軸部15a,16aに二成分現像剤1を攪拌搬送するための羽根部15b,16bを螺旋状に所定のピッチで巻きつけた状態に形成した回転部材であり、下部ハウジング20の現像剤収容凹部21における前記2列の現像剤循環搬送路内でそれぞれ回転駆動するように配設されている。パドルホイール17は、回転軸部に4枚の羽根部を形成した羽根車状の回転部材であり、現像ロール13とオーガー16の間となる位置で回転駆動するように配設されている。
【0026】
さらに、仕切り枠プレート18は、図5、6に示すように、この現像装置の使用直前に剥離して取り除く封止テープ70を貼付するためのものであって、その封止テープ70の一部が貼付される枠部18aとハウジング10の内部空間12の縦断面形状(細長い長方形)に相応する開口形状からなる開口部18bとを有する板形態からなるものである。この実施の形態では、この仕切り枠プレート18を非磁性のステンレス板(厚さ1mm程度)を用いて形成している。
【0027】
また、この仕切り枠プレート18は、図7、8に示すように、その下辺側枠部18a(L)の上端18dが下部ハウジング20の取付け溝24からわずかに突出するような状態に形成している。この実施の形態では、その仕切り枠プレート18の下辺側枠部18a(L)の高さ寸法hとその取付け溝24の深さdとがh≦d+3(mm)の関係になるように設定している。すなわち、その上端18dの突出高さ量は、最大でも3mm以下になるように規制している。なお、この仕切り枠プレート18の下辺側枠部18a(L)は、好ましくは、その全体がる取付け溝24の中に完全に収容された(換言すれば、隠れた)状態となるように形成する(つまり、h≦dの関係を満たすように設定する)。ちなみに、一成分現像剤を使用する一成分装置の場合においては、仕切り枠プレート18の下辺側枠部18a(L)の上端18dが取付け溝24から突出する高さを、現像領域通過後に現像ロールから剥離される現像剤を少しせき止めて現像剤溜まりを形成して当該現像ロールへの現像剤の供給不足を防止する観点とその突出により現像剤の流れを大きく阻害しないようにする観点から、3〜10mmの範囲内に設定するとよい。
【0028】
また、この仕切り枠プレート18は、その左右の側辺上部に誤差込防止用の突出部18cをそれぞれ形成している(図7)。この突出部18cに対応して、下部ハウジング20の側面部に形成された取付け溝24の上部にも、その突出部18cが仕切り枠プレート18の正しい差し込み時にのみ収まる突出部用溝部24aを形成している。
【0029】
さらに、下部ハウジング20の現像剤供給下段部22の底面部に形成する取付け溝24については、仕切り枠プレート19の下辺側枠部18a(L)が差し込まれるとともに封止テープ70が貼付される側の溝部分24bを、その下辺側枠部18a(L)の板厚よりも広い溝幅となるように現像ロール13側に傾いて溝幅が上方にむけ次第に増す傾斜面で形成している(図8)。
【0030】
そして、この仕切り枠プレート18の片面の枠部18aには、当初、封止テープ70がヒートシール等の貼付手段により剥離可能に貼付される。
【0031】
封止テープ70は、現像剤収容部21側にある現像剤2が現像ロール13側に移動することを阻止できる強度を有する帯状の部材であり、例えばプラスチックフィルム等にて形成される。この実施の形態では、封止テープ70として、例えば、ポリエチレンとナイロンとのラミネートフィルム(フィルム厚30μm程度)の片面に感熱接着層を形成したものを使用している。ちなみに、この現像装置においては、その小型扁平化されたハウジング10(特に下部ハウジング20)の側面部が、現像ロール13、オーガー15、16、パドルホイール17等の回転体の駆動ギア13e,25やその軸受孔26(図4〜5や図10参照)を密集させた状態で配設しなければならない関係で、余分なスペースがなく、例えば封止テープ70の引き出し口を設けるためのスペースなども確保できない状態にある。
【0032】
そこで、この実施の形態では、封止テープ70について、その仕切り枠プレート18の枠部18aに貼付した貼付部分70dの両端部の双方から貼付していない自由端部70a,70bを伸ばした(残した)状態で貼付し、その自由端部70a,70bを後述するようにハウジング開口部11から引き出した状態にしている。このような引き出し状態を採用するため、その封止テープの自由端部70a,70bは、少なくともハウジング開口部11から引き出すことができ、しかもその取り除き時に手で容易に掴むことができる十分な長さに設定している。また、このように2つの自由端部70a,70bを引き出しておく封止テープ70は、その下側貼付部分70dのほぼ中央部に1つの切り込み70cを形成している。この切り込み70cは、仕切り枠板18の下辺側枠部18a(L)に実際に貼付される封止テープ70の貼付部分(のりしろ部分)の高さ寸法よりも短い切り込み深さ(長さ)としている。その切り込み深さは、例えば1〜2mm程度である。
【0033】
このような現像装置は、以下のようにして組み立てられる。
【0034】
まず、下部ハウジング20の現像ロール13の両端部が装着される部位に前記シール部材19を取り付けた後、その下部ハウジング20に対して現像ロール13、パドルホイール17、2本のオーガー15、16、層規制ロール14を下部ハウジング20に形成された所定の各軸受孔等に差し入れることによりそれぞれ装着する。
【0035】
続いて、下部ハウジング20の取付け溝24に対し、図8や図9に示すように、予め封止テープ70が貼付された仕切り枠プレート18を差し込んで取り付ける。この際、仕切り枠プレート18は、その下辺側縁部18b(L)を下方にした状態で取付け溝24に差し込む。これにより、その下辺側縁部18b(L)は、その全体が取付け溝24の中に完全に収容された状態となり、また、仕切り枠プレート18の突出部18cは、その突出部用溝部24aに収容される。
【0036】
ちなみに、この仕切り枠プレート18を、その下辺側縁部18b(L)を上方にした逆さまの状態で取付け溝24に差し込んで取り付けようとした場合には、その突出部18cが突出部用溝部24aで引っかかった状態となり、その突出部用溝部24aよりも下の取付け溝24部分に差し込めなくなる。これにより、仕切り枠プレート18の誤った差し込みが行われることが防止されるため、仕切り枠プレート18は正しい状態で取り付けられるようになる。そして、このように仕切り枠プレート18が正しい状態で取り付けられることにより、封止テープ70を仕切り枠プレート18の所望の側(この例ではハウジング開口部11側)に正しく位置させることが可能となる。
【0037】
仕切り枠プレート18を下部ハウジング20に取り付けた後は、図5や図10〜12に示すように、そのプレート18に貼付されている封止テープ70の2つの自由端部70a,70bを、層規制ロール14とパドルホイール17との間を通過させてから現像ロール13の上を通し、最後にハウジング開口部11から引き出した状態にする。また、この実施の形態では、そのハウジング開口部11から引き出す2つの自由端部70a,70bを現像ロール13において交差させた状態で引き出している。さらに、その交差させた2つの自由端部70a,70bは、最終的には、ハウジング10(下部ハウジング20)の下外面部から背面外面部にかけて巻き付けた状態で引き出している。
【0038】
次いで、このように現像ロール13等が装着された下部ハウジング20に対し、上部ハウジング20を取り付ける。この上部ハウジング20の取り付けは、初めに、その接合面部における係止孔36a,36b,36c,36d,36eに下部ハウジング20の接合面部における係止突片26a、26b,26c,26d,26eを差し入れた状態にしてから、その上部ハウジング30のハウジング開口11側となる部位側を下部ハウジング20と接合させるように押し付ける。これにより、上部ハウジング30のスナップフィット用係止片37がスナップフィット用係止部27に引っ掛けられ、もって下部ハウジング20と上部ハウジング30の接合状態が固定される。
【0039】
続いて、この下部ハウジング20と上部ハウジング30とを接合したハウジング10の左右両端部に対して、第1及び第2のサイドブラケット40、50を嵌め込んで装着する(図2や図11)。この第1及び第2のサイドブラケット40、50の装着により、下部ハウジング20と上部ハウジング30との接合状態が補強される。
【0040】
以上の工程を経て現像装置が組み立てられる(図2、図11)。その後、この組み立てられた現像装置は、そのハウジング10の空間12(特に現像剤収容凹部21)内に二成分現像剤2が補給用現像剤の受容れ部33から所定量だけ入れられる。これにより現像装置が最終的に完成することとなる。
【0041】
そして、このように組み立てられた現像装置は、その使用に際し、封止テープ70を仕切り用枠プレート18から剥離して取り除してから使用する。
【0042】
この封止テープ18の取り除きは、図12〜14に示すように、ハウジング開口部11から引き出されている2つの自由端部70a,70bを手で掴んで開口部11の外側下向きに引っ張る。このときの引っ張る方向については、ハウジング開口部11側の前方側への引き出しが可能な場合は、図13に例示するようにハウジング開口部11の前方側に引っ張ることができる。一方、そのハウジング開口部11側の前方側への引き出しが不可能な場合には、図12に例示するようにハウジング10の後方側(ハウジング開口部11とは反対側であって、図中の2点鎖線70aで示すような状態)に引っ張るようにする。また、この引っ張り作業は、2つの自由端部70a,70bの双方を同時に引っ張るように行ってもよいが、通常は片方ずつ引っ張るように行う。
【0043】
このような引き出しにより、封止テープ18は、仕切り用枠プレート18に貼付されている貼付部分70dの両端部側から次第に中央部にむけて剥離される。この際、仕切り枠プレート18の下辺側枠部18a(L)が差し込まれる溝部分24bが現像ロール13側に傾いて溝幅が上方にむけ次第に増す傾斜面をなすように形成されているため、その仕切り枠プレートの下辺側枠部18a(L)側に貼付されている封止テープ70部分が取付け溝24に引っ掛かることなくスムーズに仕切り枠プレート18から剥離される。
【0044】
さらに、この際、封止テープ70は、ハウジング開口部11に接触させることなく、現像ロール13の上面側に接触した状態で引き出されるようになる。これにより、封止テープ70の引き出し時に接触してハウジング開口部11が変形するおそれがなくなる。また、封止テープ70の貼付部分70d等に二成分現像剤2が付着していても、現像ロール13に触れて通過するときに、そのマグネットロール13bの磁力により現像ロール13の表面(スリーブ13a)に転移吸着され除去される。
【0045】
また、その2つのテープ自由端部70a,70bの引っ張りによる張力のいずれか一方が切り込み部70cに到達する段階になると、テープ70(の貼付部分70d)が切り込み部70dをきっかけにして裂かれて2分される。これにより、その2分された封止テープ70の貼付部分は、2つのテープ自由端部70a,70bにそれぞれ分かれた状態でそれぞれ剥離される。この結果、2分された封止テープ70の貼付部分は、その一部が剥離されず仕切り枠プレート18側に残ってしまう、いわゆる剥離残りが発生することなく、仕切り用枠プレート18から確実に取り除かれる。
【0046】
この封止テープ70の剥離除去により、仕切り枠プレート18の開口部18bが開口した状態となるため、ハウジング10の現像剤収容凹部21側に収容されている現像剤2が仕切り枠プレート18の開口部18bを通過してパドルホーイ17や現像ロール13側に移動するようになる。
【0047】
この際、仕切り枠プレート18の下辺側枠部18a(L)が下部ハウジング20側の取付け溝24にほぼ収容したような状態で取り付けられ、その下辺側枠部18a(L)の上端18d(換言すれば、開口部18bの下辺部)と下部ハウジング20の現像剤供給下段部22の表面がほぼ同じ高さになっている。これにより、ハウジング10の現像剤収容凹部21とパドルホーイ17や現像ロール13が配置されている現像剤供給下段部22との間の現像剤2の移動が仕切り枠プレート18によってほとんど阻害されることになく、スムーズに行われるようになる。また、仕切り枠プレート18は非磁性であるため、現像剤の現像ロール13への付着状態などに悪影響を及ぼすようなおそれもない。
【0048】
ちなみに、この現像装置は、概略、以下のように動作する。
【0049】
初めに、図3に示すように、現像ロール13、パドルホイール17及びオーガー15、16が矢印方向にそれぞれ回転し始める。これにより、ハウジング10の現像剤収容凹部21に収容されている二成分現像剤2が回転するオーガー15、16によって攪拌されながら現像剤収容凹部21内を循環搬送される。この際、二成分現像剤2におけるトナーがキャリアと十分に攪拌されて摩擦帯電される。また、オーガー16によって攪拌されながら搬送される二成分現像剤2の一部は、パドルホイール17側に搬送供給される。
【0050】
続いて、そのパドルホイール17側に搬送された二成分現像剤2は、パドルホイール17の羽根部の搬送力により現像ロール13側に搬送供給される。このようにして現像ロール13に供給された二成分現像剤2は、現像ロール13のマグネットロール13bからの磁力により矢印方向に回転するスリープ13aの表面に穂立ち状の磁気ブラシを形成するように担持された後、そのスリーブ13aの回転に伴って搬送される途中で層厚規ロール14を通過する際にほぼ一定の層厚にされてから感光ドラム100と対向する現像領域Eに搬送される。
【0051】
そして、この現像ロール13によって現像領域Eに搬送された二成分現像剤2は、その磁気ブラシの先端部を感光ドラム100の表面に接触させた状態で通過するが、その通過時に、現像ロール13に印加される現像バイアス電圧により現像ロール13と感光ドラム100の間に形成される現像電界により、そのトナーのみが感光ドラム100上の静電潜像に静電的に付着する。これにより、この現像装置による静電潜像の現像が実行される。
【0052】
また、この現像装置は、その再利用のための再組立て時においては、封止テープ70が予め貼付された仕切り用枠プレート18を下部ハウジング20等の取付け溝24等に差し込むことにより、封止テープ70の装着作業を容易に行うことができる。もちろん、使用済みの仕切り用枠プレート18に新しい封止テープ70を貼付して再使用することも可能である。この場合であっても、封止テープ70の貼付作業は、ハウジング10から取り外した状態の仕切り用枠プレート18に対して直接行うことになるため、従来のようにハウジング10に形成されている仕切り枠部に貼付する場合のような困難性はなく、容易に行うことが可能である。
【0053】
なお、この実施の形態1においては、仕切り枠プレート18に貼付した封止テープ70の引出し用自由端部70a,70bを現像ロール13付近において交差させた状態で引き出しているが、その自由端部70a,70bを交差させずに別々に引き出しておいても勿論かまわない。
【0054】
また、封止テープ70は、2つの自由端部を引き出すことなく、1つの自由端部をハウジング開口部11から引き出しておいてもよい。この場合には、封止テープ70は、その剥離作業等を容易かつ確実に行えるようにする観点から、仕切り枠プレート18に折り返した状態で貼付しておくとよい。
【0055】
さらに、封止テープ70の1つ(又は2つ)の自由端部70a(70b)ハウジング開口部11からの引き出しは、現像ロール13の下面側を通過させて引き出しておいてもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の現像装置は、前記したような構成を採用することにより、現像装置が小型化されることがあっても、その使用直前において封止テープを容易に剥離して取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の現像装置の要部を概念的に示すもので、(a)はその全体の構成を示す概略断面図、(b)はその装置に使用する封止テープの取り付け状態を示す概略正面図。
【図2】 実施の形態1に係る現像装置を示す斜視図。
【図3】 図2のQ−Q線に沿う断面図。
【図4】 図2の現像像置の分解斜視図。
【図5】 図2の現像像置の要部分解断面図。
【図6】 封止テープと仕切り枠プレートとを示すもので、(a)はその正面図、(b)はその上面図、(c)はその背面図。
【図7】 仕切り枠プレートとその取付け溝との構成を示す要部説明図。
【図8】 封止テープを貼付した仕切り枠プレートとその取付け溝との他の構成を示す要部断面図。
【図9】 封止テープを貼付した仕切り枠プレートの下部ハウジングの取付け溝に差し込んで取付けた状態を示すもので、(a)はその現像剤収容凹部側から見たときの要部正面図、(b)は(a)のJ−J線に沿う断面図。
【図10】 組み立て途中の下部ハウジングの状態(封止テープの引き出した状態)を示す上面図。
【図11】 組み立て後で、封止テープが引き出された状態の現像装置を示すもので、(a)はそのハウジング開口部側からみた状態を示す正面図、(b)はその上面図。
【図12】 図11(b)のP−P線に沿う要部断面図。
【図13】 封止テープ引き出し時の現像装置の状態を示す概略断面図。
【図14】 封止テープの引き出し時の状態を示す説明図。
【図15】 従来の現像装置における封止テープに関する構成を概念的に示すもので、(a)はその側方断面図、(b)はその要部上面説明図。
【符号の説明】
1a,11…開口部、1b、12…現像剤収容部、1,10…ハウジング、2…現像剤、3…現像剤担持体、13…現像ロール(現像剤担持体)、4,70…封止テープ、4a,70a,70b…自由端部、4c,70c…切り込み、5…仕切り枠板、18…仕切り枠プレート。
Claims (5)
- 静電潜像が形成される像担持体と対向する開口部と現像剤が収容される現像剤収容部とが形成されたハウジングと、
前記ハウジングの内部に前記開口部から一部が露出する状態で回転可能に取り付けられ、前記現像剤収容部に収容される現像剤を担持して前記像担持体と対向する現像領域まで搬送する現像剤担持体と、
前記ハウジングの前記現像剤担持体と前記現像剤収容部の間となる部位に貼付され、使用に際して剥離して取り除かれる封止テープとを有する現像装置において、
前記封止テープの貼付部分の両端部からそれぞれ延長させた貼付していない2つの自由端部を前記ハウジングの前記開口部から前記ハウジングの外側に共に引き出しておき、その引き出された自由端部を引っ張ることにより当該封止テープを剥離して取り除くことを特徴とする現像装置。 - 前記封止テープの2つの自由端部を、その封止テープが前記現像剤担持体に接触しながら引き出されるように、前記ハウジングの開口部からそのハウジングの外面部に巻きつけるような状態で引き出しておく請求項1に記載の現像装置。
- 前記封止テープの貼付部分に切り込みを形成しておく請求項1に記載の現像装置。
- 前記封止テープの2つの自由端部を、前記ハウジングの開口部から交差させた状態で引き出しておく請求項1に記載の現像装置。
- 前記封止テープを、前記ハウジングの前記現像剤担持体と前記現像剤収容部の間となる部位に対して取り外し可能に装着する仕切り枠板に貼付しておく請求項1に記載の現像装置。
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