JPH032604Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は構造物を構築する際の仮設足場に関す
る。

〈従来の技術〉 従来、工場や倉庫等の構造物の屋根構築におけ
る仮設足場として、構造物の両側に立設された側
柱枠上部間に亘つて作業用の足場床を架設する方
法が採用されていた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記構成の仮設足場によれば、両側柱枠間距離
が長い場合、仮設足場の中途部が自重或いは載置
された資材によつて下方向に撓む欠点があつた。

そこで、本考案は上記問題点に鑑み、両端部で
支持された仮設足場の中途部での撓みを防止する
ことを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 その技術的手段は、足場支持体２間に亘つて架
設された複数の足場ビーム体５が互いに離隔して
並設され、各足場ビーム体５上側間に亘つて足場
床２６が設けられた仮設足場であつて、前記足場
ビーム体５の長手方向中途部下側に、下端部が足
場ビーム体５の両端部よりも下方に位置するよう
に下向き突出状に支持ビーム体７が連結され、足
場ビーム体５の一端部から支持ビーム体７の下端
部を通つて足場ビーム体５の他端部に亘り撓み防
止ワイヤ２０が張設されてなる点にある。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、第１図乃至第４図において、１は構造物、
例えば、工場や倉庫等の屋根、２は足場支持体と
しての構造物両側の側柱枠である。３は両側柱枠
２間に亘つて架設された仮設足場であり、該仮設
足場３は互いに離隔して並設された複数（本実施
例では１対）の足場枠組４を備え、各足場枠組４
は、両側柱枠２間に亘る長さを有する下足場ビー
ム体５と、該下足場ビーム体５の両端部下側に、
夫々下向き突出状に連結された支柱ビーム体６
と、下足場ビーム体５の長手方向中途部下側に、
下端部が下足場ビーム体５の両端部よりも下方に
位置するように下向き突出状に連結された支持ビ
ーム体７と、下足場ビーム体５の上側に重合状に
載置された左右１対の回動足場ビーム体８とを備
え、下足場ビーム体５は第４図にも示される如
く、正方形の各頂点位置に配置された円筒パイプ
材９と、各パイプ材９を連結する連結材１０と、
各パイプ材９の両端に設けられた円形の接合フラ
ンジ（図示省略）とから枠組構成されている。前
記連結材１０はパイプ材やチヤンネル材等よりな
り、互いに隣接するパイプ材９間に亘つてトラス
構造状に設けられている。そしてビーム体５の内
部は中空状に構成されている。また支柱ビーム体
６や支持ビーム体７及び回動足場ビーム体８も、
下足場ビーム体５と同様に同大の正方形の各頂点
位置に配置された円筒パイプ材９、連結材１０及
び接合フランジとから枠組構成されている。そし
て各ビーム体５，６，７，８は所望の長さを有す
る枠組構成、或いは相互の接合フランジを互いに
接合して所望の長さに連結した枠組構成とされて
いる。

前記各回動足場ビーム体８は第１図に示される
如く、夫々、下足場ビーム体５両側の枢結部１１
で回動自在に枢支連結され、中央の両回動足場ビ
ーム体８の対向部には、押上げリンク機構１２が
連結されている。該押上げリンク機構１２は、下
足場ビーム体５の中央に設けられた支持ハウジン
グ１３に上下方向相対移動自在に支持された押上
げ杆１４と、該押上げ杆１４の上端部に揺動自在
に枢支された左右１対の揺動杆１５とを備え、各
揺動杆１５の上端部は、両回動足場ビーム体８に
枢支連結されている。また前記押上げ杆１４は支
持ビーム体７内を上下方向に相対移動するよう構
成されている。前記支持ハウジング１３には１対
のワイヤガイド１６が設けられ、該ワイヤガイド
１６の一方にワイヤ１７の一端が固着され、ワイ
ヤ１７の他端側は押上げ杆１４下端のワイヤガイ
ド１８を通つて、他方の前記ワイヤガイド１６に
至り、さらに下足場ビーム体５の端部に装置され
た操作ウインチ１９に連結されている。そして操
作ウインチ１９の巻上げ、巻戻しにより、押上げ
杆１４が上下動自在とされ、該押上げ杆１４の上
下動によつて、各回動足場ビーム体８が枢結部１
１回りに回動操作され、屋根１の傾斜と対応した
傾斜が得られるよう構成されている。尚、ワイヤ
１７は下足場ビーム体５内及び支持ビーム体７内
を移動するよう構成されている。

２０は撓み防止ワイヤで、１対備えてなり、各
一端部は下足場ビーム体５の一端部両側に連結さ
れ、他端側は、支持ビーム体７下端部両側の各ワ
イヤガイド２１を通つて、下足場ビーム体５の他
端部両側に連結されている。そして両撓み防止ワ
イヤ２０は所謂、下足場ビーム体５及び支持ビー
ム体７のパイプ材９に沿つた下方に配置され、タ
ーンバツクル２２やウインチ等により、適宜張力
を与えた状態で張設されている。

前記各支柱ビーム体６の下端には車輪が軸架さ
れ、側柱枠２上部に架設されたクレーン等の移動
用レール２３上に車輪が移動自在に載置されてい
る。

以上の如く構成された足場枠組４の並設された
各回動足場ビーム体８間に亘つて支持パイプ２４
が適宜架設され、該支持パイプ２４上に安全ネツ
ト２５が設けられ、該安全ネツト２５上に足場板
２６が設けられ、ここに足場床が構成される。ま
た、両側の回動足場ビーム体８間には伸縮自在な
ジヤバラ式の安全ネツト２７が装着されている。

本考案の実施例は以上のように構成されてお
り、各下足場ビーム体５に仮設足場３の自重や資
材の重量によつて、下向きの荷重が作用しても、
各下足場ビーム体５の中途部が支持ビーム体７を
介して撓み防止ワイヤ２０で支持されているた
め、下足場ビーム体５中途部での下方向の撓みが
有効に防止できる。

尚、上記実施例において、下足場ビーム体５上
に回動足場ビーム体８を備え、各回動足場ビーム
体８上に足場床を構成したものを示しているが、
下足場ビーム体５上に直接足場床を構成したもの
であつてもよい。

〈考案の効果〉 本考案によれば、仮設足場３の足場ビーム体５
の長手方向中途部下側に下向き突出状に連結され
た支持ビーム体２の下端部が足場ビーム体５の両
端部よりも下方に位置すると共に、足場ビーム体
５の一端部から支持ビーム体７の下端部を通つて
足場ビーム体５の他端部に亘り撓み防止ワイヤ２
０が張設されていて、ワイヤ２０の張力によつて
支持ビーム体７に上向きの力が付与されるので、
足場ビーム体５に、仮設足場３の自重や資材の重
量によつて、下向きの荷重が作用しても、足場ビ
ーム体５中途部での下方向の撓みが有効に防止で
き、また、足場支持体２間の距離の長短又は仮設
足場３の自重或いは資材の重量の違いによつて、
支持ビーム体７の長さを変更することで、支持ビ
ーム体７に作用する上向きの力を調整することが
できるという利点を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す正面図、第２図
は同要部拡大図、第３図は第２図−線矢視
図、第４図は第２図−線矢視図である。 ２……側柱枠、３……仮設足場、５……下足場
ビーム体、６……支柱ビーム体、７……支持ビー
ム体、８……回動足場ビーム体、２０……撓み防
止ワイヤ、２５……安全ネツト、２６……足場
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 足場支持体２間に亘つて架設された複数の足場
   ビーム体５が互いに離隔して並設され、各足場ビ
   ーム体５上側間に亘つて足場床２６が設けられた
   仮設足場であつて、前記足場ビーム体５の長手方
   向中途部下側に、下端部が足場ビーム体５の両端
   部よりも下方に位置するように下向き突出状に支
   持ビーム体７が連結され、足場ビーム体５の一端
   部から支持ビーム体７の下端部を通つて足場ビー
   ム体５の他端部に亘り撓み防止ワイヤ２０が張設
   されてなることを特徴とする仮設足場。